老人ホームでWi-Fi・ネット環境は使える?費用・速度・確認ポイント

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老人ホームでWi-Fi・ネット環境は使える?費用・速度・確認ポイント

親御さんの老人ホーム入居が近づき「施設でスマホやタブレットは使い続けられるのだろうか」と気になっていませんか?候補施設のパンフレットにWi-Fi環境の記載がない場合も多く、費用や通信速度の実態がわからず戸惑う方は少なくありません。

この記事では、老人ホームのWi-Fi普及率や費用相場、通信速度の実態を幅広く解説します。施設見学で確認すべきチェックポイントから、ネット環境がない場合の代替手段まで網羅しました。

この記事を読めば、読めば施設のネット事情を正しく把握でき、入居後に「インターネットが使えない」と後悔しない準備が整います。親御さんが安心してスマホを使い続けられる施設選びに、ぜひ役立ててみてください。

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老人ホームのWi-Fi普及率と利用の現状

老人ホームのWi-Fi環境は、近年急速に整備が進んでいます。ただし、施設の種類や運営形態によって対応レベルに差があり、居室まで電波が届くかどうかは施設ごとに異なるのが実情です。

ここでは最新の調査データをもとに、Wi-Fiの普及率と施設タイプ別の違いを見ていきましょう。

特養の95%が何らかのWi-Fi対応を実施済み

特別養護老人ホーム(特養)の95.1%が、何らかの形でWi-Fi対応を済ませています。公益社団法人全国老人福祉施設協議会の調査で「施設全体で対応」または「一部対応」と回答した施設が、この割合に達しました。

ただし、導入されたWi-Fiの多くは介護記録や見守りセンサーに使う業務用ネットワークです。同調査では、Wi-Fi対応施設のうち66.2%が「入居者またはご家族の利用は不可」と回答しており、入居者が自由に使える環境は限られています。

「Wi-Fiあり」の表記だけで安心せず、入居者が私物の端末で接続できるかを施設に直接確認しましょう。業務用と入居者用の区別を把握しておくと、入居後のギャップを防げます。

参考:特別養護老人ホームにおけるWi-Fi導入状況について

居室までカバーする施設は全体の約半数にとどまる

Wi-Fiが導入されていても、入居者の居室まで電波が届く施設は全体の約半数にとどまっています。共用部の整備が優先されてきた経緯があり、生活の拠点となる個室への対応が遅れているからです。

事務室・会議室での整備率は93.5%、ロビーや食堂などの共用スペースでは86.1%に達しています。一方で居室の整備率は45.3%にとどまり、半数以上の施設では個室にWi-Fiが届いていない状況です。

親御さんが居室でLINEや動画を楽しみたい場合、共用部だけの対応では不便を感じるでしょう。見学する際は「入居者が私物の端末で接続できるWi-Fiが居室にあるか」を最優先の確認項目として押さえておきましょう。

参考:特別養護老人ホームにおけるWi-Fi導入状況について

特養・有料・サ高住で異なるWi-Fi対応レベル

施設の種類によって、老人ホームのWi-Fi整備レベルには大きな差があります。特養・有料老人ホーム・サ高住では運営形態やサービスの位置づけが異なり、通信環境への対応方針にも違いが生じています。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は入居者の自立度が高い一般型が多く、個別にプロバイダと契約して回線を引く形式が主流でした。最近では施設全体でWi-Fiを一括提供するモデルも増えており、入居者の利便性が高まっています。

住宅型有料老人ホームでも、入居者が個別に光回線を契約して利用するケースが見られます。入居先を比較する際は、施設タイプごとのWi-Fi整備傾向をあらかじめ整理しておくと判断材料になるでしょう。

老人ホームの入居者がネットを使う目的

老人ホームの入居者にとって、インターネットは日常を豊かにする手段のひとつです。ご家族との連絡から趣味の時間まで幅広い場面で活用されており、暮らしの質にも深く関わっています。

ここでは、入居者がネットを利用する主な目的を3つの視点から紹介します。

家族とのLINEやビデオ通話で孤立を防ぐ

入居者がネットを使う大きな目的のひとつは、ご家族との連絡手段の確保です。新型コロナウイルスの流行を機にオンライン面会が急速に広まり、ビデオ通話が日常のコミュニケーション手段として定着しました。

