【認知症の在宅介護】家族の負担を軽くするコツ|使えるサービスや相談先も紹介

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【認知症の在宅介護】家族の負担を軽くするコツ|使えるサービスや相談先も紹介

認知症の方を在宅で介護されているご家族は、日々さまざまなご苦労や悩みを抱えていらっしゃることでしょう。終わりが見えない介護への不安、心身の疲労、経済的な負担など、その悩みは多岐にわたります。結論からお伝えすると、認知症の在宅介護における家族の負担を軽くするためには、「一人で抱え込まず、介護保険サービスや地域の支援機関など、外部の力を積極的に活用すること」が最も重要です。この記事では、認知症の在宅介護でご家族が抱えがちな具体的な悩みから、認知症の症状別の対応方法、介護の負担を軽くするための介護保険サービス、そして在宅介護が限界と感じたときの選択肢まで、幅広く解説します。ご家族だけで悩まず、この記事を参考にご自身と大切なご家族にとって、より良い介護の形を見つける一助となれば幸いです。

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認知症の在宅介護で家族が抱える悩みとは

終わりが見えないことによる精神的な負担

認知症の介護は、いつまで続くのかという終わりが見えない点が、介護者の精神的な負担を大きくする要因の一つです。常に緊張感を持ち続けることで、知らず知らずのうちに心が疲弊してしまうことがあります。

介護疲れやストレス

認知症の症状は日々変化し、昨日できたことが今日できなくなることも少なくありません。BPSD(行動・心理症状)と呼ばれる徘徊や暴言、妄想などの症状が出始めると、その対応に追われて介護者の精神的な疲労は一気に増大します。自分の時間がなくなり、精神的に追い詰められてしまうこともあります。

社会からの孤立感

介護に時間を取られることで、友人との交流が減ったり、仕事との両立が難しくなったりして、社会から孤立していると感じることがあります。「介護の悩みを誰にも相談できない」「自分の状況を理解してもらえない」といった孤独感は、介護者をさらに苦しめてしまいます。

24時間体制で続く身体的な負担

認知症の介護は、日中だけでなく夜間も続くことが多く、介護者の身体に大きな負担をかけます。特に、症状が進行すると、その負担はさらに増していきます。

睡眠不足や体力的な消耗

夜間の徘徊やトイレの介助、せん妄(一時的に意識が混乱し、幻覚や錯覚が見える状態)への対応などで、介護者はまとまった睡眠をとることが難しくなります。慢性的な睡眠不足は、体力の消耗だけでなく、集中力の低下や精神的な不安定にもつながり、日中の介護にも支障をきたす悪循環に陥りやすくなります。

自身の健康問題

自身の休息や体調管理が後回しになりがちなため、介護者自身が体調を崩してしまうケースも少なくありません。腰痛や肩こりといった身体的な不調だけでなく、過度なストレスから生活習慣病やうつ病などを発症するリスクも高まります。介護者が倒れてしまっては、共倒れになりかねません。

介護費用や離職による経済的な負担

在宅介護には、介護サービス費用の自己負担分やおむつ代、医療費など、さまざまな費用がかかります。また、介護に専念するために仕事を辞めたり、勤務時間を減らしたりすることで、世帯収入が減少し、経済的な負担が大きくなることも深刻な問題です。介護と仕事の両立が困難になる「介護離職」は、その後の生活設計にも大きな影響を及ぼします。

認知症の症状別対応方法とコミュニケーションのコツ

認知症の症状は、ご本人が不安や混乱を感じていることの表れでもあります。症状の背景にあるご本人の気持ちを理解しようと努めることが、適切な対応の第一歩です。ここでは、代表的な症状への対応方法と、穏やかな関係を築くためのコミュニケーションのポイントをご紹介します。

徘徊・ひとり歩きへの対応

徘徊(はいかい)やひとり歩きは、ご本人に目的があっての行動であることが多いです。例えば、「家に帰りたい」「仕事に行かなくては」といった理由が考えられます。

頭ごなしに否定しない
「どこへ行くの」「行っちゃだめ」と行動を制止するのではなく、「どちらへお出かけですか?」「私も一緒に行きますね」と一度受け止め、関心を別のことにそらすようにします。
安心できる環境を整える
玄関にセンサーを設置したり、GPS機能付きの機器を持ってもらったりするなど、万が一に備えた対策も有効です。また、地域包括支援センターなどに相談し、地域の見守りネットワークに協力をお願いすることも検討しましょう。

暴言・暴力への対応

暴言や暴力は、ご本人が何かをうまく伝えられないことへの苛立ちや、不安、混乱から生じることがあります。介護者にとっては非常につらい症状ですが、まずはご本人がなぜそのような行動に出るのか、その背景を探ることが大切です。

