老人ホームの部屋レイアウトの重要性と選び方のポイントについて
お役立ちコラム
関西で老人ホームを探している方に向けて、部屋レイアウトの重要性についてご紹介します。
老人ホームに入るなら、できるだけ快適に過ごしたいものです。しかし部屋のレイアウトはどのようになっているのか、家具や家電はどうすればよいのかと、疑問に思われる方も少なくありません。
そこで今回の記事では、老人ホームの部屋レイアウトについて解説します。読んでいただければ、老人ホームで理想的な部屋レイアウトや、施設選びのポイントなどについてご理解いただけるはずです。
老人ホームにおける部屋のレイアウトは決まっている?
老人ホームのおける部屋レイアウトは、各施設により違い、決まっているわけではありません。そのため個室の場合もあれば、夫婦で入居できる部屋が用意されていることもありさまざまです。
個室であれば室内にベッド・収納・トイレなど、生活に必要なものが一式揃えられている事が多いです。中には洗面台や浴室もあり、ビジネルホテルのような作りになっていることもあるでしょう。
部屋のレイアウトは老人ホームにより異なりますが、いずれにしてもリラックスできることを重視した造りとなっています。リラックス感を重視して、畳の部屋になっていることもあるため、レイアウトの好みによって施設を選ぶことも重要です。
老人ホームにおける部屋のレイアウトが重要な理由
老人ホームにおける部屋レイアウトは、生活を営む上で重要となります。なぜ部屋のレイアウトが重要なのか、理由について解説します。
理由①動線があわないとけがをする恐れがあるため
部屋のレイアウトがあわないと、入居中にけがをしてしまうことがあります。たとえばトイレへの動線や階段の有無、お風呂場の状態など、高齢の方の部屋にはさまざまな箇所に工夫が必要です。
夜中に起きて行くこともあるトイレへの動線上には、障害物がなく、なにかつかまれるものがあるほうがスムーズに移動できます。お風呂では床材によっては滑りやすくなるため、滑り止めや手すりがあるのが理想的です。階段は踏み外してしまい、転落するおそれもあります。
動線が入居者の方の状態にあっていないと、大きなけがをしてしまうことも。老人ホームでの部屋のレイアウトは、入居者の方が安全に暮らすために重要なポイントとなります。
理由②部屋の広さで心身の疲労具合が変わるため
部屋のレイアウトは心身の疲労の具合にも影響を与えます。たとえば部屋が狭いと圧迫感があり、精神的疲労が起こりやすい傾向です。しかし反対に広すぎると、移動するときの動きが多くなり、身体的疲労が大きくなるおそれがあるでしょう。
特に大切なのがトイレとの距離です。夜中にトイレに起きることの多い高齢の方の場合、トイレとベッドとの距離が長いと転倒のリスクが高まります。個室内にトイレがあれば問題ないでしょうが、室外に出なければならない場合、トイレとの距離が近いレイアウトであることが理想的です。
部屋の広さは広ければよいわけではありません。1人1人の身体状況にもよりますが、適切な広さであること、トイレにスムーズに行けることを重視してください。
老人ホームの部屋で快適に過ごすためのレイアウトに関するポイント
老人ホームでは部屋のレイアウトが重要であると解説しました。それでは快適に過ごすためには、どのようなレイアウトが好ましいのでしょうか。
快適に過ごすためのレイアウトのポイントについて、3つご紹介します。
ポイント1:部屋が明るく風通しがよいか
ひとつめのポイントは、部屋が明るいことと、風通しがよいことです。太陽の光は健康のために大切なもの。太陽光は体内時計を正常に保つために必要となります。体内時計は体温や心拍数、ホルモン分泌などの周期に影響を与えており、食事のサイクルも日光により左右されるためです。
正常な体内時計を維持するには、朝から日中にかけて、できるだけ光を浴びることが重要だとされています。光が届きにくい薄暗い部屋にいると体内時計が狂い、睡眠や食事にも影響を与えてしまうかもしれません。
また風通しのよさも快適な空間づくりには必要なものです。風が直接身体にあたると体調を崩してしまうことがあるため、間接的な風で換気よくできる環境が理想となります。換気が悪いとニオイもこもりがちになるため、風通しのよさも重視しましょう。
参照:JSTAGE:(PDF)概日リズム調節における光と食事の影響に関する研究動向
