老人ホームとは?種類の違いとサービス内容・選ぶポイントについて
お役立ちコラム
老人ホームへの入居を考える際、どの施設を選ぶかは大きな決断となります。
「種類が色々あって、どれが合っているかわからない」「何を基準に選べばいいの?」と疑問を抱いている方もいるでしょう。
そこで、公的施設と民間施設の違い、それぞれのサービス内容、入居する上でのポイントについて解説します。この記事を読むことで、養護老人ホームから介護付有料老人ホームまで、各種類の老人ホームと提供するサービス、入居選びの基準がわかるでしょう。
入居までのステップも紹介しているため、老人ホーム選びに役立ててください。
老人ホームとは
老人ホームは、高齢者が生活するための施設の総称です。かつて高齢者が入所する施設を「養老院」「養老施設」と呼んでいましたが、1963年の老人福祉法制定に伴い、「老人ホーム」という名称が正式に採用されました。高齢者の日常生活や、介護ニーズに応じたサポートを目的としています。
関連記事:老人ホームとは?介護施設との違いや種類・費用などを一覧表で解説
公的施設と民間施設
老人ホームは「公的施設」と「民間施設」、2つのカテゴリーに分けられます。以下の表は、公的施設と民間施設に分類される老人ホームの種類となります。
公的施設 | 民間施設 | |
種類 | 養護老人ホーム 特別養護老人ホーム 介護医療院 介護老人保健施設 ケアハウス |
介護付有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム |
運営 | 国 自治体 社会福祉法人 医療法人 認可取得済みの民間企業 |
民間企業 |
入居対象者 | 自立した高齢者から要介護者まで | 自立した高齢者から要介護者まで |
入居費用 | 原則0円 | 0〜数千万円 |
月額費用 | 5〜30万円程度 | 10〜50万円程度 |
「公的施設」と「民間施設」では、運営元や費用が大きく異なります。以下では、施設ごとの特徴や入居条件など、細かく解説していきます。
公的施設の種類
公的施設は社会福祉法人や地方自治体によって運営され、主に介護が必要な高齢者や低所得者の支援を目的としています。公的施設の種類は以下の通りです。
【公的施設の種類】
- 養護老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- 介護医療院
- 介護老人保健施設
- ケアハウス
公的施設は入居条件が厳格に定められており、社会福祉の観点から運営されているのが特徴。一つずつ紹介していきます。
養護老人ホーム
養護老人ホームは、自立しているが何らかの理由で自宅での生活が難しい高齢者を対象とした施設です。経済的、身体的、精神的、または環境的な理由から自宅での生活が困難な高齢者の社会復帰を目指します。
入居条件・特徴
養護老人ホームの入居条件は、以下の3点です。
【入居条件】
- 自立している65歳以上
- 生活保護受給者
- 経済的、身体的、精神的、環境的な理由がある
養護老人ホームの最大の特徴として、介護サービスの提供は基本的にありません。入居者は食事提供や健康管理、自立支援といったサービスを受けながら生活します。そのため、寝たきりや認知症の高齢者は基本的に入居することができません。
また、養護老人ホームは社会復帰を目指すことが目的であるため、長期間の入居は想定されておらず、入居中に介護が必要になった場合は退去することになります。
サービス内容
入居者は栄養バランスの整った食事提供、健康面における定期チェック、自立や社会復帰に向けてのサポートが主なサービスとなります。生活技能向上や、必要に応じての機能訓練も含まれることがあります。
経済的な支援や相談も可能で、入居者が安心して生活できる環境が整えられています。
メリット・デメリット
養護老人ホームのメリットとして、以下2点が挙げられます。
【メリット】
- 社会復帰を目指せる
- 生活保護受給者など低所得者でも利用可能である
一方で、デメリットもいくつかあります。
【デメリット】
- 介護サービスを受けることができない
- 終身での利用が想定されていない
- 施設数が限られている
養護老人ホームは、社会復帰を目指している高齢者に対し、支援の場としての役割を果たしています。そのため、介護が必要な高齢者は、他のタイプの施設が適しているでしょう。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、高齢者が長期的に生活するためのサポートをする施設です。「介護老人福祉施設」と呼ばれることもあります。
入居条件・特徴
