要支援1で入居できる老人ホームはある?要介護1や要支援2との違いも解説

要支援1とは?
介護保険制度では、自立、要支援、要介護で介護のニーズを表します。自立は、食事や入浴などの基本的日常生活動作を自分でできて、料理や洗濯などの手段的日常生活動作も自分で行える状態です。介護のニーズは、要支援、要介護の順で高くなります。介護保険法は、要支援状態を次のように定義しています。
この法律において「要支援状態」とは、身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって、支援の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要支援状態区分」という。)のいずれかに該当するものをいう。
引用:e-GOV法令検索「平成九年法律第百二十三号 介護保険法」
簡単に説明すると、基本的日常生活動作はほぼ自分で行えるが、今後、介護を必要とする状態になる恐れがあり、手段的日常生活動作について支援を要する状態です。要支援状態は、要支援1と要支援2に分かれます。要支援1は、食事、排せつ、着替えなどはほぼ自分で行えるが、要介護状態になることを予防するため、料理、掃除、洗濯などの一部に見守りなどを必要とする状態です。また、立ち上がりなどに支えを必要とすることもあります。
ちなみに、介護度は、介護にかかる手間を時間で表した要介護認定等基準時間などで判断します。要支援1の要介護認定等基準時間は25分以上32分未満です。実際の介護時間を表すわけではありませんが、要支援状態、要介護状態の程度を理解する基準になります。
要介護1との違い
要介護は、要支援よりも介護の必要性が高い状態です。介護保険法では次のように定義されています。
この法律において「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。
引用:e-GOV法令検索「平成九年法律第百二十三号 介護保険法」
簡単に説明すると、食事、着替え、排せつなどの基本的日常生活動作を自分で行うことが難しく介護を必要とする状態といえるでしょう。要介護は1~5に分かれます。要介護1は、食事や排せつなどはほぼ自分で行えるものの、立ち上がり、起き上がり、片足での立位保持などに支えを必要とし、料理や買い物など身の回りの世話に見守りや支援を必要とする状態です。歩行に支えを必要とすることや認知機能の低下がみられることもあります。 要支援1よりもサポートを必要とする範囲が広がった状態といえるでしょう。要介護1の要介護認定等基準時間は32分以上50分未満です。
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要支援2との違い
要支援2は、排せつや着替えなどはほぼ自分で行えるが、料理、掃除、洗濯などに見守りなどを必要とする状態です。起き上がり、立ち上がり、片足での立位保持などに支えを必要とすることもあります。適切な支援を受けることで、改善する可能性が高い点もポイントです。要支援1と比べると、日常生活の幅広い場面でサポートを要する状態といえるでしょう。要支援2の要介護認定等基準時間は32分以上50分未満です。ちなみに、要支援2と要介護1の要介護認定等基準時間は同じです。両者は「認知機能の低下」と「状態の安定性」が異なります。認知機能などの障害で予防給付などの利用に関する適切な理解が困難な場合や短期間で状態の変化、要介護度の重度化が生ずる恐れが高い場合は要介護1に分類されます。これらの点を踏まえておくと、要支援1、要支援2、要介護1の違いを理解しやすくなるでしょう。
要支援1でも施設に入居できる?
要支援1は、介護度の区分のなかで介護を必要とする程度がもっとも軽い状態です。したがって、利用できるサービスは限られています。たとえば、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護医療院などは利用できません。希望しても入居できない施設があることを押さえておきましょう。
しかし、すべての施設へ入居できないわけではありません。具体的には、以下の施設などへ入居できる可能性があります(これら以外にも入居できる施設はあります)。
【入居できる施設】
- サービス付き高齢者向け住宅
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
- 養護老人ホーム
- 自立型ケアハウス
- シニア向け分譲マンション
各施設の概要は次の見出しで解説します。
関連記事:老人ホームの入居にかかる費用は?相場と安く抑えるポイント
要支援1の方が入居できる老人ホーム・介護施設
ここからは、入居を検討できる老人ホームの概要を解説します。
施設①サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
次の点を特徴とする高齢者向けの賃貸住宅です。
【特徴】
- バリアフリー構造の住宅
- 高齢者を想定した一定の規模と設備
- 専門家による見守りサービス
具体的には、専有部にキッチン、浴室、洗面設備、水洗トイレ、収納設備を原則として備えています。また、介護福祉士、社会福祉士などの専門家による安否確認サービス、生活相談サービスも受けられます。施設によっては、食事の提供や家事サービスなどを利用できる点もポイントです。介護予防サービスを利用したいときは、地域の介護保険事業者と契約します。
サービス付き高齢者向け住宅の対象は、60歳以上の方、または60歳未満で要介護認定を受けている方です。詳しい条件は施設により異なることがあります。
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施設②住宅型有料老人ホーム
有料老人ホームは、老人を入居させて次のサービスのいずれかを提供している施設です。
【サービス】
- 食事の提供
- 家事の提供
- 介護の提供
- 健康管理
住宅型有料老人ホームは、生活支援などのサービスを提供しています。具体的には、食事、洗濯、掃除、見守りなどのサポートを行っているケースが多いでしょう。介護が必要になったときは、地域の介護保険事業者から介護予防サービスなどを受けて、当該施設で生活を継続します。
住宅型有料老人ホームの対象は、原則として60歳以上の方です。施設によっては、60歳以下でも利用できることがあります。
