終末期医療とは?費用や場所ごとの違い、延命治療の選択についてわかりやすく解説

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終末期医療とは?費用や場所ごとの違い、延命治療の選択についてわかりやすく解説

誰にとってもいつかは訪れる「人生の最期」。その時をどのように迎えたいか、考えたことはありますか?近年、病気の治癒だけを目的とするのではなく、人生の最終段階をその人らしく、穏やかに過ごすための「終末期医療(ターミナルケア)」の重要性が高まっています。この記事では、「終末期医療とは何か」という基本的な知識から、混同されがちな「緩和ケア」や「看取り」との違い、受けられるケアの具体的な内容、そして「病院」「介護施設」「在宅」といった場所ごとの特徴や費用について詳しく解説します。また、後悔しない選択のために事前に準備しておくべき「延命治療」の意思表示や「人生会議(ACP)」の進め方にも触れていきます。ご自身や大切なご家族の「最期の迎え方」を考えるきっかけとして、ぜひお役立てください。

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終末期医療(ターミナルケア)の基本的な考え方

終末期医療とはご本人らしい最期を迎えるための医療・ケア

終末期医療とは、病気や老衰などにより回復の見込みがなく、死期が近いと判断された方に対して行われる医療やケアの総称です。積極的な延命治療を中心とするのではなく、身体的・精神的な苦痛を和らげ、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を最大限に尊重し、穏やかで尊厳のある最期を迎えられるように支援することを目的とします。

ご本人の価値観や意思を最優先し、ご家族の想いにも配慮しながら、医師、看護師、介護士など多職種の専門家がチームとなってサポートを行います。単に死を待つためのものではなく、残された時間をより良く生きるための積極的な関わりを意味する、人生の最終段階における重要な概念です。

「ターミナルケア」「緩和ケア」「ホスピスケア」「看取り」との違い

終末期医療と関連して使われる言葉はいくつかあり、しばしば混同されがちです。それぞれの意味の違いを正確に理解しておきましょう。

ターミナルケアとの違い

「終末期医療」と「ターミナルケア」は、ほぼ同義語として使われています。英語の”Terminal Care”を日本語に訳したものが「終末期医療」あるいは「終末期ケア」です。どちらも人生の最終段階にある方に対し、QOLを重視した全人的なケアを提供するという点で同じ意味合いを持ちます。

緩和ケア(ホスピスケア)との違い

緩和ケアは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さんとそのご家族に対し、苦痛を予防・緩和しQOLを改善するためのアプローチです。

終末期医療との大きな違いは、がんと診断された早期の段階から治療と並行して行われる点です。終末期だけでなく、より広い期間を対象とします。ホスピスケアは、主に終末期の方を対象とする点で終末期医療と近い概念ですが、緩和ケアを提供する施設(ホスピス)で行われるケアを指し、緩和ケアの一部と位置づけられます。

名称 対象時期 目的
終末期医療/ターミナルケア 回復の見込みがなく、死期が近いと判断された時期 苦痛緩和とQOLを重視し、穏やかで尊厳ある最期を迎える支援
緩和ケア 生命を脅かす疾患と診断された早期から終末期まで 治療と並行し、様々な苦痛を和らげQOLを改善する

看取りとの違い

「看取り」とは、主に死が間近に迫った方に対して、自然な最期を迎えられるように援助するケアを指します。特に介護の現場でよく使われる言葉で、無理な延命治療は行わず、身体的なケアや精神的な寄り添いを中心に行います。終末期医療という大きな枠組みの中で、特に死の直前期から死後のケア(エンゼルケア)までを含む、より実践的なプロセスを指す言葉と理解するとよいでしょう。

終末期(ターミナル期)はいつから始まるのか

終末期(ターミナル期)の定義には、法的に明確な基準があるわけではありません。医師がこれまでの治療経過やご本人の状態を総合的に評価し、客観的にみて回復の見込みがなく、余命が数ヶ月程度と判断された場合に、ご本人およびご家族と話し合いの上で終末期と判断されるのが一般的です。

がんの場合は比較的予測がつきやすいですが、老衰や心不全、認知症などの場合は、状態の悪化と安定を繰り返すことが多く、終末期の判断が難しいケースもあります。

終末期医療で受けられる具体的なケアの内容

終末期医療は、単一の医療行為を指すものではなく、身体的・精神的・社会的な側面からご本人とご家族を支える包括的なケアです。

身体的苦痛を和らげるケア

痛みのコントロール

がんの末期などでは、強い痛みを伴うことがあります。終末期医療では、WHO(世界保健機関)が推奨する「がん疼痛治療法」に基づき、医療用麻薬(オピオイド)などを用いて積極的に痛みを取り除きます。痛みだけでなく、吐き気、息苦しさ、倦怠感といった様々な身体的苦痛に対しても、症状を緩和するための薬剤投与や処置が行われます。

食事や排泄の介助

終末期には食欲が低下し、口から食事を摂ることが難しくなることがあります。ご本人の「食べたい」という気持ちを尊重しつつ、無理強いはせず、食べられるものを食べられるだけ提供します。脱水症状などを緩和するための点滴(輸液)を行うこともありますが、これもご本人の苦痛にならない範囲で行われます。

