特養の入居待ちは何年?待機期間や順番を早める方法、待てない場合の措置と有料老人ホームとの違い

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特養の入居待ちは何年?待機期間や順番を早める方法、待てない場合の措置と有料老人ホームとの違い
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特別養護老人ホーム(特養)は、終身にわたって比較的安価な費用で手厚い介護を受けられる公的な施設として、非常に人気があります。しかし、その人気ゆえに「入居待ち」が発生しやすく、「申し込んだけれど何年も連絡が来ない」「数百人待ちと言われた」といった不安の声も少なくありません。

結論から申し上げますと、特養の入居待ちは「申し込み順」ではなく、要介護度や緊急性を点数化した「優先順位」で決まります。そのため、待機期間は数ヶ月で済む方もいれば、数年単位で待つことになる方もおり、一概に「何年」とは言えません。

本コラムでは、特養の入居待ちの実態や優先順位が決まる仕組み、少しでも入居の可能性を高めるための方法について解説します。また、どうしても待機期間が待てない場合に検討すべき「有料老人ホーム」との違いや、その他の選択肢についても詳しくご紹介します。

特養(特別養護老人ホーム)の入居待ち・待機の実態

「特養はなかなか入れない」という話はよく耳にしますが、実際にはどのくらいの人が待機しており、なぜこれほどの混雑が起きているのでしょうか。ここでは、厚生労働省等の公表データや制度の仕組みに基づき、入居待ちの実態について解説します。

特養の待機者数と入居待ちが発生する理由

特別養護老人ホーム(特養)の待機者数は、高齢化の進展に伴い多くの地域で課題となっています。厚生労働省の調査によると、要介護3以上の認定を受け、特養への入居を希望しながら在宅で生活している待機者は、全国で約25万人(2022年度調査)にのぼると報告されています。

入居待ちが発生する主な理由は以下の通りです。

費用が安い
民間の有料老人ホームと比較して、入居一時金が不要であり、月額利用料も所得に応じた負担軽減制度があるため、低価格で利用できる点が最大の魅力です。
終身利用が可能
看取り(ターミナルケア)まで対応している施設が多く、「ついのすみか」として安心して暮らせるため、一度入居すると退去する人が少なく、空室が出にくい傾向にあります。
重度介護への対応
24時間体制で介護スタッフが常駐しており、要介護度が高い方や認知症の方でも適切なケアを受けられる体制が整っています。

このように、費用面とケアの充実度のバランスが非常に良いため、需要に対して供給(ベッド数)が追いついていないのが現状です。

特養の待機期間の目安は何年待ちか

「具体的に何年待てば入れるのか」という疑問を持つ方は多いですが、待機期間に明確な決まりや保証はありません。地域や施設の稼働状況、そして申し込みをするご本人の状況(要介護度や家族の事情)によって大きく変動します。

一般的には「数ヶ月」で入居できるケースもあれば、「3年~5年」、あるいはそれ以上待機し続けているケースもあります。特に、都市部などの人口が多い地域や、人気のあるユニット型個室の特養では競争率が高く、待機期間が長くなる傾向にあります。一方で、郊外の施設や、多床室(相部屋)の従来型施設では、比較的早く順番が回ってくることもあります。

「何番目待ち」という数字を伝えられることがありますが、後述する優先順位の仕組みにより、後から申し込んだ人が先に案内されることも日常的に起こります。そのため、単なる順番待ちはあくまで目安に過ぎないことを理解しておく必要があります。

特養の入居順位が決まる優先順位の仕組み

特養の入居決定において最も重要なポイントは、「申し込み順ではない」ということです。公的な施設である特養は、行政の指針に基づき、介護の必要性が高い人を優先して受け入れる仕組みになっています。

申し込み順ではなく入居選考基準で決まる

特養では、各施設に設置された「入居判定委員会」によって入居者の決定が行われます。ここで重要視されるのは、「誰が一番長く待っているか」ではなく、「誰が一番入居を必要としているか」です。入居の優先順位は、都道府県や市町村が定める「入居選考基準(指針)」に基づいて決定されます。

この基準は公正を期すために点数化(ポイント制)されており、点数が高い人ほど優先順位が上がり、入居の順番が早くなります。

要介護度や在宅介護の状況によるポイント制

入居優先順位を決定するポイント制では、主に以下のような項目が評価対象となります。

評価項目 内容
要介護度 原則として要介護3以上の人が対象ですが、介護度が重い(要介護4や5)ほど点数が高くなります。
介護者(家族)の状況 主たる介護者が高齢である、病気を持っている、独居である(介護者がいない)など、在宅介護の継続が困難な事情がある場合に加点されます。
認知症の程度 認知症による周辺症状(BPSD)があり、在宅での対応が難しい場合に評価されます。
居宅サービスの利用状況 在宅での介護サービスを限度額いっぱいまで利用しても生活が成り立たない場合などに考慮されます。

