有料老人ホーム10種類の特徴や費用を一覧解説!違いや選び方とは

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有料老人ホーム10種類の特徴や費用を一覧解説!違いや選び方とは

「老人ホームにはどのような種類があるの?」

「自分や家族に合った老人ホームはどれだろう」

老人ホームの利用を検討している方のなかには、このような疑問をお持ちの方もいることでしょう。

老人ホームは大きく10種類に分類でき、それぞれの費用や受けられるサービスが異なります。

本記事では、老人ホームの種類と特徴を解説します。老人ホーム選びを成功させるためにも、各施設の違いをしっかりと理解しておきましょう。

老人ホームの種類一覧表

老人ホームの種類と特徴の一覧は以下のとおりです。

施設名

費用目安

入居条件

おすすめの人

特別養護老人ホーム

月額10〜15万円

原則、要介護度3~

・介護を受けながら生活したい方

・最期まで利用できる施設を探している方

介護老人保健施設

月額8〜20万円

要介護度1〜

・在宅復帰を目指している方

・短期間だけ生活支援を受けたい方

介護医療院

9〜15万円

要介護度1〜

・医療的ケアを必要としている方

・看取りや認知症ケアを希望している方

軽費老人ホーム

初期費用:0〜30万円

月額:6〜20万円

・夫婦のどちらかが60歳以上

・(介護)要介護度1以上で65歳以上

・自立した生活を送れる方

・単身生活に不安がある方

介護付き有料老人ホーム

初期費用(入居一時金):0~数千万円

月額:15~30万円

原則60歳以上

・すぐに入居したい方

・手厚いサービスを受けたい方

住宅型有料老人ホーム

初期費用(入居一時金):0~数千万円

月額:12~30万円

原則60歳以上

・必要な分だけ介護を受けたい方

・生活支援や見守りをして欲しい方

グループホーム

初期費用:0~数百万円

月額:12~18万円

・要支援2~

・原則、65歳以上

・認知症を発症している

・認知症の専門ケアを受けたい方

・家庭的な雰囲気で過ごしたい方

サービス付き高齢者向け住宅

初期費用:0〜数千万円

月額:1~40万円

年齢60歳以上の高齢者もしくは年齢60歳未満で要介護認定を受けている方

・暮らしやすいマンションを探している方

・費用を抑えたい方

健康型有料老人ホーム

初期費用:0~数億円

月額:10~40万円

自立している60歳以上の高齢者

・一人暮らしに不安がある自立した方

・楽しくシニアライフを送りたい方

高齢者向け分譲マンション

初期費用:数千万~

月額:10~30万円

原則、自立している方

シニアライフを楽しめる分譲マンションを探している方

このように、老人ホームには多くの種類が存在しています。

以下では各施設の違いを詳しく解説するので、ご自身やご家族に合った施設を見つけてみてください。

関連記事:老人ホームとは?介護施設との違いや種類・費用などを一覧表で解説

【公的施設】老人ホームの種類

公的施設の老人ホームとは、国や自治体などの公的な団体が運営する施設です。別名「介護保険施設」と呼ばれることもあります。

公的施設は安い費用で利用できますが、人気が高く入居待ちになる可能性がある点、レクリエーションなどが少ない傾向にある点がデメリットです。

なお公的施設の老人ホームは、次の4種類に分類されます。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 軽費老人ホーム

ここでは、各施設の特徴を詳しくみてみましょう。

1.特別養護老人ホーム

費用目安

月額10〜15万円

入居条件

原則、要介護度3~

おすすめの人

・介護を受けながら生活したい方

・最期まで利用できる施設を探している方

特別養護老人ホーム(特養)は、要介護状態の高齢者を対象としている公的施設です。寝たきり状態の方や認知症の方など、自分で生活を送ることが難しい方を対象に受け入れています。

最期まで利用できることから、終の棲家として高い人気を集めています。費用も安いため人気が高く、入居難易度は高い傾向にある点に注意が必要です。ご本人やご家族の状況をみて、緊急性が高い方から優先的に入居となるケースがほとんどです。

ただし、日常的・特別な医療ケアが必要な方は受け入れてもらえない場合があります。

関連記事:特別養護老人ホームの費用相場は?入居できない場合の3つの対処法

2.介護老人保健施設

費用目安

月額10〜20万円

入居条件

要介護度1〜

おすすめの人

・在宅復帰を目指している方

・短期間だけ生活支援を受けたい方

介護老人保健施設(老健)は、退院後すぐに在宅復帰できない状態の高齢者が、短期間サポートを受けることを目的とした施設です。生活支援を受けながら自立した生活を送るためのリハビリテーションをしたい場合は、こちらの施設がおすすめです。