また、排泄については、おむつ交換やポータブルトイレの利用、カテーテルの管理など、ご本人の状態に合わせて清潔を保ち、不快感を最小限にするための介助が行われます。

心の平穏を支える精神的ケア

不安や孤独感への寄り添い

死を目前にしたご本人は、「死への恐怖」や「残されるご家族への心配」「やり残したことへの後悔」など、様々な不安や孤独感を抱えています。医療・介護スタッフは、ご本人の話に耳を傾け(傾聴)、その想を受け止め、心の平穏を保てるように寄り添います。必要に応じて、臨床心理士や宗教家などが関わることもあります。

ご本人やご家族とのコミュニケーション

終末期医療では、ご本人だけでなく、ご家族も重要なケアの対象となります。ご家族が抱える悲しみや不安、介護の疲れなどに対しても、精神的なサポート(グリーフケア)が行われます。また、医療・介護スタッフは、ご本人とご家族の間のコミュニケーションが円滑に進むように橋渡し役となり、ご家族が一緒に穏やかな時間を過ごせるような環境を整えます。

社会的・経済的な問題へのサポート

終末期には、医療費や介護費に関する経済的な問題や、相続、社会保障制度の利用など、様々な社会的な問題が生じることがあります。医療ソーシャルワーカーなどの専門家が、これらの問題に関する相談に応じ、利用できる制度の紹介や手続きの支援などを行い、ご本人とご家族が安心して療養に専念できるようにサポートします。

終末期医療を受けられる場所と費用の目安

終末期医療は、病院だけでなく、介護施設やご自宅など、様々な場所で受けることが可能です。それぞれの場所で特徴やメリット・デメリット、費用が異なります。

病院(医療機関)で受ける場合

病院の特徴とメリット・デメリット

一般病棟のほか、緩和ケア病棟(ホスピス)や療養病床を持つ病院で終末期医療を受けることができます。

メリット
医師や看護師が24時間常駐しているため、急な症状の変化にも迅速に対応できるという最大の安心感があります。医療設備も整っており、専門的な痛みのコントロールなど高度な医療的ケアが可能です。
デメリット
面会時間や過ごし方に制限があるなど、ご自宅に比べて自由度が低い場合があります。また、生活の場というよりは療養の場であるため、家庭的な雰囲気を望む方には合わない可能性もあります。

費用の内訳と目安

費用は主に医療保険が適用され、自己負担額は年齢や所得に応じて1割~3割となります。1ヶ月の自己負担額には上限を設ける「高額療養費制度」の対象となるため、負担が際限なく増えることはありません。

緩和ケア病棟に入院した場合、治療内容にかかわらず医療費が定額になる「緩和ケア病棟入院料」が算定されます。この他に、個室を利用する場合は差額ベッド代、食費、日用品費などが別途必要になることがあります。

費用の目安(1ヶ月あたり) 約8万円~数十万円
※高額療養費制度適用後の自己負担額。所得や部屋の種類、その他の実費により変動します。

介護施設で受ける場合

介護施設の特徴とメリット・デメリット

近年では、「看取り」に対応する介護施設が増えています。特に、特別養護老人ホーム(特養)や、看護師の配置が手厚い一部の介護付き有料老人ホームなどが主な選択肢となります。

メリット
長年暮らしてきた生活の場で、顔なじみのスタッフに囲まれながら最期を迎えられる安心感があります。レクリエーションやイベントなどもあり、QOLを維持しやすい環境です。
デメリット
病院に比べて医療体制は限定的です。夜間は看護師が不在の施設も多く、急変時の対応に不安が残る場合があります。そのため、施設の協力医療機関との連携体制が非常に重要になります。

費用の内訳と目安

費用は、介護保険サービスの自己負担分(1割~3割)と、居住費・食費・日常生活費などの全額自己負担分で構成されます。終末期には、看取りに関する体制や実績に応じた「看取り介護加算」などが算定されます。医療行為が必要な場合は、別途外部の医療機関の費用(医療保険)がかかります。

費用の目安(1ヶ月あたり) 約15万円~30万円
※施設の種別や要介護度、所得、居室のタイプにより変動します。

在宅で受ける場合

在宅医療の特徴とメリット・デメリット

住み慣れたご自宅で、訪問診療や訪問看護、訪問介護などの在宅サービスを利用しながら最期を迎える形です。

メリット
何よりも、最もリラックスできるご自宅で、ご家族やペットと共に過ごせるという大きなメリットがあります。生活リズムや面会時間に制限がなく、ご本人のペースで自由に過ごせます。
デメリット
ご家族の介護負担が大きくなる可能性があります。また、24時間体制でサポートしてくれる在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションとの連携が不可欠であり、夜間や緊急時の不安を感じるご家族も少なくありません。

費用の内訳と目安

費用は、訪問診療や訪問看護で利用する「医療保険」と、訪問介護や福祉用具レンタルなどで利用する「介護保険」の両方がかかります。どちらも自己負担は原則1割~3割で、「高額療養費制度」や「高額介護サービス費」の対象となります。

