老人ホームの費用は分割できる?支払い方法のまとめ

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老人ホームの費用は分割できる?支払い方法のまとめ

親御さんの施設入居を検討するなかで、パンフレットに書かれた数百万もの一時金をみて「こんな大金、すぐに用意できない」と頭を抱えていませんか?まとまった貯蓄がなくても、月々の支払いでなんとか対応したいと考える方はめずらしくありません。

本記事では、老人ホーム費用の分割払いが可能になる仕組みや、公的制度や税金の控除について解説します。

この記事を読めば、ご家庭の経済状況に合った無理のない支払いプランが見えてきます。資金面の不安が解消すれば、前向きに入居手続きを進められるようになるため、ぜひご覧ください。

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老人ホーム費用の分割払いはできる?

老人ホームの費用は、入居時に支払う「入居一時金」と毎月支払う「月額利用料」の2つに大きく分けられます。入居一時金はまとまった金額になるため、一括で払えるか不安に感じる方もいるでしょう。

しかし、施設が用意するプランを選ぶと老人ホーム費用を分割払いにできるケースがあります。ここでは、それぞれの支払い方法について詳しく解説します。

入居一時金の支払いはプラン選択で分割可能

入居一時金の支払いは、施設が用意する料金プランを選ぶと実質的な分割払いにできる場合があります。入居一時金とは、そもそも想定される入居期間の家賃相当分を前払いする費用だからです。

支払い方法は施設によって異なりますが、主に以下の3つのパターンがあげられます。

  • 一時金方式:家賃相当分をすべて前払い
  • 併用方式:一部を前払いし残りを月払い
  • 月払い方式:初期費用なしで全額月払い

分割払いにあたる「月払い方式」などを選ぶと、一括払いよりも総支払額が増える傾向にあります。しかし、まとまった資金の準備が難しいときは、月々の支払いで対応できるプランがないか施設へ相談してみましょう。

月額利用料は原則として毎月の定額払い制

月額利用料は、入居したあとに毎月決まった金額を支払います。ここには家賃や食費、光熱費など、生活するうえで必要な経費が含まれているため、原則として定額での支払いが基本です。

具体的には、部屋代にあたる居住費や、日々の食事代、施設の維持管理費などが必要です。ただし、介護サービスを利用した際の自己負担分として、費用の1割から3割を支払う必要があります。また、個人的な日用品代や医療費などは別途かかります。

もし支払いが厳しくなったときは、早めに施設へ相談しましょう。状況によっては公的な補助制度を使える可能性もあります。

初期費用を抑える月払い方式の仕組み

「月払い方式」は、老人ホームに入るときに必要な「入居一時金」を支払わなくて済むプランです。まとまったお金を用意するのが難しい方にとって、費用の負担を大きく減らせる選択肢といえるでしょう。

月払い方式を選ぶとどのようなメリットや注意点があるのか、詳しく解説します。

入居時にまとまった一時金支払いが不要になる

月払い方式を選べば、入居するときに高額な一時金を支払う必要がありません。この方式は、本来なら先払いするはずの家賃相当分を支払わない仕組みになっています。

一般的な有料老人ホームでは、最初に数千万円もの一時金が必要になるケースもあります。しかし、月払い方式なら初期費用を0円に抑えられるため、手元の資金が少ない方でもすぐに入居が可能です。

急いで施設を探しているときや、まずは短期間だけ利用したいと考えている場合にも適しているでしょう。初期費用のハードルが下がれば、老人ホーム費用を分割払いにする感覚で無理なく新生活を始められます。

一時金方式よりも毎月の支払い額は高くなる

初期費用がかからない一方で、毎月支払う利用料は一時金方式よりも高くなります。先に払わなかった家賃相当分が、月々の支払いに上乗せされて請求される仕組みだからです。

一般的な月額利用料の相場は15万円から35万円ほどですが、月払い方式を選ぶと、そこに家賃相当分が上乗せされるため、通常の相場よりも高い金額を支払うことになります。