このように、ご本人の身体状況だけでなく、支えるご家族の状況も詳細に考慮されます。「老老介護で限界がきている」「独り暮らしで認知症が進んでいる」といった切実な状況であればあるほど、優先順位は高くなる仕組みです。

特例入所等の緊急性が高いケース

特養の入居対象は原則として「要介護3以上」ですが、要介護1や2の方であっても、やむを得ない事情がある場合には「特例入所」が認められることがあります。

特例入所が検討されるのは以下のようなケースです。

認知症等が重篤な場合
認知症による行動障害があり、在宅生活が著しく困難な場合。
知的障害・精神障害等を伴う場合
これらを伴い、かつ地域のサービスだけでは生活維持が困難な場合。
虐待等の深刻な事情
家族などによる虐待が疑われ、心身の安全確保が必要な場合。
単身世帯等で支援がない場合
家族等の支援が期待できず、地域での介護サービス供給も不十分な場合。

これらの事情がある場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーを通じて市町村に報告・相談し、特例入所の該当性を判断してもらう必要があります。

特養の入居待ちの順番を早める方法

待機期間を短縮する絶対的な裏技はありませんが、制度の仕組みを理解し、戦略的に動くことで入居の確率を高めることは可能です。ここでは、入居待ちの順番を少しでも早めるために有効な方法をご紹介します。

複数の特養へ申し込みを行う

特養の申し込みは、一箇所に限らず複数の施設に対して行うことが可能です。これを「併願」と呼びます。

地域の制限について
基本的には居住地の自治体にある施設への申し込みが一般的ですが、他市区町村の施設へ申し込める場合もあります(ただし、地域密着型サービスを除く)。
併願のメリット
施設によって待機者の数や男女比、空室の出やすさは異なります。複数の施設に登録しておくことで、どこかの施設で空きが出た際に声がかかる可能性が高まります。

ただし、あまりにも遠方の施設や通うのが困難な施設に申し込むと、いざ入居が決まった際やその後の面会などで家族の負担になるため、現実的に対応可能な範囲で検討しましょう。

申し込み内容に変更があればすぐに連絡する

申し込み後に状況が変わった場合は、速やかに施設へ連絡し、情報の更新を行うことが非常に重要です。例えば、以下のような変化があった場合は、優先順位のポイントが上がる可能性があります。

要介護度の上昇
例:要介護3から4になった場合など。
介護者の状況変化
主たる介護者が体調を崩した、入院した、または同居家族の転勤などで日中の介護ができなくなった場合。
認知症の悪化
徘徊などの問題行動が増え、在宅介護がより困難になった場合。

施設側は、提出された書類の情報に基づいて順位を管理しています。状況の悪化は辛いことですが、入居選考においては「緊急性が高まった」と判断される要素になるため、ケアマネジャーと相談の上、最新の情報を施設に伝えましょう。

従来型だけでなくユニット型も検討する

特養の居室タイプには、大きく分けて「従来型(多床室中心)」と「ユニット型(個室中心)」があります。

従来型(多床室)
4人部屋などが中心で、費用が安く抑えられるため人気が高く、待機者が多い傾向にあります。
ユニット型(個室)
個室でプライバシーが守られ、少人数単位でのケアが受けられますが、居住費(家賃相当額)などが高く設定されています。そのため、従来型に比べて待機者が少なく、早く順番が回ってくる可能性があります。

予算に余裕がある場合は、ユニット型も含めて希望を出すことで、選択肢を広げることができます。

入居要件が幅広い地域密着型なども視野に入れる

「広域型」と呼ばれる一般的な特養のほかに、「地域密着型特別養護老人ホーム」という種類があります。

地域密着型特養とは
定員が29名以下の小規模な特養で、原則としてその施設がある市町村に住民票がある人だけが入居できます。
メリット
申し込みできる人が限定されるため、広域型の特養に比べて競争率が低い場合があります。また、住み慣れた地域環境を変えずに生活を続けられる点も魅力です。

ご自身の住んでいる地域にこのような施設があるか、自治体のホームページや介護保険課で確認してみることをお勧めします。

待機期間が長くて「待てない」場合の措置と選択肢

「特養に入りたいけれど、数年も待てない」「今すぐにでも介護が必要」という切迫した状況のご家庭も多いでしょう。特養の空きを待つ間の「つなぎ」として、あるいは特養に代わる「新たな選択肢」として検討できるサービスについて解説します。

民間の有料老人ホームを検討する

特養の入居待ちが限界に達した場合、最も現実的な選択肢の一つが民間の有料老人ホームです。近年では、価格を抑えた施設も増えており、特養との併願先として選ばれることが多くなっています。

有料老人ホームには主に「介護付」「住宅型」などがあり、空室があればすぐに入居契約を結ぶことが可能です。緊急性が高い場合、最短で数日から数週間で入居できる施設もあります。

