独身でも老人ホームへ入居できる?押さえておきたい入居条件と費用

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独身でも老人ホームへ入居できる?押さえておきたい入居条件と費用

「独身でも老人ホームへ入居できるの?」「老人ホームの入居条件を教えてほしい」などと考えていませんか。頼れる家族がいないため、老後の生活を心配している方は多いでしょう。結論を先に示すと、独身であっても老人ホームへ入居できます。ただし、一定の条件を満たさなければなりません。ここでは、老人ホームの入居条件、費用、特徴などを解説しています。今後について検討を進めたい方は、参考にしてください。

独身でも老人ホームに入居できる?

独身の方でも、各施設が設定する入居条件を満たせば老人ホームへ入居できます。原則として、老人ホームの入居にあたり既婚、未婚を問われることはないためです。独身を理由に入居を断られることは基本的にないと考えてよいでしょう。ただし、入居時に身元保証人・身元引受人を求められることが少なくありません。相談できる親族がいないなどの場合は注意が必要です。具体的な対処法については、以下で詳しく解説します。

老人ホームの入居条件

老人ホームには、さまざまな入居条件が設けられています。ここでは、基本的な入居条件を解説します。

条件①要介護度

各老人ホームは、要介護度に関する入居条件を定めています。要介護度は、介護サービスの必要度といえるでしょう。大きく自立、要支援、要介護に分類されます。各状態は次のとおりです。

分類 状態
自立 立つ、歩くなどの基本的な日常生活動作と薬の内服、電話を利用するなどの手段的な日常生活動作を自分で行える状態
要支援状態 基本的な日常生活動作に低下がみられ、手段的な日常生活動作に何らかの支援が必要な状態
要介護状態 基本的な日常生活動作についても何らかの介護を必要とする状態

要支援状態は要支援1、要支援2、要介護状態は要介護1~要介護5に分類されます。数字が大きいほど、介護サービスの必要度は高くなります。入居条件に定められている要介護度は施設の種別で異なります。たとえば、健康型有料老人ホームは自立の方を対象、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は要介護3以上の方を対象としています。要介護度に合わせた施設を選ぶことが大切です。

条件②入居時の年齢

年齢も入居条件のひとつとしてあげられます。具体的な条件は施設で異なりますが、基本的には60歳~65歳以上の高齢者が対象といえるでしょう。たとえば、健康型有料老人ホームは60歳以上の方、特別養護老人ホームは65歳以上の方を対象としています。ただし、一定の条件を満たすことで60歳未満、65歳未満でも入居できることがあります。たとえば、特別養護老人ホームは、要介護3以上の認定を受けていれば65歳未満の方でも入居できます。サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の方に加え、要介護認定を受けている60歳未満の方も対象としています。施設ごとの年齢条件を確認することが大切です。

条件③必要な医療ケア

必要とする医療的ケアも入居条件に定められています。施設の医療提供体制によっては受け入れられないことがあるためです。また、入居後に特定の医療的ケアが必要になった場合、退去を求められることがあります。各老人ホームができること、できないことを確かめておかなければなりません。たとえば、痰の吸引や胃ろうに対応できる施設は比較的多いと考えられています。一方で、気管切開やIVHに対応できる施設はそれほど多くありません。具体的な対応状況は施設で異なるため、個別の確認が必要です。

条件④支払い能力

老人ホームは、原則として長期間にわたり入居する生活の場です。入居時に支払い能力の確認も行われています。具体的には、所得証明書や納税証明書などの提出を求められることがあります。支払い能力が不足していると、希望している施設に入居できないことがあるため注意が必要です。ただし、収入や資産が少ない方でも入居できる老人ホームはあります。たとえば、軽費老人ホームのサービス提供費は応能負担(所得に応じて負担額を決定)となっています。

条件⑤保証人・身元引受人の有無

身元保証人・身元引受人の有無も基本的に問われます。身元保証人は入院時の手続きなどで身元を保証する人、身元引受人は入居者が亡くなったときなどに責任を負う人といえるでしょう。ただし、これらの役割を明確に区別している老人ホームは多くありません。入居にあたり身元保証人、身元引受人のいずれか1人を求められることが一般的です。施設によっては、それぞれをたてなければならないこともあります。入居前に確認が必要なポイントといえるでしょう。

関連記事:老人ホームの入居に保証人・身元引受人が必要となる理由とその役割

身元保証人がいない場合の対処法

独身などの理由で身元保証人を見つけられない場合は保証会社を利用できます。保証会社の主な役割は、身元保証人などに代わり緊急時の連絡を受けたり入居、入院などの手続きを行ったり、死亡時の身柄引き受けを行ったりすることです。あるいは、成年後見制度の活用も考えられます。成年後見制度は、判断能力が不十分な方を保護、支援する制度です。具体的には、財産を管理したり介護サービスを契約したりします。身元保証人と同じではありませんが、老人ホームによっては成年後見人でも入居を認めてくれるところがあります。

老人ホームに入居したときに発生する費用

老人ホームで発生する費用は、初期費用と入居後の費用に分かれます。それぞれの概要は次のとおりです。

初期費用

主な初期費用は次のとおりです。

【初期費用】

  • 入居一時金
  • 引越し料金
  • 身元保証サービスの料金

前払い制を採用している老人ホームは入居一時金がかかります。前払い制は、想定される入居期間分の居住費などを入居一時金として前払いする支払い方式です。全額を前払いする全額前払い方式と一部を前払いする一部前払い方式に分かれます。有料老人ホームなどの民間施設が主に採用しています。数千万円かかるケースもあるため注意が必要です。身元保証人をたてられない場合は、身元保証サービスの料金もかかることがあります。具体的な料金は、保証会社や契約するプランで異なります。

