ケアハウスのメリット・デメリットと退去条件|入居前に知っておくべき注意点

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ケアハウスのメリット・デメリットと退去条件|入居前に知っておくべき注意点

「ケアハウスへの入居を考えているけれど、安さの裏にデメリットはないの?」「入居してから後悔したくない」と不安に思っていませんか?

ケアハウス(軽費老人ホーム)は、自治体の助成により低額で利用できる魅力的な施設ですが、「一般型」と「介護型」の違いを理解していないと、将来的に退去を迫られるリスクがあります。

本記事では、入居前に必ず知っておくべきケアハウスのデメリットと、失敗しない施設選びのポイントを専門家が解説します。

【ケアハウスの3大デメリット】

  • 強制退去のリスク: 「一般型」は要介護度が重くなると住み続けられない。
  • 所得による費用増: 高所得者は「サービス提供費」が高額になり、メリットが薄れる。
  • 長い待機期間: 人気施設は入居まで1年以上待つケースがあり、急ぎの入居には不向き。
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入居前に絶対確認!ケアハウスの4つのデメリット

ケアハウスへの入居で後悔するケースの多くは、以下の4つのポイントを確認不足だったことが原因です。

1.【最大のリスク】介護度が上がると退去が必要(一般型)

特に注意が必要なのが「一般型(自立型)」のケアハウスです。ここはあくまで「自立した生活ができる方」が対象です。 以下のような状態になった場合、退去勧告を受ける可能性があります。

  • 認知症の進行: 徘徊や暴力など、共同生活に支障が出始めた場合。
  • 身体機能の低下: 常時介護が必要になり、外部の訪問介護だけでは生活が維持できない場合。
  • 医療的ケアの発生: 常時医療処置が必要になった場合。

住み慣れた環境を離れ、高齢になってから新しい施設を探すのは、ご本人にもご家族にも大きな負担となります。

2. 所得に応じて「サービス提供費」が高くなる

「ケアハウス=安い」と思い込んでいると危険です。基本料金とは別に徴収される「サービス提供費」は、前年の所得に応じて段階的に高くなる仕組みだからです。

【所得別サービス提供費の目安(月額)】

対象収入(年収目安) サービス提供費(月額)
150万円以下 10,000円
200万1円〜210万円 30,000円
300万1円〜310万円 93,000円
340万1円以上 全額自己負担

年収が340万円を超える場合、民間運営の「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」と比較しても費用が変わらない、あるいは高くなる可能性があります。

3.入居待機期間が1年以上になることも

費用が安いため人気が集中しており、都市部の施設では空きが出にくい状況です。

「すぐにでも親を入居させたい」という緊急性の高いケースでは、待機期間の長さが致命的なデメリットとなります。

4. 共同生活(人間関係)のストレス

ケアハウスは全室個室でプライバシーは守られていますが、食事や入浴、レクリエーションは共同です。

入居者の平均年齢は約84歳。入居時の年齢が若い場合、周囲と話が合わず「馴染めない」と孤立感を感じるケースもあります。

【比較表】「一般型」と「介護型」の違いと選び方

デメリットを回避するためには、ご自身の状況に合わせて「一般型」か「介護型」かを正しく選ぶ必要があります。

比較項目 一般型(自立型) 介護型(特定施設)
主な対象者 60歳以上・自立〜軽度の要支援 65歳以上・要介護1以上
最大のメリット 費用が最も安い・自由度が高い 要介護度が上がっても住み続けられる
最大のデメリット 重度化すると退去リスクあり 一般型より費用が高め
介護サービス 外部サービスと個別契約 施設のスタッフが24時間提供
看取り対応 原則なし 施設により可能

【失敗しない選び方】

  • 一般型: 現在元気で、身の回りのことは自分でできる。とにかく費用を抑えたい方。
  • 介護型: すでに介護が必要、または将来の転居を避け、最期まで同じ場所で暮らしたい方。
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デメリットだけじゃない!ケアハウスの4つのメリット

