要支援と要介護の違いとは?7段階の介護度別の状態、受けられるサービス、費用をわかりやすく比較解説

「最近、親の物忘れが多くなってきた」「足腰が弱ってきて、ひとりで買い物に行くのが心配」。ご自身やご家族のことで、このようなお悩みはありませんか?介護が必要になったときに利用できるのが「介護保険サービス」ですが、サービスを受けるためには、まずお住まいの市区町村から「要介護認定」を受ける必要があります。この認定結果は、心身の状態に応じて「要支援1・2」と「要介護1~5」の7段階、そして「非該当(自立)」に分かれます。「要支援」と「要介護」では、ご本人の状態の目安が違うだけでなく、受けられるサービスの種類や目的、利用できる施設、そしてケアプランを作成する担当者まで、さまざまな点が大きく異なります。この違いを正しく理解することが、ご本人に合った適切なサポートを受けるための第一歩です。この記事では、要支援と要介護の根本的な違いから、7段階の介護度別の具体的な状態、利用できるサービス内容と費用の比較まで、図や表を交えながらわかりやすく解説します。ぜひ、今後のサービス利用に向けた情報収集にお役立てください。
要支援と要介護の違いを理解する前に|介護保険制度の基本「要介護認定」とは
介護保険サービスを利用するためには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。これは、介護を必要とする方が、どの程度の介護を必要とする状態にあるのかを客観的に判断するための、非常に重要な手続きです。
介護保険制度は、40歳以上の国民が被保険者(保険加入者)となって保険料を納め、介護が必要になった際に、費用の一部(原則1〜3割)を自己負担することでサービスを利用できる社会保険制度です。このサービスを利用する権利を得るための「ものさし」が要介護認定なのです。
認定は、お住まいの市区町村の窓口に申請することから始まります。申請後、認定調査員による聞き取り調査や、主治医の意見書などをもとに、専門家で構成される「介護認定審査会」で審査・判定が行われ、介護の必要度が決まります。
介護が必要な度合いを示す「要介護度」は7段階
要介護認定の結果、介護が必要な度合いは「要介護度」という指標で示されます。要介護度は、支援が必要なレベルに応じて「要支援1」「要支援2」、そして介護が必要なレベルに応じて「要介護1」から「要介護5」までの、合計7段階に区分されます。
これらに該当しない場合は「非該当(自立)」と判定され、原則として介護保険の給付対象とはならず、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)などの対象となります。
| 区分 | 状態の目安 |
|---|---|
| 非該当(自立) | 介護や支援の必要がなく、自立した生活ができる状態。 |
| 要支援1 | 基本的な日常生活はほぼ自力で可能だが、将来的に介護が必要になることを防ぐための支援(介護予防)が必要な状態。 |
| 要支援2 | 要支援1よりやや支援の必要性が高く、何らかの支えがあれば自立した生活が送れる状態。 |
| 要介護1 | 食事や排泄はほぼ自力で可能だが、立ち上がりや歩行が不安定で、部分的な介護が必要な状態。 |
| 要介護2 | 食事や排泄にも一部介助が必要となり、日常生活の多くの動作で見守りや手助けが必要な状態。 |
| 要介護3 | 食事、排泄、入浴など日常生活の多くの場面で介助が必要。立ち上がりや歩行が自力では困難な状態。 |
| 要介護4 | 介助なしでは日常生活を送ることがほぼ不可能。思考力や理解力の低下が見られる状態。 |
| 要介護5 | 寝たきりなど、生活全般において全面的な介護が必要。意思の疎通も困難な最も重い状態。 |
要介護認定を受けるための申請手続きの流れ
要介護認定を受けるための手続きは、一般的に以下の流れで進められます。申請から結果が通知されるまでには、通常1ヶ月程度かかります。
-
申請
ご本人またはご家族が、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や、地域包括支援センターで申請手続きを行います。申請には、介護保険被保険者証と、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です(※自治体により異なる場合があります)。 -
認定調査と主治医意見書
申請後、市区町村の認定調査員がご自宅などを訪問し、ご本人の心身の状態について聞き取り調査(訪問調査)を行います。同時に、市区町村からご本人の主治医に対し、心身の状態についての意見書(主治医意見書)の作成が依頼されます。 -
一次判定
訪問調査の結果と主治医意見書の一部の項目をコンピュータに入力し、どのくらいの介護の手間が必要かを客観的に算出した「一次判定」が行われます。 -
二次判定(介護認定審査会)
