有料老人ホームとは?種類・費用・選び方を専門家が徹底解説!

  カテゴリー:
有料老人ホームとは?種類・費用・選び方を専門家が徹底解説!

有料老人ホームとは?知っておきたい基本情報

高齢化社会において「有料老人ホーム」は将来の住まいの選択肢として注目されています。この章では、有料老人ホームの基本的な定義、役割、他の介護施設との違いを解説します。

有料老人ホームの定義と役割

高齢者のための多様な住まいの選択肢

有料老人ホームは、老人福祉法に基づき設置され、主として65歳以上の高齢者が、(1)食事の提供、(2)介護(入浴、排せつ、食事)、(3)家事(洗濯、掃除等)、(4)健康管理のいずれかのサービス(複数提供が一般的)を受けながら生活する施設です。高齢者の安心で健やかな暮らしを支援します。

提供サービスや入居条件は施設の種類で大きく異なるため、自身の状況に最適な施設選びが重要です。単なる住居ではなく、多様なサービスが提供される点が特徴です。

なお、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)でも、食事提供や介護サービス等を提供している場合は、老人福祉法上の有料老人ホームに該当することがあります。

民間企業などが運営する施設

有料老人ホームの多くは民間企業が運営し、その他に社会福祉法人や医療法人なども運営主体となります。民間運営の施設は多様なニーズに応える特色あるサービスや設備を提供する場合が多く、選択肢が豊富です。運営主体により理念や方針、雰囲気が異なるため、選定時の重要ポイントです。

特別養護老人ホーム(特養)など他の介護施設との違い

高齢者向け施設には、有料老人ホームの他に「特別養護老人ホーム(特養)」、「介護老人保健施設(老健)」、「グループホーム」、「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」などがあり、運営主体、入居条件、主な目的が異なります。

施設の種類 主な運営主体 主な入居対象者 主な目的・役割
有料老人ホーム 民間企業など 自立~要介護の高齢者(施設の種類による) 多様な住まいと生活支援、介護サービスの提供
特別養護老人ホーム(特養) 地方公共団体、社会福祉法人 原則として要介護3以上の高齢者 常時介護が必要で居宅生活困難な高齢者の生活施設
介護老人保健施設(老健) 医療法人、社会福祉法人など 病状安定期にある要介護1以上の高齢者 在宅復帰を目指したリハビリ、看護、介護
グループホーム 社会福祉法人、NPO法人、民間企業など 認知症の診断を受けた要支援2以上の高齢者 少人数の共同生活を通じた認知症ケア
ケアハウス(軽費老人ホームC型) 社会福祉法人、地方公共団体など 60歳以上(夫婦は一方)で自炊困難または独立生活不安 低額な料金で食事提供その他日常生活上必要な便宜を供与

公的施設の特養は費用が比較的安価ですが、待機者が多い状況があります。有料老人ホームは費用に幅があるものの選択肢が豊富で、ニーズに合わせたサービスを選びやすい点がメリットです。

【種類別】有料老人ホームの3つのタイプとそれぞれの特徴を徹底比較

有料老人ホームは、提供される介護サービス内容により「介護付き」「住宅型」「健康型」の3タイプに分類されます。

介護付き有料老人ホーム|24時間体制の手厚い介護サービス

「介護付き」とは?特定施設入居者生活介護の指定

「介護付き有料老人ホーム」は、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。施設の介護職員等が24時間体制で食事、入浴、排泄等の介護や機能訓練、療養上の世話を提供します。介護が必要になっても外部事業者を探す手間なく、住み慣れた施設で継続して介護を受けられる安心感が特徴です。介護サービス費用は要介護度に応じた包括的な料金(月ごと定額制)が一般的です。

提供される主なサービス内容(食事・入浴・排泄介助など)

食事(栄養バランス、個別対応)、入浴(安全配慮、個別介助、週2回以上)、排泄介助(プライバシー配慮)、その他(更衣・整容、移乗・移動介助、健康管理、機能訓練、生活相談、レクリエーション等)が専門職連携で提供されます。

メリット・デメリットとどんな人におすすめ?

