居宅介護サービスとは?全19種類のサービス内容・料金・利用の流れを一覧でわかりやすく解説

「親の介護が必要になったけど、施設には入らずに家で見てあげたい」「自宅で受けられる介護サービスって、どんな種類があるの?」住み慣れた自宅での生活を続けたいと願う高齢者やそのご家族にとって、心強い味方となるのが「居宅介護サービス」です。これは、自宅を生活の拠点としながら、専門スタッフのサポートを受けられる介護保険サービスのことです。この記事では、自宅での生活を支える中心となる「居宅介護支援」と、具体的な18種類のサービスを合わせた計19種類の居宅介護サービスについて、サービス内容から料金、利用開始までの流れを一覧で分かりやすく解説します。この記事を読めば、ご自身やご家族の状況に合わせて、どのようなサービスを組み合わせれば良いのか、具体的なイメージが掴めるはずです。
居宅介護サービスとは?自宅で生活しながら受けられる介護保険サービス
居宅介護サービスとは、要介護認定を受けた方が、現在の住まいで生活を続けながら利用できる介護保険サービス全般を指します。専門のスタッフが自宅に来てくれる「訪問型」や、日帰りで施設に通う「通所型」など、様々な種類があり、利用者の心身の状態や希望に応じて、これらを組み合わせて利用するのが一般的です。あくまで「居宅(自宅)」での生活を継続することが前提となっており、施設に入居して受ける「施設サービス」とは区別されます。
「居宅介護」と「在宅介護」の違い
「居宅介護」と「在宅介護」はよく似た言葉ですが、少し意味合いが異なります。
- 居宅介護サービス
- 介護保険法にもとづく、公的なサービスの種類を指す「制度上の言葉」です。訪問介護やデイサービスなど、具体的なサービスメニューの総称です。
- 在宅介護
- 施設に入居せず、自宅で介護を受けるという「生活のスタイル」を指す、より広い意味を持つ言葉です。家族だけの介護も、介護サービスを利用した介護も、すべて「在宅介護」に含まれます。
つまり、「在宅介護という生活スタイルを支えるための具体的な手段が、居宅介護サービスである」と理解すると分かりやすいでしょう。
居宅介護サービスの要「居宅介護支援(ケアプラン作成)」
各種サービスを利用する前に、まずサービスの利用計画書である「ケアプラン」を作成する必要があります。このケアプラン作成を担うのが「居宅介護支援」サービスです。
- 居宅介護支援(ケアプラン作成)
- ケアマネジャー(介護支援専門員)が、利用者や家族の希望を聞きながら、心身の状態に合ったケアプランを作成します。サービス事業者との連絡・調整や、要介護認定の更新申請代行なども行います。ケアプラン作成にかかる費用の自己負担は、全額介護保険から給付されるためありません。
【種類別一覧】介護保険が適用される居宅介護サービス(全18種類)
居宅介護サービスは、その提供形態によって大きく5つのカテゴリーに分けられます。ここでは、それぞれのサービス内容を一覧でご紹介します。
自宅にヘルパーなどが訪問するサービス
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴・排泄などの「身体介護」や、調理・掃除・買い物などの「生活援助」を行います。
- 訪問入浴介護
- 自宅の浴槽での入浴が困難な方のために、看護職員と介護職員が専用の浴槽を積んだ入浴車で訪問し、入浴の介助を行います。
- 訪問看護
- 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示のもとで病状の観察、点滴や褥瘡(じょくそう)の処置といった医療的ケア、服薬管理などを行います。
- 訪問リハビリテーション
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といった専門家が自宅を訪問し、心身機能の維持・回復や日常生活の自立を支援するためのリハビリを行います。
- 居宅療養管理指導
- 医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士などが自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行います。薬の飲み方の指導や、栄養バランスの取れた食事のアドバイスなどが受けられます。
- 夜間対応型訪問介護
- 夜間帯(おおむね22時~翌6時)に特化した訪問介護サービスです。定期的な巡回と、利用者からの通報に応じて随時訪問するサービスを組み合わせて提供されます。(地域密着型サービス)
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 日中・夜間を問わず、定期的な訪問介護と随時の対応、さらに看護師による訪問看護を一体的に受けられるサービスです。24時間安心して在宅生活を送りたい方に適しています。(地域密着型サービス)
※地域密着型サービスは、原則としてお住まいの市区町村の住民が対象です。
施設に通って利用するサービス
- 通所介護(デイサービス)