一次判定の結果と、主治医意見書、認定調査の特記事項をもとに、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が審査を行い、最終的な要介護度を判定(二次判定)します。 -
結果の通知
二次判定の結果に基づき、市区町村が要介護度を決定し、ご本人に結果を通知します。通知書には、認定結果(要介護度)や認定の有効期間などが記載されています。
【一覧比較】要支援と要介護の5つの大きな違い
要支援と要介護は、単に状態が軽いか重いかという違いだけではありません。サービスの目的や内容、関わる専門職など、多くの点で根本的に異なります。ここでは、5つの大きな違いについて、わかりやすく比較解説します。
| 比較項目 | 要支援(要支援1・2) | 要介護(要介護1~5) | ||
|---|---|---|---|---|
| ① 目的 | 介護予防 | 心身の状態の維持・改善を目指し、要介護状態になることを防ぐ。 | 生活上の介護 | 自立した日常生活を送れるように、必要な身体介護や生活援助を行う。 |
| ② 状態の目安 | 基本的な日常生活は自分でできるが、部分的に支援が必要。 | 日常生活の様々な場面で介助が必要。 | ||
| ③ サービス内容 | 介護予防サービス | (例:介護予防訪問介護、介護予防通所リハビリテーションなど) | 介護サービス | (例:訪問介護、通所介護(デイサービス)、特別養護老人ホームなど) |
| ④ ケアプラン作成者 | 地域包括支援センターの職員(保健師など) | 原則として居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員) | ||
| ⑤ 利用できる施設 | グループホーム(要支援2から)、ケアハウスなど。特養、老健などには原則入所できない。 | 介護付き有料老人ホーム、特養(原則要介護3から)、老健など、多くの施設が対象。 | ||
①目的の違い:「介護予防」か「生活上の介護」か
最も根本的な違いは、サービスの「目的」です。
要支援の場合
目的は「介護予防」です。現在の心身の状態を維持・改善し、将来的に要介護状態になることを防ぐこと、あるいは要介護状態になるのを遅らせることが重視されます。サービスは、ご本人ができる限り自力で生活できるようになるための支援が中心となります。
要介護の場合
目的は「生活上の介護」です。ご本人の尊厳を保持し、有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、食事や入浴、排泄といった身体的な介助や、調理、掃除などの生活援助を提供することに主眼が置かれます。
②状態の目安の違い:生活能力の低下が部分的か全面的か
要支援と要介護では、想定される心身の状態にも明確な違いがあります。
要支援の状態
食事や排泄、入浴といった基本的な日常生活動作(ADL)は、おおむね自力で行うことができます。しかし、掃除や買い物、薬の管理といった、より複雑な動作(手段的日常生活動作:IADL)の一部に手助けが必要な状態です。いわば、生活能力の低下が「部分的」であると言えます。
要介護の状態
基本的な日常生活動作(ADL)の段階から、何らかの介助が必要となります。要介護度が上がるにつれて、食事、入浴、排泄、着替え、移動など、身の回りのこと全般にわたって介助が必要となり、生活能力の低下が「全面的」になっていきます。
③サービス内容の違い:「介護予防サービス」か「介護サービス」か
サービスの目的が異なるため、提供されるサービスの内容や名称も異なります。
要支援の場合
「介護予防」を目的とした「介護予防サービス」が提供されます。例えば、訪問介護は「介護予防訪問介護」、デイサービスに相当する通所サービスは「介護予防通所介護」やリハビリ中心の「介護予防通所リハビリテーション(デイケア)」といった名称になり、ご本人の能力を活かして自立を促すプログラムが中心となります。
要介護の場合
「生活上の介護」を目的とした「介護サービス」が提供されます。訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)など、ご本人の状態に合わせて、直接的な身体介護や生活援助が提供されます。
④ケアプラン作成者の違い:「地域包括支援センター」か「ケアマネジャー」か
介護サービスを利用するためには、どのようなサービスを、どのくらいの頻度で利用するかを定めた「ケアプラン(介護サービス計画書)」の作成が必要です。このケアプランを作成する担当者が異なります。
要支援の場合
お住まいの地域の高齢者に関する総合相談窓口である「地域包括支援センター」の職員(保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなど)が、「介護予防ケアプラン」を作成します。
要介護の場合
