老人ホームで恋愛はあるのか?家族がとるべき対応も紹介

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老人ホームで恋愛はあるのか?家族がとるべき対応も紹介

老人ホーム内で入居者同士の恋愛があると聞いたことはありますか。「まさか、高齢者同士で恋愛なんて」と思うでしょう。
しかし老人ホームで入居者同士が恋愛に発展することは決して珍しくありません。さらに、入居者同士で恋愛するとよい点もあるのです。

そこで、老人ホームにおける恋愛事情について解説します。この記事を読むと、入居者同士の恋愛のメリットやトラブル、家族の対応について分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

老人ホームでの恋愛事情

老人ホームで入居者同士が恋愛感情を抱くことは珍しくありません。居室が相部屋の老人ホームでは、基本的に男女が一緒になることはありませんが、食事やレクリエーションを行うリビングは共有の場合が多数です。1日のうち、長い時間を一緒に過ごすため、恋愛感情を抱いても不思議ではありません。老人ホームでは、家族と離れて暮らしているため寂しさを感じている方も多く、恋愛が生まれやすい環境ともいえるでしょう。

もちろん、夫婦で施設に入居する場合もありますが、すでに奥さんや旦那さんを亡くしている方も多く、魅力的な方がいればカップルになることもあります。

恋愛が始まるきっかけで多いのが、老人ホームで行われるレクリエーションです。一緒に創作したり、祭りなどのイベントに参加したりしているうちに、自然と仲良くなり、気付いたら両想いというケースがあります。

老人ホームで恋愛するメリット

じつは、入居者同士が恋愛することは悪いことではありません。むしろ、メリットも多くあるのです。

メリットの1つが「生きる活力が湧いてくること」です。老人ホームでの生活が長く続いたり、仲良くしていた方が亡くなったりすると、どうしても気分が塞ぎがちになってしまいます。最初のころは積極的だったレクリエーションにも参加しなくなり、居室にこもりきりという方もよくみられます。しかし、好きな人ができると、笑顔が増え、レクリエーションやリハビリも楽しく取り組むようになる方も。退屈しがちな施設での生活で楽しみが増えるというのは、入居者にとって大きなメリットでしょう。

2つ目のメリットが「症状が緩和する可能性があること」です。認知症を患っている方のなかには、恋愛をすることで症状が改善するケースがみられます。ある施設の認知症の症状が進行していた男性は、さまざまなことが面倒くさくなり、着替えや入浴も嫌がっていました。しかし、急に着替えや入浴に積極的に。どうやら、好きな人ができて、身だしなみに気を遣うようになったのです。好きな人と話しているうちに、笑顔が増え、話す内容もしっかりしてくるようになり、認知症の症状がほとんどなくなったそうです。また、好きな人と一緒に散歩したいという思いから、リハビリに積極的になり、歩けるようになったという方もいます。

このように、目標や楽しみがあると、脳が活性化し気持ちが若返るだけでなく、症状まで改善する場合があります。年齢を重ねてからの恋愛は悪いものではないといえるでしょう。

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老人ホーム内の恋愛にまつわるトラブル

活力がみなぎったり、症状が緩和したりメリットのある入居者同士の恋愛ですが、なかにはトラブルに発展するケースもあります。最悪の場合、違う施設に移らなくてはならないことも。ここでは、恋愛にまつわるどんなトラブルが起こりうるのか紹介します。

ケース①三角関係

1つ目のトラブルが三角関係です。同じ方を好きになり、少しやきもちを焼く程度なら問題ありませんが、深刻化してしまうケースもあります。

ある施設に、穏やかでいつも笑顔の女性Aさんがいました。ほかの入居者とも仲がよく、ひそかに男性BさんはAさんに想いを寄せていました。そこに、新しく男性Cさんが入居していてきて、Aさんに対して積極的に話しかけていきます。

ある日、レクリエーションに参加していたとき、男性BさんとCさんは女性Aさんによいところを見せようと、お互い負けず譲らず。結果的に口論に発展してしまいました。その後、2人は陰でお互いの悪口をいうようになり、居づらくなった女性Aさんは、違う老人ホームに移ってしまったのです。

恋愛感情が募ると、相手に対して迷惑をかけてしまうケースがあります。三角関係のバトルが白熱する前に対処したいものです。

ケース②ストーカー化

入居者同士の恋愛で起こってしまうのがストーカー化です。夜中に自分の部屋を抜け出し、好きな人の部屋に忍び込むというケースが実際に起きています。老人ホームは外部に対するセキュリティには敏感ですが、老人ホーム内では比較的自由に行き来できてしまいます。

夜間に突然人が入ってきたら驚いてしまいますし、その後体調を崩してしまう方もいます。転居せざるを得なくなったり、警察沙汰になったりするケースもあるでしょう。

ケース③失恋によるショック

入居者同士の恋愛は上手くいけばよいですが、当然、失恋してしまうケースもあります。若いうちの恋愛でも、失恋によるショックで食事が喉を通らなくなったり、寝込んでしまったりすることがあるでしょう。高齢者の場合は、生きがいや興味を失ったときに「老人性うつ病」になりやすいとされています。失恋のショックで人生の目的を失ってしまうと、塞ぎ込むだけでなく、身体や認知症の症状が悪化してしまうこともあるため注意が必要です。

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老人ホーム内の恋愛に対する家族の対応

老人ホームに入居している家族が恋愛していると知ったら、「いい年をして恥ずかしい」と言いたくなるかもしれません。しかし、まずは入居者の想いを尊重して見守ることが大切です。ここでは、老人ホーム内の恋愛に対する家族の4つの対応を紹介します。

①温かく受け入れる

まず重要なのが、入居者の恋愛を温かく受け入れることです。恋愛をしているおかげで楽しく暮らせていることに感謝し、入居者の想いを否定しないようにしましょう。好きな方の話をしたいようであれば、ゆっくりと聞いてあげるのも大切です。

②慎重に見守る

温かく受け入れると同時に、慎重に見守ることも重要です。なぜなら、先述のとおり、恋愛はトラブルにも発展しやすいからです。お互いに恋愛感情を抱いていればよいですが、一方的に想いを寄せている場合は注意して見守る必要があります。こまめに面会をしたり、話しを聞いたりするとよいでしょう。

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③相手の家族と話しておく

公認の仲になる場合は、相手の家族と話しておくとよいでしょう。なにかあったときに協力しあえるようになります。施設のスタッフにお願いして、顔合わせの機会を作ってもらいましょう。

④施設側に報告・相談しておく

施設側も恋愛感情に気付いているかもしれませんが、気になることがあれば、すぐにスタッフに報告・相談をしてください。恋愛のトラブルを防ぐためには、事前の相談が重要です。問題が起きてしまう前に気にかけてもらいましょう。

老人ホームの恋愛は自然 温かく見守って

いかがだったでしょうか。老人ホームでの恋愛について解説しました。老人ホームでの恋愛のメリットや注意点などについてご理解いただけたかと思います。

入居者同士の恋愛は生きる活力になったり、症状が改善したりするなどメリットがあります。ただ、恋愛トラブルに発展してしまうと取り返しのつかない状況になる可能性も。家族は恋愛を温かく受け入れ、トラブルに発展しないよう慎重に見守りましょう。

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監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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