老人ホームの洗濯はどうする?自分で洗う/家族/業者/施設サービスの違い

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老人ホームの洗濯はどうする?自分で洗う/家族/業者/施設サービスの違い

親御さんの老人ホーム入居が決まり、施設から「洗濯物の対応方法を決めてほしい」と案内されて戸惑っていませんか?仕事との両立を考えると毎回持ち帰るのは難しく、施設任せか業者利用かで悩む方は多いでしょう。

この記事では、老人ホームの洗濯を「自分で洗う」「ご家族が持ち帰る」「業者に依頼する」「施設サービスに任せる」の4つに分けて、メリット・デメリット・費用相場・トラブル防止のコツを解説します。

また、衣類の準備や記名のポイント、施設見学で確認すべき項目もお伝えします。

読み終えるころには、あなたの家庭に合った洗濯方法を選べるようになり、安心して入居準備を進められるようになるでしょう。

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老人ホームの洗濯方法と組み合わせパターン

老人ホームでは、ご本人が洗う・ご家族が持ち帰る・業者に依頼する・施設サービスに任せるの4つの洗濯方法があります。施設の種類や方針によって選べる組み合わせが異なるため、入居前に内容を把握しておきましょう。

ここでは、各方法の特徴と複数を組み合わせるパターンを紹介します。

入居者ご本人が施設の洗濯機を使って自分で洗う

ADL(日常生活動作)が自立しており、身の回りのことが自分でできる入居者は、施設の共用洗濯機や自室の洗濯機で洗濯できます。

自分で洗濯を続けることはリハビリの一環でもあり、自立感を保ちながら施設での生活を送るうえで有効な方法です。

サービス付き高齢者向け住宅では、自室に洗濯機置き場が設けられている施設もあり、ご本人のペースで洗濯を進められます。「できるうちは自分でやりたい」との希望を柔軟に反映できる点が魅力です。

ただし、要介護度の上昇や体調の変化で継続が難しくなる場合があります。施設スタッフと相談しながら、無理のない範囲で続けるかどうかを判断しましょう。

ご家族が定期的に施設から衣類を持ち帰って洗う

ご家族が定期的に施設を訪れて洗濯物を受け取り、自宅で洗って乾いた衣類を届ける方法です。面会のときに衣類を受け渡すケースが多く、親御さんの様子をご家族の目で直接確認できるメリットもあります。

施設スタッフが洗濯を担っている場合でも、洗濯機では洗えない衣類だけをご家族が持ち帰ることがあります。基本はご家族が洗う設定でも、追加料金のオプションで業者に依頼できる施設もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

仕上がりや洗い方にこだわりたいご家族には、この方法が選択肢として有効です。入居前に施設の対応可能な選択肢を把握しておくと、状況に応じて柔軟に対応できます。

洗濯代行業者に私物の衣類を預けて洗ってもらう

施設が専門の洗濯代行業者に入居者の衣類の洗濯を外注する方法です。業者が週1~2回ほど施設を訪問して衣類を回収し、洗浄・乾燥・折り畳みまで済ませて返却するため、ご家族が持ち帰る手間を大幅に省けます。

専門業者の設備を使うため、家庭用洗濯機では難しいアンモニア臭の除去や高温乾燥による除菌も期待できます。ご家族の訪問頻度を減らしながら、清潔な衣類を定期的に届けてもらえる点が強みです。

ただし、回収から手元に戻るまで数日かかります。返却日数を見越して、数日分から1週間分程度の衣類を多めに準備しておきましょう。

施設が提供する洗濯サービスにすべて任せる

施設内の洗濯機を使い、介護スタッフや生活支援員がケアの一環として入居者の衣類を洗濯する方法です。日本の介護現場で最も一般的な形であり、ご家族が洗濯を担わなくても定期的に衣類を洗ってもらえます。

食べこぼしや排泄による突発的な汚染にも施設スタッフがすぐ対応できるため、衛生管理の面で安心感があります。ご家族が洗濯のために施設へ頻繁に通う必要がなく、日常的な負担がかかりません。

一方で、施設の洗濯機では対応できない素材や衣類がある点は念頭に置く必要があります。対応できる衣類の範囲と追加費用の有無は、入居前に施設へ確認しておきましょう。

複数の方法を組み合わせて使い分ける

施設内での洗濯と外部業者やご家族の支援を組み合わせるハイブリッド型の運用もあります。日常着は施設サービスに任せ、季節ものやデリケートな衣類だけをご家族が担当する形は多くの家庭で選ばれています。

