老人ホーム入居時に家族が準備すべきことリスト|入居前の手続きガイド

入居日当日までに具体的に何をすればよいかわからず、不安を感じていませんか?手続きや荷造りなどやるべきことが多く、仕事や家事の合間に終わるのか心配になりますよね。
本記事では、老人ホーム入居に向けた家族の準備や行政手続きまで、入居前に済ませるべきことを網羅して解説します。さらに、親御さんが心地よく過ごせるための事前の環境づくりや、当日のよくある質問にもお答えします。
この記事を読めば、入居日までにやるべきことが明確になり、効率よく準備を進められるようになりますので、ぜひご覧ください。
老人ホーム入居に向けた家族の準備【計画・お金編】
親御さんの入居先が決まっても、当日までにやるべき手続きは数多くあります。直前になって慌てないためにも、老人ホーム入居に向けた家族の準備を計画的に進めましょう。
ここでは、スケジュールの把握やお金に関する準備について解説します。まずは、入居までの流れと必要な期間からみていきましょう。
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【失敗しない】老人ホームの契約書類ガイド|重要事項説明書のチェックポイントを徹底解説
施設入居までに必要な期間とスケジュールを把握する
入居日の約1か月前から、本格的な手続きと並行して準備をはじめます。契約に必要な健康診断書は発行に時間がかかるうえに、有効期限があるためタイミングを見計らう必要があります。
具体的な準備スケジュールの目安は以下のとおりです。
- 入居1か月前:必要書類の手配を開始する
- 入居2週間前:役所で住民票などを取得する
- 入居1週間前:荷物の記名や挨拶回りを済ます
- 入居当日:契約や説明のため半日確保する
有効期限切れや手配漏れがないよう、余裕をもって進めましょう。早めに動き出すことが、スムーズな新生活のスタートにつながります。
家族間で役割分担を決めて準備体制を整える
入居に向けた準備やその後の生活サポートを円滑にするため、家族で役割とルールを決めておく必要があります。金銭管理や緊急時の対応についてあらかじめ合意しておくと、のちのトラブルを未然に防げるでしょう。
具体的には、利用料を保証する連帯保証人と、身柄引き取りなどをする身元引受人を誰にするか明確にします。また、月々の小遣いの金額や通帳の管理者を決めたり、面会の頻度や連絡方法について話し合ったりしておきます。
家族みんなで情報を共有し、協力しあう体制を作りましょう。役割を分担すれば、キーパーソンとなる方の負担を減らせます。
入居時にかかる初期費用と月額費用の準備をする
後々の資金計画に無理が生じないよう、費用の内訳や条件を詳細に確認しておかなければなりません。老人ホームの費用は施設によって異なり、月額利用料に含まれる範囲や実費負担となる項目が複雑になっています。
具体的には、家賃相当額として前払いする入居一時金のほか、毎月の管理費や食費といった月額利用料が必要です。さらに、おむつ代や通院の付き添い費用などは実費負担となるケースが一般的なので注意しましょう。
不在時の家賃支払いや食費の減額規定についても確認が必要です。どのようなサービスに追加費用がかかるのかを事前に把握し、あらかじめ準備しておきましょう。
入居契約時に短期解約特例などの返金規定を確認する
契約を結ぶ際は、退去や解約に関する金銭的な決まりを必ず確認してください。入居一時金の返還ルールや原状回復費用については、認識の違いからトラブルになりやすいポイントです。
たとえば、90日以内に退去した場合に入居一時金が戻る「短期解約特例」では、利用した期間の家賃などは差し引かれて返還されます。また、退去時の原状回復は「生活上の汚れは施設負担」が一般的ですが、契約書に特約がないかチェックが必要です。
もしものときに備えて、返金規定を正しく理解しておきましょう。契約内容を十分に精査すれば、大切なお金をまもれます。
参考:全国有料老人ホーム組合『
』
老人ホーム入居に向けた家族の準備【持ち物編】
手続きと並行して進めたいのが、老人ホーム入居に向けた家族の準備の中でも特に手間のかかる「持ち物」の手配です。本人が快適に過ごせるよう、施設のルールや生活リズムにあわせて必要な物品を揃えなければなりません。
ここでは、具体的な持ち物リストや注意点について解説します。まずは、衣類や日用品の準備からみていきましょう。