目先の負担は軽いですが、入居期間が長くなればなるほど、支払い総額が一時金方式を上回ってしまう可能性があります。

長期間の利用を予定しているなら、トータルの費用を計算して慎重に判断しなければなりません。月々の支払いが家計を圧迫しないか、ご家族でよく話し合っておくことをおすすめします。

老人ホーム費用の分割払いとローン活用

老人ホームの費用は高額になることが多いため、手持ちの資金だけで賄えるか心配な方も多いでしょう。

そこで、外部の金融サービスを利用した資金調達や、クレジットカードを使った支払い方法について解説します。

銀行等が提供する老人ホームローンの活用

銀行などの金融機関では、老人ホームの入居費用に使えるローン商品を取り扱っています。とくに「リバースモーゲージ」は、自宅を所有しているシニア層にとって有力な選択肢のひとつです。

これは自宅を担保にお金を借りる仕組みで、住み慣れた家に住み続けながら、老後の生活費や老人ホームの入居一時金を調達できます。借りたお金の元本は、利用者が亡くなったあとに自宅を売却して返済するため、月々の返済負担を抑えられるのが特徴です。

ただし、不動産の価値が下がったり、資金枠を使い切ったりするリスクもあるため注意が必要です。

参考:りそな銀行『リバースモーゲージとは?仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説

クレジットカードによる分割払いはできる?

老人ホームの費用をクレジットカードで支払える施設も増えていますが、分割払いにできるかどうかは費用の種類によって異なります。

毎月の「月額利用料」については、カード払いに対応している施設もあり、カード会社のサービスを使えば「分割払い」や「リボ払い」を選択できる場合があります。

一方で、高額な「入居一時金」をカードで支払うのは難しいのが現状です。入居一時金は数百万円単位になることが多く、カードの利用限度額を超えてしまうケースが大半を占めるためです。

もし一時金の負担を減らしたい場合は、カード払いではなく、初期費用がかからない「月払い方式」の利用を検討してみましょう。月額利用料に上乗せして支払うことで、実質的な分割払いとして費用を分散できます。

一時金方式と月払い方式の比較

老人ホームの料金プランには、まとまった初期費用を払う「一時金方式」と、初期費用なしの「月払い方式」があります。どちらがお得になるのかは、入居する期間によって総支払額が変わるため慎重に選ばなければなりません。

後悔しないためにも、想定される入居期間にあわせた選び方を比較して、それぞれのメリットを確認しましょう。

長期間の入居なら一時金方式が総額でお得

長く住み続ける予定であれば、入居一時金を支払う「一時金方式」を選んだほうが、トータルの費用を安く抑えられます。最初に家賃相当分をまとめて支払うことで、毎月の支払額を大幅に軽減できる点が特徴です。

たとえば、償却期間と呼ばれる一定期間(5年や10年など)を過ぎて長生きした場合、それ以降の家賃相当分の追加支払いが不要になるケースが多くみられます。長生きすればするほど、月払い方式に比べて費用の総額が割安になる傾向です。

終の棲家として安定した資金計画を立てたい方には、一時金方式が適しているといえるでしょう。

短期間の利用であれば月払い方式が安く済む

入居期間が短くなりそうな場合や、手元の資金を残しておきたい場合は「月払い方式」のほうが経済的なメリットがあります。

このプランは、本来先に払う費用を毎月の支払いに振り分けるため、老人ホーム費用を分割で支払う感覚に近い方法です。

  • 数百万単位の初期費用を用意しなくて済む
  • 短期での退去でも初期償却分が無駄にならない
  • 住み替えやお試し入居でも気軽に使える

ただし、月々の支払額は割高に設定されています。そのため、入居が長引くと総支払額が一時金方式より高くなってしまう可能性も考えられます。

将来的な転居を考えている方や、まとまった資金の準備が難しい方にとっては、初期費用を抑えられる有用な選択肢といえるでしょう。

負担を軽くする公的制度と控除の活用

老人ホームの利用は高額な費用を伴うため、家計への負担が心配になるものです。しかし、公的な補助制度や税金の控除をうまく活用すれば、老人ホーム費用の分割払いやローンを検討するのと同様に、経済的な助けになる可能性があります。

