シニア向け分譲マンションの費用を徹底解説!特徴やサービス、有料老人ホームとの違いも

  カテゴリー:
シニア向け分譲マンションの費用を徹底解説!特徴やサービス、有料老人ホームとの違いも

「老後は景色の良い場所で、悠々自適な生活を送りたい」
「有料老人ホームもいいけれど、自分の資産として所有できる住まいはないだろうか?」
そんなアクティブなシニアライフを思い描く方々の間で、注目を集めているのが「シニア向け分譲マンション」です。このマンションは、高齢者が暮らしやすいように設計された住まいでありながら、一般のマンションと同じように購入して「所有」できるという大きな特徴があります。
しかし、その一方で費用体系は複雑で、有料老人ホームとは何が違うのか、分かりにくい点も多いのではないでしょうか。
この記事では、シニア向け分譲マンションにかかる費用の内訳から、特徴的なサービス内容、そして有料老人ホームとの決定的な違いまで、詳しく解説していきます。この記事を読めば、ご自身のライフスタイルや将来設計に合った、後悔しない住まい選びのための知識が身につきます。

シニア向け分譲マンションとは?高齢者向けに特化した住まい

法律上の定義はない、民間の高齢者向け住宅

シニア向け分譲マンションとは、その名の通り、シニア(高齢者)が安全で快適に暮らせるように様々な配慮がされた分譲マンションのことです。法律上の明確な定義はなく、一般的な分譲マンションの一形態ですが、高齢者向けのサービスや設備が充実している点が大きな特徴です。

自宅での生活と同じように自由度の高い暮らしを送りながら、レストランでの食事サービスや安否確認といったサポートを受けることができます。

シニア向け分譲マンションの基本的な特徴

シニア向け分譲マンションには、一般的なマンションにはない、高齢者の暮らしを豊かにするための特徴があります。

高齢者に配慮したバリアフリー設計

居室内や共用部分の段差をなくし、廊下や浴室に手すりを設置するなど、車椅子での移動や将来の身体機能の変化に対応できるバリアフリー設計が基本です。緊急通報装置が設置されていることも多く、万が一の時も安心です。

充実した共用施設

日々の生活に彩りを添える共用施設が充実している点も魅力です。多くのマンションには、レストランや大浴場(温泉の場合も)、フィットネスジム、シアタールーム、図書室などが備わっています。これにより、マンション内で豊かなセカンドライフを楽しめます。

アクティブな方向けの自由な生活

有料老人ホームのように決まった日課やスケジュールはなく、外出や外泊、家族や友人の宿泊なども自由です。これまでのライフスタイルを大きく変えることなく、自分らしい生活を続けたい方に適しています。

シニア向け分譲マンションの権利形態

シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの最も大きな違いが、この「権利形態」です。

シニア向け分譲マンションは、一般的な不動産と同じ「所有権」方式です。購入するとその住戸は自分の資産となり、不動産として登記されます。そのため、以下のようなことが可能です。

売却
第三者に売却することができます。
賃貸
他の人に貸し出すことができます。
相続
資産として子どもなどに相続させることができます。
リフォーム
自分の好みに合わせて室内をリフォームすることができます。

これに対し、多くの有料老人ホームは、居住する「権利」を購入する「利用権」方式であり、資産にはなりません。

シニア向け分譲マンションの入居条件

入居条件はマンションごとに異なりますが、一般的には「自立して生活ができること」が基本的な条件です。

年齢については、「50歳以上」「60歳以上」といった制限を設けている場合が多いですが、特に制限がないマンションもあります。介護が必要な状態の方の入居は難しい場合が多く、要介護度が進むと住み替えが必要になる可能性も考慮しておく必要があります。

シニア向け分譲マンションにかかる費用とその内訳

シニア向け分譲マンションの費用は、「入居時にかかる費用」と「月額費用」の2つに大別されます。不動産を購入するため、全体的に高額になる傾向があります。

入居時にかかる費用

入居時には、マンションの購入代金と、それに伴う諸費用が必要です。

購入費用

マンションの本体価格です。立地、広さ、設備のグレードなどによって大きく異なり、数千万円から1億円以上になることも珍しくありません。一般のマンションと同様に、住宅ローンを利用することも可能です。

その他初期費用(登記費用、仲介手数料など)

マンション購入時には、本体価格以外にも以下のような諸費用がかかります。

費用の種類 内容
登記費用 購入した不動産の所有権を登記するための費用(登録免許税、司法書士報酬など)。
不動産取得税 不動産を取得した際に一度だけかかる税金。
印紙税 売買契約書に貼付する印紙の代金。
仲介手数料 中古物件を不動産会社の仲介で購入した場合に支払う手数料。
修繕積立基金 大規模修繕に備えて、入居時に一括で支払う費用。

月額費用とその内訳

入居後は、毎月ランニングコストとして以下の費用がかかります。管理費やサービス費などを含めた月額費用の合計は、10万円~30万円程度が相場です。

管理費・修繕積立金

これは一般の分譲マンションと同様の費用です。

管理費
共用部分の清掃、設備の保守点検、コンシェルジュの人件費などに充てられます。
修繕積立金
十数年ごとに行われる外壁塗装などの大規模修繕工事のために積み立てる費用です。

サービス費用(生活支援サービス費)

シニア向け分譲マンション特有の費用です。安否確認や生活相談、フロントサービスといった、高齢者向けの基本的な生活支援サービスを受けるための料金で、サービス内容はマンションによって異なります。

