【相談事例】『物盗られ妄想』に悩む日々から穏やかな生活へ。相談員が導いた、ご本人とご家族の安心:兵庫エリア 福永相談員 vol.2

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【相談事例】『物盗られ妄想』に悩む日々から穏やかな生活へ。相談員が導いた、ご本人とご家族の安心:兵庫エリア 福永相談員 vol.2
相談員福永

認知症による被害妄想に悩むお母様と、介護に疲弊した娘様。当センターの支援と施設との連携で、穏やかな施設生活を実現した事例をご紹介します。

「物が盗まれる」という不安からの解放。認知症のご本人が施設で取り戻した穏やかな日常

「母の認知症が進み、泥棒がいると言ったり、物を盗られたと騒いだり…。警察沙汰にもなり、もうどうしたらいいか…」

藁にもすがる思いで当センターにご相談いただいた娘様。長年、お母様の介護をされてきましたが、精神的に限界を迎えていらっしゃいました。認知症による被害妄想が強く、施設入居も拒否されていたご本人様。しかし、入念な準備と施設との連携で穏やかな暮らしを実現することができました。

ご相談の背景

ご入居者

  • 80代の女性。
  • 認知症が進み『物盗られ妄想』が強く、ご近所トラブルや警察沙汰になることもありました。
  • レスパイト入院をされていました。

ご相談者

  • ご本人様の娘様。
  • 長年、お母様の介護をされていましたが、ご本人の認知症の進行にともない精神的に疲弊していました。

相談時の状況

  • ご本人は入院中でしたが、病院でも「物が盗られた」と訴え、周囲に不安を与えるような言動が見られました。ソーシャルワーカーも対応に苦慮している状況でした。
  • ご家族(娘様)は長年お母様の介護をされてきましたが、被害妄想による言動に疲れ果てていました。しかし、お母様は施設入居を拒否されており、そのような状況に途方に暮れていらっしゃいました。

ご要望・条件

  • 認知症への対応がしっかりしている施設。
  • 日中の見守りや声かけなど、手厚いケアが受けられる施設。
  • 娘様の自宅から近い、兵庫県内の施設。
  • 予算は20万円~25万円

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相談員福永

ご本人様の状況と娘様の切実な思いを丁寧にヒアリングし、施設との連携を密にとることで、ご本人が安心して過ごせる環境の準備を進めました。

本人面談で見えた光。施設との連携で実現した安心の入居

ご相談を受け、私はまずご本人様の認知症の状況と、娘様の切実な思いを丁寧にヒアリングすることから始めました。そして、今回の施設探しで最も重要なポイントはご本人様が安心して過ごせる環境であること、そして娘様が安心して任せられる施設であることを確認しました。

しかし、認知症の方の施設入居はご本人の抵抗が強く、難しいケースも少なくありません。そこで私は、施設との入念な打ち合わせを重ね、ご本人様への声かけや接し方など、細心の注意を払いながら入居の準備を進めました。

施設長との面談でご本人の状況を確認

施設側からは「共同生活なので、ご本人様の言動が他の入居者様に迷惑をかけないか心配なのでしっかりと面談で判断します」という声がありました。私は施設長と共にご本人様との面談に臨み、直接お話を聞くことにしました。

面談で会ったご本人は、穏やかな方で、物腰も柔らかく、面談時は病院での被害妄想を訴える様子は全くありませんでした。ただ、少し前にご主人を亡くされたばかりで自宅に置いたままの仏壇を気にかけ「お花の一本でも供えたい」と話されました。

娘様からは「母の性格を考えると、施設から来たと言うと絶対に入居を拒否する」と事前に伺っていました。そこで施設長と相談し、施設入居の面談といわず「お身体の状態を見に来ました」という名目で実施することにしました。