ここでは、負担を軽くするために知っておきたい3つの制度について解説します。

「高額介護サービス費」による払い戻し

介護サービスを利用した際の自己負担額が高額になった場合「高額介護サービス費」として払い戻しを受けられる可能性があります。これは、利用者の所得に応じて毎月の負担上限額が決められており、それを超えた分が還付される仕組みです。

一般的な所得の世帯なら月額44,400円が上限ですが、これを超えて支払った介護費用の自己負担分は、申請すればあとで戻ってきます。ただし、対象となるのは介護サービスの費用のみで、食費や居住費は含まれません。

また、申請してから実際にお金が戻ってくるまでには数か月かかります。その間の支払いは立て替える必要があるため、手元の資金に余裕をもった計画を立てておきましょう。

参考:厚生労働省『高額介護サービス費の負担限度額が見直されます

「介護保険負担限度額認定」で食費等を軽減

所得や貯蓄が少ない方は「介護保険負担限度額認定」を受けることで、食費や居住費を安く抑えられる場合があります。この制度は、経済的な余裕がない方でも、必要な介護サービスを受けながら安心して施設で暮らせるように支援する仕組みです。

利用するには、自治体に申請して「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けなければなりません。認定されれば、所得段階に応じて負担額の上限が設定され、費用の負担が軽くなります。

場合によっては、月額の居住費が大幅に減額されることもあります。利用できる条件に当てはまるか、入居前に確認しておくと安心です。

参考:大阪市『介護保険負担限度額認定申請書

「医療費控除」による税負担の軽減と確定申告

老人ホームで支払った費用の一部は、確定申告を行うことで「医療費控除」の対象になり、税金が安くなるケースがあります。施設での生活には、介護だけでなく医療的なケアや、それに伴う出費が含まれていることが多いためです。

具体的には、次のような費用が控除の対象になります。

  • 訪問診療などの医療系サービス費
  • 「医療費控除対象」と認められたおむつ代
  • 施設で受けた医療関連のサービス費用

これらを申告すれば、納めた税金の一部が還付される可能性があります。また、これとは別に「障がい者控除」が適用される場合もあるため、あわせて内容を確認しておくと安心でしょう。

参考:国税庁『No.1120?医療費を支払ったとき(医療費控除)

老人ホーム費用の支払い計画の注意点

老人ホームに入居したものの、予期せぬ事情で退去することになったり、資金が底をついてしまったりする可能性はゼロではありません。安心して生活を続けるためにも、契約前に解約時のルールや、万が一のときの対策を知っておくことが大切です。

ここでは、支払い計画を立てるうえで押さえておきたい3つの注意点について解説します。

入居直後の解約にはクーリングオフが適用

入居してから90日以内であれば、契約を解除して前払い金を返してもらえる「クーリングオフ制度(短期解約特例)」が適用されます。これは消費者を守るためのルールで、施設になじめなかった場合などに利用できる仕組みです。

ただし、支払ったお金が全額戻ってくるわけではありません。実際に住んでいた期間の家賃や食費、提供されたサービスの費用などは差し引かれます。

また、初期費用をクレジットカードで決済していた場合は注意が必要です。カード会社の処理の都合上、実際に口座へ返金されるまでに数か月かかることもあるため、すぐにお金が手元に戻るわけではないと覚えておきましょう。

償却期間内の退去時における未償却分の返還

一時金を支払っている場合、償却期間内に退去すれば、まだ使っていない分の費用が「未償却分」として返還されます。入居一時金はあくまで「家賃の前払い」という扱いであり、住んでいない期間のお金は支払う必要はありません。

ただし、契約によっては「初期償却」として、入居時に一時金の15~30%程度が差し引かれるケースがあります。この場合、戻ってくる金額はその分少なくなります。

残りの金額がどのように計算されて返還されるのか、契約書をよく確認しておきましょう。なお、償却期間(5年や10年など)が過ぎている場合は、退去しても返還金は0円になる点も理解しておく必要があります。

