ナーシングホームと老人ホームの違いは?地域包括ケアシステムも解説

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ナーシングホームと老人ホームの違いは?地域包括ケアシステムも解説

「痰の吸引や経管栄養など、医療的ケアが必要で、普通の老人ホームでは断られてしまった…」
「病院を退院するけれど、在宅での介護は難しい…」
そんな悩みを抱える方の新たな受け皿として注目されているのが「ナーシングホーム」です。

この記事では、ナーシングホームと他の介護施設との明確な違い、具体的な費用や入居条件、そしてメリット・デメリットを、誰にでも分かりやすく解説します。あなたに最適な施設を見つけるための第一歩として、ぜひご活用ください。

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ナーシングホームと老人ホームの違い

ナーシングホームが他の施設と何が違うのか、最大の違いは「看護師による24時間体制の医療的ケア」の有無です。

項目

ナーシングホーム

介護付き有料老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)

最大の特徴

看護師24時間常駐で医療的ケアに強い

サービスが手厚く多様なニーズに対応

費用が最も安い公的施設

医療的ケア

◎ 対応可能(痰吸引、経管栄養など)

△ 施設による(日中のみ等)

× 原則対応不可

看取り

◎ 積極的に対応

◯ 施設による

◯ 施設による

入居対象者

医療依存度の高い方、難病の方など

自立~要介護5

原則要介護3以上

月額費用

12万~17万円

15万~30万円

8万~15万円

このように、ナーシングホームは医療的なサポートを特に必要とする方にとって、非常に重要な選択肢となります。

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ナーシングホームとは?

ナーシングホームとは、介護と医療的ケアを一体的に行い、看取りまでフォローする介護施設です。

一般的な老人ホームや介護施設では、介護士が24時間体制で入居者の日常的なサポートを行いますが、ナーシングホームはそれに加えて、看護師による24時間体制の医療的ケアまで行える環境となっています。看護師と介護士が常駐しているため、入居者の健康管理や緊急時の対応も迅速かつ適切に行うことができます。

さらに、医療機関と連携して、医師の定期的な訪問診療を行っているナーシングホームも多く存在します。このように、ナーシングホームは施設単体のサービスの充実だけでなく、他機関との連携も綿密に行うことで、地域包括ケアシステムを機能させる役割も期待されているのです。

また、ナーシングホームも老人ホームの一種ではありますが、医療的ケアを必要とする様々な疾患を持つ方を対象としており、高齢の方に限らず、医療的ケアが必要な幅広い年代の方が利用できる施設なのです。

老人ホームとは?

老人ホームとは、高齢者が入居し生活を送る施設全般を指します。とはいえ、その種類は様々で、大きく公的な施設と民間の施設とに分けられます。そして、要介護度の度合いなどで入居条件が施設によって異なります。

一般的には、公的施設は入居費用が安いというメリットがありますが、本当に介護ケアが必要な方を入居対象とするために、入居条件は厳しく定められています。一方で民間の施設は、利用者の多様なニーズに応えるためにその形態も様々で、料金もまちまちです。ナーシングホームは民間(有料)のサービスである場合が多いです。

関連記事:老人ホームとは?介護施設との違いや種類・費用などを一覧表で解説

ナーシングホームが必要とされる背景

現在日本は超高齢化社会にあり、医療・介護の現場では様々な問題が連鎖的に起こっています。

まず病床数が足りず、長期入院が難しい現状があります。かといって、介護ケア・医療的ケアを包括的に行ってもらえる施設も多くありません。そのため、医療的ケアが必要な方が在宅での療養を余儀なくされるケースが多くなってしまうのです。すると、今度は家族が24時間体制でサポートしなければならない状況となり、家族の精神的・身体的負担も大きくなってしまいます。

現時点で上記のような問題は珍しくなく、高齢化がこのまま進めば、この問題は肥大化すると考えられます。直近では、2025年に団塊世代800万人が後期高齢者(75歳)を迎えることによって生じる社会的影響、いわゆる「2025年問題」が控えており、今以上に介護的ケア・医療的ケアを必要とする人が増えると予想されます。介護と医療的ケアを包括的に行えるナーシングホームはまさに、以上のような社会的課題を解消する存在として期待されているのです。

地域包括ケアシステムとの関わりについて

ナーシングホームは、国が2025年を目処に構築を目指す地域包括ケアシステムにおいても重要な役割を果たすと期待されています。

団塊世代が2025年に後期高齢者を迎えることで、介護・医療的ケアを一体に行う施設が必要とされることは、先に説明した通りです。しかし受け入れ施設だけが増えても、高齢者の尊厳を守るには不十分です。ここで、地域包括ケアシステムの考え方が重要となってきます。つまり、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしをその最期の時まで続けられるように、地域全体で高齢者のために包括的な支援・サービスを構築することが重要なのです。

ナーシングホームは施設単体で完結するサービスではありません。病院や地域の医療機関、薬剤師やケアマネジャーといった専門家、さらに他の介護施設とも連携することで、入居者の日常的なケアや急変時の臨機応変な対応ができる体制を整えているのです。そのため、地域全体で高齢者を支えるという地域包括ケアシステムと親和性があり、ナーシングホームが地域にあることで、高齢者のケアに関係する機関同士のコミュニケーションを活性化し、地域包括ケアシステムの構築を促進することを期待できます。

ナーシングホームを必要とする人

ナーシングホームは医療機関と介護施設の中間に位置する施設となっているため、医療的ケアと介護ケアの両方が必要な、要介護度の高い方や医療依存度の高い方に最適な施設です。特に医療依存度の高い方は、ナーシングホームを利用することで、病状の急変に際しても継続的なサポートを受けることができます。

