パーキンソン病の寿命は短くない?平均余命とQOLを高める5つの方法

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パーキンソン病の寿命は短くない?平均余命とQOLを高める5つの方法

パーキンソン病と診断されたとき、多くの人がまず抱く不安の一つに「寿命」があるのではないでしょうか。

「あと何年生きられるのだろうか?」 「進行したらどうなってしまうのだろう?」

そのような不安を抱えるあなたに、まずお伝えしたいことがあります。それは、現代の医療技術と適切な介護により、パーキンソン病と診断されても、健康な人と変わらない寿命を期待できるということです。

この記事では、その根拠を解説するとともに、単に寿命の長さだけでなく、これから先の人生の「質(QOL)」を高く保ち、あなたらしく生きるための具体的な方法を、専門的な観点から分かりやすくご紹介します。
病気と向き合い、自分らしく生きていくためのヒントとしてお役立てください。

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【結論】パーキンソン病でも平均余命は健常者と大差ない

かつてはパーキンソン病の治療法が限られていましたが、現代では薬物療法やリハビリテーションが大きく進歩しました。国内外の多くの研究で、適切な治療を継続している方の平均余命は、パーキンソン病でない方とほとんど変わらないことが示されています。

ただし、寿命の長さに差はなくても、病気と付き合いながら人生の質(QOL)を維持するためには、いくつかの重要なポイントがあります。まずは、病気がどのように進行していくのかを知ることから始めましょう。

まず知っておきたいパーキンソン病の進行度(ステージ)

パーキンソン病の進行度を示す指標として、世界的に「ホーエン・ヤール重症度分類」が用いられています。これは病気の進行を5つのステージに分類したもので、現在の状態を客観的に把握し、適切な治療やケアを計画する上で役立ちます。

ご自身の病状がどのステージにあるかを理解することは、今後の生活を見通し、適切な対策を講じるための第一歩となります。

寿命に影響するのは「合併症」|ステージの進行と共に注意したい「合併症」のリスク

パーキンソン病そのものではなく、病気の進行に伴って起こりやすくなる以下のような合併症が、結果的に寿命に影響を与えるケースがあります。

誤嚥(ごえん)性肺炎

パーキンソン病が進行すると、飲み込む力(嚥下機能)が低下し、食べ物や唾液が誤って気管に入ってしまう「誤嚥」が起こりやすくなります。これが原因で肺に細菌が入り、肺炎を引き起こします。高齢者の肺炎は重篤化しやすく、最も注意すべき合併症です。

転倒による骨折

体のバランスが取りにくくなる「姿勢反射障害」により、転倒のリスクが高まります。特に高齢者の場合、転倒による大腿骨骨折などは寝たきりの原因となり、全身の機能低下や他の病気を引き起こす可能性があります。

しかし、これらの合併症は「適切な対策」によってリスクを大幅に減らすことが可能です。次の章で、その具体的な方法を見ていきましょう。

QOLを高く保ち、合併症を防ぐための5つの具体的対策

パーキンソン病と診断されても、悲観する必要はありません。以下の5つの対策を意識することで、合併症を予防し、自分らしい生活を長く続けることができます。

1. 医師と連携した適切な薬物療法

パーキンソン病の治療の基本は薬物療法です。医師の処方に従って、決められた時間に決められた量を正しく服用することが非常に重要です。自己判断で薬を中断したり減らしたりすると、症状が悪化する可能性があります。体調の変化や薬の副作用など、気になることは必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

2. 専門的なリハビリテーションの継続

リハビリは、今ある身体機能を維持・向上させるために不可欠です。

  • 理学療法: 筋力トレーニングやバランス訓練で、転倒しにくい体を作ります。
  • 作業療法: 食事や着替えなど、日常生活の動作をスムーズに行うための訓練をします。
  • 言語聴覚療法: 話す訓練だけでなく、安全に食事をするための嚥下訓練も行います。

3. 誤嚥を防ぐ食事の工夫と口腔ケア

誤嚥性肺炎を防ぐため、食事の内容や環境を見直しましょう。

  • 食事形態の工夫: 食べやすいように、とろみをつけたり、刻んだりする。
  • 正しい姿勢で食事: 少し前かがみの姿勢で、よく噛んでゆっくり食べる。
  • 口腔ケアの徹底: 食後は必ず歯磨きやうがいをし、口の中を清潔に保つ。

4. 転倒しない安全な住環境の整備

自宅の中の危険を取り除き、安全に過ごせる環境を整えましょう。

  • 手すりの設置: 廊下、トイレ、浴室など、移動する場所に設置する。
  • 段差の解消: 小さな段差もつまずきの原因になります。スロープなどで解消する。
  • 整理整頓: 床に物を置かず、動線を確保する。

5. 社会とのつながりと精神的なケア

不安や孤立感は、病気の進行に影響を与えることもあります。家族や友人との交流、デイサービスの利用、趣味の活動などを通じて、社会とのつながりを持ち続けることが大切です。前向きな気持ちを保つことが、治療やリハビリを続ける力になります。

一人で抱え込まない!利用できる公的制度とサポート

パーキンソン病の治療や介護には、経済的な負担やご家族の負担が伴います。一人で、あるいは家族だけで抱え込まず、国や自治体が用意している制度を積極的に活用しましょう。

特定医療費(指定難病)助成制度

パーキンソン病の重症度分類(ホーエン・ヤール重症度分類 ※)など一定の要件を満たす場合、医療費の自己負担額が軽減されます。 ※病気の進行度を5段階で示す、世界的に用いられている指標です。

介護保険サービス

65歳以上の方、または40歳以上65歳未満で特定疾病に該当する方は、ホームヘルパーやデイサービス、福祉用具のレンタルなどの介護サービスを1〜3割の自己負担で利用できます。

身体障害者手帳

症状の程度に応じて手帳を取得でき、税金の控除や公共料金の割引など、様々な支援を受けられます。

これらの制度の申請については、お住まいの市区町村の窓口、地域包括支援センター、かかりつけ医、または病院の医療ソーシャルワーカーにご相談ください。

将来への備え|在宅介護が難しくなったときの選択肢

ご自宅で過ごす時間は何物にも代えがたいものですが、病状が進行すると、専門的なケアや24時間体制での見守りが必要になる場面が出てきます。ご家族の介護負担が増え、共倒れになってしまうケースも少なくありません。
そのような場合に備え、パーキンソン病への深い知識とケア体制を持つ有料老人ホームという選択肢があることを知っておくことが、ご本人とご家族双方の安心に繋がります。

施設を選ぶ際は、以下のようなポイントを確認することが重要です。

  • 夜間の転倒や緊急時の対応はどうなっているか
  • 理学療法士などのリハビリ専門職が在籍しているか
  • 食事形態に個別に対応してくれるか
  • パーキンソン病患者の受け入れ体制があるか

まとめ

本記事では、パーキンソン病と寿命の関係について解説しました。

  • パーキンソン病そのもので寿命が短くなることはない。
  • 寿命に影響するのは「誤嚥性肺炎」や「転倒」などの合併症。
  • 適切な治療、リハビリ、生活習慣の見直しで、合併症は予防できる。
  • 公的な制度や専門施設など、頼れるサポートがたくさんある。

パーキンソン病と診断されても、人生が終わるわけではありません。正しい知識を身につけ、適切な対策を行うことで、これからもあなたらしい豊かな人生を歩んでいくことは十分に可能です。この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、未来への希望を持つきっかけになれば幸いです。

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監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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