スマートフォンやタブレットを使えば、遠方に住む子どもや孫と画面越しに顔を見て会話できます。直接会えない期間でも表情を確かめられるため、入居者の孤独感が和らぎ精神的な安定にもつながるでしょう。

LINEでのメッセージや写真の共有も、日々のつながりを実感できる手段です。老人ホームのWi-Fi環境は、ご家族との絆を保つための基盤として入居生活の安心感を支えています。

動画視聴やニュース閲覧で日常に楽しみを加える

動画の視聴やニュース記事の閲覧は、老人ホームでの暮らしに楽しみを加える身近な手段です。スマートフォンの普及がシニア世代にも広がり、インターネットは施設生活でも当たり前の存在になりました。

YouTubeで好きな番組や音楽をいつでも楽しめる環境は、入居者の気分転換に大きく役立ちます。ニュースサイトで世の中の動きをチェックする習慣が生まれると、ほかの入居者やスタッフとの会話のきっかけにもなるでしょう。

テレビのチャンネルに縛られず幅広いコンテンツに触れられるのは、ネットならではの魅力です。入居者が自由に使えるWi-Fiが提供されている施設であれば通信量を気にせず利用でき、毎日がより充実するでしょう。

趣味や情報収集を通じて生活の質を高める

インターネットを活用した趣味や情報収集は、入居者の生活の質(QOL)を高める効果が期待されています。外の世界との接点をオンラインで維持する習慣は、脳の活性化にもつながる可能性があります。

入居者がネットを通じて取り組める活動の例は、以下のとおりです。

  • オンライン面会でご家族と交流する

  • 趣味に関する記事や動画を楽しむ

  • 料理や園芸の情報を調べる

  • オンライン講座で学びを続ける

実際の調査では、オンライン面会の前後で認知機能評価の一部(遅延再生の項目)に改善傾向が認められたという報告があります。Wi-Fi環境が整った老人ホームは、入居者の心身の健康を支える場としても機能するでしょう。

老人ホームのWi-Fi利用にかかる費用の目安

老人ホームでWi-Fiを利用する際の費用は、施設の提供形態によって大きく異なります。無料で使える施設もあれば、月額料金が発生するケースもあるでしょう。

ここでは、費用の発生パターンと相場を4つに分けて解説します。

施設が提供する無料Wi-Fiの条件と範囲

入居者にWi-Fiを開放している施設では、無料で提供しているケースがほとんどです。特養を対象にした調査では、入居者がWi-Fiを利用可能な施設のうち97.5%が利用者負担なしで提供していると回答しました。

ただし前述のとおり、Wi-Fiを導入していても業務用にとどまり入居者は利用できない施設が多数を占めます。「無料」かどうかの前に、まず入居者が接続できるWi-Fiがあるかを確認する必要があるでしょう。

無料であっても通信速度が十分でなかったり、利用時間に制限があったりするケースは想定されます。費用面だけでなく利用条件の全体像を把握したうえで、施設を選ぶ判断材料にしましょう。

参考:特別養護老人ホームにおけるWi-Fi導入状況について

月額制のWi-Fi利用料が発生するケースと相場

施設によっては、Wi-Fi利用に月額のオプション料金が設定されている場合があります。月額の管理費に含まれるケースと、別途定額のオプション料金を支払うケースの2パターンです。

たとえば一部の特養では、Wi-Fi使用料として月額500円程度の負担を設けています。毎月の出費としては大きな金額ではありませんが、ほかの生活費と合わせた総額を把握しておくのが賢明です。

料金体系は施設ごとに異なるため、入居前に利用料の有無と金額を書面で確認しておきましょう。

自分でルーターを契約する場合の月額費用

施設のWi-Fiが居室で使えない場合は、あなた自身でホームルーターやモバイルルーターを契約する選択肢があります。契約するプランや機器の種類によって月額費用は異なるため、複数のサービスを比較して検討するのがよいでしょう。

ホームルーターは据え置き型でコンセントに挿すだけで利用でき、データ容量無制限のプランが多い傾向にあります。モバイルルーターは持ち運びできる反面、容量に上限のあるプランが一般的です。