以上のように老人ホームで快適に過ごせる部屋のレイアウトの基本は、日当たりがよいこと、そして風通しがよいことです。
ポイント2:便利な設備が備わっているか
介護度が高くなるほど重視したいのが、便利な設備が備わっているかどうかです。たとえば介護用ベッドやサイドレール、サイドテーブル、キャスター、移動用のバーなどです。
十分な設備が備わっていないと、移動のときに転んでしまう恐れが高まります。設備はそれぞれの方の身体状況により適したものが変わるため、柔軟に対応してもらえるかどうかがポイントです。たとえば手すりはあったほうが便利だと思うかもしれませんが、手すりがないほうが動きやすい方もいます。手すりを設置する場所の選び方も大切です。
老人ホームの部屋レイアウトを確認するときは、使いやすい設備が、使いやすい場所に設置されているかどうか見てください。入居者の方が実際に動いて、使いやすさを試してみるとよいでしょう。
関連記事:よい老人ホームの見分け方とは?確認すべきポイントを解説
ポイント3:動線があっているか
老人ホーム内で転んだり、けがをしたりしないようにするには、動線があっているかどうかを確かめることも大切です。特にベッドやトイレはよく使うところなので、動くときの動線に問題がないかあらかじめ確認してください。
動線のよしあしは入居者の方の状態によっても変わります。たとえば車椅子がいる方であれば、部屋は広めのほうが動きやすくなります。しかし歩行器を使う方であれば、ある程度周りにつかまれるものがあったほうが動きやすいかもしれません。介護的なサポートはいらないけれど、動きに不安がある方も同じです。
動線が入居者の方にあっているかどうか、入居前に確かめられれば過ごしやすさがわかるでしょう。
老人ホームにおいて部屋のレイアウトを確認するときの注意点
老人ホームでは部屋のレイアウトが大切となるため、あらかじめ確認しておきたいものです。確認するときには4つのポイントに気をつけてください。
老人ホーム入居前に部屋のレイアウトを確認するなら、必ず気をつけたい4つのポイントをご紹介します。確認前にぜひ知っておいて、適した老人ホームを見つけてください。
注意点①ヘルパーコールやナースコールの位置
はじめに確認しておきたいのが、ヘルパーコール・ナースコールがあるところです。たとえば半身に麻痺がある方であれば、コールがある場所によってはスムーズに押せないかもしれません。
特に身体に悪いところがない方はよいでしょうが、動きに制限がある方の場合は、ヘルパーコールやナースコールの位置を確認してください。もし押しにくいようであれば、変更できるかも相談しておくべきです。
注意点②ベッドの位置
意外と大切になるのがベッドの位置です。ベッドを壁際につけるか、どこに置くかによって入居者の方の過ごしやすさは変わります。また必要なものが取りやすい場所に置けるかどうかもポイントのひとつです。
介護度の高い方では特に、起き上がりやすい状態でベッドが設置されていることが日々の過ごしやすさに影響を与えます。左側につけるべきか、右側につけるべきかとの問題もあるでしょう。ベッドの位置をあらかじめ確かめて、スムーズに寝たり起きたりができるか確認してください。
注意点③部屋の位置
続いて確認しておきたいポイントは、個室の位置です。それぞれの方に割り当てられる個室は、最も長く過ごす場所と言ってもよいでしょう。暮らしていて不自由がない位置に設置されていることが大切です。
たとえばトイレやナースセンターなどの共用部分に近いところにある個室であれば、いざというときに安心です。夜中にトイレに起きてもスムーズに動けるでしょうし、ナースコールを押したらすぐに駆けつけてもらえます。
ただし「1人でゆっくりと過ごしたい」と思う方であれば、共用施設から遠いところにある部屋のほうがリラックスできるかもしれません。どこがよい・悪いというわけではなく、入居者の方にとって過ごしやすい場所であるか確認しましょう。
注意点④部屋の広さ
最後に部屋の広さもチェックしておきたいポイントのひとつです。前述したように、部屋の広さは心身の疲労に影響を与えます。
動きが不自由な方は少し狭い部屋のほうが動きやすいでしょうし、動きに問題がないようなら広めの部屋のほうが、ストレスが溜まりません。ご自身にとってどのくらいの部屋が過ごしやすいか考えたうえで、検討してみてください。
