老人ホームの荷物はどれくらい持ち込める?収納・断捨離・搬入のコツ

親御さんの老人ホームへの入居が決まり「荷物はどのくらい持ち込めるのか」「限られた部屋にどう収納すればいいのか」とお悩みではありませんか?居室の広さや持ち込みのルールは施設によって異なり、事前の情報収集が必要です。
この記事では、老人ホームへ持ち込める荷物の量や必要な荷物リスト、断捨離のコツを解説します。また、収納術や搬入の流れ、持ち込み時の注意点についても詳しく紹介します。
読み終えるころには、入居準備の全体像がつかめ、安心して荷物の整理を進められるようになるでしょう。
老人ホームに持ち込める荷物
老人ホームへの入居が決まると、最初に気になるのが「どのくらいの荷物を持ち込めるのか」という点でしょう。居室の広さは施設の種類によって大きく異なり、持ち込める荷物の量も変わります。
備え付けの設備も施設ごとに違うため、事前の確認が必要です。ここでは、居室の広さや設備の目安から、持ち込みに制限がある荷物、禁止される物、施設タイプごとのルールの違いまでを解説します。
一般的な老人ホームの居室の広さと設備
老人ホームの個室は、18~20㎡程度が主流です。特別養護老人ホームでは多床室・ユニット型個室ともに1人あたり10.65㎡が現在の基準になります。
認知症対応型グループホームは7.43㎡以上と定められており、居室面積は最も小さい部類です。一方、サービス付き高齢者向け住宅は原則25㎡以上ですが、共用部分の面積次第で18㎡以上に緩和されるため、実際には18~25㎡未満の居室が多くを占めます。
備え付けの設備は、照明やエアコン、カーテン、介護用ベッドが用意されているケースが一般的です。タンスやクローゼットが設置されている施設もあるため、入居前に確認しておけば荷物の量を判断する目安になるでしょう。
参考1:特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準|厚生労働省
参考2:10年を迎えるサービス付き高齢者向け住宅の現在|参議院
持ち込みに条件や制限がある荷物の種類
老人ホームでは、持ち込み自体は可能でも条件がつく荷物があります。制限されやすい代表的な荷物は以下のとおりです。
- 仏壇(サイズ、ろうそく・線香の種類に制限)
- テレビ(持ち込み可否、視聴時間に制限がある場合あり)
- 小型冷蔵庫(衛生管理、コンセント数の関係で禁止の施設あり)
- 大型家具(車いすの移動を妨げるため制限されやすい)
- 刃物を使う趣味の道具(スタッフの見守りが必要な場合あり)
持ち込みたい物がある場合は、入居前に施設へ個別に問い合わせておきましょう。
安全上の理由で持ち込みが禁止される物
共同生活の安全を守るため、原則として持ち込みが禁止されている物があります。代表的な禁止品目は、以下のとおりです。
- ライターやマッチ、カセットコンロなどの火器類
- 包丁やカッター、裁縫用の縫い針などの刃物類
- 車やバイク、自転車などの乗り物
- 多額の現金や高価な宝石、貴金属
- 生ものや家庭で調理した食品
火器類は火災リスクが高く、一律で禁止されています。刃物類はほかの入居者を傷つける恐れや認知症の方の誤用を防ぐ目的で持ち込めません。
貴重品は紛失や盗難トラブルの原因になるため制限されます。食品類も食中毒リスクや賞味期限管理の観点から規制している施設が多い傾向です。
施設の種類ごとの持ち込みルールの違い
施設の種類によって、持ち込みの自由度は大きく異なります。特別養護老人ホームや有料老人ホームは要介護度の高い方が多く、安全面を重視するため家具や家電の持ち込みが厳しく制限される場合があります。
サービス付き高齢者向け住宅は自立した生活を前提としており、一般的な住宅に近い設備が整っているのが特徴です。持ち込みの自由度が比較的高く、施設によっては介護ベッドを自前で用意する必要があるでしょう。
グループホームは個室面積が最小7.43㎡と狭いため、物理的に持ち込める量が大幅に限られます。入居先の施設タイプを確認し、持ち込みルールを事前に把握しておきましょう。