衣類や洗面用具など生活に必要な日用品
施設での生活リズムや洗濯の頻度を考慮して、余裕をもった数を揃えましょう。洗濯サービスを利用する場合でも、衛生面を考えて毎日着替えるのが基本です。
準備する日用品の目安は以下のとおりです。
- 衣類や下着、靴下:各5~7セット
- 体温調節用の羽織るもの:3枚程度
- 転倒防止のためかかとのある室内履き
- 歯ブラシやタオルなどの洗面・衛生用品
衣類は介護のしやすさを考え、伸縮性のある素材や前開きのタイプが適しています。また、入居直後は受診が難しいため、服用中の薬やお薬手帳は2週間分を目安に用意しておきましょう。
本人が使い慣れた家具や家電製品
新しい環境でもリラックスして過ごせるよう、愛着のある品を持ち込むのがおすすめです。見慣れた家具や思い出の品がそばにあると、心理的なストレスが和らぎ安心感につながります。
ただし、退去時の処分や搬出の手間も考慮し、大型家具は必要最小限にしましょう。また、テレビやラジオを持ち込む際は、本人が操作できるか確認し、イヤホンを準備するなど音量への配慮も忘れてはいけません。
事前に居室の広さを確認したうえで、快適さと将来の負担のバランスを考えて選びましょう。親御さんにとって居心地のよい空間を整えてあげてください。
施設への持ち込みが制限される危険物に注意
安全管理のため、事故やトラブルの原因になり得るものは基本的に持ち込めません。入居者ご本人はもちろん、ほかの利用者やスタッフの安全を守る必要があるためです。
具体的には、火災のリスクがあるライターやマッチ、怪我につながるハサミやナイフなどの刃物は禁止されています。また、多額の現金や高価な貴金属も、盗難や紛失を防ぐ観点から制限されるのが一般的です。
仏壇のロウソクはLEDタイプにするなど、安全な代替品を用意する方法もあります。事前にルールを確認し、持ち込めないものは家族が責任をもって預かるようにしましょう。
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紛失防止のためのすべての持ち物への記名
集団生活での紛失や取り違えを防ぐため、持ち込むすべての私物に名前を書きましょう。洗濯物が他の方と混ざったり、共有スペースに置き忘れたりする可能性があります。
名前シールを活用する際は、ご本人の尊厳を傷つけないようシンプルで大人向けのデザインがおすすめです。子どもっぽい柄だと「年寄り扱いされた」と不快に感じることもあるため、ご本人の気持ちへの配慮が必要です。
洗濯を繰り返すと文字が薄くなってしまうこともあります。面会のたびに名前が消えかけていないか確認し、こまめに書き直すようにしてください。
老人ホーム入居に向けた家族の準備【行政手続き編】
最後は、住所変更などの行政手続きについて解説します。荷造りと違って役所や郵便局へ出向く必要があるため、書類の準備を含めて老人ホーム入居に向けた家族の準備を計画的に進めなければなりません。
後回しにすると重要なお知らせが届かなくなるなど、トラブルの原因になります。効率よく手続きを済ませるために、必要な手順と注意点を確認していきましょう。
住民票の異動が必要かは施設や担当者に確認する
役所へ行く前に、住民票を施設に移す必要があるかを必ず担当者へ確認してください。異動が義務付けられているわけではありませんが、施設によっては契約の条件として求められる場合があります。
また、特養など一部の施設では「住所地特例」という制度が適用され、住民票を移しても以前の自治体が保険者のままとなるケースもあります。自己判断で手続きを進めてしまうと、あとから修正の手間がかかるかもしれません。
二度手間を防ぐためにも、契約前の段階でケアマネジャーや施設の方針を聞いておきましょう。指示に従って動くことが、間違いのない手続きへの近道です。
参考:厚生労働省『
』
介護保険被保険者証の住所変更申請を行う
住民票を施設に移す場合は、あわせて介護保険被保険者証の住所変更も行わなければなりません。住所地特例により保険者が変わらない場合でも、新しい居住地を登録して介護サービスを正しく受ける必要があるためです。
手続きの際は、一般的に介護保険被保険者証や負担割合証、対象施設なら住所地特例適用届の提出が求められます。なお、住民票を移さない場合でも、通知の送付先だけを変更できることがあります。