メリット
24時間介護の安心感、介護度変化や医療ニーズ増大時も住み続けやすい(看取り対応施設も増加)、介護費用が定額で計画しやすい、医療サポートも期待できる施設が多い。
デメリット
費用が比較的高額、介護サービス利用が少ないと割高感、生活の自由度が低い場合も。
おすすめ
日常的に介護が必要な方、将来を見据え安心して暮らしたい方、手厚い介護や医療連携を重視する方。看取り対応は詳細確認が重要です。

住宅型有料老人ホーム|自由な生活と必要な介護を組み合わせ

「住宅型」とは?生活支援サービスが中心

「住宅型有料老人ホーム」は、食事提供や清掃等の生活支援サービスが中心です。介護サービスは入居者が外部事業者と個別に契約して利用します。多くは訪問介護事業所等が併設・連携しています。

外部の介護サービスを利用する仕組み

ケアマネジャー作成のケアプランに基づき、入居者自身が訪問介護やデイサービス等を選び契約、利用分を支払います。施設にケアマネジャーが常駐または紹介を受けられる場合があります。

メリット・デメリットとどんな人におすすめ?

メリット
生活の自由度が高い、必要なサービスだけを選び費用を抑えやすい(自立・軽度要介護者)、元気なうちから入居し将来スムーズに外部サービス利用開始可能。
デメリット
重度化や医療ニーズ増大で住み替えの可能性、介護サービス利用量で費用変動(区分支給限度額超過分は全額自己負担)、事業者選びや調整に手間がかかることも。
おすすめ
自立・要支援・軽度要介護の方、生活の自由度重視の方、必要なサービスを選び費用をコントロールしたい方。将来の介護度が重くなった場合の備えも重要です。

健康型有料老人ホーム|自立した方向けの充実したセカンドライフ

「健康型」とは?アクティブな高齢者向け

「健康型有料老人ホーム」は、自立して生活できる高齢者対象で、介護サービスは基本的に提供されません。食事等の生活サポートの他、フィットネスジム等の共用施設が充実し、アクティブな生活を支援します。

利用できる設備やサービス(家事支援、レクリエーションなど)

食事サービス、家事支援、健康管理、多彩なレクリエーションやイベント、充実した共用設備(フィットネスジム、図書室等)が特徴です。

メリット・デメリットとどんな人におすすめ?

メリット
活動的で健康的な生活、プライバシー尊重と自由度の高い生活、同世代との活発な交流。
デメリット
介護が必要になると原則退去、入居時の健康審査が比較的厳しい、施設数が非常に少なく選択肢が限られる。
おすすめ
心身ともに健康で自立している方、アクティブなセカンドライフを望む方、将来の施設移行を前提とできる方。施設数が極めて少ないのが現状です。

有料老人ホームの入居条件|年齢・要介護度・必要な準備

有料老人ホームの入居条件は施設により異なります。契約後のトラブルを避けるため、事前確認が重要です。

一般的な入居条件とは?

年齢、要介護度(または自立の可否)、認知症の状況、共同生活への適応性などが主な条件です。

年齢制限(原則65歳以上など)

原則65歳以上が一般的ですが、60歳以上や夫婦での条件が別途ある場合、また特定疾病により65歳未満でも入居可能なケースもあります。

要介護度・要支援認定の有無

介護付き
主に要支援1・2、要介護1~5。自立者向け居室がある施設も。
住宅型
自立から要介護まで幅広く受け入れ。重度化時の対応確認が必要。
健康型
原則、日常生活を自立して送れる方。

将来の状態変化も踏まえ、適切なタイプを選びましょう。

認知症の受け入れ状況

施設の方針や体制で異なります。積極的受け入れ施設、症状により受け入れ可(進行で退去の可能性も)、受け入れ困難な施設(健康型など)があります。現状を伝え、ケア内容を確認することが不可欠です。

【タイプ別】入居条件の違いと注意点

各タイプの入居条件のポイントと注意点をまとめます。

介護付き有料老人ホームの入居条件

主な条件
原則65歳以上、要支援1以上または要介護1以上。認知症は症状により判断。医療依存度は施設により対応範囲が大きく異なるため、必要な医療処置(インスリン注射、経管栄養等)について具体的相談と確認が必須。
注意点
対応可能な医療処置の範囲や終末期ケア(看取り)方針は施設毎に詳細基準あり。契約前に確認と納得のいく説明が重要。

