フレイルとは?健康寿命を延ばすために知っておきたい原因・症状・予防法

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フレイルとは?健康寿命を延ばすために知っておきたい原因・症状・予防法

「最近、疲れやすくなった」「歩くのが遅くなった気がする」と感じていませんか?それは年齢のせいだけではなく、「フレイル」という心身の活力が低下した状態のサインかもしれません。フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、放置すれば介護が必要になるリスクが高まります。しかし、フレイルは早く気づき、適切な対策をすれば、元の健康な状態に戻れる可能性があります。この記事では、健康寿命を延ばす鍵となるフレイルについて、その原因から自分でできるチェック方法、効果的な予防法までを詳しく解説します。

フレイルとは?健康と要介護の中間にあたる「虚弱」な状態

フレイルとは、英語の「Frailty(虚弱)」が語源の言葉です。加齢に伴って心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下し、要介護状態に陥りやすい「虚弱」な状態を指します。多くの人は「健康」か「要介護」かの二択で考えがちですが、フレイルはその中間に位置する段階です。

適切な対策で健康な状態に戻れる可能性がある

フレイルの最も重要な特徴は、単なる老化現象と異なり、「可逆性」、つまり元の健康な状態に戻る可能性があるという点です。早い段階でフレイルのサインに気づき、「栄養」「運動」「社会参加」の3つの柱を意識した適切な対策を行うことで、心身の機能を維持・向上させ、健康な状態へと改善することが期待できます。

放置すると要介護状態になるリスクが高まる

一方で、フレイルの状態を「もう年だから仕方ない」と放置してしまうと、様々な機能低下が連鎖的に起こり、要介護状態へ移行するリスクが著しく高まります。転倒・骨折や病気といった、ささいなきっかけで一気に生活機能が低下してしまう可能性があります。フレイルは、健康寿命を延ばすための重要な気づきのサインなのです。

フレイルの3つの側面|身体・精神・社会的なつながり

フレイルは、単に身体的な問題だけではありません。「身体的」「精神的・心理的」「社会的」という3つの側面が、互いに密接に影響し合って進行すると考えられています。

身体的フレイル|運動機能の低下、サルコペニア

フレイルの中心的な要素が、筋力や活動量の低下といった身体的な虚弱です。

筋力の低下 : 歩くのが遅くなる、重いものが持てなくなる、立ち上がりにくくなる。
活動量の低下 : 外出する機会が減り、家の中で過ごすことが多くなる。
体重の減少 : 食事の量が減り、意図せず体重が落ちてしまう。

特に、加齢に伴い筋肉量が減少して筋力が低下する「サルコペニア」は、身体的フレイルの最大の原因とされています。

精神的・心理的フレイル|認知機能の低下、うつ

心の健康状態もフレイルに大きく影響します。

認知機能の低下 : 物忘れが増える、判断力が低下するなど、認知症の前段階ともいえる状態です。
抑うつ : 気分が落ち込み、何事にも興味や意欲がわかなくなる状態。「もう年だ」というネガティブな感情が活動意欲を低下させ、他のフレイルを悪化させる要因になります。

社会的フレイル|孤立、閉じこもり

人や社会とのつながりが希薄になることも、フレイルの重要な側面です。

社会的な孤立 : 定年退職や、配偶者・友人との死別などをきっかけに、社会との交流が減ってしまう状態。
閉じこもり : 外出の機会が減り、他者とのコミュニケーションがなくなることで、心身への刺激が減り、フレイルが進行しやすくなります。

これら3つの側面は、「身体機能が落ちて外出が億劫になる(身体的)→人と会わなくなり孤立する(社会的)→気分が落ち込む(精神的)→さらに活動しなくなる」というように、悪循環を生み出してフレイルを進行させてしまいます

フレイルの主な原因|加齢とサルコペニアの関係

フレイルが進行する背景には、加齢に伴う様々な要因が複雑に絡み合っています。

筋肉量が減少する「サルコペニア」が大きく影響

フレイルの最も大きな原因であり、中核をなすのが「サルコペニア」です。サルコペニアとは、加齢によって筋肉の量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態を指します。筋肉は体を動かすだけでなく、体温を維持したり、糖の代謝を助けたりする重要な役割を担っています。サルコペニアが進行すると、歩行能力が低下して転倒しやすくなるなど、フレイルの悪循環に陥りやすくなります。

低栄養や運動不足、社会との関わりの減少

サルコペニアの進行には、加齢だけでなく、次のような生活習慣も大きく関わっています。

低栄養 : 食事量が減ったり、筋肉の材料となる肉や魚などのタンパク質が不足したりすると、サルコペニアを助長します。
運動不足 : 体を動かさないと筋肉は衰えます。活動量の低下が、さらなる筋力低下を招きます。
社会との関わりの減少 : 外出機会が減ると運動不足になりがちです。また、一人で食事をする「孤食」が増えると、食事内容が偏り、低栄養に陥りやすくなります。