どの機器を選ぶかで月額費用や使い勝手が変わるため、親御さんの利用頻度に合わせて比較検討しましょう。費用を抑えたい場合は、スマートフォンの契約プラン見直しも視野に入れるのがおすすめです。

Wi-Fi利用料の徴収ルール明確化を求める業界の動き

老人ホームのWi-Fi費用に関して、業界全体でルールの明確化を求める動きが出ています。多くの特養では通信環境にかかる費用を施設側が持ち出しで負担しており、運営の圧迫要因になっているからです。

全国老人福祉施設協議会は厚生労働省に対し、利用者向けWi-Fi利用料の徴収が可能な旨の明確化と周知を求める要望書を提出しました。適切な費用負担のルール作りが進めば、通信環境の整備がさらに加速する可能性があるでしょう。

利用者に一定の費用を求める施設が今後増える見込みです。Wi-Fi環境と費用のバランスを見極めて施設を選ぶ視点が、ますます求められるでしょう。

参考:特別養護老人ホーム等における利用者の通信環境の整備について

老人ホームのWi-Fi速度と通信品質の実態

老人ホームのWi-Fiは「使えるかどうか」だけでなく、通信速度や品質も気になるポイントです。建物の構造や利用状況によって、快適さに大きな差が生まれます。

ここでは、通信速度に影響を与える3つの要因を具体的に解説します。

建物の構造や周波数帯が速度に影響する

老人ホームのWi-Fi速度は、建物の構造と使用する周波数帯に大きく左右されます。鉄筋コンクリート造の壁や鉄扉、エレベーターなどの金属設備が電波を遮断・減衰させる構造です。

2.4GHz帯は障がい物を回り込む性質がありますが、電子レンジなどの家電と干渉する弱点をもっています。5GHz帯は高速通信が可能な反面、障がい物に弱く、屋外では気象レーダー検知で通信が一時停止する場合もあるでしょう。

施設の構造は入居後に変えられないため、Wi-Fi速度にこだわる方は周波数帯や壁の材質にも目を向けましょう。入居者用のWi-Fi環境が整っている施設なら、見学時にテスト接続をさせてもらえるか相談してみるのも有効です。

参考:無線LANの屋外利用/上空利用について

老人ホームのWi-Fiが遅くなりやすい原因

老人ホームのWi-Fiが遅くなる原因は、建物の物理的な問題だけではありません。機器の設置環境や接続台数など、複数の要因が重なって通信品質を低下させています。

速度が低下する主な原因として、以下の点が挙げられます。

  • アクセスポイントの設置位置が不適切

  • 同時接続する端末数がルーターの上限超過

  • アクセスポイントの経年劣化や故障

  • ネットワークの輻輳(通信の渋滞)

複数の原因が同時に発生するケースが多いため、ひとつの対策だけでは改善しない場合もあるでしょう。施設に通信環境の改善を相談する際は「何時頃に遅くなるか」など具体的な症状を伝えるとよいでしょう。

利用者が集中する時間帯の速度低下リスク

夕方から夜間にかけてはインターネット利用者が集中し、通信速度が低下する傾向があります。特に夜間の時間帯はプロバイダの設備にデータが集中し、渋滞が発生する仕組みです。

老人ホームでも同じ時間帯にWi-Fi利用が増えると、動画が止まったり読み込みに時間がかかったりする現象が起こり得ます。入居者が一斉にスマートフォンを使う夕食後の時間帯は、特に影響を受けるでしょう。

混雑の影響を受けにくい「IPv6IPoE接続」に対応した回線は、速度低下を緩和する有力な手段です。IT担当者がいる施設や詳細な設備資料が提供される場合は、接続方式も確認できるとより安心でしょう。

老人ホーム見学で確認するWi-Fiポイント

老人ホームの見学は、Wi-Fi環境を直接確かめられる貴重な場面です。パンフレットやウェブサイトの情報だけでは把握しにくい通信環境の実態を、現地で確認しましょう。

ここでは、見学時に押さえておきたいWi-Fi関連のチェックポイントを5つ紹介します。

Wi-Fiが居室と共用部のどちらで使えるか確認する

見学時の最優先の確認項目は、Wi-Fiが居室と共用部のどちらで利用できるかです。「Wi-Fiあり」と表示されていても、実際にはロビーや食堂などの共用スペースだけに限定されている施設は多く見られます。