面談の結果、施設長は「思っていた以上に穏やかな方なので受け入れ可能ですよ」と判断してくださいました。

入居に向けた工夫

入居にあたっては、ご本人様が新しい環境に馴染めるよう、様々な工夫を施設と考えました。

服は全て買い替え

施設側から「ご自身の物に対して『盗られた』と言う可能性があるため、新しい服を揃えてはどうか」という提案がありました。しかし、娘様は「母は自分の物へのこだわりが強いので、知らない服では落ち着かないかもしれない」と懸念されました。そこで、今回は服は買い替えず自宅から使い慣れたものを持っていくことにしました。

仏壇はしばらく置いておかない

仏壇をいきなり施設に持って行くと「もう家に帰れないのか」と不安に思われる可能性があるため、しばらくは自宅に置いておくことにしました。

「リハビリ施設」として説明

ご本人様には「まだ体力が完全には戻っていないので、リハビリを兼ねて一時的に施設で過ごしましょう」と説明しました。

入居後の暮らしと、ご家族の安堵

施設側の丁寧なケアのおかげで、ご本人様は新しい環境にスムーズに馴染み穏やかな日々を送られています。

元々社交的なご性格だったこともあり、少しずつ周りの方とお話をするようになっているそうです。

娘様からは「本当に感謝しています。母があんなにすんなり施設に入ってくれるなんて、信じられませんでした」という言葉をいただきました。また、娘様のご自宅から近い施設に入居できた事も大変喜んでいただきました。

相談員福永

認知症の方の施設選びでは、ご本人の状況を丁寧に把握し、施設と密に連携することが、安心できる暮らしを実現する上で非常に重要です。

この事例が教えてくれること。認知症の方の施設選びで大切なこと

今回の事例から、認知症の方の施設選びで大切なことは、以下の2点だと感じました。

  • ご本人の状況を丁寧に把握すること:認知症の症状だけでなく、性格や生活歴、ご家族との関係性など、様々な角度からご本人様を理解することが大切です。
  • 施設との密な連携:施設側の協力を得ながら、ご本人様が安心して過ごせる環境を整えることが重要です。
相談員福永

認知症の進行に備え、お元気なうちからの施設検討が、ご本人とご家族にとっての安心につながります。

認知症の進行に備える。早期の施設検討がご本人とご家族の安心を確保する。

認知症の症状が見え始めても、お体が元気なうちは「まだ施設なんて考えなくていい」「もう少し自宅で見てあげたい」と、ご家族様は思われがちです。しかし、実はこの「身体は元気」な時期が、ご本人様にとって最も良い施設を見つけるための大切なチャンスとなることがあります。

認知症は少しずつ進行していくため、症状が進むにつれて、選べる施設の選択肢が狭まってしまうことがあります。また、ご自宅での介護が徐々に難しくなってきたと感じ始めたら、それは「もしもの時」に慌てず、将来にしっかり備えるサインです。

お元気なうちからご相談いただき、情報収集を始めることで、ご本人様が新しい環境にスムーズに慣れることができたり、ご家族様が心にゆとりを持って最適な場所を見つけたりすることが可能になります。

担当相談員 福永より、施設探しでお悩みのあなたに

「親の認知症が進行して、施設に入れた方がいいのか悩んでいる」「親が施設を嫌がって、話が進まない」「家族だけで抱え込んでしまい、どうしたらいいか分からない」――。

このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

認知症の方の施設探しは、ご本人様の気持ちを尊重しながら、ご家族の負担も考慮する必要があるため、非常に複雑で難しいものです。

私たち「笑がおで介護紹介センター」は、ただ施設を紹介するだけでなく、ご本人様の状況を丁寧に把握し、施設との連携を密に図りながら、ご家族の精神的な負担を軽減できるよう全力でサポートいたします。

「もう無理だ」と諦める前に、まずは一度「笑がおで介護紹介センター」にご相談ください。あなたの「正解」を一緒に見つけるお手伝いをさせていただきます。

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この相談事例の担当相談員

相談員福永

笑がおで介護紹介センター/兵庫エリア担当
相談員福永(ふくなが)

認知症のご相談では、ご本人様の状況を細やかに理解し、施設との連携を通じて最適な環境を整えることを重視しています。ご家族が抱える精神的なご負担を少しでも軽減できるよう、親身なサポートを心がけています。

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