たとえば、食べこぼしで汚れた衣類は施設がすぐに対応し、ドライクリーニングが必要なものは業者に委託する形で使い分けが可能です。

衣類の種類や状況に合わせて柔軟に組み合わせれば、ご家族の負担を抑えながら親御さんの衣類を適切に管理できます。どの組み合わせが対応可能かは施設によって異なるため、入居前に施設へ相談して確認しておきましょう。

4つの洗濯方法|それぞれのメリット

4つの洗濯方法にはそれぞれ強みがあり、ご本人の身体状況やご家族の事情、予算によって向き不向きが変わります。入居前に各方法のメリットを把握しておくと、自分たちに合った選択の幅が広がるでしょう。

ここでは、方法ごとの主なメリットを解説します。

自分で洗うと好きなタイミングで洗濯できる

ご本人が自分で洗濯できる状態であれば、施設の一括洗濯のスケジュールに合わせる必要がなく、ご本人のペースで生活リズムを管理しながら過ごせます。

ただし、共用洗濯機には利用可能な時間帯や台数の制限が設けられている場合もあるため、完全に自由なタイミングで洗えるとは限りません。

自分で洗濯を続けることは、ADLを維持するためのリハビリにもなります。洗濯物を干す・取り込む・畳むといった一連の動作が、手先の運動や認知機能の維持に役立つでしょう。

日々の生活のなかでできることを積み重ねることで、自立感や精神的な安定の維持につながります。スタッフと相談しながら、無理のない範囲で取り入れたい方法です。

ご家族が持ち帰ると仕上がりの質を管理できる

ご家族が洗濯を担当すると、洗剤の種類や香り、仕上がりの質を家庭と同じ水準で保てます。施設の一括洗いでは使えない柔軟剤を加えたり、親御さんの好みに合わせた洗い方をしたりと、細かい配慮ができます。

ご家族にとっては、洗濯を通じて親御さんの生活に関わり続けられる点が心理的なメリットです。「まだ自分にできる役割がある」と感じられ、入居後も親御さんとのつながりを実感できます。

ただし、体力や時間にも限りがあるため、無理のない頻度を設定するのが長く続けるポイントです。ご家族の状況に合わせた回数と方法を選びましょう。

業者に依頼するとご家族の負担を大幅に減らせる

洗濯代行業者に任せると、施設への訪問や洗濯物の持ち帰りといった手間がなくなり、ご家族の負担を大幅に軽くできます。

専門設備での洗浄により、家庭用洗濯機では除去が難しいアンモニア臭の完全除去や、高温乾燥による殺菌・除ダニ効果も期待できる点がメリットです。

介護スタッフが洗濯業務から解放されることで、身体介助やレクリエーションなど本来の専門業務に集中できます。また、ご家族が施設への訪問頻度を減らしたい場合に、特に向いている選択肢です。

施設サービスなら手間なく毎日清潔を保てる

施設職員が直接洗濯を担う方法の最大の利点は、食べこぼしや排泄による汚染衣類にも当日中に対応できる点です。外部業者のように回収・返却のサイクルを待つ必要がなく、突発的な汚染にもすぐ対処して清潔な状態に戻せます。

入居者の個別の状態に応じた、柔軟な対応ができることも強みです。たとえば、食事中の食べこぼしが起きた場合でも、すぐに衣類を交換して洗濯に回してもらえます。

ご家族が洗濯のために施設へ通わなくてよいため、日常的な負担がかかりません。衛生面と入居者の心理的なケアの両面で、安心感が得られる方法です。

4つの洗濯方法|それぞれのデメリット

各洗濯方法にはメリットの反面でデメリットもあります。選ぶ前にリスクや負担を把握しておくことで、入居後のトラブルや予期しない出費を防げます。

ここでは、4つの洗濯方法の主なデメリットを見ていきましょう。

自分で洗うと体調の変化で継続が難しくなる

身の回りのことが自分でできる状態で入居しても、加齢や要介護度の上昇により洗濯を続けられなくなる場合があります。体調の変化に合わせて方法の見直しが必要であり、施設スタッフとの定期的な状況確認が求められます。

