パーキンソン病とパーキンソン症候群はどう違う?2つの違いと特徴を知る診断方法

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パーキンソン病とパーキンソン症候群は、共に運動機能障害を主な症状とする神経疾患ですが、その病態は異なります。前者は特異的な神経変性疾患であり、後者はパーキンソン病様症状を呈する疾患の総称です。 本稿では、両者の病態学的特徴、臨床症状、そして診断における鑑別点を詳述します。神経内科医をはじめ、関連する医療従事者の方々にとって、本稿が両者の理解を深める一助となれば幸いです。

パーキンソン病とパーキンソンニズム

パーキンソニズムとは、脳の特定の部位の神経細胞が変性し、その結果、運動機能の障害が現れる症状の総称です。その症状がみられる病気の代表的なものにパーキンソン病があります。他にも別の様々な原因でパーキンソニズムが起こることがありその病気をひとくくりに「パーキンソン症候群」と呼びます。

パーキンソンニズムの症状

パーキンソニズムの主な症状は、以下の4つに大きく分けられます。

振戦(しんせん)

手足がふるえる症状です。安静時に最も強く、動作を始めると軽減することが特徴です。

筋強剛(きんきょうごう)

筋肉がこわばり、動きがぎこちなくなる症状です。

動作緩慢(どうさかんまん)

動作が遅くなり、スムーズな動きができなくなる症状です。

姿勢反射障害

姿勢を保つことが難しくなり、転倒しやすくなる症状です。

これらの症状は、病気の進行とともに徐々に悪化していくことが多いです。

パーキンソニズムの原因

パーキンソニズムの原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

特発性パーキンソン病

原因がはっきりしないパーキンソン病で、最も一般的なタイプです。

二次性パーキンソン病

脳血管障害、脳腫瘍、薬物など、他の病気や薬物が原因で起こるパーキンソン病です。

多系統萎縮症

複数の神経系が徐々に萎縮していく病気で、パーキンソニズムの症状を伴うことがあります。

パーキンソン病は、徐々に症状が悪化していく病気ですが、適切な治療を受ければ、日常生活を送れる人がほとんどです。一方、パーキンソン症候群は、原因となる病気によって症状や治療法が異なります。

パーキンソン病とパーキンソン症候群の違い

パーキンソン病とパーキンソン症候群は、どちらも体の動きに影響を与える病気で、似たような症状(パーキンソンニズム)が出ることがありますが、実は全く別の病気です。
パーキンソン症候群とは、パーキンソンニズムを引き起こす原因となる病気の集合体を指します。パーキンソン病はその中のひとつであり、他にも脳血管障害、薬剤、脳腫瘍など、様々な要因がパーキンソン症候群を引き起こす可能性があります。

パーキンソン病

ドーパミンが減少することでパーキンソンニズムの症状がみられる脳の病気でその病名のことです。

パーキンソン症候群

パーキンソン病とは別の原因でパーキンソンニズムの症状がみられる病気をひとまとめにした総称です。

それぞれの病気の特徴

特徵 パーキンソン病 パーキンソン症候群
原因 脳の神経細胞の変性 脳の出血、水腫など
症状 振戦、筋肉のこわばり、動作の緩慢など パーキンソン病と似た症状
進行 徐々に悪化する 原因となる病気によって異なる
治療 薬物療法、手術など 原因となる病気に対する治療

パーキンソン病、パーキンソン症候群、パーキンソンニズムの違いを分かりやすく解説

ここまで「パーキンソン病とパーキンソンニズム」、「パーキンソン病とパーキンソン症候群」についてそれぞれ説明しましたが、これらの言葉は、よく似ていて混乱しやすいですね。
パーキンソン病、パーキンソン症候群、パーキンソンニズム、それぞれの違いを分かりやすくるために、いくつかのポイントをまとめました。

用語 意味
パーキンソン病 パーキンソン症候群の中で代表的な1つの病気
パーキンソン症候群 パーキンソン病のような症状が出る病気の総称
パーキンソニズム   パーキンソン病やパーキンソン症候群でみられる症状の総称