養護老人ホームの入居条件は、以下の2点です。
【入居条件】
- 要介護3以上の認定を受けている
- 45〜64歳で特定疾患にかかっている
特別養護老人ホームの特徴として、介護保険制度によってサービスを受けることが可能です。看取りまで対応する施設もあります。
さらに、従来の個室型に加え、より手厚い介護を提供するユニット型の居室も増えており、個別化されたケアが受けられるのも特徴です。
サービス内容
日常生活におけるさまざまなサポートが提供されます。食事は身体状況に合わせた形で提供され、厳格に管理された調理や保温方法を用いています。また、入浴は週に最低2回行われ、機械浴などの特殊な浴槽を活用し、快適な入浴環境が整備されています。
そのほか、居室や共有スペースの清掃は定期的に行われ、洗濯も施設側で対応。加えて、排泄介助やリハビリも行い、入居者の自立をサポートします。施設によっては、買い物代行サービスや移動販売の利用も可能です。
メリット・デメリット
特別養護老人ホームのメリットとして、以下4点が挙げられます。
【メリット】
- 利用料が安い
- 初期費用がかからない
- 高い介護度に対応している
- 終身での利用が可能
デメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- 基本的に入居待ちが長い
- 入居条件が厳しい
- 高度な医療ケアが必要な場合には退去する可能性もある
特別養護老人ホームは、要介護度が高い高齢者に適しています。手厚い介護やサポートを必要とし、終身利用を考えている高齢者にとっておすすめです。
関連記事:特別養護老人ホームの費用相場は?入居できない場合の3つの対処法
介護医療院
介護医療院は、日常的に高度な医療ケアが必要な高齢者のための施設です。ここでは、介護と医療の両方の処置を長期的に受けることができ、終身利用も可能です。
入居条件・特徴
介護医療院の入居条件は、以下の2点です。
【入居条件】
- 要介護1〜5の認定を受けている
- 医療ケアが日常的に必要である
すでに他の施設に入居していて、病気などにより高度な医療ケアが必要になった場合の移住先としても利用されます。認知症の方も入居が可能となっています。
介護医療院には医師、看護師、リハビリ専門スタッフ、栄養士、薬剤師、ケアマネージャーなど専門的なスタッフが揃っており、療養生活を安心して過ごせるのが特徴です。
サービス内容
介護医療院では、医療と介護の両方を提供します。喀痰吸引、経管栄養、胸水治療などの医療ケアはもちろん、日常生活における入浴、排泄、食事の介助、洗濯や掃除なども行われます。
また、健康管理やリハビリも行い、入居者の生活をサポート。地域社会とのつながりを持つため、ボランティアを通じた地域住民との交流なども実施されます。
メリット・デメリット
介護医療院のメリットとして、以下2点が挙げられます。
【メリット】
- しっかりとした医療ケアが受けられる
- 医師が24時間体制
デメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- 公的施設の中では費用が高め
- レクリエーションやイベントが少なめ
介護医療院は、日常的に高度な医療ケアが必要な高齢者におすすめの施設です。医療と介護の双方のニーズに応えてくれるため、一般的な老人ホームでは対応しきれない方に特に適しています。
介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、病院からの退院後の高齢者が、自宅での生活に復帰するためのリハビリをおくる施設です。
入居条件・特徴
介護老人保健施設の入居条件は、以下の4点です。
【入居条件】
- 要介護1〜5の認定を受けている
- 原則65歳以上
- 45〜64歳で特定疾患にかかっている
- 退院後のリハビリが必要
介護老人保健施設は、日常生活の支援、医療ケア、リハビリなどを行い、自宅復帰を目指すための施設として位置づけられています。ただし、3ヶ月ごとの入居継続判断があるため、長期利用には向いていません。
サービス内容
リハビリ、医療・看護、栄養管理、介護、生活支援サービスなどが提供されます。リハビリは専門スタッフによる個別プログラムで行われ、日常生活への復帰を支援。
医師は常駐し、看護師も24時間体制で配置されているため、医療ケアが必要な方にも適しています。栄養士による食事管理や、介護スタッフによる生活のサポートも提供され、入居者の健康と快適な生活を支えます。
メリット・デメリット
介護老人保健施設のメリットとして、以下4点が挙げられます。
【メリット】
- 利用料が安い
- 初期費用がかからない
