介護休業制度とは?介護休暇との違いや給付金の条件、申請方法をわかりやすく解説

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介護休業制度とは?介護休暇との違いや給付金の条件、申請方法をわかりやすく解説

大切なご家族が介護を必要とすることになったとき、仕事と介護の両立は大きな課題となります。しかし、仕事をやめなければならないと考える前に、国が定めた「介護休業制度」の利用を検討してみましょう。介護休業制度は、要介護状態のご家族をケアするために、労働者が一定期間仕事を休むことができる制度です。この制度を利用することで、介護離職を防ぎ、仕事と介護を両立させることが可能になります。介護休業制度と似た制度に「介護休暇」がありますが、それぞれ目的や利用できる日数、給付金の有無に違いがあります。この記事では、介護休業制度の概要から、介護休暇との違い、給付金の条件、申請方法まで、制度をわかりやすく解説します。

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仕事と介護の両立を支える介護休業制度とは

介護のために仕事を休める国の制度

介護休業制度は、育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に基づき、労働者が家族の介護を行うために、一定期間仕事を休むことができる制度です。この制度は、介護のために仕事を辞めてしまう「介護離職」を防止し、労働者が仕事と介護を両立できるように支援することを目的としています。介護が必要なご家族ができたとき、介護休業制度を利用することで、介護に専念する時間を確保し、その間に介護サービスを探したり、ご家族の状況に合わせた生活体制を整えたりすることができます。介護休業制度は、雇用形態にかかわらず、一定の条件を満たせば正社員はもちろん、パートやアルバイト、契約社員なども取得が可能です。

介護休業制度と介護休暇制度の違いを比較

目的と取得できる日数の違い

介護休業と介護休暇は、どちらもご家族の介護のために利用できる制度ですが、目的や利用できる日数に大きな違いがあります。介護休業は、長期的な介護のために一定期間まとまって仕事を休むことを目的としています。一方、介護休暇は、通院の付き添いや介護サービスの利用手続きなど、単発的・短期的な介護のために利用することを目的としています。介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで取得でき、分割して3回まで利用することが可能です。一方、介護休暇は、対象家族1人につき年に5日まで、対象家族が2人以上の場合は年に10日まで取得できます。時間単位での取得も可能です。

給与・給付金の有無の違い

介護休業と介護休暇の大きな違いの一つに、給与や給付金の有無があります。介護休業中は、原則として会社から給与は支払われません。しかし、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されるため、休業中の収入を補うことができます。介護休業給付金の支給額は、休業前の賃金の約67%です。一方、介護休暇中は、原則として給与は支給されません。介護休暇には、介護休業給付金のような公的な給付金制度はありませんので注意が必要です。ただし、会社によっては独自の規定で給与が支払われる場合もありますので、勤務先の就業規則を確認することが大切です。

育児・介護休業法で定められた労働者の権利

介護休業制度は、育児・介護休業法によって定められた労働者の権利です。この法律は、労働者が育児や介護と仕事を両立できるよう、事業主に対して様々な義務を課しています。事業主は、労働者からの介護休業の申し出を拒むことはできません。また、介護休業の取得を理由に、労働者に対して解雇や降格、減給などの不利益な扱いをすることも法律で禁じられています。育児・介護休業法は、労働者が安心して介護と向き合える環境を整備するための重要な法律なのです。

介護休業制度の対象となる条件

介護休業を取得できる労働者の条件

介護休業を取得できる労働者には、以下の条件が定められています。

雇用期間
期間の定めのない労働契約で働いている人、または、有期雇用契約であっても、介護休業の申し出時点で継続雇用された期間が1年以上あり、介護休業取得予定日から93日を経過した日から6か月を経過する日までに労働契約が満了することが明らかでない人です。
労働日数・時間
労働日数や時間に関する特別な要件はありませんが、日々雇用される方は対象外となります。

正社員以外のパート・アルバイト(有期契約労働者)の場合

有期契約労働者(パート、アルバイト、契約社員など)が介護休業を取得するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 入社して1年以上が経過していること
  • 介護休業開始予定日から93日を経過した日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了することが明らかでないこと