これらの要因が重なり合うことで「フレイル・サイクル」という悪循環が生まれ、坂道を転がり落ちるようにフレイルが進行していきます。

もしかしてフレイル?すぐにできるセルフチェックリストで早期発見

フレイルは早期発見と早期対応が何よりも大切です。ご自身やご家族がフレイルの状態にないか、簡単なチェックリストで確認してみましょう。

自分でできる「イレブンチェック」

東京大学高齢社会総合研究機構が開発した、生活習慣に関する11の質問です。はい・いいえで答え、フレイルのリスクを確認しましょう。

No. 質問項目 回答
1 ほぼ同じ年齢の同性と比較して、健康に気をつけた食事を心がけていますか? はい・いいえ
2 野菜料理と主菜(肉または魚)を両方とも、毎日2回以上は食べていますか? はい・いいえ
3 ささやかな仕事やボランティア、趣味の活動をしていますか? はい・いいえ
4 「お達者ですね」と言われますか? はい・いいえ
5 「足腰が痛い」と言って、外出を控えることがありますか? はい・いいえ
6 もの忘れが気になりますか? はい・いいえ
7 ウォーキングなど、汗をかく運動を週に1回以上していますか? はい・いいえ
8 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか? はい・いいえ
9 昨年と比べて、外出の回数が減っていますか? はい・いいえ
10 転んだことがありますか? はい・いいえ
11 口の渇きが気になりますか? はい・いいえ

<判定方法>

以下の点数が高いほど、フレイルの危険性が高いと判断されます。

質問1~4で「いいえ」と答えた項目の数
質問5~11で「はい」と答えた項目の数

5つの項目で評価する「フレイルの診断基準(J-CHS基準)」

こちらは、日本の実情に合わせて作られた、より専門的な基準です。以下の5項目のうち、
3つ以上当てはまると「フレイル」、 1~2つ当てはまるとその前段階の「プレフレイル」と判断されます。

体重減少 : 意図せず、この6ヶ月間で2kg以上の体重減少がありましたか?
筋力低下 : 握力が、男性28kg未満、女性18kg未満ですか?
疲労感 : (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがしますか?
歩行速度の低下 : 歩く速さが、秒速1.0m未満ですか?
身体活動量の低下 : 「軽い運動・体操をしていますか?」「定期的な運動・スポーツをしていますか?」の両方の質問に「いいえ」と答えますか?

健康寿命を延ばす!今日から始めるフレイル予防・改善の3つの柱

フレイルの予防・改善には、「栄養」「運動」「社会参加」の3つの柱をバランスよく実践することが不可欠です。

柱1:栄養|バランスの良い食事とタンパク質の積極的な摂取

筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂ることが、サルコペニア予防の基本です。あっさりしたものばかりでなく、肉、魚、卵、大豆製品などを意識して毎日の食事に取り入れましょう。

合言葉は「さあ、にぎやかにいただく」

多様な食品をバランスよく食べることが大切です。1日に10種類の食品群を摂ることを目標にする、覚えやすい合言葉があります。

油(油脂類)
牛乳・乳製品
野菜
海藻
いも類
大豆・大豆製品
果物

まずはこの10食品群のうち、 1日に7品目以上を食べることを目標に、彩り豊かな食卓を目指しましょう。

柱2:運動|ウォーキングや少しの筋トレを習慣に

運動は、筋肉の減少を防ぎ、心肺機能やバランス能力を高めます。無理のない範囲で、生活に運動を取り入れる習慣をつけましょう。

有酸素運動 : ウォーキング、ラジオ体操など、少し息が弾むくらいのペースで、1日20分以上が目安です。
筋力トレーニング : スクワットやかかと上げなど、大きな負荷は不要です。ゆっくりとした動作で行いましょう。
その他 : ストレッチやバランス運動も、転倒予防に効果的です。

体調が悪い日は無理せず休み、仲間と一緒に行ったり、カレンダーに記録をつけたりするなど、楽しく安全に続ける工夫も大切です。

柱3:社会参加|趣味やボランティアで社会とつながる

人との交流や、社会の中で役割を持つことは、心にハリを与え、生活全体の活性化につながります。

趣味のサークルや地域のイベントに参加する
友人や家族と定期的に会話を楽しむ
ボランティア活動に参加する
デイサービスなどを利用する

どんな形でも構いません。意識的に外に出て、誰かと話す機会を作ることが、心身の健康に良い影響を与えます。

フレイルと診断されたら?専門家と連携した改善アプローチ

セルフチェックでフレイルの可能性が高いと感じたり、医療機関で診断されたりした場合は、専門家と連携することが大切です。

かかりつけ医への相談と専門家の指導

まずはかかりつけ医に相談しましょう。高血圧などの持病がフレイルに影響している場合があるため、持病のコントロールが第一歩です。必要に応じて、理学療法士による運動指導や、管理栄養士による栄養指導など、専門的なアプローチを受けることが効果的です。

肺炎球菌ワクチン接種など感染症の予防

フレイルの状態では、肺炎などの感染症が重症化しやすく、それをきっかけに一気に要介護状態に陥るリスクがあります。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種し、感染症を予防することも非常に重要です。

フレイル予防を考えた住まい探しは「笑がおで介護紹介センター」へ

「一人暮らしで、フレイル予防を実践するのが難しい」「家族のフレイルが心配」そんなお悩みをお持ちなら、「笑がおで介護紹介センター」にご相談ください。

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監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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