パーキンソン病は遺伝するの? 家族が知りたい遺伝と治療の関係をご紹介

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パーキンソン病は遺伝するの? 家族が知りたい遺伝と治療の関係をご紹介

「パーキンソン病って、遺伝するの?」と心配している方もいらっしゃるかもしれません。ご家族や身近な方がパーキンソン病と診断され、不安に感じている方もいるでしょう。 結論から言うと、パーキンソン病は、多くの場合は遺伝しません。しかし、ごく一部のパーキンソン病は、遺伝することがわかっています。 この記事では、パーキンソン病と遺伝の関係について、できるだけわかりやすく解説します。パーキンソン病の遺伝について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

パーキンソン病ってどんな病気?

パーキンソン病は、脳の特定の場所にある神経細胞が減ってしまう病気です。この神経細胞は、体の動きをスムーズにするための大切な役割を担っています。神経細胞が減ると、体が思うように動かなくなったり、震えたりするなどの症状が出てきます。厚生労働省の調査によると、日本のパーキンソン病患者数は年々増加しています。特に、高齢者になるほどパーキンソン病にかかる人が多くなります。これは、日本がますます高齢化社会になっているためと考えられます。 疫学的には、パーキンソン病は高齢者に高頻度に見られ、65歳以上の有病率は約1%と報告されており。近年、高齢化の進展に伴い、患者数は増加傾向にあります。

パーキンソン病の主な症状

運動機能に関わる症状

体が震える 特に手が震えやすいです。
動きが遅くなる 日常の動作がゆっくりになり、時間がかかるようになります。
体がこわばる 筋肉が硬くなり、動きがぎこちなくなります。
バランスを崩しやすい 転びやすくなったり、姿勢を保つのが難しくなります。

運動機能以外の症状

気持ちが落ち込む うつ病になる人もいます。
便秘 便が出しにくくなります。
嗅覚が鈍る 匂いがよくわからなくなります。
睡眠の質が低下する 夜眠れなかったり、途中で目が覚めたりします。

なぜパーキンソン病になるの?

パーキンソン病になる原因はまだ完全には解明されていませんが、脳の特定のタンパク質がたまることが関係していると考えられています。

パーキンソン病の診断

パーキンソン病かどうかを調べるには、まず、お医者さんがあなたの症状について詳しく聞いてくれます。「いつから体が震えるようになったの?」「歩くのが遅くなったのはいつ頃から?」など、症状について一つひとつ丁寧に教えてあげましょう。 その後、パーキンソン病かどうかを確かめるために、CT検査やMRI検査などの画像検査を受けることがあります。これらの検査では、脳に異常がないか詳しく調べます。 さらに、血液検査や尿検査なども行う場合もあります。これらの検査でも異常が見つからない場合は、パーキンソン病の薬を試してみることもあります。薬を飲んで症状が改善すれば、パーキンソン病の可能性が高いと言えます。 パーキンソン病の診断は、人によって時間がかかる場合もあります。

パーキンソン病は遺伝するの?

パーキンソン病は、たいていは遺伝しません。しかし、ごくまれに、家族に同じ病気の人がいる場合や、若い頃に発症する場合など、遺伝が関係していることもあります。

家族にパーキンソン病の人がいたら?

家族の中にパーキンソン病の人がいると心配になりますよね。パーキンソン病には、遺伝する可能性のある「家族性パーキンソン病」という種類があります。でも、パーキンソン病の患者さんのほとんどは、家族にパーキンソン病の人がいなくても発症します。

若くしてパーキンソン病になる人もいるの?

通常、パーキンソン病は高齢になってから発症することが多い病気です。でも、40歳より若い頃に発症する「若年性パーキンソン病」という病気もあります。この病気の中には、遺伝が原因のものも含まれています。

若年性パーキンソン病の特徴

若年性パーキンソン病は、普通のパーキンソン病と症状は似ていますが、少し違うところもあります。たとえば、手が震えるよりも、歩くのが遅くなったり、バランスを崩しやすくなったりすることが多いです。

パーキンソン病が遺伝するリスク

家族にパーキンソン病の人がいたら、自分もなる可能性があるのか心配になりますよね。実は、パーキンソン病になる原因には、遺伝も関係していることがあります。 家族の中にパーキンソン病の人がいると、他の家族もパーキンソン病になる確率が少し高くなるといわれています。これは、パーキンソン病の原因となる遺伝子が、家族の中で受け継がれることがあるからです。 パーキンソン病の原因となる遺伝子には、色々な種類があります。例えば、私たちの体を構成する細胞の中にあって、色々な働きをするタンパク質を作るための設計図のような遺伝子があります。この設計図に少しだけ間違いがあると、パーキンソン病になってしまうことがあります。しかし、家族にパーキンソン病の人がいるからといって、必ずしも自分がなるわけではありません。もし心配なことがあれば、お医者さんに相談してみましょう。

遺伝性パーキンソン病に対する治療法

パーキンソン病の遺伝子診断や遺伝カウンセリングは、一部の医療機関等で実施されています。遺伝子診断のメリットは、遺伝的背景を明らかにできることと適切なサポートを受けやすくなることです。ただし、希望すれば誰でも受けられるわけではありません。原則として、主治医の紹介などが必要になります。また、解析に数カ月かかる点にも注意が必要です。

パーキンソン病と生活習慣の関係性

パーキンソン病は、なぜ起こるのか、まだ完全には解明されていません。そのため、生活習慣がパーキンソン病にどのように影響するのか、はっきりとしたことはわかっていません。しかし、健康的な生活を送ることが、病気の予防や進行を遅らせる上で大切だと考えられています。

パーキンソン病予防のためにできること

運動 ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなど、自分に合った運動を続けることが大切です。運動は、脳の働きを活発にし、心身の健康にもつながります。
ストレス管理 ストレスを感じたら、早めに解消するように努めましょう。趣味に没頭したり、リラックスできる時間を設けるなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。
バランスのよい食事 様々な種類の食品をバランスよく摂り、栄養不足にならないようにしましょう。特に、緑黄色野菜や果物、魚などを積極的に摂ることがおすすめです。
カフェイン 適量のカフェインを摂取することで、パーキンソン病のリスクが低くなる可能性が示唆されています。ただし、個人差がありますので、飲み過ぎには注意しましょう。

パーキンソン病とカフェインについて

コーヒーに含まれるカフェインには、パーキンソン病の予防効果がある可能性が指摘されています。しかし、パーキンソン病を発症している人は、カフェインを分解する能力が低下しているため、飲み過ぎに注意が必要です。

パーキンソン病は遺伝する?遺伝子との関係性

パーキンソン病は、遺伝子との関連性が指摘される病気です。特に、家族性パーキンソン病や若年性パーキンソン病では、特定の遺伝子の異常が原因となることがわかっています。しかし、パーキンソン病全体の多くは、遺伝的な要因だけでなく、環境要因も複雑に絡み合って発症すると考えられています。 パーキンソン病の遺伝子診断は、ご自身の病気の原因が遺伝的なものであるのか、環境要因が強いのかを調べる検査です。遺伝カウンセリングでは、遺伝子診断の結果を踏まえて、専門家から病気や遺伝に関する情報やアドバイスを受けることができます。

監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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