認知機能が軽度低下した場合は、洗剤の量を間違えたり洗濯機に異物を入れたりするリスクもあるでしょう。施設側の見守りとメンテナンスが伴うため、ご本人の状態によっては利用を制限されることもあります。

ご本人が自分でできると感じていても、安全を優先してスタッフに状況を伝えておくことが賢明です。継続が難しくなった場合でも、施設サービスや業者への切り替えで対応できるため、柔軟に備えておきましょう。

ご家族が持ち帰ると時間・交通費の負担がかさむ

ご家族が洗濯を担当する場合、週に2~3回ほど施設に通う必要が生じます。仕事や家事、ご自身の体調とも向き合いながらの訪問は、体力的・時間的な負担が想像以上に大きいものです。

交通費や移動時間といった金銭以外のコストも、継続するにつれて積み重なります。施設が遠い場合は往復だけで半日以上かかることがあり、頻繁な訪問が難しくなるでしょう。

長期間にわたって続けることを前提に、自分たちにとって無理のない頻度を最初から決めておくと安心です。ご家族が複数いる場合は、役割を分担して負担が集中しないよう工夫しましょう。

洗濯代行業者は月額費用が高くなりやすい

洗濯代行業者を利用する場合、私物の洗濯に対して月額定額制や袋単位の従量課金など別途費用がかかります。

施設が業者に私物の洗濯を外注している場合は、基本の月額料金に上乗せされる形で請求されることが多く、費用は高めになる傾向があります。

法人向け洗濯代行の料金目安として、Mサイズ(80L)の袋1回あたり4,500円程度の利用料です。利用回数や量に応じた料金体系のため、施設ごとに費用が異なり、内訳を事前に確認する必要があります。

返却まで数日かかるため着替えを多めに用意する必要があり、居室の収納を圧迫する副次的な問題も生じます。費用面だけでなく、衣類の枚数や収納スペースも踏まえて判断しましょう。

施設サービスは衣類の取り違えリスクがある

多くの入居者の衣類をまとめて洗う施設環境では、まれに紛失や取り違えが起きることがあります。紛失や破損はご家族や入居者の不満を招き、施設への信頼を損なう直接的な原因となるでしょう。

施設の洗濯機は家庭用に近い仕様が多く、ドライクリーニングが必要な衣類やデリケートな素材、大型の毛布などには対応できない施設が大半です。対応外の衣類を持ち込むと、洗ってもらえないだけでなく繊維が傷むリスクも考えられます。

トラブルを防ぐためには、すべての衣類にフルネームで記名し、施設の対応範囲を入居前に把握しておく必要があります。衣類の管理方法や紛失時の対応フローも、見学時に確認しておきましょう。

自分に合った洗濯方法の選び方

老人ホームの洗濯方法は、ご本人の状態・ご家族の都合・月々の費用の3つの軸から選べます。ひとつの方法に絞る必要はなく、複数を組み合わせる選択も可能です。

ここでは、方法を絞り込むための3つのポイントを説明します。

入居者ご本人の身体状況や自立度をもとに判断する

洗濯の方法は、ご本人の身体状況やADL(日常生活動作)の自立度を踏まえて決めます。身の回りのことが自分でできる入居者であれば自分で洗濯する選択肢もありますが、要介護度の変化に応じた見直しが必要です。

ご本人が自分での洗濯継続を望む場合でも、施設スタッフと状況を共有しながら判断するのがおすすめです。認知機能が軽度低下した場合、洗剤の誤投入などのリスクが生じる可能性があります。

施設スタッフに見守り体制を整えてもらいながら継続するかどうかを相談しましょう。身体状況は変化するものであるため、定期的に方法を見直しが必要です。

ご家族が施設に通える頻度と距離から方法を絞る

ご家族が洗濯物を持ち帰る場合、施設への交通アクセスと自分たちが無理なく通える頻度を現実的に確認する必要があります。

週に2~3回の訪問が難しい場合は、日常着の洗濯は施設や業者に任せ、デリケートな衣類だけをご家族が担当するハイブリッド型が現実的な選択肢です。

施設が遠い場合は月に数回の訪問に絞り、洗濯は施設サービスに委ねる方法が合っています。ご家族が複数いる場合は訪問を分担して、負担が集中しないよう調整しましょう。

ご家族全員が長く続けられる方法を選ぶことが、親御さんの安定した施設生活にもつながります。距離・頻度・負担のバランスを踏まえて判断しましょう。

月々の予算とほかの介護費用とのバランスで選ぶ

私物の洗濯にかかる費用は方法によって大きく異なります。月額費用に私物の洗濯が含まれる施設もあれば、外注業者への別途費用や共用洗濯機利用の都度課金(1回200円程度)がかかる施設もあります。