原則として、ご自身で選んだ「居宅介護支援事業所」に所属する「ケアマネジャー(介護支援専門員)」が、「居宅サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。ケアマネジャーは、ご本人やご家族の希望を聞きながら、最適なサービスの組み合わせを提案してくれます。
⑤利用できる施設の違い:入居対象となる施設の種類
介護保険が適用される施設サービス(入所・入居)においても、対象となる要介護度に違いがあります。
要支援の場合
入居できる施設は限られます。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は要支援2から、ケアハウス(軽費老人ホーム)などが主な選択肢です。特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、介護付き有料老人ホームといった、介護が中心となる施設には原則として入所・入居できません。
要介護の場合
要介護1以上であれば、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、多くの施設が選択肢に入ります。特別養護老人ホームは原則として要介護3以上、介護老人保健施設は要介護1以上から入所が可能です。
【介護度別】要支援1・2と要介護1~5の状態の目安を詳しく解説
ここでは、7段階の介護度別に、心身の状態や日常生活の様子をより具体的に見ていきましょう。ご自身やご家族がどの段階に近いか、イメージする際の参考にしてください。
要支援の状態の目安
要支援は、基本的に身の回りのことは自分でできるものの、部分的な支援があれば、より安定した生活が送れ、要介護状態への進行を予防できる状態です。
要支援1の状態
食事や排泄、入浴はほとんど自分ひとりで行えます。しかし、立ち上がりや片足での立位、歩行などにやや不安定さが見られることがあります。掃除や買い物といった複雑な家事の一部に、見守りや手助けが必要な場合があります。「この作業だけ手伝ってもらえれば、あとは自分でできる」という状態が目安です。
要支援2の状態
要支援1の状態に加え、歩行が不安定で杖などの支えが必要になることがあります。入浴時に背中を洗う、爪を切るといった動作に手助けが必要になったり、金銭管理が難しくなったりするなど、日常生活能力の低下が要支援1よりも少し進んだ状態です。適切な支援がなければ、要介護状態になる可能性が高いと判断される状態と言えます。
要介護の状態の目安
要介護は、日常生活の基本的な動作から介助が必要となる状態です。数字が大きくなるほど、必要となる介護の量が増えていきます。
要介護1の状態
要支援2の状態からさらに能力が低下し、排泄や入浴、着替えなどの身の回りの世話のいずれかに部分的な介助が必要となります。立ち上がりや歩行が不安定で、杖や歩行器を使うことが多いです。認知機能の低下により、物忘れや問題行動が見られることもあります。週に数回の訪問介護やデイサービスの利用が必要になるケースが多いです。
要介護2の状態
要介護1の状態に加え、食事を摂ることや、着替え、排泄、入浴などで部分的な介助が必要となります。自力での歩行や立ち上がりが難しくなり、車いすを利用する人も増えてきます。爪切りや金銭管理は自分ひとりで行うのが難しい状態です。理解力の低下など認知症の症状が見られることもあり、日常生活全般で見守りや手助けが欠かせません。
要介護3の状態
食事、排泄、入浴、着替えなど、日常生活のほぼ全ての場面で介助が必要となります。自力で立ち上がったり、歩いたりすることは困難で、多くの時間をベッドの上で過ごすようになります。認知症の症状が進行し、問題行動や意思疎通の困難さが見られる場合もあります。特別養護老人ホームへの入所が検討され始める段階です。
要介護4の状態
要介護3よりもさらに動作能力が低下し、介助なしでは日常生活を送ることがほぼ不可能な状態です。食事や排泄、入浴など、生活全般にわたって全面的な介護が必要です。多くのケースで寝たきりに近い状態となり、思考力や理解力も著しく低下します。意思の疎通が難しくなることも少なくありません。
要介護5の状態
要介護度の中で最も重い状態で、生活のあらゆる場面で全面的かつ常時の介護が必要です。寝たきりの状態で、自力で寝返りをうつことも困難です。食事も介助がなければ摂ることができず、意思の疎通はほぼ不可能な場合が多いです。介護にかかる時間も長く、ご家族だけで介護を続けるのは非常に困難な状態と言えます。
「要支援2」と「要介護1」の判定を分けるポイント
「身の回りのことはだいたいできるけど、少し手伝いが必要」という点で似ているように見える「要支援2」と「要介護1」。この二つの判定を分けるポイントはどこにあるのでしょうか。
主に「状態の安定性」と「認知機能の低下」が重要な判断材料となります。
状態の安定性や思考力・判断能力の低下