重要なお知らせが確実に家族の手元へ届くよう、役所の窓口で送付先変更の手続きを相談しましょう。書類の迷子を防ぐことが、安心できる環境づくりにつながります。
マイナンバーカードや年金手帳の住所変更をする
住民票を異動させたなら、マイナンバーカードの住所変更手続きも必要です。ただし、手続きには設定した暗証番号の入力が必須となるため、ご本人が忘れている場合や代理人が行う場合は即日完了しない点に注意しましょう。
一方で、年金に関してはマイナンバーと紐付いていれば、原則として住所変更の届け出は不要で自動的に更新されます。窓口へ行く前に、暗証番号や代理手続きの流れを確認しておくことをおすすめします。
すべてを窓口で行うとすると時間がかかる場合があるため、必要な手続きと不要な手続きを整理し、スムーズに進められるよう事前準備を整えてください。
参考:日本年金機構『
』
郵便局への転送届と重要書類の送付先を変更する
郵便局へ転送届を出すだけでなく、役所や金融機関への住所変更も確実に行いましょう。新しい保険証やキャッシュカードなどの重要書類は「転送不要」で送られることが多く、転送届だけでは届かずに返送されてしまいます。
特に親御さんがご自身での管理が難しい場合は、役所の窓口で「送付先変更届」を提出し、家族が直接受け取れるように手配します。転送届はあくまで一般郵便物のためのものと認識し、重要な通知は個別に手続きが必要です。
郵便物の迷子を防ぐことが、のちの金銭トラブルや手続き漏れの防止につながります。安心して生活できるよう、受け取り体制を整えておきましょう。
本人が安心して新生活をはじめるための環境づくり

荷造りや手続きだけでなく、親御さんが心穏やかに過ごせる環境づくりも老人ホーム入居に向けた家族の準備における大切な役割です。急な環境の変化は、高齢の方にとって大きなストレスになりかねません。
ここでは、自宅の雰囲気に近づける工夫や、施設へ引き継ぐべき医療情報について解説します。安心して新生活をはじめられるよう、心のケアも含めた準備を進めましょう。
自宅の雰囲気を再現して居心地のよい空間にする
すべてを新品で揃えるのではなく、ご自宅で愛用していた使い慣れた物を持ち込むようにしましょう。身の回りの物が新しくなりすぎると「自分の居場所ではない」と寂しさを感じてしまう原因になります。
たとえば長年使っている椅子やクッション、肌触りのよいタオルケットなどは、精神的な安定につながります。ただし、退去時の処分や搬出の手間も考慮し、タンスなどの大型家具は必要最小限にするとよいでしょう。
居室のスペースと将来の負担を考えながら、ご自宅に近い環境を整えてください。
家族写真や思い出の品を飾って安心感を与える
入居直後の孤独感や不安を和らげるために、家族の存在を感じられる写真や愛着のある品物を居室に飾りましょう。いつでも家族とのつながりを感じられるアイテムは、寂しさを紛らわせる心の支えになります。
お孫さんが描いた絵を額に入れて飾ったり、面会のたびに新しい写真に入れ替えたりするのも効果的です。ただし、子どもっぽいおもちゃなどは「年寄り扱いされた」とプライドを傷つける恐れがあるため、本人の好みを尊重しなければなりません。
高価な宝飾品は持ち込めませんが、お気に入りの小物を置いて安心感を届けてあげましょう。
診療情報提供書やお薬手帳で医療情報を伝える
入居後すぐに適切なケアを受けるためには、施設や医療機関へ正確な医療情報を引き継ぐことが欠かせません。現在の病状や治療内容を正しく伝えておくことで、緊急時にも迅速な対応が可能になります。
具体的に提出が必要な書類や物品は、以下のとおりです。
- 医師が作成した健康診断書や診療情報提供書
- お薬手帳と約2週間分の処方薬
- かかりつけ医の診察券や各種保険証
特に健康診断書は発行に時間がかかることが多いため、早めに主治医へ依頼して準備を進めましょう。切れ目のない健康管理が、ご本人の安心と安全な暮らしを守ります。
老人ホーム入居に関するよくある質問
最後に、入居時によくある質問をQ&A形式でまとめました。当日の立ち振る舞いやご本人への接し方は、多くのご家族が悩むポイントでもあります。
老人ホーム入居に向けた家族の準備の総仕上げとして、疑問をすっきりと解消しておきましょう。ここでは、付き添いの時間や挨拶、ご本人のケアについて解説します。
入居当日の家族の付き添いはどこまで必要?