介護費用は月額基本料・食費・居室費・医療費などが重なるため、洗濯だけに多くの予算を割けない場合もあるでしょう。洗濯に使える予算の上限をあらかじめ決めておくと、選択肢を絞り込む際の基準になります。

業者を利用する場合は費用が高めになる分、ご家族の時間と体力を守れるメリットがあります。費用だけでなく、時間や体力も含めたトータルコストで比較するとよいでしょう。

老人ホームの洗濯にかかる費用相場

老人ホームの洗濯には、介護保険で賄われる部分と利用者が実費で負担する部分があります。施設の形態や洗濯方法によって費用の仕組みが異なるため、入居前に確認しておくことが必要です。

ここでは、費用ごとの目安を確認していきましょう。

介護保険の給付に含まれる洗濯の範囲

特養・老健・介護医療院・短期入所生活介護などでは、シーツや枕カバーなど日常に不可欠なリネン類の洗濯代やリース料は、原則として介護報酬(保険給付)に含まれています。利用者から別途費用を徴収することは認められていません。

おむつ代・おむつカバー代とおむつ類の洗濯代も給付の対象であり、施設側が利用者に請求できない項目です。給付に含まれる範囲を事前に把握しておくと、実費でかかる費用の見通しを立てられます。

一方、入居者の私物の洗濯については、施設の種類や方針によって費用が発生する場合があります。対応範囲と費用の区別を入居前に確認しておきましょう。

参考:通所介護等における日常生活に要する費用の取扱いについて(老企第54号)|厚生労働省

実費徴収される私物の洗濯代の目安

入居者の私物の洗濯代は「その他の日常生活費」に分類され、施設が利用者から実費を徴収できる場合があります。

ただし、特養では私物の洗濯も施設サービスとして担うべきものとされており、外部クリーニング代を除き別途徴収は認められていません。

共用洗濯機の利用はコインランドリー形式で1回200円程度が相場であり、月額定額制の施設もあります。費用の仕組みは施設ごとに異なるため、入居前に「私物の洗濯代がかかるか・いくらか」を確認しておきましょう。

有料老人ホームや住宅型施設では、私物の洗濯代が実費となるケースが多いため、月々の費用試算に含めておく必要があります。どの衣類が対象になるか、しっかりと確認しておきましょう。

洗濯代行業者を利用した場合の料金目安

施設が外部の洗濯代行業者(リネンクリーニング)を利用する場合、月額定額制や専用袋単位での従量課金が一般的です。法人向けの料金目安として、Mサイズ(80L)の袋1回あたり4,500円程度のプランを用意する業者があります。

費用は施設ごとに業者と料金が異なるため、見学時や契約前に内訳を確認するとよいでしょう。業者の回収頻度・返却日数・対応できる衣類の種類も把握しておくと、判断の参考になります。

基本の月額費用にこの洗濯代が上乗せされるケースが多いため、総費用の試算が必要です。月々の介護費用全体と照らし合わせたうえで、利用するかどうかを判断しましょう。

ご家族が持ち帰る場合の交通費と時間コスト

ご家族が自宅で洗濯する場合、水道光熱費のみで済むため経済的な面では最も抑えられる方法です。施設への支払いが発生しないため、月々の費用負担を軽くしたいご家族に向いています。

ただし、施設への交通費や移動時間、洗濯作業にかかる時間など、金銭以外の見えないコストが積み重なります。週2~3回の訪問が続くと、往復交通費だけで月に数千円から数万円になるケースもあるでしょう。

移動時間が長い場合は、月に数十時間を洗濯の往来に費やすことになります。費用だけでなく時間や体力も含めて、長期的に続けられるかを総合的に判断しましょう。

老人ホームで洗濯できるもの・できないもの

施設の洗濯サービスで対応できる衣類には、範囲があります。家庭用に近い洗濯機を使う施設が多く、水洗いできる日常着が中心です。

洗えない衣類を持ち込むとトラブルのもとになるため、事前に把握しておきましょう。ここでは、対応範囲とリネンサービスの違いを解説します。

施設の洗濯サービスで対応できる衣類の範囲

施設職員が洗濯を担う場合、使用される洗濯機は家庭用と同等のものがほとんどです。家庭用の水洗いに対応できる衣類が基本的なサービスの対象であり、日常着であれば毎日の汚れに対応できます。