住宅型有料老人ホームの入居条件

主な条件
原則65歳以上、自立から要支援、要介護まで幅広く受け入れ。認知症は症状により、外部サービスで対応可能なら入居可の場合あり。医療依存度は比較的軽微なら対応可能な場合もあるが、基本は外部訪問看護等で対応できる範囲。
注意点
介護度上昇で費用負担増の可能性。重度化や医療ニーズ増大時の住み替えリスクも考慮が必要。

健康型有料老人ホームの入居条件

主な条件
原則60歳または65歳以上で日常生活が自立していること。認知症症状や日常的医療ケアが必要な場合は入居困難がほとんど。
注意点
「自立」が前提。入居後介護が必要になった場合は原則退去。

身元引受人や保証人の必要性について

多くの施設で「身元引受人」や「連帯保証人」を求められます。利用料支払保証、緊急連絡、医療行為同意補助、逝去時の手続き等のためです。

身元引受人
主に身上監護(緊急連絡、意思決定支援、退去時身柄引受等)。
連帯保証人
主に金銭保証(利用料滞納時の支払義務)。

近年は保証会社を利用できる施設も増加。身元引受人が見つからない場合も施設に相談を。ケアハウス等でも同様の傾向があり、不在だけでの入居拒否はできないとされますが、審査に影響の可能性も。

有料老人ホームの費用|入居一時金から月額利用料まで徹底解説

有料老人ホームの費用は主に「入居一時金」と「月額利用料」です。内訳や種類による違い、負担軽減制度を解説します。

費用の内訳を理解しよう

基本的な費用の内訳を知ることが大切です。

入居一時金(初期費用)とは?相場と償却期間

入居一時金は入居時に支払うまとまった費用で、終身利用権や家賃前払いの性格を持ちます。

金額相場
0円から数千万円超と幅広く、立地、設備、サービスで変動。
償却期間
通常5~10年程度で毎月償却。初期償却制度がある施設も。途中退去時の未償却分返還ルールは契約前に要確認。

一時金と月額利用料のバランスは施設により異なり、総支払額やライフプランを考慮し選択が必要です。

月額利用料の内訳(家賃相当額、管理費、食費など)

月額利用料は毎月支払う費用で、主に以下で構成されます。

費用の種類 内容 備考
家賃相当額 居室や共用施設の利用料。 立地、広さ、設備等で変動。
管理費 共用施設の維持管理費、事務費、生活支援サービス人件費など。 光熱水費が含まれるか別途か等、施設により異なる。内訳確認を。
食費 1日3食の食事提供費用。 喫食数に応じた請求または月額固定など施設により異なる。
上乗せ介護費用 介護付きで、基準を上回る人員体制の場合に発生する費用。 施設により有無や金額が異なる。
その他費用 個人的な嗜好品購入費、医療費、理美容代、おむつ代など。 実費負担が多い。

月額利用料の内訳、特に管理費の光熱水費や食費の計算方法の事前確認が重要です。

介護サービス利用にかかる費用

月額利用料に加え、介護サービス利用時には別途費用が必要です。

介護保険サービスの自己負担額(1割~3割)

介護保険サービス利用時、費用の一定割合(原則1割、所得により2割または3割)が自己負担です。

介護付き
要介護度に応じた包括費用で月々の自己負担額がほぼ一定。
住宅型
利用した外部サービスの種類と量で自己負担額が変動。区分支給限度額超過分は全額自己負担。

ケアマネジャーと必要なサービス内容や費用をよく相談しましょう。

上乗せ介護費用や別途かかる費用

上乗せ介護費用(介護付きで法定基準以上の手厚い人員配置の場合)、個別選択サービス費(施設独自の保険外サービス)、その他実費負担(おむつ代、医療費等)がかかることがあります。契約前の重要事項説明書で詳細確認が重要です。

