介護保険料を払わないとどうなる?滞納ペナルティと免除・減免制度を徹底解説

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介護保険料を払わないとどうなる?滞納ペナルティと免除・減免制度を徹底解説

「介護保険料って介護サービスを受けなくても払わなくてはいけないの?」「介護保険は必要ないから、保険料を支払いたくない」

このような疑問やお悩みはありませんか?

介護保険は40歳から加入が義務付けられるため、サービス利用の有無にかかわらず、保険料を支払わなければなりません。

しかし一定の条件を満たせば免除になります。また、各市町村では介護保険料の減免制度も用意されています。

とはいえ、制度が複雑でよくわからないと感じる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は介護保険料の滞納リスクから免除対象となる人、わかりやすく解説します。

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介護保険料を払わないとどうなる?滞納時の3つのペナルティ

理由なく介護保険料の未払いが続いた場合、介護保険法では保険給付の制限がかけられると定められています。滞納が続いた場合のペナルティを詳しく見てみましょう。

ペナルティー1. 督促状・延滞金の発生

介護保険料を滞納した場合、納付期限が過ぎてから、20日以内に督促状が届きます。なお督促状の発行には1通につき、70〜100円の手数料がかかります。

さらに延滞金も加算。延滞金は納付期限〜納付日までの日数に応じて加算されるしくみです。

たとえば月額6,000円の介護保険料を3ヶ月滞納した場合、茨木市では年8.7%の延滞金が発生し、元本18,000円に加えて約400円の延滞金が追加されます(2023年の場合)。

なお督促状の手数料や延滞料は、自治体によって異なります。

ペナルティー2. 段階的な保険給付制限

介護保険料の滞納が1年以上続くと、保険給付の制限がかけられます。期間ごとの給付制限内容を紹介します。

【1年以上滞納】いったん全額自己負担に

1年以上介護保険料を滞納した場合は「利用時の支払い金額」が変わります。

滞納がなければ介護サービス利用時には1〜3割の金額を支払いますが、1年以上の滞納があると、いったん全額支払わなければなりません。その後、市町村へ申請書を提出し、保険料の7〜9割が返ってくる扱い(償還払い)となります。

たとえば月20万円のデイサービスを利用していた場合、通常は2〜6万円の自己負担ですが、滞納者は20万円全額を一時的に支払う必要があります。

【1年6か月以上滞納】保険給付の一時停止

1年6ヶ月以上介護保険料を滞納した場合は、1年以上介護保険料を滞納したときと同じように、サービスを受けたらいったん全額支払わなければなりません。その後償還払いの申請をしても、滞納した保険料の支払いをすませるまでは、保険金の給付はストップしたままです。

保険金の給付が止まっても納付しないままだと、差し止められている保険給付支給額から滞納保険料相当額を控除し、残額が給付されます。

【2年以上滞納】時効成立と負担割合の引き上げ

2年以上介護保険料を滞納すると支払いの「時効」を迎えることになり、納付できなくなります。

そして未納期間に応じて一定期間、利用者負担割合が引き上げられます。たとえば1割・2割負担だった人は3割負担に。3割負担だった人は4割負担になります。

また高額介護サービス費や高額医療合算介護サービス費、特定入所者介護サービス費は支給されません。

ペナルティー3. 財産差し押さえの実行

介護保険料を滞納すると、場合によっては財産調査や差し押さえの対象となることも。差し押さえとなった場合、預金や給与などは取立てを、不動産などは売却して現金化されます。それをもって、未納保険料に充てるしくみです。

2020年度の介護保険料滞納において、財産差し押さえの対象となった人は1万7,593人という実績があり、決して他人事ではありません。

介護保険料を払わなくていい人とは?2つの免除対象

介護保険料を払わなくていい人は、40歳以上65歳未満の被扶養者と生活保護を受けている人です。以下で詳しく解説します。

【40歳~64歳】被扶養者は保険料負担なし

専業主婦などの40歳以上65歳未満の扶養されている人(被扶養者)は、介護保険料を納付する必要がありません。なぜなら被扶養者の介護保険料は、健康保険の加入者で40歳以上60歳未満の人(被保険者)が全員で負担しているためです。