費用の目安(1ヶ月あたり) 約5万円~15万円
※利用するサービスの内容や頻度、要介護度、医療依存度により変動します。

後悔しない選択のために事前に準備しておくこと

終末期において、ご本人が意思表示できなくなってからでは、どのような医療を望むのかをご家族が判断するのは非常に困難です。お元気なうちから、もしもの時について考え、話し合っておくことが、ご本人にとってもご家族にとっても後悔しない選択に繋がります。

延命治療に対するご本人の意思を確認する

終末期医療を考える上で最も重要なのが、「延命治療」をどこまで望むか、あるいは望まないかというご本人の意思です。

延命治療にあたる医療行為の例

一般的に、終末期における延命治療とは、回復の見込みがない状態で、生命維持装置などを用いて単に死期を引き延ばすための治療を指します。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

人工呼吸器
自発呼吸が困難になった際に、機械で呼吸を補助する。
心肺蘇生
心停止した際に、心臓マッサージや薬剤投与で心拍の再開を図る。
胃ろうなどの人工栄養
口から食事ができなくなった際に、チューブなどでお腹に直接栄養を送る。
人工透析
腎不全で腎臓の機能が失われた際に、機械で血液を浄化する。

これらの治療を望むか望まないか、明確な意思表示がない場合、ご家族が重い決断を迫られることになります。

尊厳死・安楽死との違いを正しく理解する

延命治療の中止は、しばしば「尊厳死」や「安楽死」と混同されますが、これらは明確に異なります。

延命治療の中止
ご本人の意思に基づき、回復の見込みのない延命措置を行わず、自然な死を迎えること。「尊厳死」も、これと同様の概念で使われることが多い言葉です。
安楽死
ご本人の希望に基づき、医師などが薬物などを用いて意図的に死期を早めること。日本では法的に認められていません。

リビング・ウィル(事前指示書)を作成する

ご自身の意思を形として残しておく方法の一つが、「リビング・ウィル(事前指示書)」です。

リビング・ウィルに記載する内容

リビング・ウィルとは、ご自身が将来、意思表示できなくなった場合に備えて、どのような医療を望むか・望まないかを事前に文書で示しておくものです。主に、延命治療に関する希望(人工呼吸器は希望しない、心肺蘇生は行わないでほしい等)や、緩和ケアに関する希望、最期を迎えたい場所などを記載します。

作成方法と注意点

リビング・ウィルに法的に定められた書式はありません。日本尊厳死協会などが公開している書式を利用する方法もあります。重要なのは、作成したことをご家族やかかりつけ医に伝え、文書の保管場所を共有しておくことです。

ただし、リビング・ウィルに法的な拘束力はありません。あくまでご本人の意思を尊重するための重要な資料として扱われ、医療・ケアチームが方針を決定する際の参考にされます。

ご家族や医療・介護チームと話し合う「人生会議(ACP)」

厚生労働省は、人生の最終段階における医療・ケアについて、ご本人・ご家族と医療・ケアチームが事前に繰り返し話し合うプロセスを「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」と名付け、その取り組みを推進しています。

文書を作成するだけでなく、もしもの時に備えて、ご自身の価値観や希望、どのような医療やケアを大切にしたいかを信頼できる人たちと共有するプロセスそのものが重要です。

終末期医療に関する国のガイドライン

国は「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を定めており、医療現場ではこのガイドラインに基づいて対応が進められます。このガイドラインでは、ご本人の意思決定を基本とし、ご本人・ご家族と医療・ケアチームによる十分な話し合い、そしてチームによる多角的な検討を重視しています。終末期医療は、医療者側だけで決めるものではなく、ご本人を中心に据えた共同の意思決定プロセスであることが強調されています。

終末期医療や看取りの施設探しは「笑がおで介護紹介センター」へ

終末期をどこで、どのように過ごすか。その選択肢として介護施設を考える方も多いですが、ご本人やご家族の希望に沿った施設を見つけるのは簡単ではありません。

ご本人・ご家族の希望に沿った施設選びの難しさ

「看取り対応可」と謳っていても、その施設の医療体制や看護師の配置、協力医療機関との連携、そして何よりスタッフの方々の看取りに対する考え方や経験値は様々です。ご本人が望む穏やかな最期を実現できるかどうかは、これらの詳細な情報をしっかりと確認した上で施設を選ぶ必要がありますが、個人でそこまで調べるのは非常に困難です。

「笑がおで介護紹介センター」が無料でサポート

私たち「笑がおで介護紹介センター」は、関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)の介護施設情報に精通した専門の相談員が、無料で施設探しをお手伝いしています。終末期医療や看取りに関するご希望や不安を丁寧にお伺いします。

ご希望に合う看取り対応可能な施設をご提案します

各施設の看取り実績や、24時間の看護体制、協力医療機関との具体的な連携内容など、パンフレットだけではわからない詳細な情報に基づき、ご本人とご家族が本当に安心して最期の時を過ごせる施設をご提案します。デリケートな問題だからこそ、専門家に頼ってみませんか。どうぞお気軽にご相談ください。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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