入居当日は、ご本人の精神的なケアや生活環境のセットアップが必要になるため、少なくとも半日程度は時間を確保しておきましょう。当日に契約手続きや重要事項説明の最終確認を行う場合は、質問や署名を含めると2時間ほど要するケースもあります。
また、手続きが終わってすぐにご家族が帰ってしまうと、ご本人は「置き去りにされた」と強い孤独を感じてしまいます。退出する際は「またすぐに面会に来るね」と約束したり、連絡手段を確認したりして安心させてあげてください。
荷解きなどの作業だけでなく、心のケアまで含めた余裕のあるスケジュールを組みましょう。初日の過ごし方が、その後の施設生活への安心感につながります。
入居時の挨拶回りに菓子折りなどは必要ある?
スタッフへの挨拶において、菓子折りなどの手土産を用意する必要は基本的にありません。多くの施設では、コンプライアンスや公平性の観点から金品の受け取りを辞退しているからです。
品物をもっていくことよりも、施設長や担当スタッフに「これからお世話になります」と丁寧に伝えるほうが喜ばれます。感謝と協力の姿勢を言葉で示せば、これからご本人を支えていくパートナーとして良好な関係を築けるでしょう。
どうしても何か渡したいと迷うときは、事前に施設のルールを確認してみるのもひとつの方法です。まずは笑顔で挨拶をし、コミュニケーションをとることからはじめてみてください。
入居を嫌がる本人をどのように説得すればいい?
無理に言葉で説得しようとするのではなく、本人の不安を取り除くための行動や環境づくりを心がけましょう。入居を拒む背景には「家族に捨てられる」「居場所がなくなる」といった孤独感や環境変化へのストレスがあります。
具体的には、入居後も頻繁に面会に行くと約束したり、使い慣れた家具を持ち込んで「自分の部屋」を作ったりします。また「施設に預ける」ではなく「安心できる新しい家」といった前向きな言葉を選ぶとよいでしょう。
家族との関係はこれからも続くと伝え、行動で示してあげてください。ご本人のペースを尊重し、焦らずに安心感を積み重ねていくことが解決への近道です。
まとめ
本記事では、老人ホーム入居に向けた家族の準備について解説しました。入居当日に慌てないためには、余裕をもったスケジュールで計画的に手続きや荷造りを進めていきましょう。
まずは施設へ必要書類や持ち物のルールを確認し、家族間で役割分担をすることからはじめます。ご本人が安心して新生活を送れるよう、使い慣れた家具を用意するなど心のケアも忘れてはいけません。
もし入居準備や施設選びで不安なことがあれば、ひとりで抱え込まずに『笑がおで介護紹介センター』へご相談ください。経験豊富なプロがあなたの悩みに寄り添い、納得のいく施設入居をサポートします。

このコラムの監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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