有料老人ホームの種類による費用の違い

施設タイプによる費用傾向は以下の通りです。

種類 入居一時金の傾向 月額利用料の傾向 介護サービス費の扱い
介護付き有料老人ホーム 幅広い(0円~高額) 比較的高い傾向 月額利用料に介護保険自己負担分(包括的な定額)が含まれることが多い(別途、上乗せ介護費用が発生する場合あり)
住宅型有料老人ホーム 幅広い(0円~高額) 比較的抑えめな傾向 外部の介護サービスを利用した分だけ別途支払い(使った分だけ負担)
健康型有料老人ホーム 比較的高い傾向 比較的高い傾向 原則として介護サービスの提供はなく、介護が必要になった場合は退去となるため、介護サービス費は発生しない

これは一般的傾向で、個々の施設で異なります。必ず複数施設から見積もりを取り詳細を確認しましょう。

費用負担を軽減するための制度やポイント

高額介護サービス費制度(自己負担上限超過分払戻し、所得区分で上限額変動)、入居一時金の支払いプラン選択、月払い方式(一時金0円プラン)、自治体の助成制度、税金の控除(医療費控除、扶養控除)、生活福祉資金貸付制度などがあります。利用可否は個々の状況によるため、ケアマネジャーや施設、市区町村窓口に相談しましょう。

有料老人ホームで受けられる充実したサービス内容

介護、生活支援、医療連携、リハビリ、レクリエーションなど多岐にわたるサービスが提供されます。

日常生活を支える介護サービス

特に介護付き有料老人ホームで充実しており、尊厳を守りつつ心身状態に合わせた介護を提供します。

食事の提供と栄養管理

栄養士等が献立を作成し、栄養バランスの取れた食事を提供。季節感や行事食、選択食の工夫も。個々の健康状態や嚥下能力に合わせた食事形態(治療食、きざみ食等)や食事介助も行います。

入浴・排泄の介助

入浴介助
安全な設備(一般浴、機械浴等)で個別計画に基づき実施。週2回以上の入浴機会確保が基準。
排泄介助
トイレ誘導、おむつ交換等、プライバシーと尊厳を尊重したケア。

更衣・移乗・移動の介助

着替え、ベッドからの起き上がり、車椅子への乗り移り、施設内移動等を必要に応じサポート。残存能力を活かし自立支援を目的とします。

快適な暮らしのための生活支援サービス

介護サービスに加え、日常生活を快適にする生活支援サービスも充実しています。

居室の清掃・洗濯

定期的な居室清掃、リネン交換、衣類等の洗濯サービスで家事負担を軽減し、清潔な居住空間を保ちます。

買い物代行・役所手続きのサポート

日用品等の買い物代行や行政手続きの相談・代行・付き添いサポートが受けられる場合があり、外出困難な方等に便利です。

安心の医療連携と健康管理体制

看護職員配置や協力医療機関との連携で日々の健康をサポートします。

看護職員による日々の健康チェックや医療的ケア

多くの施設(特に介護付き)で看護職員が日中常駐または24時間配置。バイタルチェック、健康相談、服薬管理、医師指示に基づく医療処置(胃ろう、痰吸引等、施設対応範囲内)、緊急時対応等を行います。対応可能な医療処置範囲は施設により大きく異なるため、入居前の詳細確認が極めて重要です。

協力医療機関との連携(定期的な往診、緊急時対応)

ほとんどの施設が近隣病院等と協力医療機関契約を締結。定期往診、緊急対応、情報共有等で通院負担軽減や迅速な医療対応が期待できます。協力医療機関の診療科目や緊急時受入体制の事前確認が大切です。協力歯科医療機関設定も努力義務です。

薬の管理と服薬支援

薬の一括管理、配薬・服薬確認、副作用チェック等で安全な薬物療法を支援。薬剤師が定期訪問し服薬指導等を行う施設もあります。

看取りへの対応状況

終末期ケア(看取り)に対応する施設も増加。身体的・精神的苦痛緩和と尊厳ある最期を支援します。対応状況や具体的ケア内容は施設で大きく異なるため、「看取り対応可」だけでなく、詳細な確認が後悔のない選択に繋がります。入居契約前の重要確認事項です。

心身の機能を維持・向上させるリハビリテーション

機能訓練指導員(理学療法士等)を配置し、個別リハビリや集団での生活リハビリ等を提供。身体機能維持・向上、QOL向上を目指します。

生活に彩りを与えるレクリエーションやイベント

趣味活動、軽運動、脳トレ、季節行事、外出、地域交流等、多様な活動で生活に潤いを与え、心身機能維持、孤独感解消、生きがいづくり、QOL向上に繋げます。

安心・安全な生活環境|有料老人ホームの人員基準と設備基準

適切な人員配置と快適で安全な設備が不可欠です。法律等で基準が定められています。

法律で定められた人員配置基準とは

特に介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護指定施設)では、職種毎に職員配置数が定められています。

