【40代から始める】認知症予防ガイド|食事・運動・脳トレの効果的な方法を専門家が解説

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【40代から始める】認知症予防ガイド|食事・運動・脳トレの効果的な方法を専門家が解説
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「認知症は高齢者の病気」と思っていませんか?実は、認知症の多くを占めるアルツハイマー病の原因物質は、発症する20年以上も前から脳に蓄積し始めるといわれています。つまり、65歳で発症する場合、40代の頃からすでに脳内では変化が始まっている可能性があるのです。

しかし、悲観する必要はありません。近年の研究で、日々の生活習慣を改善することで、認知症の発症リスクを低減させたり、発症を遅らせたりできる可能性が分かってきました。特に、働き盛りで生活が不規則になりがちな40代からの意識的な取り組みが、将来の脳の健康を守るためのカギとなります。

この記事では、認知症予防の三本柱である「食事」「運動」「知的活動」について、今日から誰でも始められる効果的な方法を具体的に解説します。また、年代別のポイントや、万が一認知症になった場合の備えについてもご紹介します。

未来の自分と大切な家族のために、今日からできる「脳の健康習慣」を始めてみませんか。

認知症は予防できる?今日から始めたい生活習慣の改善

生活習慣の改善で発症リスクは低減できる

現在、認知症を完全に予防したり、治したりする薬はまだ開発されていません。しかし、国際的な医学雑誌「ランセット」の委員会が2020年に発表した報告によると、生活習慣に関わる複数のリスク因子を改善することで、認知症の発症を約40%予防できる可能性があると示されています。

つまり、認知症は「治す」ことは現時点では難しくても、「発症を遅らせる」「発症リスクを下げる」ことは可能であると考えられています。そして、その鍵を握るのが、私たち一人ひとりの生活習慣の見直しなのです。

認知症のリスクを高める12の要因

認知症の発症には、年齢や遺伝といった変えられない要因のほかに、自らの努力で改善できる要因が複数関わっています。先述した「ランセット」の報告では、以下の12項目がリスク因子として挙げられています。

高血圧
中年期(40~64歳)の高血圧は、脳の血管に負担をかけ、血管性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクを高めます。
糖尿病
血糖値が高い状態が続くと血管が傷つき、脳の血流が悪化することで認知症のリスクが上昇します。
肥満
中年期の肥満(BMI30以上)は、高血圧や糖尿病など他のリスク因子にもつながります。
過度の飲酒
長期間の多量飲酒は脳を萎縮させ、アルコール性認知症の原因になるほか、他の認知症のリスクも高めます。
喫煙
喫煙は動脈硬化を促進し、脳の血流を悪化させるため、認知症の強いリスク因子です。
運動不足
身体を動かさない生活は、脳の血流低下や生活習慣病を招き、認知機能の低下につながります。
社会的孤立
人との交流が乏しい状態は、脳への刺激を減らし、認知症のリスクを高めることが分かっています。
うつ病
うつ状態は脳の神経伝達物質に影響を与え、認知機能低下の一因となる可能性があります。
難聴
中年期の難聴を放置すると、コミュニケーションが減り、脳への情報入力が少なくなるため、認知症のリスクが上がります。
頭部外傷
過去に意識消失を伴うような頭部の怪我を経験していると、将来の認知症リスクが高まることが指摘されています。
大気汚染
大気汚染物質に長期間さらされることが、脳の炎症などを通じて認知症リスクに関連する可能性が研究されています。
教育歴
若年期(20歳未満)の教育期間が短いこともリスク因子の一つとされていますが、生涯を通じた学習や知的活動で補うことが可能です。

認知症予防は何歳から?40代からの対策がカギ

なぜ、認知症予防は40代から始めることが重要なのでしょうか。それは、アルツハイマー型認知症の主な原因と考えられている異常なたんぱく質「アミロイドβ」が、症状が出る20年以上も前から静かに脳内に蓄積し始めるからです。

例えば、65歳でアルツハイマー型認知症を発症した場合、その原因となる変化は45歳頃から脳の中で始まっていた可能性があるのです。脳の機能低下には、まさに40代頃の生活習慣が大きく影響します。

まだ体力や気力があり、生活習慣を大きく見直すことができる40代のうちから予防に取り組むことが、将来の認知症発症リスクを抑える上で非常に効果的だといえます。

認知症予防の三本柱|食事・運動・知的活動のポイント

認知症予防の基本は、「食事」「運動」「知的活動(社会参加)」の3つをバランス良く生活に取り入れることです。どれか一つだけを頑張るのではなく、複数を組み合わせることが脳の健康維持につながります。

