年金だけで介護費用は足りる?老後資金の不安を解消する具体的な準備方法

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年金だけで介護費用は足りる?老後資金の不安を解消する具体的な準備方法

「老後の生活費は年金だけでもなんとかなるだろうか」「もし介護が必要になったら、年金だけで費用を賄えるのだろうか」といった不安をお持ちの方は少なくないでしょう。結論から申し上げると、多くの場合、残念ながら公的年金だけで介護費用を含めた老後の生活のすべてを賄うのは難しいのが現実です。生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる費用は一時的な初期費用だけで平均74万円、月々の費用も平均で8.3万円かかるとされています。一方で、年金の平均受給額は働き方によって大きく異なります。この記事では、介護にかかる費用の平均額や年金の受給額の実態をデータに基づいて解説し、年金だけでは不足する金額をシミュレーションします。さらに、公的な負担軽減制度や、今から始められる具体的な資産形成の方法もご紹介します。老後の資金に対する漠然とした不安を解消し、具体的な準備を始めるための一歩として、ぜひ最後までお読みください。

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そもそも介護費用は平均でいくらかかるのか

介護には一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか。介護を受ける場所によって費用は大きく異なります。「在宅介護」と「施設介護」それぞれの費用の目安を見ていきましょう。

在宅介護でかかる費用の目安

住み慣れた自宅で介護サービスを利用する在宅介護。費用を抑えられるイメージがあるかもしれませんが、住宅改修などで一時的にまとまった費用がかかることがあります。

一時的な費用の合計

在宅介護を始めるにあたり、必要に応じて以下のような一時的な費用が発生します。

一時費用の平均
74万円

これは、介護用ベッドや車いすなどの購入・レンタル、住宅改修(手すりの設置や段差の解消など)にかかる費用です。介護保険を利用すれば費用の多くは1割から3割の自己負担で済みますが、それでもある程度の自己負担は必要になります。

月々かかる費用

在宅介護では、介護保険サービスの自己負担分に加えて、おむつ代や医療費、配食サービス代など、介護保険適用外の費用もかかってきます。

月額費用の平均
4.8万円

この金額はあくまで平均であり、要介護度が高くなったり、利用するサービスが増えたりすれば、その分負担額も増加します。

老人ホームなど施設介護でかかる費用の目安

特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設に入居して介護を受ける場合、入居時にまとまった費用が必要になることがあります。

入居時にかかる一時金

施設介護では、入居一時金(前払金)が必要な場合があります。この費用は施設の終身利用権を得るための費用や、想定される居住期間の家賃を前払いする性質のお金です。費用は施設の種類やグレードによって大きく異なり、0円の施設から数千万円以上する施設まで様々です。近年は入居一時金0円の施設も増えていますが、その分月額利用料が高めに設定されている傾向があります。

月々かかる利用料

施設介護では、家賃や管理費、食費、水道光熱費、介護サービス費の自己負担分などが月額利用料としてかかります。

月額費用の平均
12.2万円

こちらもあくまで平均額です。特に有料老人ホームは、施設の設備や人員体制、提供されるサービスの内容によって費用に大きな幅があります。都市部ではより高額になる傾向も見られます。

みんなは年金をいくらもらっている?平均受給額の現実

介護費用のおおよその目安が分かったところで、次に収入の柱となる年金の平均受給額を見ていきましょう。現役時代の働き方によって、受け取る年金の種類と金額は大きく異なります。

国民年金(自営業・フリーランスなど)の平均月額

日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金(基礎年金)は、主に自営業者やフリーランス、専業主婦(夫)などが対象です。

国民年金の平均受給月額

全体 約5万6,000円
男性 約5万9,000円
女性 約5万4,000円

国民年金は、保険料を納付した期間によって受給額が変わります。2024年度の満額は月額68,000円です。平均受給額が満額に達していないのは、保険料の未納期間や免除期間がある人がいるためです。

厚生年金(会社員・公務員など)の平均月額

会社員や公務員などが加入する厚生年金は、国民年金にも同時に加入しているため、将来は「国民年金」と「厚生年金」の両方を受け取ることができます。

厚生年金の平均受給月額(国民年金を含む)