施設が一般的に対応できる衣類は、水洗い可能な日常着が中心です。

  • 肌着・インナー
  • Tシャツ・カットソー・トレーナー
  • パジャマ・部屋着
  • 靴下・タオル類

ただし、ひどい食べこぼしや排泄物の汚れが付いた衣類は、つけ置きや手洗いなどの前処理が必要になる場合もあります。対応できる範囲は施設の設備や方針によって異なるため、入居前に確認しておきましょう。

洗濯対象外になりやすい衣類や寝具の種類

施設の家庭用洗濯機では、素材の繊細さや大きさによって対応できない衣類や寝具があります。持ち込んだ場合、洗ってもらえずに返却されたり、誤って洗われて繊維が傷んだりするリスクがあります。

対象外になることが多い衣類・寝具は、以下のとおりです。

  • ウール・カシミヤ・シルク素材の衣類
  • ドライクリーニングが必要な服
  • ビーズや刺繍などの装飾付きの服
  • ダウンジャケット・厚手の冬物
  • 大型の毛布・掛け布団

設備の破損防止や乾燥不備を理由に、施設側が対応を断るケースが多くあります。こうした衣類は持ち込みを控えるか、ご家族が定期的に持ち帰って自宅で管理・洗濯しましょう。

リネンサプライとリネンクリーニングの違いを把握する

施設向けの外部洗濯サービスには「リネンサプライ」と「リネンクリーニング(洗濯代行)」の2種類があります。入居後のサービス内容を理解するうえで、この2つの違いを把握しておきましょう。

リネンサプライは、業者が所有するシーツやタオルなどを施設に貸し出し、使用後に回収・洗濯・補充をするサービスです。施設はリネン類の購入・管理の手間を省けるため、多くの施設で採用されています。

一方、リネンクリーニング(洗濯代行)は、施設や入居者が所有する私物の衣類を業者が預かり、洗って返却するサービスです。個人の衣類を扱える点が強みですが、衣類の購入と管理は利用者側の責任になります。

老人ホームで洗濯トラブルを防ぐ方法

衣類の紛失や取り違え、対応できない素材の持ち込みなど、洗濯まわりのトラブルは事前の準備と確認で多くを防げます。記名のルールや持ち込む枚数、施設の洗濯ルールを把握しておくと安心です。

ここでは、洗濯トラブル防止の4つのポイントを解説します。

すべての衣類にフルネームでわかりやすく記名する

多くの入居者の衣類が混在する施設では、紛失やほかの入居者との取り違えを防ぐため、すべての持ち物への記名が基本です。施設には同姓の入居者がいる可能性があるため、苗字だけでなくフルネームで記入する必要があります。

記名があると職員が仕分けをする際に素早く識別でき、取り違えのリスクを減らせます。入居時にすべての衣類へ記名を済ませておくと、入居後の手間を最小限に抑えられるでしょう。

記名する場所は、着用時に目立たず職員の仕分け時に確認できる洗濯タグが推奨されています。記名グッズにはアイロン不要のお名前シールや布用マーカーなどがあり、素材に応じて使い分けると便利です。

持ち込む衣類の種類と枚数を施設に確認する

洗濯を業者に外注している施設では、回収から返却までに数日かかります。その間の着替えとして、数日分から1週間分程度の衣類を多めに用意する必要があります。

ただし、居室の収納スペースには限りがあるため、大量の衣類を持ち込むことはおすすめしません。事前に施設と相談して、洗濯のサイクルに合わせた種類と枚数を決めてから持ち込みましょう。

洗濯が週2回で返却に2日かかる場合は、各衣類を4~5枚程度用意するのが目安です。施設の洗濯サイクルと収納スペースの両方を確認したうえで、適切な枚数を判断しましょう。

デリケートな素材の衣類は自宅管理に切り替える

ウールやシルクなどデリケートな素材の衣類や、ドライクリーニングが必要な衣類は施設の洗濯機では洗えません。設備の破損防止のため、施設側がこうした衣類の洗濯を断るケースも多いでしょう。