- 日帰りで施設に通い、食事や入浴の提供、機能訓練、レクリエーションなどを受けられます。利用者の心身機能の維持向上だけでなく、社会的孤立感の解消や家族の介護負担軽減も目的としています。
- 認知症対応型通所介護
- 認知症の方を対象とした専門的なケアを提供するデイサービスです。少人数の家庭的な雰囲気の中で、認知症の症状緩和や進行抑制を目指したプログラムが提供されます。(地域密着型サービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 介護老人保健施設や病院などに通い、医師の指示のもとで理学療法士などによる専門的なリハビリテーションを受けられます。デイサービスよりも医療的なケアや機能回復訓練に重点が置かれています。
- 地域密着型通所介護
- 定員18人以下の小規模なデイサービスです。きめ細やかなサービスを提供しやすく、利用者同士が馴染みの関係を築きやすいのが特徴です。(地域密着型サービス)
短期間施設に宿泊するサービス
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 特別養護老人ホームなどの施設に短期間宿泊し、食事、入浴、排泄などの介護サービスを受けられます。介護者の休息(レスパイトケア)や、病気・出張などで一時的に介護ができない場合に利用されます。
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
- 介護老人保健施設や療養病床を持つ病院などに短期間宿泊し、介護に加えて看護、医学的管理下での機能訓練などの医療的ケアを受けられます。医療ニーズの高い方が対象です。
「訪問・通い・泊まり」を柔軟に組み合わせるサービス
- 小規模多機能型居宅介護
- 「通い(デイサービス)」を中心に、利用者の希望や状況に応じて「訪問(ヘルパー)」や「泊まり(ショートステイ)」を柔軟に組み合わせて利用できるサービスです。一つの事業所と契約するため、顔なじみのスタッフから一貫したケアを受けられます。(地域密着型サービス)
- 看護小規模多機能型居宅介護(カンタキ)
- 小規模多機能型居宅介護に「訪問看護」の機能が加わったサービスです。医療ニーズの高い方でも、住み慣れた地域で生活を続けられるよう支援します。(地域密着型サービス)
生活環境を整えるサービス
- 福祉用具貸与(レンタル)
- 介護用ベッド、車いす、歩行器、手すり(工事不要なもの)など、日常生活の自立を助けるための福祉用具をレンタルできます。
- 特定福祉用具購入
- レンタルになじまない、入浴や排泄に用いる福祉用具(ポータブルトイレ、シャワーチェアなど)を購入した際に、年間10万円を上限として購入費の補助が受けられます。
- 住宅改修費の支給
- 自宅での生活の安全を確保するために、手すりの設置や段差の解消、床材の変更などの住宅改修を行った際に、20万円を上限として費用の補助が受けられます。
居宅介護サービスを利用できる対象者
居宅介護サービスは、介護保険の被保険者であれば誰でも利用できるわけではありません。利用できるのは、お住まいの市区町村から要介護認定を受けた方です。
要介護1〜5の認定を受けた方
この記事で紹介した「居宅介護サービス」を原則としてすべて利用できるのは、「要介護1~5」の認定を受けた方です。どのサービスをどのくらい利用するかは、ケアプランに基づいて決定されます。
要支援1・2の方向けの介護予防サービス
「要支援1・2」の認定を受けた方は、要介護状態になることを防ぎ、自立した生活を支援するための「介護予防サービス」を利用します。サービス内容は居宅介護サービスと似ていますが、目的や内容が要支援者向けに調整されています。
※要支援の方のケアプラン作成は、原則として地域包括支援センターが担います。
居宅介護サービス利用開始までの簡単4ステップ
実際に居宅介護サービスを利用するまでの流れは、以下の4つのステップで進みます。
- ステップ1:お住まいの市区町村で要介護認定を申請する
- まずは市区町村の役所の介護保険担当窓口や、地域包括支援センターで「要介護認定」の申請を行います。申請後、認定調査員による訪問調査や、主治医の意見書などをもとに介護の必要度が判定されます。
- ステップ2:ケアプラン作成を依頼する
- 要介護認定を受けたら、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーに、どのようなサービスを組み合わせるかの計画書である「ケアプラン」の作成を依頼します(居宅介護支援)。ケアマネジャー選びは、今後の在宅介護を左右する重要なポイントです。
- ステップ3:利用したいサービス事業者と契約する
- 完成したケアプランに基づき、実際にサービスを提供する訪問介護事業所やデイサービスセンターなどの事業者と個別に契約を結びます。サービス内容や料金などをよく確認し、納得した上で契約しましょう。
- ステップ4:サービスの利用を開始する
- 事業者との契約が完了したら、いよいよサービスの利用がスタートします。利用開始後も、心身の状態の変化に合わせて、ケアマネジャーと相談しながらケアプランを随時見直していきます。