入浴や食事、排泄といった介護はもちろん、医師や看護師による医療的管理、理学療法士や作業療法士などによるリハビリテーションを受けられます。

ただし、在宅復帰を前提とした施設であるため、入居期間には限りがある点に注意しましょう。入居期間は原則3〜6か月程度ですが、健康状態によっては例外もあります。

3.介護医療院

費用目安

10〜20万円

入居条件

要介護度1〜

おすすめの人

・医療的ケアを必要としている方

・看取りや認知症ケアを希望している方

介護医療院は、医師が配置されていて、医療設備が充実している介護施設です。2017年に廃止が決定した「介護療養型医療施設」の転換先として登場しました。

要介護者のなかでも、医療ケアの必要性が高い方に向いています。また、看取りやターミナルケア、認知症患者の受け入れも可能です。

手厚いケアが必要な方向けの「介護医療院I」と、容態が安定している方向けの「介護医療院Ⅱ」の2種類に分類されます。

4.軽費老人ホーム

費用目安

初期費用:0〜数十万円

月額:10〜30万円

入居条件

・夫婦のどちらかが60歳以上

・(介護)要介護度1以上で65歳以上

おすすめの人

・自立した生活を送れる方

・単身生活に不安がある方

軽費老人ホームは、自立した生活を送れる方を対象としている施設で、費用負担が軽い点が特徴的です。以前は「A型」「B型」と呼ばれるタイプもありましたが、現在は「C型(ケアハウス)」に一本化されています

ケアハウスには、主に生活支援を行う「一般型(自立型)」と、介護サービスを受けられる「介護型」の2種類が存在しています。

また都市部には、その自治体の居住者のみが利用できる「都市型軽費老人ホーム」が設置されている場合もありますが、数は少ないのが現状です。

【民間施設】老人ホームの種類

次に、民間企業が運営している民間施設を紹介します。

民間施設は公的施設より費用は高いですが、サービスが充実している点が特徴です。また、レクリエーションなどの娯楽要素も多く、高齢者がよりご自身らしく生活を送るサポートを実施してくれます。

民間施設は、以下の6種類に分類されます。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • グループホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 健康型有料老人ホーム
  • 高齢者向け分譲マンション

ここからは、各施設の特徴をみていきましょう。

1.介護付き有料老人ホーム

費用目安

初期費用(入居一時金):0~数千万円

月額:15~30万円

入居条件

原則60歳以上

おすすめの人

・すぐに入居したい方

・手厚いサービスを受けたい方

介護付き有料老人ホームは、おもに要介護状態の方を対象とした施設です。なかには要介護状態にない自立した方を対象としているところもあるため、受けられるサービスや入居条件は施設によってさまざまです。

介護のみならず、生活支援やリハビリテーションなどのサービスも受けられます。

関連記事:介護付有料老人ホームの特徴・入居の条件と費用相場

2.住宅型有料老人ホーム

費用目安

初期費用(入居一時金):0~数千数万円

月額:12~30万円

入居条件

原則60歳以上

おすすめの人

・必要な分だけ介護を受けたい方

・生活支援や見守りをして欲しい方

住宅型有料老人ホームは、生活支援サービスや見守り、健康管理サービスなどを受けられる施設です。施設によっては介護状態にある人に加え、自立している方も利用できます。

介護付き有料老人ホームとの違いは、介護費が定額制ではなく、サービスを受けた分だけ請求される点です。自立した生活を送れる方であれば費用を抑えられますが、要介護度が高い方は費用がかさんだり入居を断られたりする可能性があります。

3.グループホーム

費用目安

初期費用:0~数百万円

月額:12~18万円

入居条件

・要支援2~

・原則、65歳以上

・医師から認知症の診断を受けている

おすすめの人

・認知症の専門ケアを受けたい方

・家庭的な雰囲気で過ごしたい方

グループホームは、認知症を患っている高齢者が共同生活を送る介護施設です。施設が所在する自治体に住民票を持つ方が入居できます。

ワンユニット5~9人の少人数で専門ケアを受けられるため、認知症の方でも安心して生活を送れるでしょう。また、料理や洗濯などを分担して行うので、認知症の進行を緩やかに抑えつつサポートが受けられます。

なお、医療ケアを必要としたり健康状態が悪化したりした場合は、退去を求められる可能性がある点に注意が必要です。

関連記事:グループホームの料金表|入居の条件・費用を抑える方法も紹介

4.サービス付き高齢者向け住宅

費用目安

初期費用:0〜数千万円

月額:1~40万円

入居条件

年齢60歳以上の高齢者もしくは年齢60歳未満で要介護認定を受けている方

おすすめの人

・暮らしやすいマンションを探している方

・費用を抑えたい方

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、介護施設ではなく住宅として扱われる施設です。バリアフリーの高齢者でも暮らしやすいマンションで、サポートを受けながら自分らしく生活を送れます。