施設に持ち込んだまま放置すると、衣類が長期間洗われない状態になったり、誤って洗濯機に入れられて傷んだりするリスクがあります。こうした衣類は施設には持ち込まず、ご家族が定期的に持ち帰って自宅で管理しましょう。

季節ものやフォーマルな衣類についても、施設への常備は避けてご家族が預かる方が安全です。デリケートな衣類を自宅で管理にすることで、洗濯トラブルの多くを未然に防げます。

入居前に施設の洗濯ルールを細かく確認する

洗濯の対応方法や料金体系は施設ごとに大きく異なり、入居後にトラブルになるケースも少なくありません。見学時や契約前に洗濯に関する項目を確認しておくことで、想定外の費用やトラブルを防げます。

確認しておきたい主な項目は、以下のとおりです。

  • 月額費用に含まれる洗濯の範囲
  • 私物の洗濯に追加料金があるか
  • 洗濯の頻度と返却サイクル
  • 施設が対応できない衣類の種類
  • 紛失・破損時の施設の対応方針

確認した内容は書き留め、重要事項説明書の内容と照合しておくことをおすすめします。施設の洗濯ルールを入居前に把握しておくことで、入居後に安心して生活を始められます。

入居前に準備する衣類と記名のコツ

老人ホームに入居するときは、季節に合った衣類やタオル、うち履きスリッパなどの準備が必要です。施設の洗濯サイクルや業者の返却日数を考慮した枚数を用意しておくと、入居後に衣類が不足するリスクを避けられます。

ここでは、衣類の準備から記名のコツまでをまとめます。

季節ごとに準備したい衣類の種類と必要枚数

老人ホームへの入居時には、その季節に応じた衣類やタオル類を準備します。施設の洗濯頻度や業者の返却日数を考慮し、数日分から1週間分程度を目安に枚数を揃えましょう。

一般的に準備が必要なものは、以下のとおりです。

  • 季節に合った肌着・インナー
  • デイリー用の上着・ズボン
  • パジャマ
  • タオル・フェイスタオル
  • うち履きスリッパ

具体的な枚数は、施設の洗濯サイクルや返却日数によって変わります。居室の収納スペースにも限りがあるため、入居前に施設へ種類と枚数の目安を確認してから揃えましょう。

老人ホームに適した服の選び方と素材の特徴

施設では家庭用や業務用の洗濯機で水洗いされることが多いため、しっかり洗える素材の衣類を選ぶことが基本です。手洗いやドライクリーニングが必要な素材の服は施設の洗濯に向かないため、日常着からは除いておきましょう。

反対に、ウールやシルクなど手洗いやドライクリーニングが必要なデリケートな素材の服は施設の洗濯には向きません。日常着としてはガンガン洗える素材の服を選ぶのが無難です。

施設で対応できる衣類の範囲は設備や方針によって異なるため、入居前に確認しておきましょう。ご本人の着脱のしやすさも考慮して選ぶと、日常生活がスムーズになります。

衣類の記名に適したグッズとおすすめの記入位置

施設での洗濯では多くの衣類が混在するため、記名は必須です。適切なグッズと記入位置を選ぶことで、着用時に目立たず施設スタッフが素早く仕分けできます。

記名に使えるグッズには、以下のとおりです。

  • お名前シール(アイロン不要タイプ)
  • コットンシール(洗濯タグ専用)
  • 布用マーカー(濃い色の布にも対応)
  • おなまえスタンプ(速乾タイプ)

Tシャツや肌着は洗濯タグ付近、ズボン類は腰まわりの裏側など、衣類の種類ごとに記入位置を揃えると見た目を損ないません。施設スタッフが素早く仕分けできる位置に統一することで、取り違えのリスクを減らせます。

老人ホームへの持ち込みを避けたい衣類の特徴

施設の洗濯機で対応できない衣類を持ち込むと、洗ってもらえず汚れたまま戻ってきたり、誤って洗われて傷んだりするリスクがあります。入居前に対応外の衣類を把握し、持ち込みを控えることでトラブルを防げるでしょう。

持ち込みを避けたい衣類の特徴は、以下のとおりです。

  • ウール・カシミヤ・シルク素材のもの
  • 手洗い・ドライクリーニング表示の服
  • ビーズや刺繍などの装飾付きの服
  • ダウンジャケット・厚手の冬物
  • 大型の毛布・掛け布団