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施設③健康型有料老人ホーム
食事などのサービスを提供している有料老人ホームです。レクレーションなどの日常生活を充実させるサービスが充実している傾向があります。一方で、介護サービスは提供していません。介護サービスが必要になった場合は、原則として退居を求められます。あるいは、併設する施設へ転居できることもあります。
健康型有料老人ホームの対象は自立している60歳以上の方です。施設によっては、要支援の方を受け入れているところもあります。ただし、2020年10月時点で、全国に20施設しかありません。
参考:厚生労働省「データから見た高齢者住宅・施設の需給バランス」
施設④養護老人ホーム
政令で指定されている環境上の理由や経済上の理由で、在宅で生活を送ることが難しい65歳以上の方を入居させ擁護する施設です。市町村が入居の可否を判断する点(措置)が特徴といえるでしょう。原則として自立している方を対象としていますが、要支援認定を受けていても入居できることがあります。ただし、入居にあたり調査と判定を受けなければなりません。
一部の養護老人ホームは、特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型)の指定を受けて介護保険サービスを提供しています。この指定を受けていない場合は、地域の介護保険事業者と契約して介護予防サービスなどを受けることもできます。
施設⑤自立型ケアハウス
身体機能の低下などで自立した生活を送ることに不安を抱えていて、家族から支援を受けられない方を無料または低額な料金で入居させ、日常生活に必要な支援を提供する施設です。介護保険制度では居宅と考えられるため、入居後も地域の介護保険事業者と契約して介護予防サービスなどを受けられます。
自立型ケアハウスの対象は、原則として60歳以上の方です。夫婦で入居する場合は、どちらか一方が60歳以上であれば揃って入居できます。
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施設⑥シニア向け分譲マンション
高齢者を対象とする分譲マンションです。特徴はさまざまですが、バリアフリー設計を採用して高齢者向けの設備を揃えているところが多いでしょう。たとえば、各部屋に緊急通報装置を設置しているなどが考えられます。温泉、プール、カラオケルームなどのアクティビティも充実している傾向があります。介護が必要になったときは、地域の介護保険事業者と個別に契約します。
シニア向け分譲マンションの対象は、原則として自立している高齢者といえるでしょう。問題なく生活を送れるのであれば、要支援1の認定を受けていても入居できます。年齢の下限を設けている施設がある点には注意が必要です。
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要支援1の方が施設に入居する費用の目安
要支援1の方が施設に入居するとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。参考に、施設ごとの目安を紹介します。
| 施設 | 入居一時金の目安 | 月額料金の目安 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 0円~数千万円 | 10~40万円 |
| 住宅型有料老人ホーム | 0円~数千万円 | 12~30万円 |
| 健康型有料老人ホーム | 0円~数億円 | 10~40万円 |
| 養護老人ホーム | 0円 | 0~14万円 |
| 自立型ケアハウス | 0~30万円 | 6~12万円 |
| シニア向け分譲マンション | - | - |
種別や施設により、入居一時金、月額利用料金の目安は大きく異なります。特徴と予算を踏まえて選択することが大切です。
介護保険の支給限度額
介護保険では、介護度別に支給限度額が定められています。入居した施設で、外部の介護保険事業者と契約して居宅サービスを利用する場合の支給限度額は次のとおりです。
| 要介護度 | 支給限度額 |
| 要支援1 | 5万320円 |
| 要支援2 | 10万5310円 |
| 要介護1 | 16万7650円 |
| 要介護2 | 19万7050円 |
| 要介護3 | 27万480円 |
| 要介護4 | 30万9380円 |
| 要介護5 | 36万2170円 |
この範囲内で居宅サービスを利用した場合の自己負担割合は原則として1割(所得が一定以上の場合は2割または3割)です。つまり、要支援1の方が、上限まで介護保険サービスを利用したときの自己負担額は1カ月あたり5,320円です。この範囲を超えて利用した居宅サービスは全額自己負担になります。
要支援1の方向け!施設入居までの流れ
入居までの流れは施設で異なります。基本的な流れは次のとおりです。
- 施設へ問い合わせ
- 施設を見学
- 入居申し込み
- 面談
- 入居審査
- 契約締結
- 入居開始
ポイントは、申し込み前に施設見学を済ませておくことです。実際に施設を見ることで入居後の生活をイメージしやすくなります。入居申し込みで必要になる書類はケースで異なります。確認してから準備することが大切です。具体的な流れを知りたい方は、入居したい施設に問い合わせるとよいでしょう。
要支援1でも老人ホームへ入居できる
ここでは、要支援1の概要と要支援1でも入居できる老人ホームについて解説しました。要支援1は、食事などはほぼ自分で行えるが、掃除などの一部に見守りなどを必要とする状態です。
在宅での生活に不安を感じる場合は、サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどへ入居できます。ただし、入居条件、受けられるサービス、退居条件などは施設で異なります。詳細を確認して、自分に合っている施設を選ぶことが大切です。
「笑がおで介護紹介センター」では、老人ホーム探しから、入居のためのアドバイスまで幅広く対応しています。関西で入居を検討されているなら、ぜひ私どもにご相談ください。予算に合わせてご紹介させていただきます。

監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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