- 専門的な医療が提供される
- リハビリできる
デメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- 看取りはない
- 3ヶ月ごとに入居継続判定がある
介護老人保健施設は、専門的な医療ケアやリハビリを必要とする高齢者にとって適切な施設です。費用面での負担が少なく、専門スタッフによる包括的なケアを受けられることが大きなメリットです。
そのため、リハビリを重視し、短期間での在宅復帰を目指す高齢者に特におすすめの施設といえます。
ケアハウス
ケアハウスは、一般型と介護型の2種類に分かれます。それぞれ対象が異なりますが、主に自宅での生活が困難な高齢者が過ごす施設となります。
入居条件・特徴
一般型ケアハウスの入居条件は、以下の2点です。
【一般型ケアハウスの入居条件】
- 自立〜要介護
- 原則60歳以上
一方で、介護型ケアハウスの入居条件は以下の通りです。
【介護型ケアハウスの入居条件】
- 要介護1以上
- 原則65歳以上
一般型は主に自立した高齢者を対象に、日常生活の支援サービスを提供しています。介護型は要介護状態の高齢者を受け入れ、より手厚い介護サービスを実施。
また、一般型は介護サービスがなく、介護が必要になった場合は外部のサービスを利用する必要がありますが、介護型では施設内で介護サービスが受けられます。
サービス内容
ケアハウスでは、食事、洗濯、掃除などの生活支援サービスが行われます。介護型ではトイレや入浴の介助も受けられ、リハビリや医療的なサポートも可能。施設によっては、活動や交流を促すレクリエーションも行われ、高齢者の社会的な交流を支援します。
メリット・デメリット
ケアハウスのメリットとして、以下3点が挙げられます。
【メリット】
- 利用料が安い
- レクリエーションが豊富
- 介護型では要介護度が高くなっても継続して入居可能
デメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- 共同生活が苦手な人には不向き
- 重度な医療ケアが必要な人に不適切
- 施設数が限られている
ケアハウスは、自立しているが何らかの生活支援が必要な高齢者や、軽度の介護を必要とする高齢者に適切な施設といえます。
民間施設の種類
民間施設は民間企業が運営する施設です。以下の5つが代表的な施設となります。
【民間施設の種類】
- 介護付有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム
高齢者の多様なニーズに応えるため、幅広いサービスを提供しています。また、入居者の条件が公的施設よりも柔軟で、より個々の要望に合わせたサービスを提供しているのが特徴です。
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、自立した高齢者から要介護状態の高齢者まで、幅広いニーズに応える施設です。
入居条件・特徴
介護付有料老人ホームの入居条件は、以下の2点です。
【入居条件】
- 自立〜要介護5
- 原則65歳以上
介護スタッフが24時間対応し、医療サービスが充実している施設も多いです。また、自立者のみや軽度の介護が必要な方のみを受け入れるところもあり、入居者のニーズや費用に応じた施設選びが重要です。
サービス内容
介護付有料老人ホームでは、食事提供、掃除、洗濯、買い物代行、入浴介助、排泄介助、着替え介助などの日常生活のサポートが提供されます。
リハビリやレクリエーション活動も豊富で、個々の健康状態や好みに合わせたサービスを実施。充実した生活を送ることが可能です。
メリット・デメリット
介護付有料老人ホームのメリットとして、以下4点が挙げられます。
【メリット】
- 幅広い介護度に対応
- 施設やサービスの種類が豊富
- 24時間介護サービスの利用可能
- 居室の選択肢が豊富
デメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- 費用が高め
- 選択肢が多く選びにくい
- 外部の介護サービス利用に制限あり
- 立者に追加費用が発生することも
介護付有料老人ホームは、自立している方から要介護認定者まで入居可能です。特に日常的な介護が必要な高齢者や、自立時から要介護になっても長く暮らせる「終の棲家」を探している方におすすめです。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立している高齢者から要介護者まで、幅広いニーズに対応する施設です。
入居条件・特徴
住宅型有料老人ホームの入居条件は、以下の2点です。