これらの条件を満たせば、正社員と同様に介護休業を取得することができます。ただし、労使協定が締結されている場合は、適用除外となる労働者の条件が定められている場合があるため、事前に勤務先の就業規則や労使協定を確認することが重要です。

対象となる家族の範囲と介護状態の定義

介護休業の対象となる家族は、以下の通りです。

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 父母
  • 子(養子を含む)
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

これらのご家族が、以下のいずれかの介護状態にある場合に、介護休業の対象となります。

  • 負傷や疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり、常時介護を必要とする状態にあること
  • 要介護認定を受けている場合、原則として要介護2以上が該当しますが、要介護1以下でも介護休業の対象となることがあります。

取得できる日数と回数の上限

介護休業は、対象となる家族1人につき、通算93日まで取得することができます。この93日の期間内であれば、介護休業を3回まで分割して取得することが可能です。たとえば、要介護のご家族が退院した直後に休業し、その後、介護サービスが定着した後に一時的に職場復帰し、再度状態が悪化した際に休業するといった柔軟な使い方ができます。

介護休業中の収入を補う「介護休業給付金」

介護休業給付金を受け取るための支給要件

介護休業中は、原則として会社からの給与が支給されないため、生活費の不安が生じるかもしれません。そうした経済的な負担を軽減するために、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。この給付金を受け取るためには、以下の支給要件をすべて満たす必要があります。

雇用保険の被保険者であること
介護休業開始日までに、雇用保険の加入期間が2年以上あること。
賃金支払い日数の要件
介護休業開始日以前の2年間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12か月以上あること。
休業中の賃金要件
休業中に会社から賃金が支払われていない、または、休業開始前の賃金の80%未満であること。
介護休業の日数要件
介護休業の日数が、介護対象家族1人につき通算93日以内であること。

給付金の支給額はいくら?計算方法と具体例

介護休業給付金の支給額は、休業開始前の賃金の約67%です。具体的な計算式は以下の通りです。

支給額 = 休業開始時の賃金日額 × 支給日数(30日) × 67%

介護休業中の給与と社会保険料の取り扱い

介護休業中は、会社からの給与は原則として支払われません。しかし、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)については、会社への申し出により、事業主の負担分も含めて全額が免除される場合があります。保険料の免除を受けるためには、事業主を経由して日本年金機構に「育児・介護休業等取得者申出書」を提出する必要があります。社会保険料の免除が適用されると、将来受け取る年金額にも影響がないため、経済的な負担が大きく軽減されます。

介護休業給付金の申請手続きと必要書類

介護休業給付金の申請は、休業終了後、ハローワークを通じて行います。申請に必要な主な書類は以下の通りです。

  • 介護休業給付金支給申請書
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書
  • 介護対象家族の要介護状態を確認できる書類(要介護認定の写し、医師の診断書など)
  • 住民票記載事項証明書など、介護対象家族との関係を証明する書類
  • 賃金台帳や出勤簿など、休業中の賃金や日数を証明する書類

これらの書類を揃え、事業主を経由してハローワークに提出します。

介護休業の申請から職場復帰までの流れ

会社への申し出と休業開始までのステップ

介護休業の申請は、原則として休業開始予定日の2週間前までに会社に申し出る必要があります。会社の就業規則に定められた手続きに従い、書面または口頭で申し出を行いましょう。申し出をする際は、介護が必要なご家族の氏名、休業開始予定日、休業期間などを明確に伝えることが大切です。会社によっては、申請書の提出を求められる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

円満に休業するための準備と職場への伝え方

介護休業を取得する際には、職場に円満に受け入れてもらうための準備も重要です。

  • 介護休業の申し出はできるだけ早めに行い、直属の上司や人事担当者に相談しましょう。
  • 休業中に引き継ぎが必要な業務は、リストアップして誰が担当するかを明確にします。
  • 同僚や関係部署にも、休業の期間と業務の引き継ぎ内容を共有しておきましょう。

介護休業は労働者の権利ですが、職場への配慮を示すことで、休業中の関係性を良好に保つことができます。また、職場に相談することで、会社の介護支援制度や利用できるサービスについて情報をもらえる可能性もあります。

