夜間対応型訪問介護とは?サービス内容や費用、対象者をわかりやすく解説

「夜間に一人でいるのは不安」「家族だけでの夜中の介護が負担になっている」と感じていませんか?そのような悩みを解決する一つの方法が「夜間対応型訪問介護」です。夜間対応型訪問介護は、夜間帯に特化した訪問介護サービスで、ご利用者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けられるよう支援することを目的としています。介護保険が適用される「地域密着型サービス」の一つであり、定期的な訪問による安否確認や介護、緊急時の駆けつけ対応などを提供します。この記事では、夜間対応型訪問介護の具体的なサービス内容、利用できる対象者、費用の目安、メリット・デメリット、そして利用開始までの流れについて、誰にでも分かりやすく解説します。夜間の在宅介護に関する不安を解消し、ご自身やご家族に合った介護の形を見つけるための参考にしてください。
夜間対応型訪問介護とは?夜間の在宅介護を支える安心のサービス
地域密着型サービスのひとつ
夜間対応型訪問介護は、2006年の介護保険制度改正によって創設された「地域密着型サービス」の一つです。高齢者が要介護状態になっても、可能な限り住み慣れた自宅や地域での生活を継続できるように支援することを目的としています。
そのため、サービスの提供は原則として、事業所が所在する市区町村に住んでいる方に限定されます。地域の実情に合わせたきめ細やかなサービスを提供できるのが大きな特徴です。夜間の生活に不安を抱える高齢者や、介護を行うご家族にとって、心強い味方となるサービスと言えるでしょう。
「定期巡回」「随時対応」「随時訪問」の3つのサービスで構成
夜間対応型訪問介護は、単一のサービスではなく、「定期巡回」「随時対応」「随時訪問」という3つのサービスを組み合わせて一体的に提供されます。これらのサービスが連携することで、夜間帯(おおむね午後10時から午前6時を含む、18時~翌8時)の安心を包括的にサポートします。
- 定期巡回
- あらかじめ決められた時間にホームヘルパーがご自宅を訪問し、必要なケアを行います。
- 随時対応
- ご利用者からの通報に対応する窓口サービスです。オペレーターが相談や緊急時の対応依頼を受け付けます。
- 随時訪問
- 随時対応サービスへの連絡を受け、必要に応じてホームヘルパーが緊急でご自宅に駆けつけます。
これら3つのサービスが切れ目なく提供されることで、計画的なケアと突発的な事態への対応の両方を実現し、ご利用者の夜間の安全な在宅生活を支えます。
夜間対応型訪問介護の具体的なサービス内容
夜間対応型訪問介護が提供する3つのサービスについて、それぞれの役割と具体的な内容を詳しく見ていきましょう。
定期巡回サービス|決まった時間にヘルパーが訪問
定期巡回サービスは、事前に作成されたケアプランに基づき、ホームヘルパー(訪問介護員)が決まった時間にご利用者のご自宅を訪問するサービスです。訪問の目的は、ご利用者の心身の状態を確認し、必要な介助を行うことです。
具体的なサービス内容は多岐にわたりますが、主に以下のようなケアが提供されます。
- 安否確認
- ご利用者の様子に変わりがないかを確認します。
- 排泄介助
- トイレへの誘導、おむつ交換などを行います。
- 体位交換(たいいこうかん)
- 長時間同じ姿勢でいることによる床ずれ(褥瘡:じょくそう)を防ぐために、体の向きを変える介助です。
- 水分補給
- 就寝前や夜中に必要な水分補給をサポートします。
- その他
- ケアプランに応じて、必要な身体介護を行います。
訪問回数や時間帯は、ご利用者の状況や希望に応じてケアマネジャーが作成するケアプランで定められます。
随時対応サービス|ケアコール端末でいつでも相談可能
随時対応サービスは、ご利用者からの連絡に対応するための「オペレーションセンター」の役割を果たします。ご利用者には「ケアコール端末」と呼ばれる専用の通報機器が貸与され、急に体調が悪くなった時や不安なことがある時に、ボタン一つでオペレーターに繋がります。
オペレーターは看護師や介護福祉士などの専門職が担当し、利用者からの相談に応じて適切なアドバイスを行ったり、状況を判断して随時訪問サービスを手配したりします。
- ケアコール端末とは
- ご利用者のご自宅に設置される緊急通報装置です。多くは防水機能付きのペンダント型で、首から下げておくことで、ベッドの上やトイレ、浴室など家のどこにいてもすぐに通報することができます。通話機能がついており、そのままオペレーターと会話することが可能です。
このサービスがあることで、ご利用者は「何かあってもすぐに専門家に相談できる」という安心感を得ることができ、ご家族も夜間の緊急事態への不安を軽減できます。
随時訪問サービス|緊急時にヘルパーが駆けつけ対応
随時訪問サービスは、随時対応サービスへの連絡を受けて、オペレーターが必要と判断した場合にホームヘルパーがご利用者のご自宅へ駆けつけるサービスです。
例えば、以下のような状況で利用されます。
- ケアコール端末からの通報で、ベッドからの転倒が疑われる場合
- 急な体調不良を訴え、介助が必要と判断された場合
- ご利用者からの訴えの内容だけでは状況が判断できず、直接の確認が必要な場合
通報を受けてから迅速に訪問し、ご利用者の安全確保や介助を行います。転倒時の介助や、急な排泄の介助、体調の確認など、状況に応じた適切な対応を取ることで、大事に至るのを防ぎます。