しかし、これでは40歳以上60歳未満の被保険者だけで扶養家族分の介護保険料を補うことになり、負担が重くなってしまいます。そこで、健康保険の被保険者の負担を公平にするために「特定被保険者制度」を設けている健康保険組合もあります。これは健康保険に加入している①40歳未満の被保険者 ②65歳以上の被保険者 が40~64歳の家族を扶養している場合、介護保険料の徴収対象(=特定被保険者)となる制度のことです。

たとえば支払い義務が発生するのは以下のようなケースです。

  • 39歳の夫が、41歳の妻を扶養しているとき
  • 30歳の子どもが、68歳の母を扶養に入れたとき
  • 60歳の父が退職し、35歳の子どもの扶養に入ったとき

このように、通常なら介護保険料の支払い義務がない被保険者でも、扶養家族の年齢によっては介護保険料を支払わなければなりません。

生活保護受給者は年齢に関係なく免除

生活保護を受けている人は、介護保険料の自己負担はありません。

通常、40~64歳の介護保険料は健康保険料と一緒に給料から天引き、もしくは国民健康保険に上乗せして徴収されるものです。しかし生活保護受給者は医療保険に加入していないため、介護保険料を納付する必要がありません。

65歳以上になると医療保険の加入の有無にかかわらず、生活保護受給者も介護保険の第1号被保険者となります。しかし介護保険料は生活保護費の「生活扶助」として支給されるため、自己負担金は生じません。なお、介護サービス費用の本人負担分は「介護扶助」として支給されます。

このように介護保険料と介護サービスの利用にかかる費用はすべて生活保護費から賄えるため、年齢にかかわらず本人負担はありません。

【年齢別】介護保険料の納付方法

介護保険料の納付方法は年齢によって異なります。また支払いは満40歳の誕生日の前日が属する月から開始され、一生涯続きます。

【40歳~64歳】医療保険料と合算で徴収

40歳以上65歳未満の場合は、医療保険料と合わせて納付します。納付方法は加入している医療保険によって異なります。

対象者

納付方法

会社員など健康保険に加入している人

給与から天引き

自営業などの国民健康保険に加入している人

銀行からの引き落とし・納付書での納付

支払い開始月の具体例を見てみましょう。

誕生日

支払い開始月

6月2日生まれ

6月

6月1日生まれ

5月

このように1日生まれの人は誕生月の前月から支払い義務が発生するため、注意が必要です。

【65歳以上】年金額による徴収方法の違い

65歳以上の場合は、受け取る年金額によって徴収方法が異なります。

徴収方法

1年間に受け取る年金額

納付方法

特別徴収

18万円以上

年金から天引き

普通徴収

18万円未満

市町村から送付される納付書や口座振替

なお会社で働いている人の場合は、普通徴収となります。介護保険料が給与から引き落とされることはありません。

また、 生活保護における生活扶助費からの直接納付(代理納付)は、普通徴収となります。

介護保険料の金額はいくら?年齢別の負担額

介護保険料の金額について、年齢別で詳しく解説します。

【40歳~64歳】標準報酬月額をもとに算出

健康保険に加入している40歳以上65歳未満の人の介護保険料は、標準報酬月額(月々の給料を1〜50の等級に分けたもの)をもとに算出されます。標準報酬月額は、都道府県や健康保険組合によって異なります。

算出された介護保険料は被保険者と事業主で折半するため、実質の負担金額は半分です。

一方国民健康保険に加入している40歳以上65歳未満の人の場合、所得金額や被保険者・扶養家族の人数、市区町村によって介護保険料は異なります。

厚生労働省の「第2号被保険者にかかる介護保険料について」によると、令和2年度の概算納付金(月額)は6,310円でした。

【65歳以上】所得段階に応じた負担額

介護保険料の金額は所得や市町村によって段階ごとに定められています。低所得の方でも負担が重くならないよう、配慮されています。

たとえば大阪市の場合 、本人が市町村民税課税で合計所得金額が125万円以上200万円未満の人は、年額121,410円(基準額×1.25)です(令和5年2月現在)。