親御さんが居室で動画やビデオ通話を楽しみたい場合は、入居者が私物端末で接続できるWi-Fiが居室にあるか確かめましょう。施設から入居者用Wi-Fiのテスト利用許可を得られた場合は、その場で接続状況を試すとより確実です。

利用できるエリアが限られている場合は、共用スペースでの利用だけで満足できるか検討が必要になります。居室での利用が前提なら、Wi-Fiのカバー範囲を契約前に書面でも確認しておきましょう。

Wi-Fiの利用料金や追加費用の有無を確認する

Wi-Fiの利用料金が月額費用に含まれているか、別途オプション料金が発生するかは施設によって異なります。見学の場で費用体系を直接質問し、書面やパンフレットで確認しておくと安心です。

無料で利用できる施設もあれば、月額数百円のオプション料金を設けている施設もあります。施設のWi-Fiを使わずに個人でルーターや回線を契約する場合は、プランに応じた月額費用が別途発生するでしょう。

「利用料込み」と聞いていたのに入居後に追加費用を求められると、トラブルの原因になります。あいまいな説明で終わらせず、料金の内訳を具体的に確認しておきましょう。

セキュリティ対策とネットワーク分離の有無を聞く

施設のWi-Fiを安心して使うには、セキュリティ対策の状況を確認する必要があります。入居者の端末と施設職員の業務用端末が同じネットワーク上に混在していると、情報漏洩のリスクが高まるからです。

VLAN技術などを用いてネットワークが論理的に分離されている施設は、不正アクセスやマルウェア感染のリスクを軽減できます。IT担当者がいる場合や重要事項説明書などの資料で、ネットワークの分離状況を確認できると安心でしょう。

ネットワークの分離やパスワード管理が整った施設を選べば、親御さんが安心してスマートフォンを使えます。資料や書面で確認できるポイントとして意識しておくとよいでしょう。

ルーターやデバイスの持ち込み可否を確認する

施設のWi-Fiが不十分で個人のルーターを用意したい場合、持ち込みの可否を事前に確認する必要があります。施設によっては消費電力や安全上の理由から、ルーターの設置や電源コンセントの使用を制限しています。

口頭の説明だけでなく、規約や書面で持ち込みが認められているか確かめましょう。パソコンやタブレットなど電子機器の持ち込みルールも、同じタイミングで聞いておくと効率的です。

持ち込みが許可されていない施設では、入居後にWi-Fi環境を整える手段が限られます。ネット利用を重視する方にとっては、持ち込み可否が施設選びの判断を左右する場面もあるでしょう。

見学時にスマホで実際の電波状況を試す

見学時は、あなたのスマートフォンで施設内の携帯キャリア(4G/5G)の電波状況を確認しておきましょう。パンフレットの表記だけでは、建物内の通信品質を正確に把握できません。

確認しておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 携帯キャリアの電波の入り具合(居室・共用部それぞれ)

  • 建物の奥まった場所での受信感度

  • 入居者が利用できるWi-Fiのテスト接続(施設の許可を得た場合)

携帯キャリアの提供エリアはウェブサイトで事前に確認できますが、建物の構造や立地によっては電波が届きにくい場合もあります。不安が残るときはサポートセンターに問い合わせるか、施設スタッフに通信環境の状況を直接聞いてみましょう。

Wi-Fiがない老人ホームでネットを使う方法

入居先の老人ホームにWi-Fi環境がない場合でも、インターネットを利用する方法はあります。ただし、いずれの機器も事前に施設側の規約を確認し、持ち込みや電源コンセント使用の許可を得ることが大前提です。

ここでは代替手段を5つ紹介し、それぞれの特徴を解説します。

ホームルーターをコンセントに挿して使う

「置くだけWi-Fi」とも呼ばれるホームルーターは、居室のコンセントに挿すだけでインターネットが使える手軽な手段といえます。工事が不要で設定の手間も少ないため、機械操作に不慣れな方にも導入が簡単です。