介護職員・看護職員の配置義務(特に介護付き)

主な人員配置基準(介護付き):

  • 介護職員:要支援者10:1以上、要介護者3:1以上(常勤換算)。
  • 看護職員:入居者30人まで1人以上、以降50人毎に1人追加(常勤換算)。日中常駐が一般的。

これらは最低基準で、より手厚い施設も(上乗せ介護費用の場合あり)。「3:1」等は常勤換算で、全時間帯のフロア人数保証ではありません。夜間は日中より少人数が一般的です。

近年、一定要件(安全確保、質向上、職員負担軽減等)を満たす場合、看護・介護職員合計数の配置基準を実質1割緩和できる措置も導入されています。適用施設選択時は運用実態の具体的確認が望ましいです。

住宅型・健康型に厳密な介護・看護職員配置義務はありませんが、生活相談員配置は義務です。

機能訓練指導員、生活相談員などの専門職

機能訓練指導員
介護付きに1人以上配置義務。リハビリ実施。
生活相談員
全有料老人ホームで配置義務。生活相談、連絡調整、入退去手続き等。
ケアマネジャー
介護付きに配置標準。ケアプラン作成等。住宅型は外部利用が一般的。

これらの専門職が連携しサポートします。

快適な居住空間のための設備基準

高齢者が安全で快適に生活できるよう、居室や共用スペースの設備基準があります。

居室の広さや必要な設備(トイレ、洗面、収納など)

居室広さ:原則一人当たり床面積13㎡以上(標準指導指針モデル)。個室が基本。

居室設備:一般的にトイレ、洗面台、収納、ナースコール、冷暖房完備。施設によりミニキッチンや浴室付きも。家具持込は要確認。

「13㎡以上」は最低基準で、快適性は広さ以外の要素も影響します。

共用施設(食堂、浴室、機能訓練室など)

食堂(リビングダイニング)
食事、歓談、レクリエーションの場。適切な広さが必要。
浴室
一般浴室、機械浴槽等。身体不自由者に適したものであること。
機能訓練室
リハビリ用スペースと機器。
その他
談話スペース、図書室、理美容室、庭園等、施設により多様。共用施設の充実は日々の生活の豊かさに繋がります。

バリアフリー設計と安全設備

施設全体がバリアフリー設計が基本。段差解消、手すり設置、滑りにくい床材、車椅子対応廊下・エレベーター等。各居室等にナースコール設置。消防法に基づきスプリンクラー等の消防用設備設置、避難経路確保も。特定施設入居者生活介護基準では耐火建築物等であること、消火設備等設置が求められます。見学時に確認が大切です。

有料老人ホームの契約形態|知っておきたい権利とお金の話

高額な費用が伴う大きな契約です。契約形態による権利や費用の違いを理解し、トラブルを避けましょう。

主な契約形態の種類と特徴

主に「利用権方式」「建物賃貸借方式」「終身建物賃貸借方式」の3つがあります。

利用権方式とは?

最も一般的な契約形態。入居一時金と月額利用料で、施設の利用とサービスを受ける権利(利用権)を終身得る。譲渡・相続不可。入居一時金は償却され、途中退去で未償却残高返還が一般的だが、計算方法は要確認。前払金保全措置が義務付けられています(原則平成18年4月1日以降届出施設対象)。保全措置の有無、内容、範囲を契約前に必ず確認が必要です。

建物賃貸借方式とは?

一般の賃貸住宅と同様の契約。敷金と月々の家賃で居室を利用。介護等は別途契約。契約期間があり更新が必要な場合も。敷金は退去時原状回復費用等差し引き返還が一般的。契約者死亡でも同居配偶者等が借地権相続し居住継続可能な場合も。

終身建物賃貸借方式とは?