要介護認定の審査では、ご本人の状態が安定しているかどうかがひとつのポイントになります。例えば、病気やケガの直後などで、今後数ヶ月のうちに状態が大きく変化する可能性があると判断された場合は、要介護1と判定されやすくなります。これは、状態が不安定な時期には、より手厚い介護サービスが必要になる可能性があるためです。
また、基本的な動作能力はあっても、思考力や判断能力の低下によって、日常生活に支障が出ている場合も要介護1と判定されることがあります。例えば、「薬の管理が自分でできない」「金銭管理ができない」といった状況が、認定に影響します。
認知症高齢者の日常生活自立度
認知症の有無やその程度も、判定を分ける大きな要素です。認定調査では「認知症高齢者の日常生活自立度」という指標が用いられます。この指標は、認知症の症状による生活への支障の度合いをランクで示したものです。
| ランク | 判断基準 | 見られる症状・行動の例 |
|---|---|---|
| I | 何らかの認知症を有するが、日常生活はほぼ自立している。 | - |
| II | 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 | |
| IIa | 家庭外で上記IIの状態が見られる。 | たびたび道に迷う、買い物や事務作業で間違いが多い など |
| IIb | 家庭内でも上記IIの状態が見られる。 | 服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応で間違いがある など |
| III | 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。 | |
| IIIa | 日中を中心として上記IIIの状態が見られる。 | 着替え、食事、排便、排尿がうまくできない、時間がかかる など |
| IIIb | 夜間を中心として上記IIIの状態が見られる。 | 徘徊、失禁、大声をあげる、せん妄 など |
| IV | 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。 | 徘徊、失禁、大声をあげる、暴力行為、介護への抵抗 など |
| M | 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。 | せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神状態に起因する問題行動が継続する状態 など |
一般的に、この指標が「ランクIIa」以上の場合、要介護1と判定される可能性が高まります。家庭の外での活動に支障が出ている状態が、一つの目安となります。
要支援と要介護で利用できるサービス内容と費用の違い
要支援と要介護では、利用できるサービスの種類と、その費用(自己負担額)の上限も異なります。
利用できるサービスの種類を比較
介護保険で利用できるサービスは、大きく分けて「在宅サービス」と「施設サービス」があります。それぞれ、要支援と要介護で利用できる範囲が異なります。
在宅サービスの違い
自宅で生活しながら利用するサービスです。要支援の場合は「介護予防」が目的となるため、サービス名に「介護予防」がつきます。
| サービスの種類 | 要支援で利用できるサービス | 要介護で利用できるサービス | 主な内容の違い |
|---|---|---|---|
| 訪問系サービス | 介護予防訪問介護 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護 介護予防訪問リハビリテーション |
訪問介護(ホームヘルプ) 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 夜間対応型訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
要支援では、ヘルパーが掃除や調理を全て行うのではなく、利用者と一緒に行う「自立支援」が基本。要介護では身体介護(食事、入浴、排泄の介助)も提供される。 |
| 通所系サービス | 介護予防通所介護 介護予防通所リハビリテーション(デイケア) |
通所介護(デイサービス) 通所リハビリテーション(デイケア) 地域密着型通所介護 認知症対応型通所介護 |
要支援では、運動機能向上や栄養改善などのプログラムが中心。要介護では、レクリエーションや入浴、食事などのサービスが中心となる。 |
| 短期宿泊サービス | 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ) 介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ) |
短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) |
目的は同じだが、受け入れ先の施設や利用できる日数が異なる場合がある。 |