老人ホームにあると便利な家具や家電
老人ホームには家具や家電が据え付けられていることがあります。老人ホームを確認するときには、便利な家具や家電が据え付けられているかどうかを確認することもポイントとなるでしょう。
便利な家具・家電1:冷蔵庫
食べ物や飲み物の保管のために大活躍するのが冷蔵庫です。特に夏場に食べものを保管しておくには絶対にあってほしいものと言えます。施設によっては、冷蔵庫を持ち込めることもあるので確認してみてください。
もともと冷蔵庫が据え付けられているところもあるかもしれません。しかし持ち込みの場合は施設のルールに従わなければなりません。1人1人の状態によって、冷蔵庫が持ち込めないこともありますし、冷蔵庫の中身をスタッフが確認しなければならないこともあります。
ただし身体に悪いところがない方であれば、冷蔵庫はぜひあってほしい家電です。
便利な家具・家電2:テレビ
単調な暮らしになりやすい老人ホームでは、テレビがあるとさまざまな楽しみが生まれます。老人ホームでは共用部分にテレビがあることも多いものです。しかし共用部分にあるテレビでは、自分の好きな番組を見られません。入居者全員の方のためのテレビだからです。
そこであると便利なのが、個室に置けるテレビです。個室内であれば自分の好きな番組を好きなように見られます。
ただしテレビの設置や持ち込みの不可は施設により異なるため、あらかじめ確認しなければなりません。持ち込みできる場合であっても、利用のルールが設けられていることもあります。ホーム内で楽しく過ごすためにも、テレビについてのルールは事前に確かめておきたいものです。
便利な家具・家電3:収納ケース
収納ケースは施設に用意されていることもありますが、持ち込みとなることもあります。老人ホーム内で部屋のレイアウト内に収納ケースがなければ、荷物を片付ける場所がありません。ないならぜひ持ち込みたいものです。
持ち込みにおすすめの収納ケースは、3~5段くらいのチェストや衣装ケースです。スムーズに引き出せるものであれば、指先の力が弱くなった後でも使えます。収納ケースは生活に欠かせないものなので、用意されていなければ持ち込むようにしてください。
便利な家具・家電4:加湿器
抵抗力が弱くなっている方は、ぜひ加湿器を置くことも考えてください。なぜならウイルスや細菌は、乾燥したところで感染しやすくなるとされているためです。
年齢を重ねると抵抗力が低くなってきて、感染症にかかりやすくなります。感染を防ぐためには加湿器が効果的。ただし加湿器は水の交換をしにくいタイプもあるため、交換がしやすく、熱さが気にならないものが理想的です。体力が弱っている方は、加湿器の有無や、持ち込めるかどうかも重視してください。
便利な家具・家電5:ベッド
老人ホームでは部屋レイアウトにかかわらず、必ず必要となるのがベッドです。多くの老人ホームですでに置かれていますが、施設のタイプによってはベッドを持ち込まなければならないことがあります。特に介護用ベッドがいる場合に、持ち込みが求められます。
介護用ベッドは買うこともできますが、介護保険サービスを使えばレンタルもできます。レンタル費用は1ヶ月あたり500円程度なのでそれほどの負担にはならないでしょう。
介護用ベッドを持ち込まなければならないときは、使う機能を重視して選んでください。ベッドの高さを調節したり、リクライニングができたり、足上げ機能がついていたりと機能性はさまざまです。コストと必要性を考えて、必要と思われる機能のある介護用ベッドを準備してください。もちろんお元気な方であれば、一般的なベッドでも構いません。
関連記事:老人ホームに入居するときの便利グッズは?必需品や注意点も解説
老人ホーム入居時には部屋のレイアウトと家具・家電をチェック
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、老人ホームの部屋のレイアウトがご理解いただけたと思います。
老人ホームを選ぶときには、入居時に部屋レイアウトや家具・家電を確かめておくべきでしょう。ご紹介したチェック項目を参考にしながら、暮らしやすい老人ホームを選んでください。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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