ホームルーターの主な特徴は、以下のとおりです。

  • コンセントに挿すだけで設定が完了する

  • 電源供給が安定し通信が途切れにくい

  • データ容量無制限のプランが多い

  • 複数台の端末を同時に接続できる

居室で動画視聴やビデオ通話を頻繁に利用する方に適しています。契約するプランに応じた月額料金がかかるため、あなたの予算に合ったプランを比較して選びましょう。

ポケットWi-Fiを契約して施設に持ち込む

持ち運び可能なモバイルルーター(ポケットWi-Fi)を契約して施設に持ち込む方法もあります。手のひらサイズで携帯性に優れているため、居室だけでなく共用スペースや外出先でも利用できるのが強みです。

散歩や通院の際にもWi-Fi環境を持ち歩けるため、移動が多い方には便利な選択肢でしょう。バッテリー駆動なので充電の手間はかかりますが、数時間の外出であれば問題なく対応できます。

ただし、データ容量に上限のあるプランが多いため、動画視聴を長時間続けると制限にかかる可能性があります。利用頻度と用途に合わせて容量プランを慎重に選びましょう。

スマホのテザリング機能で一時的に対応する

テザリング機能を使えば、手持ちのスマートフォンをルーター代わりにしてパソコンやタブレットを接続できます。追加の機器を購入する必要がなく、すぐに試せる手軽さが魅力です。

ただし、スマートフォンのデータ通信量を消費するうえ、バッテリーの消耗が激しくなる点には注意が必要です。長時間の利用は端末本体にも負荷がかかるため、日常的なネット接続手段には向いていません。

テザリングはあくまで一時的な対応策と考え、日常的にネット環境が必要な場合はホームルーターやポケットWi-Fiの導入を検討しましょう。

スマホのデータ容量プランを増やして対応する

スマートフォン単体での利用が中心であれば、データ容量の大きいプランに変更する方法も選択肢のひとつです。LINEのやり取りやニュースの閲覧が主な用途なら、Wi-Fiルーターを用意しなくても十分に対応できるでしょう。

大手キャリアでは、月間データ容量が無制限のプランも提供されています。格安SIMでも大容量のプランが増えているため、月額費用を抑えつつ通信量を確保する選択肢は広がっています。

パソコンやタブレットを併用しない場合は、最もシンプルな対応策です。事前に親御さんの利用状況を確認し、必要な容量の目安を把握したうえでプランを見直しましょう。

光回線の個別契約は可能だが現実的ではない

通信速度や安定性を求めて光回線の個別契約を検討する方もいるでしょう。しかし老人ホームに個人で光回線を引く選択肢は、現実的とはいえません。

電柱から建物内の居室までケーブルを引き込む配線工事が必要で、壁に穴を開ける大がかりな作業を伴います。ほかの入居者への影響もあるため、施設側の許可を得るのが難しいからです。

退去時には原状回復の工事費用も発生し、入居期間が短い場合は費用対効果が見合わないでしょう。光回線を検討するよりも、ホームルーターやポケットWi-Fiなど工事不要で手軽に導入できる手段を優先するのが賢明です。

ホームルーターとポケットWi-Fiの比較

Wi-Fiがない老人ホームでネット環境を整える際は、ホームルーターとポケットWi-Fiが代表的な選択肢です。どの機器を選ぶにしても、事前に施設側へ持ち込みや電源コンセント使用の許可を取ることが大前提になります。

ここでは、許可を得た前提でホームルーター・ポケットWi-Fi・テザリングの3つを比較します。

ホームルーターは通信の安定性と容量無制限が強み

ホームルーターの最大の強みは、通信の安定性とデータ容量無制限のプランが多い点です。コンセントから常に安定した電力を得るため、バッテリー切れの心配がなく長時間の利用に向いています。

居室に据え置いて使う形式のため、動画視聴やビデオ通話を日常的に楽しむ方には最適な選択肢でしょう。複数の端末を同時に接続しても速度が落ちにくいのもメリットです。

一方でコンセントに接続して使う構造のため、外出先には持ち出せない制約があります。居室での利用がメインであれば、ホームルーターを第一候補として検討するのがよいでしょう。

ポケットWi-Fiは持ち運べて外出先でも使える

ポケットWi-Fi(モバイルルーター)の最大のメリットは、携帯性の高さです。バッテリー内蔵の手のひらサイズで、居室だけでなく外出先でもWi-Fi環境を確保できる点にあります。