施設サービス(入所・入居)の違い
施設に入所・入居して24時間体制のケアを受けるサービスです。原則として、要支援の方は入居できない施設が多くなっています。
| 施設の種類 | 要支援の方 | 要介護の方 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | × 入所不可 | ○ 原則要介護3以上 |
| 介護老人保健施設(老健) | × 入所不可 | ○ 要介護1以上 |
| 介護療養型医療施設・介護医療院 | × 入所不可 | ○ 要介護1以上 |
| 介護付き有料老人ホーム | × 原則入居不可(※) | ○ 要介護1以上 |
| グループホーム | △ 要支援2のみ可 | ○ 要介護1以上 |
| ケアハウス(軽費老人ホーム) | ○ 利用可 | ○ 利用可 |
| ※一部、混合型の有料老人ホームなど、要支援の方が入居できる施設もあります。 | ||
自己負担額と区分支給限度額の違い
介護サービスを利用した際の自己負担額は、かかった費用の原則1割(一定以上の所得のある方は2割または3割)です。また、介護保険から給付される費用には、要介護度ごとに上限額(区分支給限度基準額)が定められています。
介護サービスの自己負担割合は所得に応じて変動
介護サービスの自己負担割合は、ご本人の前年の合計所得金額などに応じて、以下の3段階に分かれます。
- 1割負担
- ほとんどの方が対象
- 2割負担
- 本人の合計所得金額220万円以上で、世帯の年金収入等が一定額以上の方
- 3割負担
- 本人の合計所得金額340万円以上で、世帯の年金収入等が一定額以上の方
負担割合は、毎年見直され、「負担割合証」によって通知されます。
要介護度別の区分支給限度額一覧
区分支給限度基準額は、介護保険を使ってサービスを利用できる上限額のことです。この限度額の範囲内でサービスを利用した場合、自己負担は1割〜3割となりますが、上限を超えてサービスを利用した分は、全額自己負担となるため注意が必要です。
限度額は「単位」で定められており、1単位あたりの単価は地域によって異なりますが、ここでは1単位=10円として計算した目安額を記載します。
| 要介護度 | 区分支給限度基準額(単位/月) | 1ヶ月あたりの利用限度額の目安(1単位=10円の場合) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 50,320円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 105,310円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 167,650円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 197,050円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 270,480円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 309,380円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 362,170円 |
| ※上記は2024年4月改定時点のものです。 | ||
| ※居宅療養管理指導など、一部のサービスは区分支給限度基準額の対象外です。また、施設サービスの費用は仕組みが異なります。 | ||
要支援・要介護の違いを理解して適切なサービス利用を
今回は、要支援と要介護の違いについて、5つの視点や介護度別の状態、利用できるサービスや費用など、多角的に解説しました。
要支援と要介護は、単に状態の軽重を示すだけでなく、サービスの目的から制度上の仕組みまで、多くの違いがあることをご理解いただけたかと思います。この違いを正しく知ることは、ご本人やご家族にとって最適な介護サービスを選択し、より安心した生活を送るための大切な一歩となります。
要介護認定の結果に疑問がある場合は、不服申し立て(審査請求)をすることも可能です。また、心身の状態は変化するため、認定期間中であっても、状態が悪化した際には「区分変更申請」を行うことで、要介護度の見直しができます。
ご自身やご家族の状況に合わせて、どのようなサービスが必要なのか、まずはお住まいの地域の「地域包括支援センター」や、担当の「ケアマネジャー」に相談してみましょう。
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このコラムの監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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