【住宅型有料老人ホームの入居条件】
- 自立〜要介護5
- 原則65歳以上
住宅型有料老人ホームでは、基本的に介護サービスは提供されません。介護が必要になった場合、外部の介護サービスを利用する必要があります。施設によっては認知症の方の受け入れも可能となっています。
サービス内容
住宅型有料老人ホームでは、生活支援サービスが中心。食事提供、掃除、洗濯、見守り、生活相談、買い物代行などが含まれます。
メリット・デメリット
住宅型有料老人ホームのメリットとして、以下2点が挙げられます。
【住宅型有料老人ホームのメリット】
- 自立から要介護認定者まで幅広い
- 施設やサービスの種類が豊富
デメリットは以下の通りです。
【住宅型有料老人ホームのデメリット】
- 要介護度が高くなると退去が必要な場合も
- 介護費用が高くなる可能性
- 介護サービスは個別契約が必要で夜間対応が難しい
住宅型有料老人ホームは、比較的自立した生活を送っている方や、介護が必要なく要介護度が低い高齢者に適した施設でしょう。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立した高齢者を主に受け入れています。高齢者が独立して生活を続けることを目的としています。
入居条件・特徴
健康型有料老人ホームの入居条件は、以下の2点です。
【健康型有料老人ホームの入居条件】
- 自立している
- 原則65歳以上
介護や医療サービスの提供は基本的にありません。しかし、日常生活の支援や安全の確保、レクリエーションなどのサービスは提供されています。
また、入居後に認知症や介護が必要になった場合、施設を退去することが一般的です。
サービス内容
健康型有料老人ホームのサービス内容は食事提供、清掃、洗濯、安否確認などが含まれます。また、レクリエーションやイベントの開催、趣味活動のサポートなど、社交的な活動を促進するサービスも豊富。
施設によっては、フィットネスルームやプールなどの設備も整っており、活動的な生活を送ることができます。
メリット・デメリット
健康型有料老人ホームのメリットとして、以下2点が挙げられます。
【健康型有料老人ホームのメリット】
- レクリエーションや設備が充実している
- 生活の自由度が高く自立した生活を維持できる
デメリットは以下の通りです。
【健康型有料老人ホームのデメリット】
- 要介護認定を受けた場合退去しなければならない
- 利用料が高額であることが多い
- 施設数が限られており選択肢が少ない
メリットとデメリットを踏まえ、健康型有料老人ホームは自立していて介護が不要、充実した老後を送りたい高齢者に適しています。アクティブな生活を望む人にとって、理想的な選択肢といえるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、自立しているが日々の生活に不安を抱えている高齢者が入居する施設です。厳密には老人ホームではなく、サポート体制がある賃貸住宅となります。
入居条件・特徴
サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は、以下の2点です。
【入居条件】
- 原則60歳以上
- 60歳未満でも要介護認定を受けている
バリアフリー設計の住まいであり、安否確認や生活相談のサービスが基本となります。また、サービス付き高齢者向け住宅は一般型と介護型の2種類に分類され、一般型は自立した高齢者向け、介護型は介護が必要な方向けのサービスが提供されます。
サービス内容
一般型のサービスには、安否確認や見守りを目的とした、定期的な訪問サービスが含まれます。また、生活相談サービスを通じて、日々の悩みや不安に対して専門的なアドバイスや支援が提供されます。
さらに、体調不良時の医療連携や家族への緊急連絡など、緊急時対応サービスも整備されています。
一方、介護型のサービスでは、一般型に加えてより充実した介護サービスが提供されます。施設内での介護サービスが含まれ、日常生活の支援から健康管理まで幅広いケアを実施。
また、医療サービスとしては、施設に併設されている医療機関や提携医療機関からの訪問診療、訪問看護サービスが利用可能です。そのほか、両タイプとも食事提供や外出のサポートなどもサービスに含まれています。
メリット・デメリット
サービス付き高齢者向け住宅のメリットとして、以下3点が挙げられます。
【メリット】
- 施設数が多く入居しやすい
- 生活の自由度が高い
- 自分に合った施設を選べる多様性
デメリットは以下の通りです。
- 要介護度が高いと入居できない場合がある
- 介護型の施設数が少なく入居難易度が高い