預貯金が底をつき退去になるリスクの回避策

資金不足で退去になるのを防ぐには、長期的なシミュレーションと公的制度の活用が欠かせません。無理な計画で老人ホーム費用の分割払いやローンを利用すると、将来的に支払いが滞ってしまう恐れがあります。

もし支払いが難しくなりそうなときは、早めに次のような対策を検討しましょう。

  • 年金と貯蓄の寿命を計算する
  • 負担を減らす公的制度を使う
  • 安い地域の施設へ住み替える

どうしても支払いができない場合は、施設へ相談して支払い猶予をもらったり、生活保護の受給を検討したりする必要も出てきます。最悪の事態を避けるためにも、余裕をもった資金計画を立てることが大切です。

老人ホームの支払いに関するよくある質問

これまで老人ホーム費用の分割払いや資金計画について解説してきましたが、実際の支払い能力や契約内容について不安を感じる方もいるでしょう。とくに、年金だけで足りるのか、ご家族に迷惑がかからないかは切実な問題です。

ここでは、支払いに関するよくある3つの質問について詳しく回答します。

親の年金収入だけで毎月の費用は賄える?

結論からいうと、親御さんの年金収入だけですべての費用を賄うのは難しいでしょう。施設の種類にもよりますが、月々の費用相場が年金額を上回る傾向にあります。

たとえば、介護付き有料老人ホームの場合、月額利用料の一般的な目安(中央値)は約20万円です。これに加え、介護サービス費の自己負担分や医療費、日用品代などが別途かかります。国民年金のみであれば受給額は月10万円以下になるため、資金不足は避けられません。

不足分はご本人の預貯金を取り崩すか、ご家族からの援助で補う必要があります。入居してから困らないよう、事前にしっかりとシミュレーションを行いましょう。

契約時の連帯保証人は支払い義務を負う?

一般的に、契約時の連帯保証人は入居者の代わりに費用を支払う義務を負います。ご本人の資金が尽きたり、支払いが困難になったりした際に、施設側が費用を回収するための保証として位置づけられているためです。

また、未払いなどのトラブルがなくても、親御さんの認知症が進めばご自身での金銭管理は難しくなります。

そうした場合、実質的に連帯保証人であるご家族が支払いを引き継ぐことになるため、ご家族名義のクレジットカードでの代理決済を認めている施設も増えています。

もしものときにどこまで責任を負うことになるのか、契約前に施設側から十分な説明を受け、内容に納得したうえで署名することが大切です。

生活保護を受給していても施設に入居できる?

生活保護を受けている方であっても、老人ホームへの入居は可能です。数は限られますが、生活保護受給者向けの料金プランを用意している施設も一定数存在します。

全国有料老人ホーム協会調査によると、住宅型有料老人ホームの約5割、介護付き有料老人ホームの約1割が、受給者向けの対応を行っているというデータがあります。

生活保護の「住宅扶助」や「介護扶助」といった仕組みを組み合わせれば、費用を抑えて生活することが可能です。

ただし、すべての施設に入れるわけではありません。まずは地域の福祉事務所へ相談し、予算内で受け入れ可能な施設を紹介してもらいましょう。

参考:公益社団法人全国有料老人ホーム協会「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業報告書

まとめ

老人ホームの入居一時金は、施設ごとのプランを選ぶことで実質的な老人ホーム費用の分割払いにできる場合があります。初期費用を抑える「月払い方式」は手元の資金を残すのに有効ですが、長期的な総額もしっかり比較検討しましょう。

家計の負担を減らすためには、高額介護サービス費や医療費控除といった公的制度をもれなく活用することが大きな助けになります。まずは親御さんの年金と貯蓄、ご家族の援助を含めた長期的な資金シミュレーションをしてみてください。

もし費用面や施設選びで不安が残るようであれば『笑がおで介護紹介センター』までお気軽にご相談ください。プロの視点から、ご家庭の状況にあわせた最適なプランを提案し、安心できる入居先探しをサポートします。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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