介護施設・老人ホーム入居後に家族が担うサポートや役割

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介護施設・老人ホーム入居後に家族が担うサポートや役割

親御さんの施設入居が決まったあと「どこまで手伝えばいいの?」とお悩みではありませんか?施設に任せて良いことと、自分たちがすべきことの境界線は意外と難しいものです。

本記事では、介護施設入居後の家族の役割やサポートすることを解説します。スタッフと良好な関係を築くコツや、自分の生活を犠牲にしないための心構えについても詳しくまとめました。

この記事を読めば、親御さんと良好な関係を築きながら、無理なくサポートを続けるコツがわかりますので、ぜひご覧ください。

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介護施設入居後に家族が担う役割

親御さんの介護施設入居が決まり、安心した一方で「これから何をすればいいの?」と戸惑っていませんか?施設に任せられることも多いですが、入居後も家族の関わりが大きな意味をもちます。

ここでは、主に行うべき3つの役割について解説します。

入居者の精神的な支えとなり安心感を与える

入居後は、環境の変化に戸惑う親御さんの精神的な支えになることが求められます。どれほど優秀なスタッフがいても、長年連れ添ったご家族にしか果たせない役割があるからです。

面会の際は、ご本人の話を否定せずに聞く「傾聴」を意識してください。もし「家に帰りたい」といわれても、正論で説得したり叱ったりせず、その不安な気持ちをただ受け止めてあげましょう。

使い慣れた家具や写真を持ち込むのも効果的です。ご家族が味方でいると伝われば、親御さんは安心して新しい生活に馴染めるでしょう。

施設スタッフと連携しケアの方針を共有する

施設側と密に連携し、より良いケア環境を整えていくことも必要です。ご本人は「お世話になっている」と遠慮してしまい、不満や要望をスタッフに直接いえないことがよくあります。

面会時に本音を聞き出し「相談」や「提案」という形で施設側に伝えてください。定期的に開催される運営懇談会に参加すれば、施設の経営状況やケアの実績も把握できます。

ご家族が良き理解者として橋渡しをすることで、親御さんはより快適に過ごせるようになるでしょう。

入居継続に必要な金銭管理や手続きを代行する

入居生活を継続させるための金銭管理や各種手続きの代行も行います。身元引受人として費用の支払いや物品の補充を行うことは、ご本人の生活基盤を守る責任といえます。

特に預貯金の管理については、ご本人の状況に合わせて以下の方法を検討しましょう。

  • 収支を記録して家族で管理する
  • 施設の金銭等管理サービスを使う
  • 成年後見制度や家族信託を使う

家族信託は、ご本人の判断能力があるうちに契約する必要があります。口座凍結を防ぐには、早めに代理人カードを作成するか、適切な法的制度の利用手続きを進めてください。

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介護施設入居後に家族が実践するサポート

ここでは、実際に家族が行う具体的なサポート内容を紹介します。施設入居後の実務は「物品の管理」「通院の同行」「会議への参加」「連絡窓口」の4つがメインです。

やるべきことを具体的にイメージして、生活の中に無理なく組み込んでいきましょう。

不足した日用品や衣類を補充・管理する

季節ごとの衣類の入れ替えや、ティッシュやオムツといった日用消耗品の補充管理を行います。施設の居室は収納スペースが限られており、すべての家財道具を一度に持ち込むことは物理的に難しいからです。

面会時には在庫を確認し、不足があれば次回の訪問で持参するか、施設の「買い物代行サービス」を利用して手配します。その際、義歯洗浄剤や好みの嗜好品など、細かい生活用品も忘れずにチェックしてあげてください。

定期的に持ち物を整えることで、親御さんは不自由なく快適に暮らせるようになります。

定期的な通院に付き添い緊急時の判断をする

通院への付き添いや、急変時の迅速な判断も家族に求められる重要な実務です。施設スタッフは医療行為の決定権をもたないため、治療方針の同意や入院手続きは家族が行う必要があります。

医師から直接説明を受ければ、親御さんの正確な健康状態や薬の変更点などを詳しく把握できます。また、どのような状況で緊急連絡が来るのか、延命治療はどうするかなど、事前に施設側と基準をすり合わせておくとよいでしょう。

いざという時に慌てないよう、家族間で話し合って方針を決めておくことが安心につながります。

ケアプラン作成に関わる会議に参加し意向を伝える

施設で開催される会議には積極的に参加し、ご家族としての意向や気づきを伝えてください。具体的には、以下のような会議や場面で情報共有を行います。

  • ケアプランを作成・更新するサービス担当者会議
  • 経営状況やサービス実績がわかる運営懇談会
  • 本人の本音や要望を伝えるための個別相談

遠慮して要望をいえない親御さんに代わり、ご家族が橋渡し役を担うことで安心した生活が継続できます。ケアチームの一員として関わることで、より質の高いサービスを受けられるようになるでしょう。