特養と有料老人ホームの違いと費用相場

特養と有料老人ホームの主な違いを比較してみましょう。

項目 特養(特別養護老人ホーム) 有料老人ホーム(介護付・住宅型など)
運営主体 社会福祉法人や地方自治体など 民間企業が中心
入居のしやすさ 要介護3以上が原則。待機期間が長い傾向。 自立~要介護まで幅広く対応。空きがあれば即入居可。
入居一時金 不要 0円~数千万円(施設により大きく異なる)
月額費用目安 約5万円~15万円程度 ※所得により減免あり 約15万円~30万円以上 ※施設により幅が広い
サービス内容 画一的なサービスになりがち レクリエーションや食事、設備などが充実している

費用面では特養が有利ですが、最近では月額費用を10万円台前半に抑えた有料老人ホームも増えています。特養の待機期間中だけ有料老人ホームを利用し、特養の空きが出たら転居するという方法も一般的です。

老人保健施設(老健)やショートステイの活用

特養以外の公的な介護保険施設を活用する方法もあります。

介護老人保健施設(老健)
本来は在宅復帰を目指してリハビリを行う施設ですが、特養の入居待ち期間の滞在先として利用されるケースがあります。原則として3ヶ月~6ヶ月ごとの見直しがありますが、事情によっては延長が認められることもあります。
ショートステイ(短期入所生活介護)
数日から数週間の短期間、施設に宿泊して介護を受けるサービスです。「ロングショート」と呼ばれる長期利用の運用を行っている事業所もあり、特養の空きが出るまでつなぎとして利用できる場合があります。

これらの利用については、担当のケアマネジャーと相談して計画を立てる必要があります。

在宅介護サービスを利用して待機する

施設に入らず、在宅サービスの利用限度額を最大限に活用して自宅で待機する方法です。

在宅サービスの組み合わせ
デイサービス(通所介護)や訪問介護(ホームヘルプ)を組み合わせ、家族の負担を軽減しながら自宅生活を維持します。
小規模多機能型居宅介護
「通い」「泊まり」「訪問」を一つの事業所で柔軟に利用できるため、特養待ちの期間を支えるサービスとして有効です。

また、在宅で限界まで介護サービスを利用しているという事実は、特養の優先順位判定において「在宅生活の困難さ」を示すポイントとして加算される可能性があります。

特養への申し込みから入居までの流れ

実際に特養へ入居するまでの標準的なプロセスを解説します。地域や施設によって細かな違いはありますが、大まかな流れを把握しておくことでスムーズに進めることができます。

1. 施設の情報収集と見学

まずは、希望する地域の特養について情報を集めます。

情報収集の方法
役所の介護保険課でリストをもらう、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する、インターネット(WAMネットや介護検索サイト)で検索するなどの方法があります。
見学の重要性
気になる施設があれば、必ず見学に行きましょう。施設の清潔さ、スタッフの挨拶や雰囲気、入居者の表情などを実際に見て確認することが大切です。

2. 入居申し込み手続き

入居を希望する施設が決まったら、所定の「入居申込書」を提出します。

提出先
基本的には各施設へ直接申し込みますが、自治体によっては役所の窓口で一括管理している場合もあります。
必要書類
申込書のほか、介護保険被保険者証の写し、認定調査票の写し(直近3ヶ月以内などの指定あり)などが必要です。ケアマネジャーに依頼すれば書類の準備を手伝ってくれます。

この時点で、複数の施設に申し込む場合は、それぞれの施設で手続きが必要です。

3. 面談・入居判定委員会による審査

空室が出る、または優先順位が上位に近づくと、施設から連絡が入ります。

事前面談
施設の相談員やケアマネジャーが、ご本人やご家族と面談を行います。現在の身体状況や医療処置の必要性、問題行動の有無などを詳しく確認します。
入居判定委員会
施設長、生活相談員、介護職員、看護職員、医師などで構成される委員会が開かれ、面談結果や診断書をもとに「入居の可否」と「優先順位」を最終決定します。

ここで「医療的ケアが対応不可」などの理由で入居が見送られる場合もあります。

4. 入居決定と契約

入居判定委員会で承認され、ご本人・ご家族の意向も変わらなければ、正式に入居決定となります。主な手続きは以下の通りです。

重要事項説明書の説明と同意
サービスの詳しい内容や費用、トラブル時の対応などについて説明を受けます。
入居契約書の締結
正式な契約を結びます。
引っ越しの準備
衣類や日用品など、施設生活に必要なものを準備し、持ち込みます。

これらの手続きを経て、晴れて特養への入居が完了します。

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特養は費用面で非常に魅力的ですが、待機期間の長さや入居要件の厳しさは大きな壁となります。「いつ入れるか分からないまま待つのは精神的に辛い」「特養以外の選択肢も知りたいけれど、どこが良いのか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

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監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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