「高齢者住まい法」に基づく特別な賃貸借契約。原則60歳以上対象で終身居住権を得る。事業者は正当事由なく契約解除・更新拒否不可。同居配偶者の居住権も保障(要件あり)。費用は敷金と月々家賃、サービス別途契約。採用施設はまだ少ないのが現状です。

契約書内容を隅々まで確認し、不明点は必ず施設側に確認しましょう。

契約前に確認すべき重要事項説明書とは

契約前に必ず「重要事項説明書」が交付・説明されます。施設概要、職員体制、サービス内容と料金、利用料詳細(一時金、月額料、算定根拠、償却・返還ルール等)、入居条件、協力医療機関、契約解除条件、前払金保全措置、苦情窓口等が記載。時間をかけ確認し、不明点は必ず質問し納得いく説明を求めましょう。家族や専門家同席も推奨。熟読・理解がトラブル回避の最大の防御策です。

クーリングオフ制度と解約条件

有料老人ホームの利用権契約には「クーリングオフ制度」が適用されます。老人福祉法に基づく指導指針等により、契約書面受領日から90日間は書面で無条件契約解除可能。受領済一時金等は全額返還(利用料や原状回復費用は「適切な範囲で」差し引かれる場合あり)。「適切な範囲」の具体的算定根拠を契約時に確認が重要です。

90日経過後も契約書に従い中途解約可能。返還ルールや解約申出期限も契約前に要確認。

施設側からの契約解除事由(利用料長期滞納、著しい迷惑行為、医療・介護範囲超過等)も重要事項説明書で確認が必要です。

有料老人ホーム選びで失敗しないためのポイントと入居までの流れ

事前の準備と慎重な比較検討で後悔のない選択が可能です。

自分に合った施設を見つけるための比較検討ポイント

希望条件を整理し、優先順位をつけましょう。

希望条件(立地、費用、サービス内容)の整理

立地(訪問しやすさ、周辺環境等)、費用(一時金上限、月額料、総費用)、サービス内容(介護体制、医療連携、生活支援、リハビリ、レクリエーション)、居室・設備(広さ、使いやすさ、雰囲気、バリアフリー)、施設の雰囲気・方針(スタッフ対応、入居者様子、運営理念)等を具体的に書き出し、優先順位をつけましょう。これにより施設選びの軸が定まります。

情報収集の方法(インターネット、紹介センター、口コミ)

インターネット(介護施設検索サイト、施設公式サイト)、介護施設紹介センター(専門相談員による無料相談・紹介)、口コミ・評判サイト(参考程度、複数情報源確認)、ケアマネジャー・地域包括支援センター(地域情報、専門的アドバイス)、知人・友人(利用者の生の声)。複数の方法で情報を集め、多角的に比較検討が大切です

見学・体験入居の重要性とチェックポイント

実際の雰囲気やサービス内容確認のため、必ず複数施設を見学し、可能なら体験入居を強く推奨します

見学時チェックポイント例:施設全体の雰囲気、スタッフ対応、入居者の様子、居室・共用スペースの快適さ・清潔さ、食事内容(試食推奨)、介護・医療体制、レクリエーション、衛生・安全対策、費用・契約内容の再確認。

体験入居メリット:実際の生活体験、スタッフや他の入居者との相性確認、夜間の様子の確認。

時間と手間はかかりますが、後悔しないために非常に重要です。

入居までの基本的なステップ

一般的に以下の流れで進みます。

  1. 資料請求・問い合わせ

    気になる施設に資料請求。パンフレット等を読み、不明点は気軽に問い合わせましょう。

  2. 見学・個別相談

    必ず施設見学。事前に予約し、説明を受け施設内を見学。希望や疑問を伝え、個別相談の時間を設けてもらうと良いでしょう。

  3. 仮申し込み・入居審査・面談

    入居検討施設に仮申し込み。その後、書類審査(診療情報提供書等)と面談(本人・家族と施設スタッフ)による入居審査。心身状態、必要ケア等をヒアリングし受け入れ可否を総合的に判断します。

  4. 契約手続き・入居準備

    審査通過後、正式契約。契約書・重要事項説明書を再確認し署名・捺印。初期費用支払い。荷物準備、各種手続き(住民票異動等)、入居日調整を行います。

有料老人ホームに関するよくある質問(Q&A)

よくある質問とその回答をまとめました。

生活保護を受給していても入居できる?