施設によってサービスは異なりますが、安否確認や介護、リハビリテーションにも対応。比較的費用がリーズナブルなので利用しやすいですが、要介護度や認知症が進むと住み続けられなくなる可能性があります。

手厚い介護サービスを希望する場合は、特定施設の認定を受けた「介護型サービス付き高齢者向け住宅」を検討しましょう。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅でかかる初期費用と月額費用の内訳

5.健康型有料老人ホーム

費用目安

初期費用:0~数億円

月額:10~40万円

入居条件

自立している60歳以上の高齢者

おすすめの人

・一人暮らしに不安がある自立した方

・楽しくシニアライフを送りたい方

健康型有料老人ホームは、自立していて介護の必要性がない方を対象とした施設です。食事や掃除などの家事サービスを提供してもらうことが可能で、趣味や娯楽を楽しみながら健康的なシニアライフを送れます。

介護サービスを前提としていない施設なので、介護が必要になると退去になる可能性があります。また施設数が少ない点にも注意が必要です。

6.高齢者向け分譲マンション

費用目安

初期費用:数千万~

月額:10~30万円

入居条件

原則、自立している方

おすすめの人

シニアライフを楽しめる分譲マンションを探している方

高齢者向け分譲マンションは、バリアフリー環境が整っているマンションです。介護施設ではありませんが、シニア向けの娯楽設備の用意や生活サポートスタッフの常駐など、高齢者の充実した生活を支援してくれます。

介護が必要になったときは、外部サービスを利用することになります。購入した物件は資産となるため、自由に売却や相続、改装などを行うことが可能です。

有料老人ホームの種類を選ぶときのポイント

さまざまな種類がある有料老人ホーム。数が多すぎて、どれを選べばいいかわからないと感じる方は多いかもしれません。

ここでは、老人ホームを選ぶときのポイントを解説します。選び方に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:老人ホームの選び方を解説!介護施設の種類や探す際の手順も紹介

条件に優先順位をつける

まずは、老人ホームに求める条件を整理して優先順位をつけましょう。

老人ホームにはさまざまな種類があり、受けられるサービスや楽しめる娯楽などが異なります。また、介護サービスの範囲や費用も施設によってさまざまです。

希望すべてを叶えるのは厳しいので、「お金」「生活環境」「医療ケア」など優先したい要素をいくつかピックアップしてみてください。もっともバランスのいい施設を選ぶと、失敗しにくいでしょう。

施設見学を行ってから決める

介護施設選びは、今後のシニアライフや健康状態を大きく左右します。そのため、自分に合う施設を慎重に選ぶことが肝心です。

入居後に後悔することがないよう、施設を探すときは情報収集に力を入れましょう。パンフレット請求やお問い合わせだけではなく、施設見学もしっかりと行っておくことがおすすめです。

プロに相談しながら決める

介護施設を選ぶときにもっとも優先すべきなのはご本人の意思ですが、必要なケアや施設の特徴を知るためにプロと相談しながら決められると安心です。

介護施設選びについて相談できる窓口としては、以下の3種類が挙げられます。

地域包括支援センター

・地域の医療や介護に詳しい

・介護認定を受けていない方にもおすすめ

民間の紹介センター

・全国の施設状況を熟知している

・見学や契約のサポートまで実施

担当のケアマネジャー

・健康状態を知ってくれているため、ぴったりな施設を紹介してくれる

・地域の施設状況に知見がある

どの窓口も無料で利用できるため、いくつか利用して信頼できる相談先を見つけておくとよいでしょう。

有料老人ホームを検討するなら介護保険制度を活用しよう

介護保険制度とは、65歳以上の高齢者もしくは40~64歳の特定疾病患者のうち、介護が必要になった方に費用を給付する社会保険のことです。40歳になると介護保険への加入が義務付けられ、健康保険料と一緒に保険料が徴収されます。

老人ホームを利用するときは、介護保険の活用を検討しましょう。介護保険を利用すれば、介護サービスの費用を1~3割に抑えられます。

ただし、介護保険が適用となる老人ホームは以下の種類に限られます。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 介護付き有料老人ホーム
  • グループホーム

また、介護保険を利用するためには市区町村から認定を受ける必要があります。

まずは、ご自身が利用する老人ホームが介護保険の適用対象になるのか、ご自身が介護保険の認定を受けられるのかを確認しておきましょう。問い合わせ窓口は、お住まいの自治体の高齢福祉課や介護保険課などです。

老人ホームの種類を押さえて最適な選択を

老人ホームは10種類に分類され、それぞれで対象者や受けられるサービスが異なります。各施設をしっかりと比較して、ご自身やご家族に合った施設を見つけることが大切です。

「最適な老人ホームが見つからない」「どこがいいのか判断できない」

このような場合は、ぜひ「笑がおで介護紹介センター」へご相談ください。無料で介護施設を紹介し、見学や入居手続きまで丁寧にサポートいたします。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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