サービス付き高齢者向け住宅は、自立しているが安否確認や生活相談サービスを求める高齢者にとって理想的です。自由度が高く、必要に応じて外部のサービスを受けられるため、将来的な介護の心配があるが、現時点で自立している方に特におすすめでしょう。
グループホーム
グループホームは、認知症を持つ高齢者を対象とした共同生活を送る施設です。「認知症対応型共同生活介護施設」とも呼ばれています。
入居条件・特徴
グループホームの入居条件は、以下の4点です。
【入居条件】
- 要支援2以上の認定を受けている
- 65歳以上で認知症と診断されている
- 集団生活に支障がない
- 施設と同一市区町村に住民票がある
グループホームでは、専門スタッフによる24時間体制の介護サービスが提供されます。また、5~9人程度の小規模な集団生活を送るのは、グループホームの大きな特徴といえるでしょう。
地域との交流やレクリエーションが充実しており、認知症の緩和を図るための活動が実施されます。
サービス内容
グループホームでは、日常生活の支援や見守り、機能訓練など多岐にわたるサービスを提供。入居者は共同で家事を行い、自立した生活を目指します。
また、地域との交流活動も積極的に行われ、祭りへの参加や公園清掃などを通じ、地域とのつながりを深めます。これにより、入居者の暮らしが豊かになるだけでなく、地域における認知症ケアのノウハウも共有されるのです。
メリット・デメリット
グループホームのメリットとして、以下3点が挙げられます。
【メリット】
- 認知症の方が入居可能
- アットホームな共同生活を送れる
- 社会的なつながりを保ちやすい
デメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- 共同生活が負担になる場合がある
- 要介護度が高くなると退去の可能性がある
グループホームは、自分の身の回りのことはできるが認知症と診断された方、共同生活を楽しめる高齢者にとって適しています。認知症の方が安心して暮らしやすい環境が整っており、地域とのつながりを大切にする方にもおすすめです。
老人ホームで受けられるサービス
老人ホームでは、入居者が快適で充実した生活を送るためにさまざまなサービスが提供されます。
- 介護
- 生活支援
- 健康管理や医療的ケア
- 食事の提供
- レクリエーション
具体的な内容について確認していきましょう。
介護
介護サービスは、日常生活でサポートが必要な高齢者に対し必要なケアを提供します。身体介護(食事介助、入浴介助、排泄介助など)や機能訓練(歩行訓練、リハビリなど)が含まれます。
介護の専門スタッフが、入居者一人ひとりの健康状態や介護度に応じて、個別のケアプランを作成。入居者の身体的、精神的な健康をサポートしていきます。
生活支援
生活支援サービスは、入居者が日常生活を快適に過ごせるために提供されます。食事の提供、清掃、洗濯などが含まれます。また、老人ホームでは入居者が社会とのつながりを維持し、趣味やレクリエーション活動に積極的に参加できるよう、さまざまなイベントやプログラムが組まれています。
これにより、入居者は身体的なケアだけでなく、精神的な充実と社会的な交流も享受することが可能になります。
健康管理や医療的ケア
老人ホームでの健康管理や医療的ケアは、入居者の健康を維持し、必要に応じて適切な医療サービスを提供することを目的としています。定期的な健康診断、医師による診察、看護スタッフの24時間体制による健康監視が含まれます。
また、病気の予防や早期発見、必要に応じた医療機関への連携も重要な役割。老人ホームは、緊急時の対応や、必要に応じた治療へのアクセスを容易にすることで、入居者の安全と健康を確保しています。
食事の提供
食事サービスは、栄養バランスが考慮された、健康的な食事を提供することに重点を置いています。栄養士によるメニューの計画、美味しくて栄養豊かな食事の提供、特定の健康状態や食事制限に合わせた食事が提供されます。
食事は、共有エリアでの社交の場としても機能し、入居者の楽しみの一つといえるでしょう。
レクリエーション
レクリエーション活動は、老人ホームでの生活において、入居者の精神的な満足感と社会的な交流を促進する重要な役割を果たします。具体的には趣味や興味に合わせた活動やイベントの企画・実施が含まれます。
例えば、音楽会、映画の上映、芸術活動、体操クラス、季節ごとの祭りやイベントなどが挙げられるでしょう。これらの活動を通じ、入居者は楽しみながら身体的、精神的な健康を保ち、他の入居者との交流を深めることができます。
老人ホームの種類を選ぶポイント