施設の家庭用洗濯機では、こうした衣類に対応できないケースが多くあります。

どうしても施設で使いたい衣類については、施設側に洗濯対応の可否を確認したうえで判断しましょう。対応が難しい場合はご家族が定期的に持ち帰って自宅で管理する形が現実的です。

ご家族が洗濯を担当する場合の頻度とコツ

ご家族が洗濯を担当する場合、無理のない頻度を決めることが長続きのコツです。週に2~3回の訪問が負担になる場合は、業者や施設サービスとの併用も検討しましょう。汚れた衣類を扱うときは、感染対策と消臭にも気を配る必要があります。

ここでは、ご家族が洗濯を担当する場合の頻度やコツを解説しコツ解説します。

無理のない洗濯物の受け渡し頻度を決める

ご家族が洗濯を担当する場合、週に2~3回の施設訪問は体力的・時間的に大きな負担になることがあります。仕事や距離を考えて、無理なく続けられる頻度を最初に決めておきましょう。

ご家族が複数いる場合は、窓口となる方を決めたうえでほかの方と訪問を分担すると、ひとりへの負担を分散できます。日常着の洗濯は施設や業者に任せ、デリケートな衣類だけをご家族が担当する形も選択肢のひとつです。

入居後に状況が変わった場合は、施設スタッフに相談して担当範囲の見直しも検討しましょう。ご家族の体力や時間を守りながら続けることが、長期的なサポートにつながります。

汚染衣類の感染対策は施設内での処理が原則

介護の洗濯物には排泄物や嘔吐物が付着していることがあり、ノロウイルスや腸管出血性大腸菌などの病原体が含まれるリスクがあります。

感染症予防の基本は感染源を「持ち込まない・拡げない・持ち出さない」ことであるため、汚染された衣類は施設内で適切に消毒処理されてから返却されるのが原則です。

施設での処理手順は、以下のとおりです。

  • 使い捨て手袋・マスク・エプロンを着用
  • 付着物を軽く洗い流す
  • 次亜塩素酸ナトリウム液に30分浸漬
  • または85℃以上で1分間以上の熱湯消毒

ノロウイルスはアルコール消毒では効果がないため、必ず次亜塩素酸か加熱消毒を使います。

ご家族が洗濯を持ち帰る場合でも、汚染された衣類をそのまま自宅に持ち帰ることは二次感染のリスクがあるため避けましょう。施設側に消毒処理を依頼し、処理済みの衣類のみを受け取る形が安全です。

参考:ノロウイルスに関するQ&A|厚生労働省

消臭効果の高い洗剤で介護特有のにおいを防ぐ

介護の洗濯物には、排泄臭(アンモニア臭)や加齢臭が残りやすい傾向です。一般的な洗剤ではこうしたにおいを完全に除去するのが難しく、入居者やご家族が不快に感じることもあります。

こうしたにおいを防ぐためには、介護向けに開発された消臭効果の高い洗濯洗剤(液体・粉末)の使用が推奨されます。においや汚れの染みつきがひどい場合は、洗剤や漂白剤を溶かした水やぬるま湯に一定時間つけ置きしてから洗うと効果的です。

汚れや素材に応じて液体洗剤と粉洗剤を使い分けることで、においを抑えつつ生地への負担も軽くできます。

施設見学で確認したい洗濯のポイント

老人ホームの見学時には、洗濯の対応範囲・料金・設備・衣類の管理方法を確認しておくと、入居後のすれ違いを防げます。月額に何が含まれるか、設備の状況、紛失時の対応まで聞いておきましょう。

ここでは、確認したい3つのポイントを説明します。

洗濯サービスの対応範囲と追加料金の有無

見学時に確認しておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 月額費用に私物の洗濯が含まれるか
  • 私物の洗濯に追加料金がかかるか
  • 洗濯の頻度と返却までの日数
  • 施設で洗えない衣類の素材や種類
  • 外部業者への委託の有無と料金

これらを把握しておくことで、入居後に費用面や洗濯の対応で混乱するリスクを減らせます。

料金の体系としては、月額に含まれるケース、コインランドリー形式で1回ごとに費用がかかるケース、外部委託による定額制や従量課金のケースなどがあります。施設によって仕組みが異なるため、具体的な金額を含めて確認しておくと安心です。