これまでの介護施設では、介護施設から病院に入院し、退院後に元の施設に戻ることが難しいケースもありました。これでは、病状が不安定な方とその家族は、環境の変化に対応するだけで一苦労です。

しかし医療機関と連携しているナーシングホームに入居することで、退院後に住み慣れた施設に戻ることが可能なため、病状が不安定な方もシームレスに各所関係機関で適切なケアを受けられるようになります。

また、ナーシングホームは高齢者だけでなく、がんやパーキンソン病、ALSなどの特定疾病にも対応している施設があるため、介護が必要な幅広い方が利用できる施設です。

ただし、ナーシングホームによって受け入れ可能な患者は異なるため、症状にあった施設を探す必要があります。しかし逆にいえば、特定のナーシングホームで受け入れ不可であっても、他施設では受け入れている可能性も十分考えられるため、あきらめず探してみることが大切です。

ナーシングホームに入居するメリット

本記事でここまで説明してきた内容を踏まえると、ナーシングホームのメリットは次のようにまとめることができます。

  • 24時間365日、いつでも迅速に介護・医療の専門的なケアを受けられる
  • 退院後も元の住み慣れた施設に戻ることができて、入居者とその家族ともに負担が軽減される
  • 他の施設では受け入れが難しい疾病でも日常的なケアを受けられる
  • 医療的ケアも受けられるので、住み慣れた場所で自分らしい最期を迎えられる
  • 高額な老人ホームに比べて、少ない費用で入居ができる

介護と医療が一体となったナーシングホームは、多様なニーズに応えることができる新しい形の施設です。そのため、入居から最期の時まで一貫したサポートが受けられ、自分らしい最期を迎えることができます。不自由なくゆっくりと最期の時間を過ごして欲しいと考える家族の方にとっても、安心して任せられる施設といえるでしょう。

ナーシングホームに入居するデメリット

ナーシングホーム自体には大きなデメリットはありませんが、いくつか課題があることは確かです。

まず、現状では民間の有料施設ではあるため、高額な老人ホームほどではなくとも、ある程度費用がかかってしまいます。そのため利用できる方は、費用の点で制限されてしまうでしょう。

また、日本においてはナーシングホームの形態は比較的新しく、数がそれほど多くはありません。そのため入居したくてもできない、というケースもあります。さらに、地域包括ケアシステムの一環として期待されてはいるものの、利用できる地域は限られてきます。したがって、長らく住み慣れた地域のナーシングホームに入居できる方も限られてしまいます。

ナーシングホームの入居費用

ナーシングホームの多くは、有料老人ホームに多く見られる入居時一時金や、敷金・礼金の負担がないケースが多いです。入居者に求められる費用は、大きく分けて以下の通りです。

月額費用

その他費用一例(実費)

  • 家賃
  • 管理費
  • 水道光熱費
  • 食費
  • 介護サービス料(介護保険適用可)
  • クリーニング・洗濯代
  • 理美容代
  • おむつ代

上の表を合計すると、ナーシングホームの月額費用は1人当たり10万円〜15万円が相場です。その他費用も含めると、12万円〜17万円となります。

そして、費用は地域や施設ごとによって異なるだけでなく、介護度や疾病の内容によっても異なります。

たとえば、経管栄養などで一般的な食事が不要な場合は、食費がかからないケースがあります。その他、生活保護の方や厚生労働大臣が定める特定疾病の方は、家賃の負担を軽減している施設もあります。

また介護保険は、所得に応じて自己負担の割合が異なります。さらに、介護度が重くなればなるほど、給付限度額が大きくなります。

以上のように、基本的な相場の範囲内で、入居者の状況によって自己負担額が大きく変動するため、実際の費用についてはWeb上の料金シミュレーターや、気になるナーシングホームに直接確認してみるのが良いでしょう。

ナーシングホームに入居する流れ

以下でナーシングホームに入居する流れを確認していきますが、介護について右も左も分からない方は、まずは地域包括支援センターに相談してみましょう。また、介護保険サービスを利用するには、要支援・要介護認定が必要となるため、心当たりがない方は、お住まいの自治体の担当窓口に確認しましょう。

これらのステップが完了したら、実際に気になる施設に相談します。その際の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 施設に問い合わせ
  2. 施設内の見学
  3. 入居手続き
  4. 施設スタッフとの面談
  5. 入居開始

見学可能な範囲にいくつかナーシングホームがあれば、複数の施設を見学するとよいでしょう。また、「入居手続き」「施設スタッフとの面談」のち、入居可能かどうかの判定が行われます。場合によっては入居不可となる場合があることも、頭に入れておきましょう。

まとめ

ナーシングホームは介護と医療的ケアを一体的に行う施設で、入居から自分らしい最期を迎える場所としても最適な施設です。地域包括ケアシステムの一端としても期待されているため、今後さらに数・サービスとも充実していくことが期待されている、将来性のある施設ともいえるでしょう。これから介護施設を探そうと考えている方や、在宅介護や今の施設に限界を感じている人にとって、ぜひ検討すべき選択肢の1つです。

しかし、地域にどのようなナーシングホームがあるのか、またどのようなナーシングホームがご自身やご家族にマッチしているのかを検討するのは大変な作業です。「笑がおで介護紹介センター」では、ナーシングホーム探しが行えるだけでなく、専属のスタッフが付いてナーシングホーム探しのサポートも行ってもらえます。ぜひご利用してみてください。

監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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