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キーパーソンとして施設との連絡窓口を務める

まずは、施設からの重要な連絡窓口となる「キーパーソン」として、情報の集約役を務めてください。緊急時の呼び出しやケア方針の相談など、主要なやり取りはキーパーソンを通して行われます。

得られた情報を他の親族へ正確に共有し、家族間での意見をまとめて施設に伝えるのも大事な仕事です。「身元引受人」として、費用の支払いや契約手続きといった法的な責任を負うケースも少なくありません。

また、連絡体制を整えるとともに、入居費用が滞らないよう資産管理の準備も進めておく必要があります。なお、代理人カードはご本人が元気なうちに作成し、もし判断能力が低下している場合は成年後見制度の利用を検討してください。

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施設スタッフと良好な関係を築く接し方

親御さんが快適に過ごせるかどうかは、スタッフとの関係性にかかっています。どれほど設備が立派でも、実際に日々のケアをするのは「人」だからです。

ここでは、介護施設入居後に家族が果たすべき役割として、スタッフと信頼関係を築くための接し方を解説します。お互いに気持ちよく連携するためのコツを見ていきましょう。

日々のケアへの感謝を言葉にして信頼を得る

まず、スタッフを一人の人間として尊重し、日々のケアへの感謝を言葉にして伝えてください。利用料を払っているからといって「やって当たり前」という態度で接すると、心理的な壁ができてしまうからです。

面会時には、本題に入る前に「いつも母がお世話になっています」と労いの言葉を添えましょう。また「最近の様子はどうですか?」と積極的に話しかけ、業務に関心をもっている姿勢を示すことも欠かせません。

家族からの感謝の気持ちが伝われば、スタッフも「もっと良くしてあげたい」と感じ、トラブルを防ぐ信頼関係の土台が築かれます。

要望がある際は感情的にならず冷静に相談する

施設への要望や不満がある際は、感情的に怒りをぶつけるのではなく「相談」という形で冷静に伝えます。一方的に責めるとクレーマーと誤解され、建設的な話し合いができなくなる恐れがあります。

改善を求める際は、以下のポイントを意識して伝えてみてください。

  • 日時や状況などの客観的な事実を伝える
  • 現場だけでなく生活相談員などにも話す
  • 一緒に解決策を考える提案型で相談する

「なんとかして」と要求するのではなく「どうすれば良くなるか」を共に考える姿勢をもつことで、こちらの意見も聞き入れてもらいやすくなります。

忙しい時間帯を避けてスタッフに配慮する

スタッフの業務フローを理解し、忙しい時間帯を避けて声をかける配慮も欠かせません。多くの施設は限られた人数で運営しており、多忙な時に時間を取らせると他の入居者のケアに支障が出ることもあります。

たとえば、送迎の対応や夕食の準備で人の出入りが激しくなる夕方の時間帯などは、現場が非常に慌ただしくなります。緊急性の低い用件であればこの時間を避け、スタッフの手が空いているタイミングを見計らって話しかけましょう。

相手の事情を理解して接することで「配慮のあるご家族だ」と認識され、長期的な信頼関係につながります。

面会や訪問時に家族が意識したいポイント

介護施設への入居後、家族の役割として特に大切なのが面会です。顔を見せるだけで親御さんは安心しますが、接し方に悩むご家族も少なくありません。

お互いに負担なく、心地よい時間を過ごすためにはいくつかのコツがあります。ここでは、訪問時に意識したい3つのポイントについて解説します。

自身の生活に無理のない頻度で顔を見せる

まず、ご自身の生活や仕事を優先し、無理のないペースで面会に行くことです。「行かなければならない」という義務感で無理をすると、ご家族が疲弊し、その辛い雰囲気が親御さんにも伝わってしまいます。

一般的には、週に1~2回、あるいは月に1回程度のペースで面会に行かれるご家族が多いようです。距離や仕事の都合に合わせて、自分たちなりの頻度を決めて問題ありません。

ただし、入居直後は精神的な安定のために頻繁な訪問を求められることもあれば、逆に慣れるまで控えるようにと言われることもあります。施設側と相談しながら、お互いにとって負担のない頻度を見つけていきましょう。

傾聴を心がけて本人の寂しさや不安を和らげる

面会の際は、聞き手に徹する「傾聴」を心がけ、親御さんの不安や寂しさを和らげてください。どれほど親しい友人ができても、ご家族に話を聞いてもらうだけで、親御さんの心は大きく救われます。

もし「家に帰りたい」といわれても「ここはあなたの家ですよ」と正論で否定するのは避けたほうがよいでしょう。否定されると「わかってもらえない」と孤独感を深めてしまうため「寂しい思いをしているんだね」と気持ちに寄り添ってあげてください。

会話だけでなく、使い慣れた家具や写真を持ち込んで、居室を安心できる空間にするのもおすすめです。ご家族は一番の味方として、親御さんの揺れ動く感情を優しく受け止めてあげましょう。