A: 施設の種類や地域で異なりますが、入居可能な施設は存在します。住宅型有料老人ホームの約54.1%、介護付き有料老人ホームの約10.9%が生活保護受給者を受け入れているというデータがあります(PwCコンサルティング合同会社調査 令和2年3月)。住宅型で比較的受け入れが進んでいますが、介護付きは選択肢が限られる傾向です。利用料金が生活保護の扶助基準額を上回ることが多いため、入居できる施設は限られます。ケアマネジャーや市区町村の福祉担当窓口、専門の介護施設紹介センターに相談し、受給額範囲内で利用できる施設(特養やケアハウス等も含む)を探すことが重要です。

有料老人ホームでの1日の生活スケジュールは?

A: 施設や個人の状況で異なりますが、起床、食事、午前活動(健康チェック、入浴、機能訓練、レク等)、昼食、午後活動(レク、面会、外出等)、夕食、夜間(自由時間、就寝準備、巡回)が一般的です。個人のペースや希望を尊重する配慮がされています。入居前に確認しましょう。

ショートステイやデイサービスとしての利用は可能?

A: 原則として行っていません。有料老人ホームは長期居住目的の施設です。体験入居プランはありますが、介護保険のショートステイやデイサービスとは異なります。これらは専門事業所を探す必要があります。

退去を求められるのはどんな場合?

A: 利用料長期滞納、医療ニーズが施設の対応範囲を超えた場合、他の入居者への著しい迷惑行為が改善されない場合、契約上の重大な違反があった場合などです。契約前に重要事項説明書で必ず確認しましょう。

入居の最適なタイミングはいつ頃?

A: 一概には言えませんが、ご本人の心身状態、ご家族の介護力、ご本人の意思を総合的に考慮して判断します。身体機能低下、認知症進行、医療ケアの必要性、介護者負担増、本人の希望などがきっかけとなります。早めに検討を始めると、多くの選択肢からじっくり選べ、ご本人の意思も尊重しやすくなります。

まとめ:納得のいく有料老人ホーム選びのために

最適な施設選びは簡単ではありませんが、正しい情報を得て慎重に検討を進めましょう。

有料老人ホームは多様なニーズに応える選択肢

介護付き、住宅型、健康型と、有料老人ホームは高齢期の多様なニーズに応えます。ご自身の状況や「どのような暮らしを送りたいか」を明確にすることが第一歩です。費用の把握と無理のない資金計画も不可欠です。

事前の情報収集と専門家への相談が鍵

早めの情報収集と見学、ご本人・ご家族での十分な話し合い、専門家(ケアマネジャー、地域包括支援センター、介護施設紹介センター等)への相談が重要です。この記事が皆様の施設選びの一助となれば幸いです。

有料老人ホーム探しでお悩みなら「笑がおで介護紹介センター」へご相談を!

有料老人ホーム選びは複雑で大変です。「どこに相談したら?」「もっと詳しく知りたい」そんなお悩みはありませんか?

経験豊富な相談員が、あなたにぴったりの有料老人ホーム探しを無料サポート

「笑がおで介護紹介センター」では、専門知識と経験を持つ相談員が無料で皆様の施設探しをサポートします。お気持ちに寄り添い、最適な施設選びをお手伝いします。

ご希望の条件(予算、エリア、医療ケア体制など)を丁寧にお伺いします

ご予算、エリア、必要な医療ケア、お身体の状態、ライフスタイルなど、皆様のご希望を丁寧にお伺いし、多数の施設から最適な候補をご紹介します。

見学の予約から入居まで、専門知識でしっかりお手伝い。まずはお気軽にお問い合わせください。

資料請求、見学予約、見学時アドバイス、契約時の注意点、入居準備までトータルサポート。「話だけでも聞きたい」という方も大歓迎です。

有料老人ホーム探しで迷ったら、まずは「笑がおで介護紹介センター」へお気軽にお問い合わせください。皆様が安心して笑顔で暮らせる住まい探しをお手伝いします。

監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

無料で簡単診断

老人ホーム・介護施設を探す

都道府県をクリックすることで選択したエリアの市区町村や駅・路線などから老人ホームを探すことができます。

スタッフ満足