【食事編】認知症予防に効果的な食べ物と食習慣

毎日の食事が、私たちの体だけでなく脳も作っています。生活習慣病を予防する食生活が、そのまま認知症予防の基礎となります。

基本は減塩とバランスの取れた食事

まずは、高血圧の大きな原因となる塩分の過剰摂取を見直すことが基本です。また、血糖値の急上昇を招く糖質の摂りすぎにも注意が必要です。

特定の食品に偏るのではなく、魚、肉、野菜、きのこ、海藻、大豆製品など、多様な食品を組み合わせ、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事を1日3食、規則正しく摂ることを心がけましょう。

積極的に摂りたい食品と栄養素

認知症予防に効果が期待される研究報告がある食品や栄養素を、日々の食事に意識して取り入れてみましょう。

栄養素 含まれる食品の例 期待される効果
DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸) サバ、イワシ、サンマなどの青魚 脳の神経細胞の働きを助ける、動脈硬化を防ぐ
ビタミン類(特にビタミンE、C、B群) 緑黄色野菜、果物、ナッツ類 脳細胞の酸化(老化)を防ぐ抗酸化作用
ポリフェノール 大豆製品、緑茶、ベリー類、カカオ 抗酸化作用、脳機能の維持

これらの食品を多く含む「地中海式食事法」は、認知機能の低下を抑制する効果があるという研究結果が複数報告されています。

よく噛む(咀嚼)ことの重要性

「よく噛む」という行為は、脳への血流を増やし、記憶などをつかさどる海馬を活性化させることが分かっています。一口30回を目安に、噛みごたえのある食材を選んだり、食材を少し大きめに切ったりする工夫も有効です。

認知症リスクを高めるアルコールとの付き合い方

長期間にわたる過度な飲酒は、脳を萎縮させ、アルコール性認知症の直接的な原因となります。厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」として、1日平均純アルコールで20g程度(ビール中瓶1本、日本酒1合に相当)という量を示しています。休肝日を設け、飲む場合はこの量を超えないようにするなど、上手な付き合い方を心がけましょう。

【運動編】無理なく続けられる認知症予防運動

運動は、脳の血流を改善し、神経細胞の成長を促すなど、認知症予防に欠かせない要素です。激しい運動である必要はなく、「継続」することが最も大切です。

有酸素運動(ウォーキングなど)を習慣に

ウォーキング、軽いジョギング、水泳などの有酸素運動は、手軽に始められるおすすめの運動です。「ややきつい」と感じるくらいの強度で、1回30分以上、週に2~3回以上を目標に習慣にしましょう。景色を楽しみながら外を歩くことは、気分転換にもなります。

ながら運動で脳を刺激する「コグニサイズ」とは

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発した、運動と認知課題(計算やしりとりなど)を組み合わせた認知症予防のためのエクササイズです。運動と脳トレを同時に行うことで、より効果的に脳を活性化させます。

しりとりウォーキング
ウォーキングをしながら、しりとりをします。一人でも、家族や友人と一緒でも楽しめます。
計算ステップ
足踏みをしながら、100から3ずつ順番に引き算していきます。(例:100, 97, 94...)

ポイントは、課題が簡単すぎず、時々間違えてしまうくらいの「少し難しい」レベルに挑戦することです。

地域の介護予防事業やサークルへの参加

一人で運動を続けるのが難しい場合は、自治体が行っている介護予防教室や、地域の体操サークルなどに参加するのも良い方法です。仲間と一緒に運動することで、楽しく続けられるだけでなく、社会的な交流の機会にもなります。

【知的活動・コミュニケーション編】脳を活性化させる方法

脳は使わなければ衰えていきます。日々の生活の中で、意識的に脳に刺激を与えることが大切です。

趣味や社会活動で脳に刺激を

囲碁や将棋のように先を読んで戦略を考えるゲームや、手芸、楽器演奏、絵画など、指先を使いつつ手順を考える活動は、脳の様々な領域を刺激するため非常に効果的です。また、読書や料理なども手軽に始められる良い知的活動です。

重要なのは、自分が「楽しい」と感じられる活動を生活に取り入れることです。ボランティアや地域の活動に参加し、社会的な役割を持つことも、脳の活性化につながります。

人との会話が最大の脳への刺激

どのような脳トレよりも効果的なのが、人とのコミュニケーションです。相手の話を聞いて理解し、自分の考えを言葉にして伝えるという会話の一連の流れは、脳を活発に使います。家族や友人との会話を楽しみ、積極的に社会活動に参加することが、最高の認知症予防になります。