老人ホーム入居時に必要な荷物リスト
老人ホームでの新生活に必要な荷物は、衣類や日用品から書類、趣味の道具まで多岐にわたります。すべてを一度に揃えようとすると混乱するため、カテゴリごとに整理して準備を進めましょう。
ここでは、入居時に用意しておきたい荷物をカテゴリ別に紹介します。あると便利な小型家電や、持ち込んだものの不要になりやすい物についても紹介します。
衣類・下着・靴など毎日使う身の回り品
普段着は、上下5~7セット程度を目安に用意しましょう。着脱の負担が少なくシワになりにくい綿やポリエステル混紡の素材が施設生活に適しています。
下着や肌着、靴下は洗濯の頻度を考慮して5~10セット程度を準備しましょう。パジャマは介護を受けやすい前開きタイプが便利で、3~4セットあれば安心です。
靴は室内用と屋外用の2種類が必要です。室内履きはスリッパではなく、滑りにくくかかとが覆われた介護シューズを選ぶと転倒防止につながります。カーディガンやベストなど体温調節用の上着も2~3枚あると施設内の空調に合わせやすいでしょう。
洗面用具・衛生用品など日用品の基本セット
日用品は消耗品が中心になるため、入居時にまとめて準備しておきましょう。基本的なセットは、以下のとおりです。
- 歯ブラシ、歯磨き粉、プラスチック製コップ
- ヘアブラシ、電気シェーバー
- バスタオル3~5枚、フェイスタオル4~7枚
- 爪切り、耳かき、綿棒、ティッシュペーパー
カミソリは刃物扱いで持ち込みを禁止している施設が多いため、電気シェーバーを選びましょう。入れ歯を使用している方は、入れ歯ケースや洗浄剤も持参します。
トイレットペーパーは施設によっては自分で用意する必要があるため、事前に確認しておくと安心です。
保険証・お薬手帳・介護認定証などの必要書類
入居時に準備する書類は多岐にわたります。漏れを防ぐため、カテゴリ別に確認しておきましょう。
- 健康保険被保険者証
- 介護保険被保険者証
- お薬手帳
- 診察券
- 健康診断書
- 入居契約書
- 身元保証書
- 住民票
- 印鑑
お薬手帳や診察券は、体調急変時にスムーズな診察を受けるために必要です。障がい者手帳や年金手帳をお持ちの方は、忘れずに用意しましょう。
健康診断書や診療情報提供書(紹介状)は、施設での保管を求められる傾向があります。施設から渡される準備リストに沿って、1つずつチェックを入れながら準備を進めましょう。
写真や趣味の道具など心の支えになる私物
ご家族やペットの写真、お気に入りのクッション、孫が描いた絵などの思い出の品は、新しい環境での安心感につながります。スタッフとの会話のきっかけにもなり、施設での生活に早くなじむ助けになるでしょう。
趣味の道具として、読書用の本や大人の塗り絵、将棋やパズル、タブレットなどを持ち込む方も多い傾向です。使い慣れたマグカップや湯呑みがあると、毎日のお茶の時間がより心地よくなります。
長年使ってなじんだ椅子や小さなタンスなどの家具は、自宅に近い安心感をもたらします。身だしなみを整えるための化粧品やスキンケア用品、手鏡なども生活の質を保つうえで大切な持ち物です。
あると便利な小型家電と持ち込み時の確認点
テレビは15~19インチ程度の小型の物が居室に適しています。字幕対応のモデルを選ぶと、耳が聞こえにくい方にも使いやすいでしょう。
加湿空気清浄機は乾燥防止や感染症対策に役立ち、肌の潤い維持にも効果的です。タンクの水を取り替えやすく、吹出口が熱くならないタイプを選びましょう。小型冷蔵庫は1ドアのコンパクトなものが便利ですが、持ち込み禁止の施設もあるため確認が必要です。
カーテンやじゅうたんなどの布製品は、消防法により防炎製品の使用が義務付けられています。購入時や持ち込み前に防炎製品かどうかを必ず確かめておきましょう。
持ち込んだが不要になりやすいものの例
ご家族がよかれと思って用意したトランプやパズルが、ご本人の趣味に合わず使われないケースがあります。「子ども扱いされている」と感じて不機嫌になってしまう場合もあるため、ご本人の好みを確認してから用意しましょう。