距離を置く
身の危険を感じる場合は、無理に対応せず、まずはその場を離れて距離をとり、お互いが冷静になる時間を作りましょう。
原因を探る
暴言や暴力の引き金となった出来事(例:テレビの音、特定の言葉かけなど)はなかったか、体調に変化はないかなどを観察し、原因を取り除くようにします。
専門家へ相談する
対応が難しい場合は、かかりつけ医やケアマネジャーに相談し、薬の調整や専門的なアドバイスを求めることも重要です。

もの盗られ妄想などの被害妄想への対応

「財布を盗られた」「悪口を言われている」といった、もの盗られ妄想や被害妄想もよく見られる症状です。これは、物を置いた場所を忘れてしまったことへの不安から生じることが多いと言われています。

否定せず、気持ちに寄り添う
「そんなことはない」「誰も盗んでいない」と否定すると、ご本人はさらに不安になり、興奮してしまうことがあります。まずは「そうですか、大切なものがなくなって心配ですね」と気持ちに寄り添い、共感する姿勢を示しましょう。
一緒に探す
「一緒に探しましょうか」と声をかけ、ご本人の気持ちを落ち着かせます。見つからなくても、話題を変えたり、お茶を飲んで一息ついたりすることで、関心が他に移ることもあります。

食事や入浴の介護拒否への対応

食事や入浴を拒否する背景にも、さまざまな理由が考えられます。例えば、体調が悪い、うまく食べられない、裸になるのが恥ずかしい、お風呂の必要性が理解できない、といったことです。

無理強いしない
無理強いは、ご本人の自尊心を傷つけ、さらなる拒否につながります。一度時間を置いて、気分が変わった頃に再度誘ってみましょう。
環境を整える
食事であれば、食べやすい形態(刻み食やとろみ食)にしたり、食器を変えたりする工夫が有効です。入浴であれば、浴室を暖めておく、シャワーチェアを用意するなど、安心して入れる環境を整えることが大切です。

前向きな関係を築くコミュニケーションのポイント

認知症の方と接する際は、以下のポイントを心がけることで、ご本人の不安を和らげ、穏やかな関係を築きやすくなります。

ポイント 具体的な行動例
自尊心を傷つけない 子ども扱いしたり、能力を試すような質問をしたりしない。敬意を持って接する。
目線を合わせて話す 上から見下ろすのではなく、椅子に座るなどして、ご本人と同じ目線の高さで話す。
驚かせない 後ろから急に声をかけず、視界に入ってから、穏やかな表情でゆっくりと話しかける。
分かりやすい言葉で 短く、具体的な言葉で、一度にたくさんのことを伝えないようにする。
共感の姿勢を示す ご本人の言葉や感情を否定せず、「そうなんですね」「心配ですね」と受け止める。

在宅介護の負担を軽減し「介護疲れ」を防ぐための5つの心得

介護疲れ」は、誰にでも起こりうる問題です。介護を長く続けていくためには、介護者自身の心と体を守ることが何よりも大切です。ここでは、介護疲れを防ぐための5つの心得をご紹介します。

完璧な介護を目指さない

介護は100点満点を目指す必要はありません。「すべてを完璧にこなさなければ」という思いは、自分自身を追い詰める原因になります。食事の準備が大変なときは市販の惣菜を利用したり、掃除ができない日があったりしても、「まあ、いいか」と自分を許す気持ちを持つことが大切です。70点~80点くらいの介護を目指しましょう

一人で抱え込まず外部に助けを求める

介護の悩みは、一人で抱え込まずに、周りの人に助けを求める勇気を持ちましょう。家族や親戚、友人などに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。また、ケアマネジャーや地域包括支援センターの専門職は、介護の悩みを相談できる身近なパートナーです。公的なサービスや支援制度を積極的に活用しましょう。

自分のための時間も大切にする

介護者は、自分のことを後回しにしがちですが、意識的に自分のための時間を作ることが、結果的に良い介護につながります。デイサービスやショートステイなどを利用して、介護から離れる時間(レスパイト)を作りましょう。趣味に没頭したり、友人と会ったり、ただゆっくり休んだりするだけでも、心身のリフレッシュになります。

他の家庭や介護者と比較しない

介護の状況は、家庭ごとに全く異なります。他の家庭の様子を見聞きして、「自分はうまくできていない」と落ち込む必要はありません。他の人と比べるのではなく、自分たちのペースで、自分たちらしい介護の形を見つけていくことが大切です。

