介護保険サービスとは?サービスの種類・料金・利用の流れを解説
お役立ちコラム


2000年から施行されている介護保険制度ですが、3年ごとに改定されて介護保険料が増加しています。
介護が必要な方を社会全体で支えていくために必要な保険料として、40歳以上の全国民に対して支払いが義務付けられていますが、どのような介護サービスが受けられるのでしょうか?
本記事では介護保険サービスの概要や種類、介護サービス利用料金や自己負担軽減制度、利用手順について詳しく解説しています。
ご自身やご両親の介護でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
介護保険サービスとは?
介護保険サービスとは、65歳以上で要介護・要支援の認定を受けた方が利用できる介護サービスです。
ただし、厚生労働省が定めた16種の特定疾病に該当する場合は40歳からでも利用できるケースがあります。
サービス内容は、介護・支援が必要な方の状況に合わせて、最適な介護サービスとなるように作成された「ケアプラン」をもとにして決定されます。
関連記事:介護保険サービスは何歳から?利用の流れや入居のタイミングを解説
介護保険サービスの種類
介護保険サービスにはさまざまな種類がありますが、以下の6種類に大別できます。
- 介護サービスの利用にかかる相談、ケアプランの作成
- 自宅で受けられる家事援助等のサービス
- 施設などに出かけて日帰りで行うサービス
- 施設などで生活(宿泊)しながら、長期間又は短期間受けられるサービス
- 訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス
- 福祉用具の利用にかかるサービス
ここからは、具体的なサービス内容の解説をしていきます。
介護に関する相談とケアプランの作成
居宅介護支援
サービス利用者の自立を目的として、介護内容を決定するために「ケアプラン」を作成します。
「ケアプラン」作成後は、適切なサービスの実施のために事業者や関係機関との連絡や調整を行いサービスの利用が開始されます。
自宅に訪問
訪問介護(ホームヘルプ)
サービス利用者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問し、介護や生活の援助を行います。
訪問入浴
サービス利用者の自宅に看護職員や介護職員が訪問し、身体の清潔の保持、心身機能の維持回復を目的として入浴の介護を行います。
訪問看護
サービス利用者の自宅に看護師などが訪問し、心身機能の維持回復などを目的とした療養上の世話や診療の補助を行います。
訪問リハビリ
サービス利用者の自宅に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訪問し、日常生活の自立に向けてリハビリテーションを行います。
夜間対応型訪問介護
サービス利用者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問し、排泄の介助や安否確認、救急車の手配などを行います。
また、夜間帯(18〜8時)を含む24時間のサポート体制が整っているため、安心してサービス利用者が生活を送れます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
サービス利用者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)や看護師が定期的、もしくは随時訪問し、24時間体制で必要なサポートの提供を行います。
施設に通う
通所介護(デイサービス)
サービス利用者がデイサービスセンターなどに通い、孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的とした介護を行います。
通所リハビリ
サービス利用者が老人保健施設、病院、診療所などのリハビリテーション施設に通い、日常生活の自立に向けてリハビリテーションを行います。
地域密着型通所介護
サービス利用者が地域密着型通所介護の施設に通い、食事や入浴などの生活支援や生活機能向上のための機能訓練などを日帰りで実施します。
療養通所介護
サービス利用者が療養通所介護の施設に通い、生活支援や口腔機能向上サービスなどを日帰りで実施します。
原則として常に看護師による観察を必要とする難病、認知症、脳血管疾患後遺症等を患っている場合、もしくはがん末期患者の方のみが受けられる介護サービスです。
認知症対応型通所介護
認知症のサービス利用者がデイサービスセンターやグループホームなどに通い、自立を目的として、食事や入浴などの生活支援や、生活機能向上のための機能訓練などを日帰りで実施します。
訪問・通い・宿泊を組み合わせる
小規模多機能型居宅介護
サービス利用者が自立した生活を送れるように、施設への「通い」と短期間の「宿泊」、自宅への「訪問」の3つの介護方法を組み合わせて介護を実施します。
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
「小規模多機能型居宅介護」と同様にサービス利用者が自立した生活を送れるように、施設への「通い」と短期間の「宿泊」、自宅への「訪問」の3つの介護方法を組み合わせて介護を実施します。
ただし、ケアプラン作成時に「介護」が必要とされた方のみ利用可能で、介護よりも軽い状態である「支援」が必要とされる方の利用はできません。
短期間の宿泊
短期入所生活介護(ショートステイ)
サービス利用者が特別養護老人ホームなどの介護老人福祉施設に最大で30日間滞在し、介護を実施します。
短期入所療養介護
サービス利用者が医療機関や介護老人保健施設、介護医療院に最大で30日間滞在し、介護を実施します。
施設等で生活
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
常に介護を必要とする状態のサービス利用者が、在宅復帰できることを目的として、介護老人福祉施設で生活しながら介護や生活支援を受けます。