不要になりがちな持ち込み品には、以下のようなものがあります。
- ご本人の趣味に合わない娯楽用品
- 新調したが着慣れず結局使わない衣服
- 子ども向けデザインの記名シール
新しく購入した部屋着よりも、日ごろから着慣れたスウェットやパジャマのほうが落ち着くと感じる方は多いでしょう。記名シールはシンプルなデザインを選び、油性ペンやお名前スタンプの活用が適しています。
老人ホーム入居前に荷物を断捨離するコツ
一軒家やマンションからワンルームの居室へ移ると、持ち込める荷物の量は大幅に減ります。18~20㎡程度の一般的な個室であれば、ダンボール10~15箱と小さな家具1つ程度(軽トラック1台分)が持ち込める目安です。
しかし、特別養護老人ホームなど施設によっては「ダンボール1箱分まで」と厳しく制限されるケースもあるため、事前の確認が不可欠です。
ここでは、ご本人の気持ちに配慮しながら効率よく断捨離を進めるための6つのコツを紹介します。
「使う頻度」を基準に残すものを選ぶ
荷物の仕分けでは「使う(持っていく)」「使わない(手放す)」「迷う(保留)」の3つに分類するのが基本です。「使う」の基準は直近1年以内に使ったもの、または生活に不可欠なものとします。
「3年間使わなかった物は手放す」といった具体的なルールを設けると判断に迷いにくくなります。「いつか使うかも」と感じるものは、施設では食事や掃除のサービスがあるため「使わない」に分類しましょう。
残すものを「頻度」で決めれば、感覚に頼らず客観的に取捨選択ができます。ご本人と一緒にひとつずつ確認しながら進めると、納得感のある仕分けになるでしょう。
本人の気持ちを尊重しながら一緒に進める
ご家族が一方的に「捨てよう」と提案すると、ご本人は抵抗感を抱きやすくなります。なぜ手放したくないのか、どのような思い出があるのかを聞き、会話をしながら整理を進めると自然に手放す気持ちが生まれます。
「捨てる」ではなく「これからの生活に必要な一軍はどれ?」などと声をかけると、選ぶ作業として前向きに取り組めるでしょう。「整理する」「選ぶ」へ言葉を変えるだけで、親御さんの受け止め方が変わります。
環境の激変は、高齢者にとって大きなストレスになります。すべてを新調するのではなく、長年愛用してきた物を優先的に残す姿勢がご本人の安心感につながるでしょう。
思い出の品は写真に撮ってコンパクトに残す
トロフィーや盾などの記念品、大量のアルバムや子どもが描いた絵は、スペースの都合ですべてを持ち込めません。お気に入りの数点に厳選し、残りはスマートフォンで撮影してデジタルデータとして保存する方法が有効です。
スキャンしたデータをタブレットやクラウドに保存すれば、いつでも見返せます。物理的なスペースを取らずに思い出を残せるため、居室の収納を圧迫しません。
デジタル化に抵抗がある方には、厳選した写真をフォトブック1冊にまとめる方法もあります。手に取って眺められる形で残すと、施設での生活にも温かみが加わるでしょう。
「使わない」と「迷う」で次のステップを分ける
「使わない」と判断した荷物は、譲渡か処分のどちらかに振り分けます。まだ使える物はご家族や親戚に引き継ぎ、古い家電や着ない衣類は自治体のゴミ収集で処分しましょう。
価値のある物はリサイクルショップや買取業者、フリマアプリで売却すれば引越し費用に充てられます。仏壇や人形など粗末に処分しにくい物は、神社や寺院でのお焚き上げを検討しましょう。
一方「迷う(保留)」に分類した物は、保留ボックスに入れてご家族が一時保管し、期間を決めてから見直す方法が効果的です。無理に決断を急がず、段階的に整理を進めましょう。
3か月以上前から準備を始め2か月前に業者を決める
シニアの引越しでは3か月以上前から荷物の整理を始め、2か月前には引越し業者を選定・決定しておくのが理想的です。ご家族間の話し合いや粗大ゴミの処分には予想以上に時間がかかります。