ストレスを上手にコントロールする

慢性的なストレスは、脳の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。趣味に没頭する時間を作ったり、適度な運動でリフレッシュしたりと、自分なりのストレス解消法を見つけて、心穏やかに過ごすことを心がけましょう。

【年代別】認知症予防で意識したいポイント

認知症予防は、どの年代から始めても遅すぎることはありません。しかし、年代ごとに特に意識したいポイントがあります。

30代~40代の予防法

生活習慣病のリスクが出始める年代です。まずは年に一度、健康診断をきちんと受け、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの数値を把握し、リスクの早期発見・管理につなげることが最優先です。食生活の見直しや、運動習慣の定着を目指しましょう。

50代~60代の予防法

体力や認知機能の維持を意識する時期です。これまでの生活習慣の改善を継続するとともに、趣味や地域活動への参加など、新しい知的活動や社会とのつながりを積極的に作ることが重要になります。定年後の生きがいを見つけることも、脳の活性化につながります。

70代以降の予防法

持病の管理をしっかりと行いながら、筋力低下や心身の活力が低下した状態(フレイル)を防ぐことが大切です。無理のない範囲での運動を続け、バランスの良い食事で栄養をしっかり摂りましょう。社会的な孤立を防ぎ、日々の生活に楽しみや役割を見つけることが、心身の健康を保つ秘訣です。

もし認知症になったら?早期発見・早期対応の重要性

予防を心がけていても、認知症を発症することは誰にでもあり得ます。大切なのは、変化に早く気づき、適切な対応を始めることです。早期に発見し対応することは、症状の進行を緩やかにし、ご本人やご家族がより長く穏やかな生活を送るために不可欠です。

家族や本人が気づく認知症の初期症状の例

  • 同じことを何度も言ったり聞いたりする
  • 物の置き忘れが目立ち、「誰かに盗られた」と思い込むことがある
  • 慣れているはずの作業(料理、買い物など)で段取りが悪くなる
  • 趣味や好きだったことへの興味や関心が薄れる
  • ささいなことで怒りっぽくなるなど、人柄が変わったように感じる

まずはかかりつけ医や専門の医療機関に相談

「もしかして?」と感じたら、まずは日頃から健康状態をよく知るかかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて、認知症を専門とする「もの忘れ外来」や、都道府県などが指定する「認知症疾患医療センター」などを紹介してもらえます。

国の対策と地域の支援体制

国は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を基礎として、2019年に「認知症施策推進大綱」を策定しました。これは、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」と、発症を遅らせる「予防」を両輪として施策を進めるものです。

この大綱に基づき、各市町村には「認知症初期集中支援チーム」が設置されています。専門家が自宅を訪問し、医療や介護に関する初期の支援を集中的に行う取り組みも進んでいます。

家族の協力と理解が不可欠

ご本人が診断を受け入れるのは、簡単なことではありません。ご家族は、ご本人の不安な気持ちに寄り添い、決して責めずに、一緒に今後のことを考えていく姿勢が大切です。

参考:知っておきたい認知症の主な種類と原因

認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。

アルツハイマー型認知症

脳に「アミロイドβ」などの異常なたんぱく質がたまることで神経細胞が壊れ、脳が萎縮していく病気です。もの忘れ(記憶障害)から始まることが多く、認知症の中で最も患者数が多いタイプです。

血管性認知症

脳梗塞や脳出血といった脳血管障害が原因で起こります。脳のダメージを受けた場所によって症状が異なり、できることとできないことが混在する「まだら認知症」が特徴です。

レビー小体型認知症

脳に「レビー小体」という特殊なたんぱく質が現れることで発症します。実際にはないものが見える「幻視」や、手足の震え、歩きにくさといったパーキンソン症状が特徴として現れやすいタイプです。

前頭側頭型認知症

脳の前方にある前頭葉と側頭葉が萎縮することで起こります。人格の変化や社会性の欠如、同じ行動を繰り返すといった症状が目立ちます。

認知症や介護のご不安は「笑がおで介護紹介センター」へ

認知症の予防に取り組んでいても、ご自身やご家族の将来に不安を感じることはあるかと思います。「もし介護が必要になったらどうしよう」「どんな施設があるのか知っておきたい」など、少しでも気になることがあれば、ぜひ専門家にご相談ください。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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