関連記事:老人ホームの入居にかかる費用は?相場と安く抑えるポイント

入居後の費用

入居後は月額利用料がかかります。月額利用料は主に以下の項目で構成されます。

【月額利用料】

  • 介護サービス費
  • 居住費
  • 食費
  • 光熱費
  • 管理費
  • 日用品費

介護サービスの自己負担割合は、所得に応じて1割~3割です。利用したサービスに応じて費用が増減する施設と定額で料金が発生する施設があります。月額利用料の目安は、公的施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など)が0円~20万円、民間施設(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)が10万円~40万円です。

関連記事:老人ホームの費用相場は?費用を抑える方法と国民年金で抑える方法

入居できる施設の特徴と費用相場

主な老人ホームの費用の相場は以下のとおりです。

老人ホームの種別 初期費用の相場 月額利用料の相場
特別養護老人ホーム 0円 5万円~15万円
介護付き有料老人ホーム 0円~数千万円 15万円~30万円
住宅型有料老人ホーム 0円~数千万円 12万円~30万円
健康型有料老人ホーム 0円~数億円 10万円から40万円
シニア向け分譲マンション 物件で異なる 物件で異なる
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 0円~数千万円 10万円~40万円
自立型ケアハウス 0円~30万円 6万円~12万円

各老人ホームの特徴を解説します。

①特別養護老人ホーム

原則として65歳以上で要介護3以上の方を対象とする老人ホームです。食事、排泄、入浴などの介護、日常生活動作の維持と回復を目指す機能訓練、療養上の世話などを受けられます。24時間体制で介護を受けられる点と長期入所できる点が魅力といえるでしょう。ただし、入居希望者が多いため待機期間が発生している施設が少なくありません。

②介護付き有料老人ホーム

特定施設入居者生活介護の指定を受けて、当該施設の職員などが介護サービスを提供している有料老人ホームです。原則として60歳以上の方を対象としています。施設の種別によっては自立している方でも入居できます。主な強みは、介護が必要な状態になっても入居を継続できることとスムーズに入居できる施設が多いことです。ただし、費用はやや割高といえます。

③住宅型有料老人ホーム

掃除・洗濯・買い物代行などの生活支援のサービスを提供している有料老人ホームです。入居条件は施設により異なります。年齢は60歳以上または65歳以上、要介護度は自立から受け入れている施設が多いでしょう。入居後に介護が必要になった場合は、利用者が外部の介護サービス事業者と契約して生活を継続できます。主な魅力は選択肢が豊富なことです。ただし、施設によっては、要介護度が高くなると退去を求められます。

④健康型有料老人ホーム

食事サービスなどを提供している有料老人ホームです。60歳以上で自立している方を主な対象としています。施設内に温泉やフィットネスジムを併設しているところが少なくありません。また、レクリエーションなども充実している傾向があります。アクティブな老後生活を送れる点は魅力です。ただし、要介護度が高くなると契約を解除して退去しなければなりません。施設数が少ない点にも注意が必要です。

⑤シニア向け分譲マンション

高齢者向けの各種サービスを提供している分譲マンションです。主なサービスとして、バリアフリー構造の居室、カラオケやジムなどの娯楽施設、見守りサービス、フロントサービスなどがあげられます。自立している高齢者を主な対象としています。特徴は、所有権を得られることと設備やレクリエーションが充実していることです。ただし、介護サービスは提供していないため、介護が必要になった場合は外部の事業者と契約しなければなりません。また、購入費用に加え管理費や修繕積立金がかかる点にも注意が必要です。

⑥サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

高齢者住まい法に基づく高齢者向けの住宅です。一定の設備と面積を備えたバリアフリー構造の住宅とケアの専門家による見守りサービスを特徴とします。見守りサービスは、安否確認サービスと生活相談サービスで構成されます。入居の対象は60歳以上の方または要支援認定、要介護認定を受けている60歳未満の方です。一定の条件を満たす同居の方も入居できます。主な強みは、高齢者でも契約しやすいことと見守りを受けながら自由度の高い生活を送れることです。ただし、要介護度が高くなると入居できないことがあります。

⑦自立型ケアハウス

家庭環境や住宅事情などにより家庭で生活を送ることが困難な高齢者を入居させて、日常生活に必要な支援や緊急時対応などを提供する老人ホームです。自立した生活に不安を抱える60歳以上の高齢者を対象とします。主な強みは、低料金で日常生活に必要な支援を受けられることです。ただし、介護が必要になった場合は外部の事業者と契約して介護サービスを利用しなければなりません。人気が高いため、待機期間が発生しやすい点にも注意が必要です。

独身でも老人ホームへ入居できます

ここでは、独身の方が知っておきたい老人ホームの知識について解説しました。原則として、既婚・未婚が入居条件になることはありません。独身の方も一定の要件を満たせば老人ホームへ入居できます。ただし、多くの場合、身元保証人などをたてなければなりません。相談できる親族などがいない場合は注意が必要です。また、老人ホームには、さまざまな選択肢があります。目的などを踏まえて、自分に合っている施設を選ぶことが大切です。

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監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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