夜間対応型訪問介護を利用できる対象者と条件
夜間対応型訪問介護は、誰もが利用できるわけではありません。介護保険の「地域密着型サービス」であるため、利用にはいくつかの条件が定められています。
要介護1~5の認定を受けている方
夜間対応型訪問介護を利用できるのは、要介護1から要介護5までのいずれかの認定を受けている方です。
要介護認定は、介護の必要度合いに応じて「要支援1・2」と「要介護1~5」の7段階に区分されます。夜間対応型訪問介護は、比較的軽度な要介護1の方から、常時介護が必要な要介護5の方まで幅広く利用が可能です。
一方で、「要支援1」「要支援2」の認定を受けている方は、このサービスの対象外となりますので注意が必要です。
事業所と同じ市区町村に居住していることが必須
夜間対応型訪問介護は「地域密着型サービス」に分類されるため、原則として、サービスを提供している事業所と同じ市区町村に住民票がある方でなければ利用できません。
これは、地域の実情をよく知る事業者が、その地域に住む高齢者にきめ細やかなサービスを提供することを目的としているためです。お住まいの地域に夜間対応型訪問介護の事業所があるかどうかは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当窓口で確認することができます。
夜間対応型訪問介護の費用|介護保険適用の料金体系
夜間対応型訪問介護の利用料金は、介護保険が適用され、ご利用者の所得に応じて1割~3割が自己負担となります。料金は月額定額制の基本料金と、サービス利用ごとに加算される料金で構成されています。
月額定額制の基本料金(自己負担1割の場合)
基本料金は、サービスの利用回数にかかわらず毎月一定の金額がかかります。この料金には「随時対応サービス」の費用が含まれており、ケアコール端末のレンタル料も基本的にはこの中に含まれます。
料金は、随時対応を行うオペレーションセンターを事業所が自前で設置しているか、他の事業所に委託しているかによって異なります。
オペレーションセンターを設置している事業所の費用
| サービス内容 | 基本料金(1ヶ月あたり) |
|---|---|
| 夜間対応型訪問介護費(Ⅰ) | 994単位(約994円) |
※基本料金には、定期巡回・随時訪問の費用は含まれません。
※介護報酬は単位で定められており、1単位あたりの単価は地域によって異なりますが、本記事では分かりやすく1単位10円で計算しています。
オペレーションセンターを設置していない(委託している)事業所の費用
| サービス内容 | 基本料金(1ヶ月あたり) |
|---|---|
| 夜間対応型訪問介護費(Ⅱ) | 2,689単位(約2,689円) |
※基本料金には、定期巡回・随時訪問の費用は含まれません。
訪問サービスを受けた場合の加算料金
上記の基本料金に加えて、実際に「定期巡回サービス」や「随時訪問サービス」を利用した場合には、その都度以下の料金が加算されます。
| サービス内容 | 加算料金(1回あたり) |
|---|---|
| 定期巡回サービス | 378単位(約378円) |
| 随時訪問サービス(ヘルパー1名) | 567単位(約567円) |
例えば、オペレーションセンターを設置している事業所を利用し、1ヶ月に定期巡回を10回、随時訪問を1回利用した場合の自己負担額(1割)の目安は以下のようになります。
計算例
(基本料金 994円) + (定期巡回 378円 × 10回) + (随時訪問 567円 × 1回) = 5,341円
その他にかかる費用(介護保険適用外)
上記の介護保険自己負担額に加えて、以下のような費用が別途必要になる場合があります。
- ケアコール端末の設置・通信費用
- 基本料金に含まれる場合が多いですが、一部自己負担となることがあります。
- 事業所の通常の実施地域外への訪問交通費
- お住まいの場所によっては、実費が必要となる場合があります。
- おむつ代などの日常生活費
- 介護に必要な物品は自己負担となります。
これらの費用については、契約前に事業所にしっかりと確認することが重要です。
夜間対応型訪問介護を利用するメリット・デメリット
夜間対応型訪問介護は、夜間の在宅生活を支える心強いサービスですが、利用を検討する際にはメリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
【メリット】夜間の一人暮らしや介護負担の不安を軽減
夜間対応型訪問介護を利用する最大のメリットは、夜間の「もしも」に対する不安を解消できることです。
緊急時に迅速な対応が受けられる安心感
ケアコール端末を通じていつでも専門家と繋がり、いざという時にはホームヘルパーが駆けつけてくれる体制は、特に夜間に一人で過ごす高齢者にとって大きな安心材料となります。急な体調変化や転倒などのアクシデントが発生しても、迅速な初期対応が期待できます。
ご家族の介護負担(身体的・精神的)を軽くする
同居するご家族がいる場合でも、夜間の介護は心身ともに大きな負担となります。「夜中に何度も起こされる」「いつ呼び出されるか分からず熟睡できない」といった悩みを抱える方も少なくありません。夜間対応型訪問介護を利用することで、夜間の介護を専門家に任せることができ、ご家族の負担を大幅に軽減できます。精神的な余裕が生まれ、日中の介護にもより良い形で向き合えるようになります。