ここまで注意点を挙げましたが、条件に合う方にとっては非常にメリットの大きい施設です。

メリット①比較的費用を安く抑えられる

公的な補助が入るため、初期費用や月額費用が民間の有料老人ホームに比べて安価です。特に国民年金のみで生活されている方にとっては、数少ない選択肢の一つです。

  • 一般型目安: 月額6〜12万円
  • 介護型目安: 月額6〜20万円

②完全個室でプライバシーを確保

老人ホーム特有の「相部屋」ではなく、原則として個室(21.6㎡以上=約13畳)が提供されます。

プライベートな時間を守りつつ、困ったときはスタッフに頼れる安心感があります。夫婦での入居が可能な「夫婦部屋」を持つ施設も多くあります。

③栄養バランスの取れた食事提供

1日3食、栄養士が管理した食事が提供されます。

自炊の負担から解放されるだけでなく、高齢者に多い低栄養を防ぎ、健康寿命を延ばす効果も期待できます。

④孤独感の解消とレクリエーション

季節のイベントやサークル活動が活発に行われています。

「一人暮らしで会話がない」という寂しさを解消し、他者との交流が認知症予防にもつながります。もちろん、参加は強制ではありません。

入居手続きの流れ

ここからは入居の流れを紹介します。

①資料請求

入居手続きを進めたい施設を探します。インターネット検索のほか、自治体や地域包括支援センターの窓口で情報を集められます。

入居を検討したい施設が見つかったら、公式サイトや電話で資料を請求しましょう。

②入居申し込み

入居したい施設が決まったら、利用申込書に必要事項を記入して提出します。

施設選びで悩むときは見学や体験入居をするとよいかもしれません。実際の雰囲気を確認すると候補を絞り込みやすくなります。

③訪問・面談

申し込み手続き後に、施設の職員と面談を実施します。

面談場所は、施設または申込人宅が基本です。来訪になることもあれば訪問になることもあります。面談では、入居者の心身の状況や入居の意思などを確認します。

難しい内容は聞かれないため構える必要はありません。

④必要書類の提出

必要書類を提出して入居に関する契約を締結します。提出を求められる主な書類は次の通りです。

【書類】

  • 所得証明書
  • 健康診断書
  • 住民票

ここまでの情報と必要書類をもとに入居審査が行われます(面談・必要書類の提出・審査の順番は前後することがあります)。

⑤入居

審査に通れば入居となります。ただし、必ずしも空き室があるわけではありません。空き室がない場合は待機期間が発生します。長期に及ぶこともあるため、事前に確認しておくことが重要です。

ケアハウスに関するよくある質問

Q:具体的にどのような状態で「退去」になりますか?

A: 一般型の場合、主に以下のケースで退去を求められます。

  • 介護度の重度化: 常時介護が必要になり、外部サービスを使っても生活維持が困難になった場合。
  • 長期入院: 3ヶ月以上の入院が必要になり、復帰の目処が立たない場合。
  • 共同生活の破綻: 認知症による暴力・徘徊や、費用の長期滞納があった場合。介護型(特定施設)であれば、重度になっても住み続けられる可能性が高いです。

Q:認知症でも入居できますか?

A: 軽度であれば一般型でも入居可能な場合がありますが、徘徊や他の入居者への迷惑行為が見られる場合は入居を断られる、または退去対象となります。

認知症の不安がある場合は「介護型」または「グループホーム」の検討をおすすめします。

Q:保証人は必要ですか?

A: 原則として身元引受人(連帯保証人)が必要です。身寄りがいない場合は、成年後見制度や民間の身元保証サービスの利用が必要になる施設が大半です。

Q:夫婦で同じ部屋に入居することは可能ですか?

A: 可能です。多くのケアハウスには夫婦部屋(2人部屋)が用意されています。入居条件として、夫婦のどちらかが60歳以上であれば入居可能なケースが一般的です。

夫婦で入居することで、生活費を抑えつつお互いを見守れるメリットがあります。

ケアハウスのメリット・デメリット・退去条件を理解してから選択しよう

ここでは、ケアハウスについて解説しました。費用を抑えやすいなどのメリットがある一方で、入居まで時間を要することがある、要介護度が高くなると退去を求められることがあるなどのデメリットも存在します。

介護型であれば、要介護度が高くなってからも入居を続けられます。特徴を理解して、入居の目的に合っている施設を選ぶことが大切です。入居の検討を進めたい方は、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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[1]厚生労働省「軽費老人ホームにおける生活困難者等による利用者支援のあり方に関する調査研究事業報告書」

[2]東京都福祉局「軽費老人ホームの利用料などに係る取り扱い指針について」

このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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