なお介護保険事業計画の見直しに伴い、納付金額は3年ごとに再検討されます。

ちなみに厚生労働省の「第8期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」によると、令和3年度~令和5年度の平均保険料基準額は6,014円です。

【関連記事】
介護保険の負担割合はどのくらい?介護サービスごとの自己負担額を解説

介護保険料の支払いが困難となった場合の対処法

介護保険料の支払いが難しくなったら、早めに役所へ相談しましょう。

多くの市町村では納付の「支払猶予期間」を設けています。災害・失業・入院などの特別な理由があり、介護保険料の納付が困難な場合は、納付期限が延長となる場合も。

また「分割納付」の制度を設けている市町村もありますので、支払いが困難だと感じた時点で早めに市町村かケアマネジャーへ相談しましょう。

滞納期間が長くなると一度に納める金額が高額になり、ペナルティも大きくなります。介護保険料は滞納しても未納分が帳消しになることはありません。

支払猶予期間や分割納付を利用しても支払いが困難な場合は「減免制度」の利用も一つの方法です。次の章で詳しく解説します。

介護保険料の支払いが免除される「減免制度」とは

介護保険法では「減免制度」を以下のように定めています。

(保険料の減免等)
第百四十二条 市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。

介護保険料の納付が困難となったとき、保険料の減免が申請できます。多くの市町村では以下のような場合が申請の対象となります。

  • 震災・火災などの災害により、財産に著しい損害を受け、収入が著しく減少した場合
  • 死亡や心身の重大な障害、長期入院により収入が著しく減少した場合
  • 刑事施設等に拘禁された場合

減免の申請に必要な書類は市町村によって異なります。申請する際にはお住まいの担当部署へお問い合わせください。

介護保険料の支払いに関する注意点

介護保険料の支払いにおいて注意したいポイントを2つ紹介します。

無職や障害者は介護保険料免除にならない

日本は「国民皆保険制度」のため、無職・有職にかかわらず、なんらかの健康保険に加入しています。介護保険料は健康保険料と一体的に徴収されるため、仕事の有無にかかわらず支払いの義務が生じるというわけです。

ただし納付額は前年度の収入によって決まるため、低所得者の負担が大きくならないように配慮されています。

また障害者の場合、手帳を保有していても、原則として免除の対象にはなりません。ただし以下の条件を満たす場合は当分の間、介護保険の被保険者の対象外となります。

  • 障害者総合支援法による支給決定を受けた指定障害者支援施設の入所者
  • 身体障害者福祉法による障害者支援施設の入所者
  • 介護保険適用除外施設の入所者

滞納者が死亡した場合の介護保険料は相続される

介護保険料を滞納していた人が亡くなった場合、納付義務は相続人に引き継がれます。

たとえば高知市では、以下のように回答しています。

本人死亡の場合は,介護保険法第143条および地方税法第9条により,相続人に支払い義務が生じるため,相続人の方に対して納付をお願いすることとなります。

相続は資産だけでなく債務も含まれるため、介護保険料の滞納した分の金額も承継されます。つまり本人だけの問題で終わらないということです。

滞納が続くと、金額も大きくなります。支払いが難しい場合は減免制度を利用するなどして、早めに役所の担当部署へ相談しましょう。

介護保険料の支払いは国民の義務だが減免制度もある

介護保険の加入は40歳からの義務なので、任意で脱退はできません。介護保険料の免除対象者は40歳以上65歳未満の扶養者と生活保護を受けている人です。

介護保険料の滞納期間が2年以上続くと未納分が支払えなくなり、受けられる介護サービスに影響が出ることも。

また未納のまま死亡すると、債権も相続されるので注意が必要です。そうならないためにも、介護保険料の支払いが困難だと感じたら、早めに市町村の介護保険に関する窓口やケアマネジャーへ相談しましょう。

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監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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