老人ホームを選ぶ際は、さまざまな要素を考慮する必要があります。特に重要なのは、以下の3点です。
【老人ホームを選ぶ際の重要な要素】
- 受け入れ可能な介護度
- 認知症の対応
- 看取りの対応
一つずつ確認していきましょう。
ポイント①受け入れ可能な介護度
老人ホームを選ぶ際に重要なのは、施設がどの程度の介護度を受け入れているかを知ることです。施設によって、軽度の介護が必要な高齢者のみを対象としている場合もあれば、重度の介護を必要とする高齢者を受け入れているところもあります。
介護度の高い高齢者にとっては、24時間の介護サービスや医療サポートが整っている施設が適切です。一方、自立した生活を送れる高齢者は、生活支援サービスに重点を置いた施設が適しているでしょう。
ポイント②認知症の対応
認知症を抱える高齢者にとって、専門のケアが提供される施設は非常に重要です。認知症対応型の老人ホームは、特別なトレーニングを受けたスタッフや専用のプログラムを提供し、認知症の進行を遅らせる、症状の管理が可能に。
また、安全な環境を提供し、認知症の方が迷子にならないような設計が施されているかも確認しましょう。
ポイント③看取りの対応
看取りの対応は、老人ホーム選びの重要な要素の一つです。一部の施設では、最期まで入居者が施設内で生活を続けられるよう、看取りのサポートを提供しています。
看取り対応が整っている施設を選ぶことで、入居者は慣れ親しんだ環境で安らかに最期を迎えることが可能になり、家族も安心して任せられるでしょう。
入居する老人ホームを決める流れ
入居する老人ホームを決める際は、以下のステップを参考にしてください。
【入居までのステップ】
- 老人ホームの種類を選ぶ
- 希望条件で絞る
- 複数の施設を比較する
- 見学・体験入居を行う
- 入居を申し込む
- 契約して入居する
実際に入居する方、またご家族の方はしっかりと段階を踏んで決めていきましょう。
プロセス①老人ホームの種類を選ぶ
最初に行うべきは、老人ホームの種類を選ぶことです。ここまで解説してきたように、老人ホームはさまざまなタイプがあります。提供されるサービスやケアのレベル、費用など総合的に判断しなければいけません。
入居者の健康状態や介護度、将来的なニーズを考慮して、最も適した施設のタイプを選びましょう。
関連記事:有料老人ホーム10種類の特徴や費用を一覧解説!違いや選び方とは
プロセス②希望条件で絞る
次に、具体的な希望条件をもとに、候補となる施設を絞り込みます。この段階では、地域や費用、施設内の設備、提供されるサービスの種類、医療との連携体制など、さまざまな要素を考慮します。
また、個人の趣味やライフスタイルに合う施設を選ぶことも大切。候補となる施設をリストアップしましょう。
プロセス③複数の施設を比較する
施設のリストが作成できたら、次はそれらの施設を比較する段階です。施設の評判や口コミ情報も参考にすると良いでしょう。複数の施設を比較することで、自分や家族にとって最適な老人ホームを見つけられます。
プロセス④見学・体験入居を行う
施設をリストアップしたら、実査に見学や体験入居してみましょう。施設の雰囲気、スタッフの対応、入居者の生活の様子を直接見ることができます。また、体験入居を利用すれば、実際に数日間施設で過ごし、生活環境やサービスの質をより詳細に理解することが可能です。
プロセス⑤入居を申し込む
見学や体験入居を経て、最終的に入居したい老人ホームが決まったら、次は入居の申し込みを行います。入居申込書の提出や必要書類の準備が求められます。
また、入居に関する手続きや条件、施設のルールなどについて、施設側との間で確認し合うことが大切。入居者および家族は施設の方針やルールを理解し、入居に向けた具体的な準備を進めていきます。
プロセス⑥契約して入居する
入居申し込みが承認されたら、最終段階として契約を結びます。契約では入居条件、費用、サービス内容、契約期間などが明記されている契約書に署名します。
契約を結んだ後は、入居日の調整を行い、入居者は新しい生活のスタートを切ります。契約内容を十分に理解し、入居者や家族が安心して生活できるようにしていきましょう。
老人ホームは自身の状態や希望するサービスを考慮して選ぼう
いかがでしたでしょうか。老人ホームの種類とサービス内容、選び方についておわかりいただけたかと思います。
自身や家族にとってベストな施設を見つけるには、こうした情報をもとに慎重に検討することが重要です。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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