この3つを、風邪とインフルエンザの関係に例えると分かりやすいと思います。
風邪は様々なウイルスが原因で起こる病気の総称であり「パーキンソン症候群」にあたり、インフルエンザはインフルエンザウイルスを原因とする風邪の一種で「パーキンソン病」にあたります。
そして、くしゃみ、鼻水、咳など、風邪にかかると出る症状が「パーキンソンニズム」にあたります。
パーキンソンニズムという症状が共通しているものの、発症の原因が異なっている、という違いがある、ということになります。

パーキンソン症候群の代表的な疾患

パーキンソン症候群は、パーキンソン病のような症状がみられる疾患の総称であり、その病因は多岐にわたります。代表的な疾患として、以下のものが挙げられます。 これらの疾患は、パーキンソン病と鑑別診断が必要であり、それぞれの病因に応じた治療が重要となります。

多系統萎縮症 自律神経症状、膀胱・直腸障害を伴うことが多い。
進行性核上性麻痺 眼球運動障害、姿勢不安定が特徴的。
大脳皮質基底核変性症 認知機能障害、精神症状を伴うことが多い。
薬剤性パーキンソニズム 一部の神経遮断薬、抗精神病薬などが原因となる。
脳血管性パーキンソニズム 脳梗塞、脳出血などの後遺症として出現する。

パーキンソン病とパーキンソン症候群の診断方法

パーキンソン病とパーキンソン症候群は、どちらも似たような症状である「パーキンソンニズム」がみられるため、違いを見極めるためには正確な診断が重要となります。診断方法は、問診、神経学的検査、画像検査などを組み合わせることで行われます。

診断方法

問診

症状の詳細な聞き取り 震え、筋肉の固さ、動作の緩慢さなどの症状の始まり方、進行具合、日常生活への影響などを詳しく聞きます。
病歴の確認 高血圧、糖尿病などの基礎疾患、服用している薬、家族歴などを確認します。
日常生活への影響 日常生活でどのような困難さを感じているか、ADL(日常生活動作)にどのような影響が出ているかなどを詳しく聞きます。

神経学的検査

運動機能の評価 震えの程度、筋肉の固さ、動作の速さ、平衡感覚などを評価します。
反射の検査 深部腱反射や病的反射などを調べます。
感覚の検査 痛み、温度、触覚などの感覚が正常かを確認します。
認知機能の評価 記憶力、注意力、計算力などを評価します。

画像検査

MRI 脳の構造的な異常、腫瘍、脳血管障害などを調べます。
SPECT 脳の血流を測定し、機能的な異常を調べます。
PET 脳の代謝を測定し、神経細胞の活動性を調べます。
DATスキャン 脳内のドーパミン輸送体の減少を調べ、パーキンソン病の診断に有用です。

その他の検査

血液検査 他の病気との鑑別のために、血液検査を行うことがあります。
髄液検査 脳脊髄液を採取し、炎症や感染の有無を調べます。

診断のポイント

パーキンソン病

  • ドーパミン薬の効果が著しい
  • DATスキャンでドーパミン輸送体の減少が見られる
  • MRIで特異的な異常はみられないことが多い

パーキンソン症候群

  • ドーパミン薬の効果が乏しい
  • MRIで脳の異常が見られる場合がある
  • 他の病気との鑑別が必要

診断の難しさ

パーキンソン病とパーキンソン症候群の診断は、必ずしも簡単ではありません。なぜなら、両者とも同じような症状(パーキンソンニズム)がみられるものの、病気の進行段階によって症状の発生するタイミングや種類が異なるためです。そのため、神経内科医は、問診、神経学的検査、画像検査などの結果を総合的に判断し、診断を下します。

パーキンソン病とパーキンソン症候群

パーキンソン病と似た病気には、いくつか種類があります。これらをまとめて「パーキンソン症候群」と呼んでいます。 パーキンソン病とパーキンソン症候群は、症状が似ているため、自分では違いが分かりにくいことがあります。しかし、原因や治療法は大きく異なります。 パーキンソン病の治療薬は、パーキンソン症候群のすべての病気によく効くわけではありません。 もし、パーキンソン病のような症状がある場合は、必ず医師に相談し、正確な診断を受けることが大切です。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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