1日で終わらせようとせず「今日は本棚の1段だけ」といった小さなステップで毎日少しずつ進めましょう。短時間の作業を繰り返すほうが、ご本人の体力的にも精神的にも負担が軽くなります。
スケジュール表を作成し、完了した作業にチェックを入れていくと進捗が見える化できます。入居日から逆算して計画を立てると、直前の慌ただしさを避けられるでしょう。
トランクルームを活用して一時的に保管する
老人ホームの居室は以前の住まいより大幅に狭くなるため、すべての荷物を持ち込めません。ご本人の同意なしに処分するとトラブルの原因になるため、すぐに手放せない物の保管場所が必要です。
トランクルームやレンタル倉庫を活用すれば、迷っている品物を一時的に預けられます。保管中に気持ちの整理がつき、あとから手放す決断がつくケースも珍しくありません。
利用する際は、月額料金やアクセスのしやすさを比較して選びましょう。季節の衣類入れ替え時に合わせて保管品を見直すと、不要な物が徐々に減っていきます。
老人ホームで荷物をすっきり収納する方法
老人ホームの居室は限られたスペースで生活するため、収納の工夫が快適さを大きく左右します。物の配置ひとつで日常の動作がスムーズになり、安全性も高まるでしょう。
ここでは、収納ボックスの活用法からラベルの貼り方、車いすの動線を意識した家具配置まで、すっきりとした居室づくりのポイントを紹介します。
収納ボックスや仕切りで限られた空間を活かす
備え付けのクローゼットがある場合は、そこに収まるサイズのプラスチック製衣装ケースを活用します。積み重ねて使えるスタッキング収納ケースを導入すれば、縦の空間を有効に使い収納力を大幅に高められます。
中身が見える透明な収納ボックスを使うと、開けなくても中身を把握できて管理が楽になるでしょう。引き出しの中は仕切りで区切ると、小物が混ざらずに整頓された状態を保てます。
クローゼット内につっぱり棒を追加したり、扉の裏にフックを取り付けたりすれば、デッドスペースも有効に使えます。ただし、壁紙に粘着テープ式のフックを貼ると退去時の原状回復費用が発生する恐れがあるため、設置前に確認が必要です。
使用頻度に合わせて取り出しやすい位置に置く
よく使う衣類や日用品は、手の届きやすい場所に収納するのが基本です。スタッキング収納を使う際も、頻繁に使う物を上段に、あまり使わない物を下段に配置しましょう。
車いすを使用する方の場合、目線の高さは約110cmが目安です。手の届く範囲は側方75cm、前方60cm程度のため、この範囲内によく使う物を配置すると日常動作が楽になります。
指先の力が弱くなっている方には、引き出しの取っ手が大きく握りやすいタイプの収納家具が適しています。軽い力で開閉できる収納を選ぶと、ご本人が自分で身支度を整えられるようになるでしょう。
ラベルを貼って中身をひと目でわかるようにする
収納ボックスや引き出しにはラベルを貼り、中に何が入っているかをひと目でわかるようにしましょう。太いマジックで大きくはっきりと書くと、視力が落ちてきた方にも読みやすくなります。
引越し時のダンボールには「台所用品」「寝室用品」など、中身と配置先を記載しておくと搬入時に混乱を防げます。統一したデザインのラベルを使えば、見た目もすっきりまとまるでしょう。
持ち物への記名には、アイロンで貼れる布シールやお名前スタンプが便利です。施設では数十人分の洗濯物をまとめて洗うため、すべての衣類にフルネームを記入しておくと紛失を防げます。
施設のルールに沿って安全な収納場所を選ぶ
収納家具は扉付きのものを選ぶと見た目がすっきりし、中身が見えない安心感があります。ナースコールの利用を妨げない位置に家具を設置しましょう。
ベッドで寝ている状態でも、ナースコールを押せる位置を確保する必要があります。コールボタンの前に家具や荷物を置いてしまうと、緊急時に助けを呼べなくなるため注意しましょう。
収納場所を決める際は、施設のスタッフに確認してからレイアウトを決定するのがベストです。安全面のルールに沿った配置であれば、入居後のトラブルを未然に防げるでしょう。