洗濯機や物干しスペースなど設備の充実度

ご本人が自分で洗濯することを希望する場合、共用洗濯機の台数・乾燥機の有無・利用できる時間帯を確認しておきましょう。乾燥機についてはガス式(乾きやすい)か電気式かも確認しておくと、乾燥の効率を把握できます。

サービス付き高齢者向け住宅では、自室に洗濯機置き場が設置されている施設もあり、プライバシーを保ちながら洗濯できる環境が整っている場合があります。洗濯スペースが共用か個室かによっても、利用の快適さや待ち時間が異なるでしょう。

設備が充分な施設は、入居者の自立した生活をサポートするうえでも評価ポイントになります。見学時には実際の設備を目で確認し、ご本人が問題なく利用できそうかを判断しましょう。

衣類の管理体制と紛失時の対応フロー

多くの衣類をまとめて洗う施設では、紛失のリスクをゼロにすることはできません。見学時に、すべての衣類への記名ルール・個別の洗濯ネット管理の有無など、管理体制を具体的に確認しておきましょう。

紛失や破損が起きた場合に施設側がどう対応するかも、事前に把握しておくと安心です。

管理体制が整っている施設かどうかは、施設選びの判断材料のひとつです。衣類の管理や紛失対応に対して施設が誠実かどうかを、見学の場で確認しておきましょう。

老人ホームの洗濯でよくある質問

入居を検討するご家族からよく寄せられる、老人ホームの洗濯の疑問を3つ取り上げます。

洗濯機の利用条件・洗剤の持ち込み・入居後の方法変更の可否について、基本的な考え方をまとめました。

老人ホームの洗濯機は入居者も使える?条件や制限は?

ADLが自立しており身の回りのことが自分でできる入居者であれば、共用スペースや自室の洗濯機を使って自分で洗濯できる施設があります。

ただし、ご本人の健康状態によって利用できる範囲が異なるため、スタッフと相談しながら判断する必要があるでしょう。

認知機能が低下した場合は、洗剤の誤投入や異物混入などのトラブルを防ぐためにスタッフが見守りに入ることがあります。共用洗濯機を利用する場合は、1回200円程度のコインランドリー形式で費用がかかることが一般的です。

自分で洗濯を続けたい場合は、施設見学の際に洗濯機の共用利用が可能かどうかを確認しておきましょう。施設によって利用条件や制限が異なるため、事前の確認が安心につながります。

洗濯用の洗剤や柔軟剤は自分で持ち込みできる?

ご本人が施設の洗濯機で自分で洗濯する場合は、個人の好みの洗剤を使用することになります。ただし、持ち込みの可否や施設側からの洗剤の指定があるかどうかは施設によって異なります。

洗剤に関する詳細なルールは各施設で異なるため、入居前に直接施設への確認が必要です。皮膚への刺激など配慮が必要な場合は、見学時や面談時に伝えておきましょう。

入居後に洗濯方法を途中から変更はできる?

加齢に伴い要介護度が上がったり体調が変化したりすると、自分で洗濯を続けることが難しくなる場合もあるでしょう。その際は施設スタッフによる洗濯や外部業者の利用、ご家族の支援などへ移行する形が考えられます。

ただし、変更時の手続きや対応可能な方法は施設ごとに異なります。入居前の段階で「途中から変更できるか」「変更時にどのような手続きが必要か」を施設に確認しておくと、変化への対応がスムーズになるでしょう。

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ベストライフ枚方(大阪府枚方市):全室個室で介護専用電動ベッドや車いす対応の洗面台など、快適な設備が整った住宅型有料老人ホームです。入居費用0万円~80万円、月額費用14.4万円~15.4万円で、自立から要介護まで幅広く対応しています。

まとめ

老人ホームの洗濯には「自分で洗う」「ご家族が持ち帰る」「業者に依頼する」「施設サービスに任せる」の4つの方法があり、それぞれメリット・デメリットや費用が異なります。

ご本人の身体状況・ご家族の負担・月々の予算のバランスを踏まえて、自分たちに合った方法を選びましょう。

すべての衣類にフルネームで記名し、施設が対応できない素材の持ち込みを控えることで、紛失や取り違えなどのトラブルを未然に防げます。施設見学では洗濯の対応範囲・料金・設備・紛失時の対応まで確認しておくと安心です。

洗濯の方法や費用、入居準備について不安がある場合は『笑がおで介護紹介センター』にご相談ください。ご家族の状況に合った施設選びを、プロのスタッフが無料でサポートいたします。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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