介護の情報を積極的に収集する

認知症の症状や介護の方法、利用できるサービスなどについて、正しい情報を知ることは、不安の軽減につながります。市区町村の広報誌やウェブサイト、地域包括支援センターが開催する介護者教室などに参加して、積極的に情報を集めましょう。知識が増えることで、介護に対する精神的な余裕も生まれます。

介護者の負担を軽くする介護保険サービスと行政の支援

在宅介護を支えるためには、介護保険サービスや行政の支援をうまく活用することが不可欠です。これらのサービスは、介護者の負担を軽減し、ご本人にとっても専門的なケアを受けられるというメリットがあります。

自宅で受けられる介護保険サービス

ご本人が住み慣れた自宅で生活を続けながら利用できるサービスです。

訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの介助を行う「身体介護」や、掃除、洗濯、調理などを行う「生活援助」を提供します。通院時の付き添い(乗降介助)も利用できる場合があります。
訪問看護
看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて、血圧測定などの健康チェック、医療処置(インスリン注射や褥瘡の処置など)、服薬管理、療養生活のアドバイスなどを行います。
訪問入浴介護
自宅の浴槽での入浴が困難な場合に、専門のスタッフが専用の浴槽を自宅に持ち込み、入浴の介助を行います。身体的な負担が大きく、衛生管理が難しい入浴をサポートしてくれます。

施設に通って利用する介護保険サービス

自宅から施設に通い、日帰りで利用するサービスです。ご本人の社会的な孤立を防ぎ、介護者の休息時間を確保する目的もあります。

通所介護(デイサービス)
施設に日帰りで通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、レクリエーション、機能訓練などを受けられます。他の利用者と交流することで、社会的なつながりを持ち、心身機能の維持・向上を図ります。
通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保健施設や病院、診療所などに通い、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフによる、より専門的なリハビリテーションを受けられます。身体機能の回復や維持を目的としています。

短期間の宿泊ができる介護保険サービス

介護者の病気や冠婚葬祭、旅行、休息(レスパイト)などの理由で、一時的に在宅での介護が困難になった場合に利用できます。

短期入所生活介護(ショートステイ)
特別養護老人ホームなどの施設に短期間宿泊し、食事や入浴、排泄などの介護や機能訓練を受けられます。計画的に利用することで、介護者の負担軽減に大きく役立ちます。

介護保険外サービスや行政の支援制度

介護保険サービス以外にも、介護者を支えるさまざまなサービスや制度があります。

地域包括支援センターの役割
高齢者のための総合相談窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が配置されており、介護に関する悩みや相談に無料で応じてくれます。必要なサービスや制度につないでくれる、在宅介護の心強い味方です。
家族介護者支援事業の活用
各市区町村が主体となって行っている事業で、介護者を支援するためのさまざまなプログラムが用意されています。具体的には、介護方法を学ぶ「介護教室」、介護者同士が交流し悩みを分かち合う「家族会(交流会)」、電話相談などがあります。お住まいの市区町村の窓口で確認してみましょう。

在宅介護が限界になる前に|施設入居を検討するタイミング

在宅介護を続けることが、ご本人やご家族にとって最善の選択ではなくなる時が来るかもしれません。「施設に入れるのはかわいそう」と感じる方もいらっしゃいますが、専門的なケアが受けられる施設で穏やかに暮らすことが、ご本人にとってもご家族にとっても良い結果につながるケースも多くあります。施設入居は、介護の選択肢の一つとして前向きに検討することが大切です。

介護者の心身に不調が出始めたとき

介護者自身の心や体に不調のサインが現れたときは、介護の限界が近づいている可能性があります。「眠れない日が続く」「食欲がない」「常にイライラしてしまう」「持病が悪化した」などの状態は、無理を重ねている証拠です。介護者が倒れてしまっては、共倒れになってしまいます。そうなる前に、施設入居を具体的に考え始めるタイミングと言えるでしょう。

認知症の症状が進行し、在宅での対応が困難になったとき

認知症の症状が進行し、BPSD(行動・心理症状)が激しくなると、在宅での対応が非常に困難になります。暴言や暴力が頻繁に見られたり、介護拒否が強くなったりして、ご家族だけでは安全を確保できなくなる場合があります。専門的な知識や技術を持つスタッフがいる施設の方が、ご本人も穏やかに過ごせる可能性があります。

夜間の徘徊やせん妄など24時間の見守りが必要になったとき

夜間の徘徊やトイレ介助の頻度が増え、介護者が一晩中眠れないような状況が続く場合、在宅介護の継続は困難です。転倒や怪我のリスクも高まります。24時間体制での見守りやケアが必要になったときは、夜間もスタッフが常駐している介護施設への入居を検討すべき重要なサインです。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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