居宅介護サービスの費用はいくら?自己負担額と利用限度額
自己負担は原則1割(所得に応じて2割〜3割)
介護保険サービスを利用した際の自己負担額は、かかった費用の原則1割です。ただし、一定以上の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割の負担となります。
要介護度別の区分支給限度基準額(利用限度額)一覧
介護保険では、要介護度ごとに1ヶ月に利用できるサービスの費用に上限(区分支給限度基準額)が設けられています。
| 要介護度 | 区分支給限度基準額(1ヶ月あたり) | 自己負担額の目安(1割負担の場合) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 | 約5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 約10,531円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 約16,765円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 約19,705円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 約27,048円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 約30,938円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 約36,217円 |
※2024年時点の金額(1単位10円で計算)です。地域によって単位数や金額は異なります。
限度額を超えた分は全額自己負担になる
区分支給限度基準額を超えてサービスを利用することも可能ですが、超過した分は全額自己負担となります。ケアプランを作成する際は、この限度額内に収まるように計画するのが基本です。
食費やおむつ代など介護保険適用外の費用
デイサービスでの食費やおやつ代、ショートステイの滞在費や食費、おむつ代などの日常生活費は介護保険の適用外となり、全額自己負担となります。
居宅介護サービスを利用するメリットとデメリット
メリット
- 住み慣れた自宅で自分らしい生活を続けられる
- 最大のメリットは、環境を変えることなく、愛着のある自宅で生活を続けられることです。自分のペースで暮らし、家族や地域とのつながりを維持できます。
- 家族の介護による心身の負担を軽減できる
- 介護のプロである専門職の手を借りることで、介護を担う家族の身体的・精神的な負担を大きく軽減できます。家族が自分の時間を持てるようになり、共倒れを防ぎます。
- 必要なサービスを自由に選択・組み合わせできる
- 多種多様なサービスの中から、自分に必要なものだけを選んで、オーダーメイドのケアプランを作成できます。心身の状態の変化に応じて、柔軟に内容を見直すことも可能です。
デメリット
- 24時間体制の介護には対応しにくい
- 複数のサービスを組み合わせても、切れ目のない24時間体制のケアを構築するのは難しい場合があります。夜間の緊急時対応には限界があります。
- 家族の協力やある程度の負担は必要
- サービスを利用しても、家族による見守りや身の回りの世話、緊急時の対応など、ある程度の協力は不可欠です。介護から完全に解放されるわけではありません。
- 住宅の状況によっては利用できないサービスがある
- 自宅の構造や設備によっては、訪問入浴の浴槽が搬入できなかったり、介護ベッドを置くスペースがなかったりするなど、利用したいサービスが使えないケースがあります。
在宅介護が難しくなったら施設への入居も選択肢に
在宅介護の限界を感じる時とは
医療的ケアの必要性が高まった、認知症の症状が進行して目が離せなくなった、介護者の体力が限界に達したなど、在宅での生活継続が困難になる時が訪れることもあります。
施設入居を検討するタイミング
在宅介護に限界を感じ始めたら、それは施設入居を具体的に検討するタイミングかもしれません。決して在宅介護の「失敗」ではなく、ご本人と家族がより安全で安心な生活を送るための「前向きな選択」と捉えることが大切です。
老人ホーム・介護施設の種類と特徴
24時間体制の介護が受けられる「介護付き有料老人ホーム」や、費用を抑えやすい「特別養護老人ホーム」、自立度の高い方向けの「サービス付き高齢者向け住宅」など、施設には様々な種類があります。それぞれの特徴を理解し、本人の状態に合った場所を選ぶことが重要です。
居宅介護サービスや施設探しのご相談は「笑がおで介護紹介センター」へ
「たくさんのサービスがあって、どれを選べばいいか分からない」「在宅介護を続けるか、施設を探すか迷っている」そんな時は、一人で悩まずに私たちにご相談ください。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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