休業終了後の職場復帰に向けて準備しておくこと

介護休業が終了し、職場復帰する前に、以下の準備をしておくとスムーズです。

介護体制の構築
休業中に介護サービス事業者との連携を密にし、職場復帰後も継続して介護サービスが利用できる体制を整えます。
情報共有
職場復帰後、スムーズに業務に戻れるよう、休業中の会社の状況や業務の変更点などを上司や同僚に確認しておきましょう。
勤務時間の調整
勤務時間を短縮する「短時間勤務制度」や、時差出勤、在宅勤務など、会社が提供している両立支援制度の利用を検討しましょう。

介護休業制度を利用するメリットと知っておくべき課題

労働者側のメリット|介護離職を防ぎキャリアを継続

介護休業制度を利用する最大のメリットは、介護のために仕事を辞めずに済むことです。介護はいつ終わるかわからない長期的な課題となることが多く、安易な介護離職は経済的な困窮や社会からの孤立を招く可能性があります。介護休業制度は、そうしたリスクを回避し、労働者がキャリアを継続しながら、大切なご家族の介護に専念できる期間を提供してくれます。

企業側のメリット|人材定着と助成金制度の活用

介護休業制度の利用は、労働者だけでなく企業側にもメリットをもたらします。

人材の確保と定着
介護離職を防止することで、優秀な人材の流出を防ぎ、長期的な人材確保につながります。
企業イメージの向上
仕事と介護の両立を支援する企業として、社会的な評価が高まります。
助成金の活用
厚生労働省が提供する「両立支援等助成金」など、介護支援制度を整備した企業が活用できる助成金制度もあります。

制度利用の課題|収入減少や周囲への気遣い

介護休業制度は非常に有用な制度ですが、利用にあたって知っておくべき課題も存在します。

収入の減少
介護休業給付金が支給されるとはいえ、休業前の賃金から減少するため、経済的な負担が生じる可能性があります。
周囲への気遣い
業務の引き継ぎや休業中のフォローなど、職場に迷惑をかけてしまうのではないかという不安や、周囲への気遣いを感じることもあるかもしれません。

これらの課題を軽減するためには、日頃からご家族の介護について職場に相談しやすい環境を整えておくことや、介護休業中の生活費を事前にシミュレーションしておくことが重要です。

介護休業制度に関するよくある質問

介護休業の申し出はいつまでに必要

介護休業は、休業開始予定日の2週間前までに会社に申し出る必要があります。ただし、急な事故や病気など、やむを得ない事情がある場合は、2週間を過ぎてからの申し出も可能です。

介護休業の取得を理由に解雇や不利益な扱いをされないか

育児・介護休業法により、事業主は労働者が介護休業を取得したことを理由に解雇したり、不利益な扱いをしたりすることは法律で禁止されています。万が一、不利益な扱いを受けた場合は、労働基準監督署や弁護士などの専門家に相談しましょう。

両親を同時に介護する場合、休業日数はどうなるか

介護休業は、対象となる家族1人につき、通算93日まで取得できます。そのため、両親を同時に介護する場合でも、休業日数は93日となります。ただし、父母それぞれに93日の休業を分けて取得することは可能です。例えば、父親の介護で93日休業した後、母親の介護で改めて93日休業することができます。

在宅介護の負担増などお困りの際は「笑がおで介護紹介センター」へ

介護休業制度を利用して在宅介護を行う場合でも、ご自身の負担や不安はつきものです。例えば、ご家族の要介護度(ようかいごど)が上がり、介護休業期間だけでは対応が難しくなることや、職場復帰後の仕事と介護の両立に悩むこともあるでしょう。在宅介護には限界があると感じたとき、老人ホームなどの介護施設への入居も選択肢の一つとなります。
「笑がおで介護紹介センター」では、介護に関する専門知識を持ったプロの相談員が、ご相談者様の状況やご要望を丁寧に伺い、最適な施設選びをサポートしています。大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重の関西エリアを中心に、老人ホーム・介護施設のご紹介から見学の予約、入居手続きまで、一貫して無料でサポートいたします。介護休業期間中だけでなく、介護のことでお困りごとがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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