車いすの動線を意識して家具を配置する
車いすが安全に移動できるよう、通路幅は80~90cm以上を確保しましょう。方向転換には140~150cm角のスペースが必要なため、部屋の中央付近は広く空けておきます。
自立度が高い方は収納家具やベッドを壁際に寄せると、居室の中央を広く使えます。左右からの介助が必要な方は、ベッドの両脇にスタッフが立てるスペースを確保しましょう。
いずれの場合も家具同士の間には最低60cm以上の間隔を空け、床面には極力物を置かないようにしましょう。夜間にトイレや洗面所へ移動する経路は、直線的かつ障害物のない状態に整えておくのが安全です。
関連記事:老人ホームの部屋レイアウトの重要性と選び方のポイントについて
老人ホームへ荷物を搬入する流れ
荷物の準備が整ったら、いよいよ搬入です。搬入当日にスムーズに作業を進めるには、事前のスケジュール調整と梱包の段取りがポイントです。
ここでは、施設との打ち合わせから搬入当日の配置、入居後の過不足チェックまで、搬入の流れを5つのステップで解説します。
入居日までに施設と搬入スケジュールを調整する
入居の1か月前を目安に、施設の担当者やケアマネジャーと面談して搬入スケジュールを調整しましょう。準備リストや当日の流れ、搬入可能な時間帯を確認しておきます。
施設によってはエレベーターの使用時間に制限があったり、ほかの入居者の生活に配慮して搬入できる曜日が限られていたりします。こうした条件は事前に把握しておかないと、当日に予定どおり作業を進められません。
搬入日が決まったら、ご家族や引越し業者との日程も早めに確定させておきましょう。余裕のあるスケジュールを組むと、当日の負担を大幅に減らせます。
荷物をカテゴリ別に梱包して搬入順を決める
荷造りは、入居の2~3週間前から始めます。シーズンオフの衣類や使用頻度の低い物から順にダンボールに詰めていきましょう。
梱包は衣類、思い出の品、医療関係などカテゴリ別に小分けにし、居室での収納場所ごとにまとめます。入居後すぐに使う物はひとまとめにし、目印をつけて最後に梱包しましょう。
- 衣類は季節ごとに分けてダンボールに詰める
- 洗面用具や衛生用品は1つの箱にまとめる
- 書類や保険証類は防水袋に入れて手持ちにする
- すぐ使う物には赤いテープなどで目印をつける
梱包のルールを決めておくと、搬入当日の開封がスムーズに進みます。
搬入当日はレイアウトを確認しながら配置する
搬入当日は、事前に作成した配置図をもとに業者やご家族へ指示を出しましょう。車いすの動線、ナースコールの位置、日当たりや通風を考慮したレイアウトで家具を設置します。
貴重品や書類は手持ちで運び、業者に預ける荷物とは分けておきます。大型の家具は先に搬入し、小物類はあとから配置するとスムーズです。
配置が終わったら、車いすで居室内を一周して動線に問題がないかを確認しましょう。ナースコールに手が届くか、ベッドからトイレまでの通路に障害物がないかも確かめましょう。
引越し業者への依頼も選択肢に入れる
荷物が少ない場合は自家用車で運べますが、重い家具がある場合は引越し業者に依頼するほうが安心です。施設の壁や床を傷つけて補償問題になるリスクも避けられます。
シニア向けプランや老人ホームへの引越しを得意とする業者を選ぶと、荷造りから荷解き、不用品処分、トランクルームへの運搬まで一貫してサポートを受けられます。複数の業者から見積もりを取って比較しましょう。
費用を抑えたい場合は、梱包はご家族が済ませておき、搬出入だけを業者に依頼する方法もあります。ご家族の体力やスケジュールに合わせて、無理のない方法を選びましょう。
入居後1週間以内に過不足をチェックする
荷解きは寝具、洗面用具、着替えなどすぐに使う物から優先して進めます。引越し当日は、とりあえず生活できる状態に整えれば十分です。
入居後1週間ほど様子を見ながら、足りない物や不要な物を確認します。必要な物はご家族に追加で持ってきてもらったり、買い足したりして調整しましょう。