通院や散歩の際にもカバンに入れて持ち歩けるため、施設の外でもスマートフォンをWi-Fiに接続できます。移動が多い方には、ホームルーターよりも柔軟性のある選択肢になるでしょう。

ただし、バッテリー残量の制約や電波の受信状況によって通信が不安定になる場面もあります。データ量の多い用途がメインの場合は、ホームルーターとの使い分けも検討しましょう。

テザリングは手軽だがバッテリー消耗が大きい

テザリングは追加の機器を契約する必要がなく、最も手軽にネット接続を試せる手段です。スマートフォンの設定画面から数タップで有効にでき、すぐにパソコンやタブレットをインターネットに接続できます。

ただし、通信の速度と安定性は専用のルーターに比べると劣る傾向にあります。スマートフォンのデータ通信量が上限に達する速度も早まり、バッテリーの消費も激しくなるでしょう。

長時間の利用は端末本体への負荷も大きいため、テザリングはあくまで一時的な手段として位置づけるのが適切です。日常的にネット接続が必要な場合は、ホームルーターかポケットWi-Fiの導入を検討しましょう。

老人ホームでWi-Fiを使うときの注意点

老人ホームでWi-Fiを快適に利用するには、セキュリティやルールの面で気をつけるべき点があります。便利さの裏にはリスクも潜んでおり、事前の対策で防げるトラブルも少なくありません。

ここでは、Wi-Fi利用時に押さえておきたい4つの注意点を解説します。

施設の共有Wi-Fiによる個人情報の漏洩リスク

施設が提供する共有Wi-Fiを利用する際は、個人情報の漏洩リスクに注意が必要です。入居者同士の端末が通信できる状態になっていると、不正アクセスやマルウェア感染の危険があります。

プライバシーセパレーター機能が設定されていない場合は、ほかの端末からデータを読み取られる恐れがあります。公衆無線LANと同じ水準のリスクがあると認識しておくのが安全です。

パスワードの管理やセキュリティソフトの導入など、あなたの側でもできる対策を講じておくとよいでしょう。セキュリティ対策について、重要事項説明書などの資料やIT担当者に確認できるとより安心です。

ルーター持ち込み時の電気代と施設への許可

個人でルーターを持ち込む場合は、施設からの正式な許可を得る必要があります。居室の電源コンセントを使用するため、施設によっては電子機器の持ち込みに関する規約が設けられています。

無断でルーターを設置すると、施設との信頼関係を損ねるリスクがあるでしょう。電気代の負担や消費電力の制限に関するルールも、事前に書面で確認しておくと安心です。

許可を得たうえで設置すれば、安心してWi-Fi環境を日常的に利用できます。入居契約の段階でルーター持ち込みの可否や電気代の扱いを相談し、施設側と合意を取っておくとスムーズです。

高齢者向けフィルタリングや詐欺対策の必要性

高齢者がインターネットを利用する際は、詐欺やウイルスへの対策が求められます。不審なメールのリンクや添付ファイルを開いてしまうリスクは、年齢を問わず誰にでもあることです。

高齢者が巻き込まれる代表的なトラブルは、以下のとおりです。

  • フィッシング詐欺による個人情報の流出

  • ワンクリック詐欺の被害

  • 偽サイトでの決済情報の入力

  • ウイルス感染による端末の不具合

フィルタリングソフトを導入し、危険なサイトへのアクセスを制限するのが有効な対策です。ご家族が定期的に端末の状態を確認し、不審なアプリが入っていないか見ておくと被害を防げるでしょう。

高齢者を狙ったネット回線の契約トラブルに備える

近年、高齢者を狙ったインターネット回線の契約トラブルが増えています。不要なオプションを多数つけられたり、内容を十分に理解しないまま契約させられたりする被害が報告されています。

親御さんが一人で通信会社の勧誘を受ける場面は、老人ホームでも起こり得るでしょう。契約の判断を急がされた場合は、その場で署名せずにご家族に相談する習慣をつけておくのが安全です。

新しい回線やルーターを契約する際は、信頼できるご家族に同席してもらいましょう。契約書の内容を一緒に確認し、不明な点があれば質問してから判断すると安心です。

老人ホームにパソコンやタブレットを持ち込む手順

老人ホームにパソコンやタブレットを持ち込む場合は、施設のルールや居室の環境を事前に把握しておく必要があります。入居前の準備を怠ると、設置場所やネット接続の段階でつまずく場合もあるでしょう。