全体 約14万4,000円
男性 約16万3,000円
女性 約10万5,000円

厚生年金の受給額は、現役時代の収入や加入期間によって決まるため、個人差が非常に大きいのが特徴です。男女で大きな差があるのは、収入や勤続年数の違いが反映されているためと考えられます。

自分の年金見込額を確認する方法

平均額はあくまで目安です。ご自身の状況に合わせて資金計画を立てるためには、将来いくら年金を受け取れるのか、その見込額を正確に把握することが不可欠です。

1. ねんきん定期便
毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる書類です。50歳未満の方にはこれまでの加入実績に応じた年金額が、50歳以上の方には現在の加入条件が60歳まで続いたと仮定した場合の年金見込額が記載されています。
2. ねんきんネット
日本年金機構が運営するウェブサイトで、24時間いつでもご自身の年金記録を確認できます。将来の年金見込額を様々な条件でシミュレーションすることも可能で、非常に便利です。

まずは一度、ご自身の年金見込額を確認してみましょう。

年金だけで足りない分は貯蓄からいくら必要かシミュレーション

介護費用と年金の平均額が分かりました。それでは、実際に施設に入居した場合、年金だけではどのくらい不足し、貯蓄はいくら必要になるのでしょうか。具体的なケースでシミュレーションしてみましょう。

ケース1:特別養護老人ホームに入居した場合

比較的費用が安いとされる特別養護老人ホーム(特養)に入居するケースです。

モデルケース

入居者
Aさん(女性)
年金収入
約10万5,000円/月(厚生年金の女性平均)
施設費用
約10万円/月(居住費、食費、介護サービス費等の合計)
その他費用
約3万円/月(医療費、日用品費、交際費など)

月々の収支

収入 支出 差引
105,000円 130,000円 (10万円+3万円) -25,000円

このケースでは、毎月2万5,000円の赤字となります。

5年間で貯蓄から取り崩す総額

25,000円 × 60ヶ月 = 150万円

特養のような費用負担が少ない施設でも、年金収入だけでは賄えず、5年間で150万円程度の貯蓄が必要になる計算です。

ケース2:介護付き有料老人ホームに入居した場合

サービスや設備が充実している介護付き有料老人ホームに入居するケースです。

モデルケース

入居者
Bさん(男性)
年金収入
約16万3,000円/月(厚生年金の男性平均)
施設費用
約22万円/月(家賃、管理費、食費、介護サービス費等の合計)
その他費用
約3万円/月(医療費、日用品費、交際費など)
一時費用
入居一時金 100万円

月々の収支

収入 支出 差引
163,000円 250,000円 (22万円+3万円) -87,000円

このケースでは、毎月8万7,000円の赤字が発生します。

5年間で貯蓄から取り崩す総額

(87,000円 × 60ヶ月) + 1,000,000円(入居一時金) = 6,220,000円

月々の不足額が大きいため、5年間で必要となる貯蓄額は600万円を超えます。これらのシミュレーションから、年金収入だけで介護費用を賄うことは難しく、計画的な貯蓄の重要性が見て取れます。

まずは活用したい公的介護保険の負担軽減制度

介護が必要になった際の経済的負担は、誰もが不安に思うものです。しかし、日本には介護保険制度の中に、その負担を少しでも軽くするための仕組みが用意されています。自己負担が高額になった場合に、ぜひ活用したい制度をご紹介します。

自己負担割合は所得に応じて1割〜3割

介護保険サービスを利用した際の自己負担割合は、本人の所得に応じて1割、2割、3割のいずれかに決まります。現役並みの所得がある方などを除き、ほとんどの方は1割負担となります。まずはご自身(またはご家族)の負担割合が何割になるのかを確認することが基本です。

月々の自己負担額には上限がある「高額介護サービス費制度」

介護サービスの利用が増え、1ヶ月の自己負担額が想定以上に高額になってしまうことがあります。そうした家計への負担を軽減するために設けられているのが「高額介護サービス費制度」です。

高額介護サービス費制度とは
1ヶ月に支払った介護保険サービスの自己負担額の合計が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、超えた分の金額が払い戻される制度です。