介護老人保健施設(老健)
サービス利用者が自立した生活を送れるように、介護老人保健施設で生活しながらリハビリテーションや必要な医療、介護などを実施します。
介護療養型医療施設
サービス利用者が長期にわたって療養が必要と判断された場合、介護療養型医療施設で生活しながら、機能訓練や必要な医療、介護などを実施します。
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)
サービス利用者が自立した生活を送れるように、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどで生活しながら、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練を実施します。
介護医療院
サービス利用者が長期にわたって療養が必要と判断された場合、介護医療院で生活しながら、療養上の管理や看護、介護やその他必要な医療などを実施し、自立を支援します。
地域密着型サービス
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症のサービス利用者が、介護スタッフとともに共同生活を行いながら、自立を目的として食事や入浴などの生活支援、生活機能向上のための機能訓練などを実施します。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
サービス利用者が自立した日常生活を送れるように、地域密着型介護老人福祉施設に入所し、生活の支援や機能訓練、療養上の世話を実施します。
地域密着型特定施設入居者生活介護
サービス利用者の自立を目的として、有料老人ホームや軽費老人ホームに入所し、生活の支援や機能訓練、療養上の世話を実施します。
福祉用具を使う
福祉用具貸与
サービス利用者の家族介護の負担軽減などを目的として、指定を受けた事業者が福祉用具を選ぶための援助・取り付け・調整などを行い、福祉用具を貸与します。
特定福祉用具販売
サービス利用者の家族介護の負担軽減などを目的として、福祉用具販売の指定を受けた事業者が入浴や排泄に使用する、貸与不可となるような福祉用具を販売します。
介護保険サービスの利用にかかる料金
介護保険サービスの利用にかかる料金は、原則として介護サービス費用の1割です。
ただし、一定以上の所得がある場合は2割〜3割となる場合があります。
また、自宅で生活する人を対象とした介護サービスの利用料金には、要介護度別に以下の限度額が設定されています。
介護度 |
1ヶ月の限度額 |
要支援1 |
50,320円 |
要支援2 |
105,310円 |
要介護1 |
167,650円 |
要介護2 |
197,050円 |
要介護3 |
270,480円 |
要介護4 |
309,380円 |
要介護5 |
362,170円 |
介護サービス料金が限度額の範囲内であれば1割(一定以上の所得がある場合は2割〜3割)負担ですが、範囲外となってしまった場合は全額自己負担となってしまうため、注意が必要です。
関連記事:介護保険料はいつからいつまで払う?支払い方法・免除条件を徹底解説
介護保険サービスの利用負担を軽減する制度
原則として、1割負担となる介護サービス料金ですが、長期的な介護サービスが必要となる場合などは利用者の負担が過重となってしまう可能性があります。
そこで、介護保険サービスの利用負担を軽減する措置や制度を3つご紹介します。
- 特定入所者介護サービス費支給措置
介護保険施設に入所している場合は、所得や資産に応じて居住費と食費が介護保険から支給されます。
特定入所者介護サービス費支給には、お住まいの市区町村で負担限度額認定を受ける必要がありますので、お気を付けください。
- 高額介護サービス費支給措置
1ヶ月の介護サービス負担額が高額となった場合、所得に応じて設定された上限額を超えた分が支給されます。
上限額は15,000円〜140,100円となっているため、厚生労働省の資料と照らし合わせて、ご自身がどの区分に属しているのを事前に確認しておきましょう。
参照:厚生労働省:サービスにかかる利用料
- 高額医療・高額介護合算制度
医療費と介護費の自己負担額の合計が、所得などによって設定された上限額を超過した場合、超過した分が支給されます。
介護保険サービス利用の流れ
実際に介護保険サービスを利用するには、6ステップの手順が必要となります。
以下で、順に解説していきます。
1. 要介護認定の申請
お住まいの市区町村の窓口で要介護認定の申請を行います。
申請には介護保険被保険者証が必要となるので、準備しておきましょう。
関連記事:介護保険を申請できる年齢や申請場所は?要介護認定の流れも解説
2. 認定調査・主治医意見書
調査員が申請者の心身の状態を調査します。
3. 審査判定
コンピューターと介護認定審査会による要介護度の判定が行なわれます。
4. 認定
審査判定にもとづき、要介護認定を行ないます。
要介護認定結果(要支援1・2から要介護1〜5までの7段階、もしくは非該当)は申請者に通知されます。
5. 介護(介護予防)サービス計画書の作成
介護(介護予防)サービス計画書として「ケアプラン」を作成し、ご自身に最適なサービス内容を決定します。
6. 介護サービス利用の開始
「ケアプラン」にもとづいたさまざまなサービスが利用可能となります。
以上が実際に介護保険サービスを利用するまでの手順です。
煩雑な手続きがなく、簡単にサービスを利用できます。
まずはお住いの市区町村の窓口に相談してみましょう。
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本記事では介護保険サービスの概要や種類、介護サービス利用料金や自己負担軽減制度、利用手順について解説してきました。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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