ここでは、持ち込みの流れを3つのステップで解説します。

施設の持ち込みルールと貴重品管理を確認する

パソコンやタブレットを持ち込む前に、施設の規約で電子機器の持ち込みが認められているか確認しましょう。施設ごとに細かいルールが異なるため、思い込みだけで準備を進めるのは避けるべきです。

確認しておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 電子機器の持ち込み可否

  • Wi-Fiルーターの設置許可

  • 居室の電源コンセントの使用条件

  • 貴重品の保管方法と施錠できる収納の有無

電子端末は高価な情報資産であるため、紛失や盗難を防ぐための管理も求められます。施錠できる引き出しやワイヤーロックでの固定など、物理的な管理策も検討しましょう。

居室の作業スペースと電源環境を事前に把握する

居室にパソコンやホームルーターを設置するには、十分なスペースと電源が必要です。見学時に居室を確認する際は、机やテーブルを置けるスペースがあるかチェックしましょう。

コンセントの位置や数が不足していると、延長コードの使用や機器の配置に制約が出ます。施設によってはコンセントの使用に許可が必要な場合もあるため、事前に相談しておくのが安心です。

ルーターはWi-Fiの電波が届く範囲を広げるため、高い位置への設置が理想的でしょう。居室のレイアウトを入居前に把握し、機器の配置計画を立てておくとスムーズに準備が進みます。

Wi-Fi接続の初期設定を家族が済ませておく

Wi-Fi接続の初期設定は、ご家族が入居前に済ませておきましょう。ルーターの電源を入れただけでは端末に自動接続されず、パスワード入力に戸惑う高齢者が多いからです。

ホームルーターやモバイルルーターの場合、スマートフォン側でWi-Fiネットワークを選びパスワードを入力する作業が必要です。入居前にご家族がこの設定を終わらせておけば、親御さんは施設に着いたその日からネットを使えます。

操作に不安がある場合は、通信事業者や家電量販店のサポートサービスを活用するのもひとつの方法です。入居日に慌てないよう、必ず入居前にご家族がすべての設定を完了させておきましょう。

Wi-Fi環境を重視した老人ホームの選び方

老人ホームのWi-Fi環境を重視して施設を選ぶ場合は、情報収集の方法を工夫すると希望に合った施設が見つかります。公式サイトの確認から専門家への相談まで、複数の手段を組み合わせるのが効果的です。

ここでは、Wi-Fi環境を軸にした施設の探し方を3つのステップで紹介します。

施設の公式サイトで設備情報を事前に調べる

Wi-Fi環境を重視するなら、まずは入居を検討する施設の公式サイトやパンフレットを確認しましょう。見学に出向く前に基本的な設備情報を把握しておくと、候補施設を効率よく絞り込めます。

公式サイトでチェックしたいポイントは、以下のとおりです。

  • Wi-Fi設備の有無と対応エリア

  • 利用料金が無料か有料か

  • インターネット環境に関する注意事項

記載がない場合は電話やメールで「入居者自身が私物のスマートフォンやパソコン等で自由に接続できるWi-Fiが居室で使えますか」と直接確認するのが確実です。利用主体を明確にした質問で、認識のズレを防ぎましょう。

施設種別ごとのWi-Fi整備傾向を把握する

施設を選ぶ際は、施設種別ごとのWi-Fi整備傾向を知っておく必要があります。特養・有料老人ホーム・サ高住では通信環境の位置づけが異なり、Wi-Fiの提供範囲にも差が生じています。

特養は事務室など管理業務エリアの整備が先行している一方、居室への対応はまだ道半ばです。サ高住は個別に回線を契約する方式が主流でしたが、施設全体でWi-Fiを提供するモデルも増えつつあるでしょう。

施設の種類ごとに通信インフラの成熟度が異なる点を踏まえ、比較の基準として活用しましょう。同じ「Wi-Fiあり」でも提供レベルに差があるため、種別ごとの傾向を知っておくと判断に迷いにくくなります。

老人ホーム紹介センターでWi-Fi対応施設を探す

個人のリサーチだけでは限界があるため、介護施設の紹介センターを活用するのも有効な方法です。「居室でWi-Fiが使えるか」など細かい条件を指定して施設を探してもらえます。