費用を抑えながら夜間の見守りが可能に
夜間の見守りや介護のために有料老人ホームなどの施設に入居する場合、一般的に高額な費用がかかります。また、民間の見守りサービスや夜間対応の訪問介護を個別に依頼する場合も、費用が高くなる傾向があります。夜間対応型訪問介護は介護保険が適用されるため、比較的費用を抑えながら、必要な時に必要なサービスを受けることが可能です。
【デメリット】提供事業所が少なく利用できない場合がある
多くのメリットがある一方で、利用にあたっての課題も存在します。
事業所の数が少なく地域によっては利用が難しい
夜間対応型訪問介護の最大のデメリットは、全国的に見てサービスを提供している事業所の数がまだ少ないという点です。地域密着型サービスであるため、お住まいの市区町村に事業所がなければ利用することができません。利用を希望しても、近隣に事業所が見つからないケースも少なくないのが現状です。
日中のサービスは提供されない
このサービスは、その名の通り「夜間」に特化しています。そのため、日中の時間帯(おおむね午前8時から午後6時)の介護サービスは提供されません。日中にも介護が必要な場合は、別途、訪問介護やデイサービスといった他の介護サービスを組み合わせて利用する必要があります。
夜間対応型訪問介護の利用開始までの流れ
夜間対応型訪問介護を利用したいと考えた場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。一般的な利用開始までの流れを3つのステップでご紹介します。
ステップ1:ケアマネジャーに相談
まず初めに行うことは、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に相談することです。まだ担当のケアマネジャーがいない場合は、お住まいの地域の「地域包括支援センター」に連絡し、要介護認定の申請からサポートしてもらいましょう。ケアマネジャーは、ご利用者の心身の状態や生活環境、希望などをヒアリングし、夜間対応型訪問介護の利用が適切かどうかを判断してくれます。
ステップ2:事業所の選択と申し込み
ケアマネジャーが、お住まいの地域で利用可能な夜間対応型訪問介護の事業所を探し、紹介してくれます。事業所の特徴やサービス内容、料金などを比較検討し、利用したい事業所を決定します。事業所が決まったら、ケアマネジャーを通じて申し込みを行います。
ステップ3:事業所との契約と利用開始
申し込み後、事業所の担当者(サービス提供責任者など)がご自宅を訪問し、ご利用者本人やご家族と面談(アセスメント)を行います。面談では、具体的なサービス内容や利用料金、緊急時の対応方法などについて詳しい説明があります。内容に納得できたら、正式に契約を結びます。契約後、ケアプランに基づいてケアコール端末の設置などが行われ、サービスの利用が開始されます。
他の夜間サービスとの違い|定期巡回・随時対応型訪問介護看護との比較
夜間対応型訪問介護とよく似た名称のサービスに「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」があります。どちらも地域密着型サービスですが、提供されるサービス内容に明確な違いがあります。
| 夜間対応型訪問介護 | 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | |
|---|---|---|
| サービス提供時間 | 夜間帯のみ(18時~翌8時など) | 24時間365日 |
| サービス内容 | 介護が中心 | 介護と看護が一体的に提供 |
| 看護師との連携 | なし(緊急時はオペレーターが救急要請などを判断) | あり(看護師が訪問し、医療的ケアも可能) |
| 主な対象者 | 夜間の見守りや排泄介助など、介護を必要とする方 | 医療的ケアが必要な方や、退院直後で状態が不安定な方など、より専門的なケアを必要とする方 |
看護師との連携の有無
最も大きな違いは、「看護」サービスの提供があるかどうかです。定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、介護職員だけでなく看護師も訪問し、医師の指示に基づいた点滴の管理や、たんの吸引(かくたんきゅういん)、床ずれ(褥瘡)の処置といった医療的ケアを受けることができます。一方、夜間対応型訪問介護は、ホームヘルパーによる身体介護が中心となります。
日中のサービス提供の有無
提供される時間帯も異なります。夜間対応型訪問介護が夜間帯に限定されているのに対し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中も含めた24時間体制でサービスを提供します。そのため、日夜を問わず介護や看護が必要な方は、後者のサービスが適している場合があります。
どちらのサービスが合っているかは、ご本人の体の状態や必要なケアの内容によって異なりますので、ケアマネジャーとよく相談して決めることが重要です。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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