上限額は世帯の所得状況によって区分されており、例えば住民税課税世帯の上限額は月額44,400円です。これを超えた分は後から申請することで返還されます。ただし、福祉用具の購入費や住宅改修費、施設での食費・居住費などは対象外となるため注意が必要です。

医療費も合算できる「高額医療・高額介護合算療養費制度」

介護が必要な方は、同時に医療機関にかかることも多く、医療費の負担も大きくなりがちです。この医療費と介護費、両方の負担を軽減するのが「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。

高額医療・高額介護合算療養費制度とは
同一世帯内で、1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)に支払った医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、定められた上限額を超えた場合に、その超えた分が支給される制度です。

月単位の「高額介護サービス費制度」とは別に、年単位で負担を軽減してくれる仕組みです。医療費も介護費も高額になっている世帯にとっては、非常に助かる制度と言えるでしょう。

今から始める老後資金・介護費用のための資産計画

年金だけでは不足する老後資金や介護費用は、やはり現役時代からの計画的な準備が不可欠です。ここでは、そのための具体的な方法をいくつかご紹介します。

基本となる預貯金

何よりも基本となるのは、日々の家計管理から生まれる預貯金です。いざという時にすぐに使える現金は、精神的な安心にも繋がります。まずは、毎月の収入と支出を把握し、無理のない範囲で先取り貯蓄を始めるなど、着実に貯蓄を増やす習慣を身につけることが大切です。

税制優遇を活用する制度

国が国民の資産形成を後押しするために設けている、税制面で優遇される制度を活用しない手はありません。代表的なものが「NISA」「iDeCo」です。

NISA(ニーサ)

NISAとは
「少額投資非課税制度」の愛称です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益には税金がかからないという制度です。2024年から新しいNISA制度が始まり、非課税で保有できる期間が無期限化され、年間の投資上限額も拡大されるなど、より使いやすくなりました。

いつでも引き出しが可能で自由度が高いため、比較的近い将来に使う可能性がある資金の準備にも向いています。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)

iDeCoとは
「個人型確定拠出年金」の愛称で、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで資産を形成する私的年金制度です。最大のメリットは、掛金の全額が所得控除の対象となる点で、毎年の所得税や住民税を軽減しながら老後資金を準備できます。また、運用で得た利益も非課税になります。

ただし、iDeCoは老後資金の確保を目的としているため、原則として60歳まで資産を引き出すことができません。

民間の保険商品で備える

公的年金だけでは不安な場合に、上乗せとして活用できるのが民間の保険商品です。

個人年金保険

個人年金保険とは
保険料を積み立てて、契約時に定めた年齢(60歳や65歳など)から、一定期間または生涯にわたって年金形式でお金を受け取れる貯蓄型の保険です。着実に老後資金を準備したい方に向いています。

民間の介護保険

民間介護保険とは
所定の要介護状態になった際に、一時金や年金形式で給付金を受け取れる保険です。公的介護保険でカバーしきれない費用(施設利用料や在宅での消耗品費など)に備えることができます。商品によって給付条件が異なるため、加入前によく確認することが大切です。

介護費用や資金計画でお悩みなら「笑がおで介護紹介センター」へご相談を

ここまで、介護にかかる費用と年金受給額の現実、そして具体的な資金の準備方法について解説してきました。多くの方にとって、年金だけで介護費用をすべて賄うのは難しく、早い段階からの計画的な準備がいかに重要か、お分かりいただけたかと思います。

とはいえ、「自分たちの場合は、具体的にどんな施設を選べば予算内で収まるのだろうか」「入居一時金がない施設や、月々の費用を抑えられる施設を知りたい」など、個別の状況に応じた悩みは尽きないものです。

そのような時は、ぜひ私たち「笑がおで介護紹介センター」にご相談ください。関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)の老人ホーム・介護施設情報に精通した専門の相談員が、お客様一人ひとりのご予算や資金計画、お身体の状況に合わせた最適な施設選びを無料でサポートいたします。資金面でのご不安はもちろん、施設選びに関するあらゆる疑問に、親身になってお答えします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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