別れ際は笑顔で接して前向きな印象を残す

面会の最後は、笑顔で「また来るね」と伝え、前向きな印象を残して帰るようにしましょう。別れ際は特に寂しさを感じやすく、不安から「置いていかないで」と感情が不安定になりやすいタイミングといえます。

去り際に次回の約束をすることで「ここは家族がまた会いに来てくれる場所だ」と親御さんも安心できます。もし親御さんの不安が強く帰りにくい場合は、食事やレクリエーションが始まる時間に合わせて面会を切り上げるのもひとつの方法です。

スタッフにうまく誘導してもらい、自然に次の活動へ意識を向けさせるとスムーズに別れられます。ご家族だけで抱え込まず、プロの力を借りながらお互いに笑顔で過ごせる関係を目指しましょう。

入居後も自分の生活を守るためのポイント

親御さんの生活を支えたい一心で、ご自身の生活を犠牲にしてしまってはいませんか?無理をして共倒れになってしまっては、元も子もありません。

介護は長期戦になることが多いため、自分の生活を守りながら関わり続ける工夫が必要です。ここでは、息切れせずにサポートを継続するための3つのポイントを紹介します。

一人で抱え込まず親族間で役割分担を調整する

まずは、特定の家族一人に負担を集中させず、親族みんなで役割を分担することです。「キーパーソン」だからといって、面会から金銭管理まですべて背負うと、心身共にパンクしてしまいます。

たとえば、近くに住む人は面会や物品の補充を担当し、遠方の人は資金面を多めに負担するなど、事情に合わせた分け方を相談しましょう。特にお金の管理はトラブルになりやすいため、収支を記録して定期的に報告するルールを決めておくと安心です。

一人で抱え込まず、チームとして支える体制を作ることが、長く続けるコツといえます。

プロに任せる選択をして罪悪感を払拭する

「プロに任せる」と割り切り、施設に預けたことへの罪悪感を手放しましょう。入居は「介護の放棄」ではなく、物理的なケアをプロに任せて、精神的なサポートに専念するための「役割の変更」だからです。

認知症で「家に帰りたい」と訴えられ、ご家族がつらくなってしまうときは、無理に対応せずスタッフに任せてみてください。ご家族にしかできない役割は、身体的なお世話ではなく、面会でご本人の心に寄り添うことです。

「介護者」から「娘・息子」の顔に戻るための前向きな選択だと捉えれば、気持ちが楽になります。

完璧を求めすぎずできる範囲で支援を続ける

最初から完璧を求めすぎず、できる範囲で細く長く支援を続けてください。介護期間は5年、10年と続くこともめずらしくないため、最初の熱意だけで走り続けると途中で息切れしてしまいます。

面会の頻度も「週に1回」や「月に1回」など、ご家庭によってさまざまです。仕事が忙しい時期は、施設の買い物代行サービスなどを活用して手間を減らすのも賢い判断といえます。

無理をして疲れた顔を見せるよりも、余裕のある笑顔で接するほうが、親御さんにとっても安心につながります。

介護施設入居と家族の役割に関するよくある質問

親御さんの施設入居後、実際に生活が始まると新たな疑問や悩みが出てくるものです。「こんな時はどうすればいいの?」と迷う場面も少なくありません。

ここでは、多くのご家族が抱える2つの疑問について、具体的な対応策をQ&A形式で解説します。

面会に行けない時はどう対応すればいい?

仕事や遠方にお住まいなどの事情で、頻繁に面会へ行けなくても心配はいりません。義務感で無理をしてご自身の生活が立ち行かなくなると、結果的に誰も幸せになれないからです。

日用品が不足した際は郵送するか、施設の「買い物代行サービス」を利用して補充する方法があります。また、運営懇談会に参加できない場合も、後日配布される議事録を確認すれば施設の状況は把握できます。

無理のない範囲で関わることが、長くサポートを続ける秘訣です。

スタッフへの心付けや差し入れは必要ある?

スタッフへの個人的な心付けは必要ありません。介護はプロとしての仕事であり、金銭のやり取りはトラブルの原因になるとして禁止している施設が多く見られます。

信頼関係を築くために効果的なのは、物ではなく「いつもありがとうございます」という感謝の言葉です。なお、入居者ご本人への差し入れは喜ばれますが、食事制限や持ち込みルールがあるため事前に確認しましょう。

ルールを守り、気持ちの良いコミュニケーションを心がけてください。

まとめ

本記事では、介護施設入居後の家族の役割について解説しました。施設に入ればすべてお任せではなく、精神的な支えやスタッフとの連携など、ご家族だからこそできる大切なサポートがいくつもあります。

まずはご自身の生活を守りながら、無理のないペースで面会に行き、親御さんの話を傾聴することから始めてみてください。完璧を目指さず、プロの手を借りながら細く長く関わっていく姿勢が、親御さんの安心と笑顔につながります。

もし施設との関わり方や今後の生活に不安を感じる場合は、ひとりで悩まず『笑がおで介護紹介センター』へご相談ください。プロの視点から、あなたとご家族が笑顔で過ごせるようサポートいたします。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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