食費

マンション内のレストランで食事をした場合の費用です。毎日利用する必要はなく、利用した分だけ支払う形式が一般的です。自炊も自由にできます。

その他生活費

各住戸で利用する水道光熱費や電話代、インターネット通信費などは自己負担となります。また、後述する介護サービスを利用した場合は、その費用も別途必要です。

シニア向け分譲マンションで受けられるサービス

シニア向け分譲マンションでは、生活をサポートするための様々なサービスが提供されていますが、介護サービスが基本料金に含まれていない点が大きな特徴です。

生活支援サービス

多くのマンションでは、月額のサービス費用の中で以下のような基本的な生活支援サービスが提供されます。

安否確認・見守りサービス

スタッフによる定期的な声かけや、室内に設置されたセンサーによる見守りなど、入居者の安全を確認するサービスです。

フロントサービス・コンシェルジュサービス

来客の取次ぎやメッセージの預かり、宅配便の発送・受取、タクシーの手配など、ホテルのようなフロントサービスを提供します。

食事の提供サービス

マンション内のレストランで、栄養バランスの取れた食事を有料で提供します。毎食利用することも、外食や自炊と組み合わせることも可能です。

生活相談・緊急時対応サービス

日常生活での困りごとについて相談に乗ってくれたり、体調が急変した際に救急車を手配してくれたりするサービスです。

介護・医療サービスとの連携

シニア向け分譲マンションでは、介護サービスは標準装備されていません。介護が必要になった場合は、自分で外部の事業者と契約し、訪問介護やデイサービス(通所介護)などを利用するのが基本です。

ただし、多くのマンションでは入居者がスムーズにサービスを利用できるよう、近隣の医療機関や介護サービス事業者と提携している場合があります。中には、建物内にクリニックや介護事業所が併設されているところもあります。

シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの違い

どちらもシニア向けの住まいですが、その性質は大きく異なります。どちらが自分に合っているか判断するために、主な違いを比較してみましょう。

  シニア向け分譲マンション 有料老人ホーム(介護付)
権利形態 所有権 (資産になる、売買・相続が可能) 利用権 (資産にならない、一代限りの利用)
初期費用 高額 (物件購入費用として数千万~1億円以上) 0円~高額 (入居一時金として幅広い)
生活の自由度 高い (外出・外泊など制限なし) 比較的低い(施設ごとのルールがある場合も)
介護サービス 含まれない (外部サービスを別途契約) 含まれる (月額費用に介護費用が包括)
主な入居対象 自立しているアクティブなシニア 自立~要介護の方まで幅広く対応

権利形態と資産性

最も大きな違いは、シニア向け分譲マンションは「購入」する不動産であり資産になるのに対し、有料老人ホームは住む「権利」を得る契約であり資産にはならない点です。

提供されるサービス内容の比較

シニア向け分譲マンションは、生活の自由度が高い分、サービスは基本的に自分で選択します。一方、介護付有料老人ホームでは、食事や入浴、排泄の介助といった介護サービスが月額費用に含まれており、24時間体制で提供されます。

介護や医療が必要になった場合の対応

要介護度が上がった場合の対応も異なります。シニア向け分譲マンションでは、介護が重度化すると外部サービスの利用だけでは対応が難しくなり、住み替えを検討する必要が出てくる可能性があります。

一方、介護付有料老人ホームは、多くの場合、看取りまで対応しており、終の棲家として住み続けることが可能です。

シニア向け分譲マンションを選ぶ際のポイント

シニア向け分譲マンションは高額な買い物であり、その後の生活を大きく左右します。購入を検討する際は、以下のポイントをしっかり確認しましょう。

自身のライフスタイルやニーズとの合致

サークル活動などが盛んで住民同士の交流が活発なマンションもあれば、プライベートを重視した静かな環境のマンションもあります。自分がどのようなセカンドライフを送りたいのかを具体的にイメージし、それに合った環境かどうかを見極めることが大切です。

費用の総額と内訳の確認

物件の購入費用だけでなく、月々の管理費やサービス費、固定資産税など、将来にわたって支払い続ける費用をすべて含めた総額で資金計画を立てましょう。特にサービス費は、どこまでのサービスが基本料金に含まれているのかを細かく確認する必要があります。

提供されるサービス内容の確認

「生活支援」と一口に言っても、その内容はマンションによって様々です。食事サービスのメニューや提供時間、提携している医療機関や介護事業者の情報、緊急時の具体的な対応フローなどを事前に詳しく確認し、納得できるものか判断しましょう。

介護施設選びは「笑がおで介護紹介センター」にご相談ください

シニア向け分譲マンションは、自由でアクティブな生活を送りたい方にとって魅力的な選択肢です。しかし、将来、常時介護が必要になった場合には、介護サービスが充実した住まいへの住み替えが必要になることも考えられます。

その際には、介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、様々な種類の介護施設が選択肢となります。

「笑がおで介護紹介センター」では、そうした介護が必要になった際の住まい選びについて、専門の相談員が無料でご相談を承っております。関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)の豊富な施設情報の中から、ご本人の心身の状態やご希望に合った施設をご提案いたします。

将来の介護に備えた情報収集としても、ぜひお気軽に「笑がおで介護紹介センター」までお問い合わせください。

監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

無料で簡単診断

老人ホーム・介護施設を探す

都道府県をクリックすることで選択したエリアの市区町村や駅・路線などから老人ホームを探すことができます。

スタッフ満足初めての老人ホームの選び方