最初からすべてを完璧に揃える必要はありません。実際に生活してみてから過不足を判断するほうが、無駄のない準備ができます。入居後の生活リズムが落ち着いてから、荷物の最終調整を進めていきましょう。
老人ホームに荷物を持ち込むときの注意点

老人ホームは共同生活の場であるため、自宅とは異なるルールやマナーが求められます。ほかの入居者への配慮や施設の規定を守りながら、快適な暮らしを実現しましょう。
ここでは、荷物を持ち込む際に知っておきたい5つの注意点を解説します。
音や匂いが出る荷物は周囲の入居者に配慮する
老人ホームは共同生活の場のため、ほかの入居者への配慮が必要です。テレビやラジオなど音が出る機器を使用する際はイヤホンを使うか、音量を控えめに設定しましょう。
匂いが強い物や埃が舞いやすい作業は、呼吸器系の疾患をもつ入居者の負担になる可能性があります。香水やアロマディフューザーの使用は、施設に確認を取ってから判断しましょう。
同じフロアで暮らす方々との関係づくりは、施設生活を快適にするうえで大切な要素です。周囲への気配りを忘れずに、お互いが心地よく過ごせる環境を意識しましょう。
貴重品や現金は施設のルールに従って管理する
多額の現金や宝石、高級腕時計といった貴重品は、紛失や盗難トラブルを防ぐために持ち込みが制限されています。結婚指輪などご本人が強くこだわる物は、事前に施設へ相談しておきましょう。
通帳や印鑑、現金の管理方法は入居前にご家族間で話し合い、ルールを決めておく必要があります。「ご家族が管理する」「施設の金庫を利用する」など、誰がどのように管理するかをはっきり決めておきましょう。
施設ごとに貴重品の管理方針は異なるため、契約前の面談で詳しく確認しておくと安心です。曖昧なまま入居すると、あとからトラブルに発展する恐れがあります。
すべての持ち物に名前をわかりやすく記入する
施設では数十人分の洗濯物をまとめて洗うため、衣類から靴下、下着に至るまですべての持ち物にフルネームの記入が必要です。記名がないと洗濯後にほかの入居者の物と混ざり、紛失の原因になります。
記名には消えにくい油性マジック、アイロンで貼れる布シール、お名前スタンプなどが便利です。洗濯を繰り返しても消えにくい方法を選ぶと、書き直しの手間を減らせます。
シールのデザインは、シンプルなものを選びましょう。ご本人が好きな花柄や色で統一したラベルを使えば、自分の物をひと目で識別できるようになります。
季節ごとに衣類や荷物を定期的に入れ替える
施設内の収納スペースは限られているため、季節外れの衣類をすべて保管し続けるのは困難です。季節ごとの衣替えのタイミングで、ご家族が新しい季節の服と入れ替えましょう。
ご本人の体調変化に合わせて、ひざ掛けや上着などの防寒グッズを補充する対応も必要です。面会の際に衣類の状態をチェックし、傷んだ物や合わなくなった物を交換しましょう。
衣類の入れ替えは、面会のよいきっかけにもなります。季節の変わり目にご本人と一緒に服を選ぶ時間を設けると、コミュニケーションのきっかけが自然に増えるでしょう。
退去時の原状回復を見据えて荷物を選ぶ
退去の際、居室は原状回復が求められ、持ち込んだ私物はご家族が責任をもって引き取る必要があります。大きな家具を処分するのは手間も費用もかかるため、持ち込む段階で退去時の負担を想定しておきましょう。
壁にネジ穴を開けたり、床に傷がつくような重い家具を置いたりすると、原状回復費用が発生する場合があります。設置方法も施設のルールに沿って選びましょう。
家具のレンタルサービスを活用するのも有効な選択肢です。レンタルであれば退去時に返却するだけで済み、処分の手間が省けます。入居時の初期費用と退去時の負担をバランスよく考えて荷物を選びましょう。
老人ホームの荷物と収納でよくある質問
老人ホームの荷物や収納について、入居前に多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。よくある3つの質問に回答します。
家具や家電の持ち込みに制限はある?