紹介センターのスタッフは複数の施設情報をもっているため、あなたの希望に合った候補を効率的に提案してくれるでしょう。ウェブサイトでは見つけにくいWi-Fi環境の詳細も、施設への直接確認を通じて把握しています。

Wi-Fi環境以外にも費用やサービス内容を総合的に比較したい場合は、『笑がおで介護紹介センター』のような相談窓口に問い合わせてみてください。専門家のサポートを活用すれば、親御さんに合った施設を効率よく見つけられるでしょう。

老人ホームのWi-Fiでよくある質問

老人ホームのWi-Fiに関して、多くのご家族から寄せられる疑問があります。入居後の対応策や設定支援の方法など、事前に知っておくと安心なポイントをまとめました。

ここでは、よくある3つの質問に回答します。

入居後にWi-Fi環境を追加で整える方法はある?

入居後でも、Wi-Fi環境を追加で整える方法はあります。施設にWi-Fiがない場合や共用スペースでしか使えない場合でも、個人で機器を用意すれば居室でインターネットを利用できるからです。

最も手軽な方法は、工事不要のホームルーターを契約して居室のコンセントに挿す方法です。モバイルルーターを持ち込む方法でも、同じようにWi-Fi環境を確保できます。

いずれの方法も施設側の持ち込み許可が前提となるため、まずは施設に相談しましょう。許可を得たうえで導入すれば、入居後でもスムーズにネット環境を整備できます。

老人ホームへのWi-Fiルーター持ち込みの許可は?

Wi-Fiルーターの持ち込みが許可されるかどうかは、施設の規約によって異なります。確認すべきポイントは「機器の持ち込み自体が認められているか」と「居室の電源コンセントを使ってよいか」の2点です。

消費電力や安全上の規定は施設ごとに異なるため、口頭だけでなく書面で確認しておくと安心です。入居前に施設側と合意を取っておけば、あとからトラブルになる心配を減らせます。

持ち込みが認められない施設の場合は、スマートフォンのデータ容量プランを見直すなど別の手段を検討しましょう。施設選びの段階でルーター持ち込みの可否を確認しておくと、入居後の選択肢が広がります。

家族が遠方から入居者のWi-Fi設定を支援する方法は?

遠方に住むご家族でも、入居者のWi-Fi設定を支援する方法はあります。直接訪問が難しい場合は、入居前の準備段階ですべての設定を済ませておくのが最も確実な方法です。

効果的な支援の方法は、以下のとおりです。

  • 入居前に自宅で初期設定を完了させる

  • 設定済みの機器を施設へ郵送する

  • 訪問サポートサービスを活用する

入居後にルーターの不具合や接続トラブルが発生した場合は、通信事業者や家電量販店が提供する遠隔サポートや訪問サポートの利用を検討しましょう。遠方であっても事前の準備と外部サポートの活用で、親御さんのネット環境を維持できるでしょう。

ネット環境が整った施設をお探しの方へ

『笑がおで介護紹介センター』では、Wi-Fi環境が整った施設も紹介しています。以下は、インターネット利用が可能な施設の一例です。

IKOIナーシングホーム堺(大阪府堺市西区):24時間看護師常駐の住宅型有料老人ホームです。ネット利用可で、希望者はWi-Fiを利用できます。

障がい者ホームREGAIA南津守(大阪府大阪市西成区):全居室にWi-Fi完備のグループホームです。駅近でご家族も訪問しやすい立地です。

まとめ

老人ホームのWi-Fi環境は施設の種類や運営形態によって異なり、居室で使えるかどうかは個別の確認が必要です。費用面でも無料の施設から月額料金が発生する施設までさまざまなため、入居前に利用条件を整理しておきましょう。

まずは施設の公式サイトで設備情報を確認し、見学時に居室の電波状況を実際に試すところから始めてみましょう。Wi-Fiがない施設でもホームルーターやポケットWi-Fiの持ち込みで対応できる場合があります。

施設選びやWi-Fi環境の整え方で不安がある場合は、介護の専門家に相談するのも賢い方法です。『笑がおで介護紹介センター』では施設のネット環境を含む幅広い悩みに無料で対応しているため、気軽に問い合わせてみましょう。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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