家具や家電の持ち込みには制限があります。居室の広さ(一般的に18~20㎡程度)に収まり、車いすの動線(幅80~90cm以上)を妨げないサイズや数が条件です。
火器類やストーブ、アイロンなど熱を発する家電は安全上の理由から一律で禁止または制限されます。刃物類の持ち込みも同様に禁止されるケースがほとんどです。
施設によって備え付けの家具が異なるため、テレビや冷蔵庫が不要な場合もあれば、介護ベッドを自前で用意する場合もあります。入居前に施設の担当者へ持ち込みリストを見せて、可否を確認しておきましょう。
入居後に荷物を追加で送ることはできる?
入居後に荷物を追加で届けてもらえます。入居時は必要最低限の荷物に絞り、生活しながら足りない物をご家族に持ってきてもらうか買い足す方法が、失敗の少ない進め方です。
ご本人の体調変化に合わせて、必要な物を順次追加・入れ替えていくのが一般的な流れになります。季節の変わり目に衣類を届けるタイミングで、不要になった物を引き取ると収納スペースを圧迫しません。
最初からすべてを揃えようとせず、1~2週間の生活を経て本当に必要な物を見極めるとよいでしょう。段階的に荷物を整えていくほうが、結果的に無駄が少なくなります。
収納が足りないときはどう対処すればいい?
まずはスタッキングできる収納ケースを活用し、使用頻度に合わせた配置で収納を増やしましょう。縦の空間を有効に使うだけで、収まる量は大きく変わります。
季節外れの衣類や使用頻度の低い物はご家族が自宅で預かるか、トランクルームに一時保管して季節ごとに入れ替える方法が有効です。居室に置く物を厳選するだけで、スペースに余裕が生まれます。
根本的な解決策は、不要な物を持ち込まず「使う頻度」を基準にした断捨離で荷物自体の量を減らすことです。定期的に持ち物を見直し、使わなくなった物はご家族に引き取ってもらいましょう。
収納スペースや居室の広さが気になる方へ
『笑がおで介護紹介センター』では、居室の広さや収納環境にこだわった施設も紹介しています。以下は、荷物の持ち込みや居室レイアウトに配慮した施設の一例です。
サポタスハイツ新大阪(大阪府大阪市淀川区):新大阪駅から徒歩6分の好立地にある高齢者住宅です。入居費用0円、月額8.7万円で利用でき、自立から要介護の方まで幅広く対応しています。生活保護の方や身元保証人がいない方もご相談いただけます。
まとめ
老人ホームへの入居準備では、まず持ち込める荷物の量や施設のルールを把握し、必要な物を厳選するところから始めましょう。
居室の広さは18~20㎡程度が主流のため、ダンボール10~15箱と小さな家具1つ程度が目安になりますが、施設の種類や部屋のタイプ(多床室など)によっては持ち込み量が大きく制限されることもあります。必ず入居先の規定を確認したうえで、計画的に準備を進めましょう。
断捨離は入居の2~3か月前からご本人と一緒に進め「使う頻度」を基準に仕分けましょう。収納はスタッキングケースやラベルを活用し、車いすの動線を確保しながら配置を工夫すると、限られたスペースでも快適に暮らせます。
荷物の整理や老人ホームの収納に不安がある方は、ぜひ『笑がおで介護紹介センター』にご相談ください。施設選びから入居準備まで、経験豊富な相談員が無料でサポートいたします。

このコラムの監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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