老人ホームの費用相場は?費用を抑える方法と国民年金で抑える方法

 

お役立ちコラム

老人ホームの費用相場は?費用を抑える方法と国民年金で抑える方法

老人ホーム選びでもっとも気になるのは「費用」ではないでしょうか。「老人ホームの費用はいくらかかるの?」「費用を抑える助成金はないの?」と疑問を抱く人も多いかと思います。

関連記事:老人ホームとは?介護施設との違いや種類・費用などを一覧表で解説

老人ホームの費用相場は、公的施設と民間施設で大きく異なります。無理なく費用を支払うためにも、費用相場は抑えておきたいものです。

そこで今回は老人ホーム・介護施設費用の平均相場や、費用を抑えるための助成制度について紹介します。老人ホームの費用を理解して施設選びをしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

老人ホーム・介護施設費用の平均相場

老人ホームや介護施設の費用を、公的施設と民間施設に分けて解説します。

関連記事:有料老人ホーム10種類の特徴や費用を一覧解説!違いや選び方とは

費用の安さを重視するなら公的施設

公的施設は国や地方自治体、社会福祉法人が運営している施設のことです。民間施設と比べて費用はリーズナブルです。そのため人気が高く、施設によっては入居待ちのところもあります。

ここでは5つの公的施設の概要と、費用目安を紹介します。

特別養護老人ホームの概要・費用目安

初期費用相場

0円

月額利用料相場

5~15万円

特別養護老人ホームは常時介護を必要とし、在宅での生活が難しい高齢者を介護する施設です。入浴や排せつ、食事など生活全般における介護、機能訓練や健康管理などのサービスを受けられます。

入居条件は原則として要介護3以上の人です。長期入居を前提としており、看取り対応も可能です。費用が安価なため人気は高く、施設によっては入居までに時間がかかります。

介護老人保健施設の概要・費用目安

初期費用相場

0円

月額利用料相場

8~20万円

介護老人保健施設では、介護が必要な高齢者の自立を支援します。入院していた人が、退院後の生活に不安がある場合に、利用することの多い施設です。常勤の医師が常駐していることが一般的です。

最終的な目標を在宅復帰としており、医師の管理下でリハビリや生活サポートを受けられます。

入居条件は原則65歳以上で、要介護1以上であること。自立を目的とするため、入居期間は3〜6ヶ月程度と短いのが特徴です。

養護老人ホームの概要・費用目安

初期費用相場

0円

月額利用料相場

0~14万円

養護老人ホームは経済的や身体的などさまざまな理由で、自宅で生活できない高齢者を養護し、自立を支援します。その名のとおり、高齢者を養護する施設です。

利用料は前年度の収入を元に決定されます。月額利用料が0円となるケースは、本人の収入年額が0~27万円 の場合です。

基本的に介護サービスは受けられません。施設によっては介護度が上がった場合、退去しなければならないこともあります。

入居条件は経済的理由や環境によって困窮している、身体的な介護を必要としない65歳以上の人です。自立を目的とするため、長期入居、看取りはできません。

 一般型ケアハウスの概要・費用目安

初期費用相場

0〜30万円

月額利用料相場

6~12万円

ケアハウス(軽費老人ホーム)は、自宅での生活に不安のある人が生活支援を受けられる施設です。食事の提供や掃除、洗濯などの生活支援サービスが受けられます。

一般型ケアハウスの入居条件は健康上問題のない60歳以上で、自宅での生活が難しい人です。介護サービスの提供はありません。介護が必要となった場合は外部の介護サービスを受けるか、常時介護が必要となった場合は退去しなければならないところもあります。

介護型ケアハウスの概要・費用目安

初期費用相場

0〜30万円

月額利用料相場

6~20万円

ケアハウス(軽費老人ホーム)の介護型と一般型の違いは入浴や排せつ、身体介助や機能訓練などの介護サービスが受けられることです。一般型で受けられる生活支援サービスも、合わせて受けられます。

入居条件は原則65歳以上の要介護1〜で、自宅での生活に不安がある人です。長期入居も可能で、看取りをしてもらえる施設もあります。

 入りやすさを重視するなら民間施設

民間施設とは、企業が運営する施設のことです。一般的に公的施設と比べて費用は高めです。施設の種類が豊富で、サービス内容も充実しています。

ここでは5つの民間施設の概要と費用目安を紹介します。

介護付き有料老人ホームの概要・費用目安

初期費用相場

0円〜数千万円

月額利用料相場

15〜30万円

介護付き有料老人ホームは介護スタッフが24時間常駐しており、生活介助や介護サービスを受けられる施設です。

入居条件は原則として60歳以上で要介護1〜の人です。また自立した人でも入居できる「混合型」や「自立型」もあります。

なお認知症の患者を受け入れや、看取り対応をしている介護付き有料老人ホームも増えてきました。

初期費用は施設ごとで差があり、0円と設定しているところも。その場合、月額利用料は高くなりがちです。

関連記事:介護付有料老人ホームの特徴・入居の条件と費用相場

住宅型有料老人ホームの概要・費用目安

初期費用相場

0〜数千万円

月額利用料相場

12〜30万円

住宅型有料老人ホームは生活支援が受けられる、高齢者向けの施設です。施設内で介護サービスは受けられませんが、デイサービスや訪問介護などの外部による介護サービスを利用できます。

入居条件は主に自立〜要介護度が低い60歳以上ですが、施設によって異なります。入居後に介護度が上がると退去しなければならないところも。レクリエーションが豊富など、それぞれ特徴があり、入居者の希望に合わせて施設を選べます。

健康型有料老人ホームの概要・費用目安

初期費用相場

0〜数億円

月額利用料相場

10~40万円

健康型有料老人ホームは自立している高齢者向けの施設です。施設による医療や介護サービスを受けることはできません。

入居条件は介護を必要としない60歳以上の人です。看取り対応や認知症の方の受け入れはしていません。

元気があるうちに入れる施設なので、入居者が楽しめる工夫も多く用意されています。

サービス付き高齢者向け住宅の概要・費用目安

初期費用相場

0〜数十万円

月額利用料相場

10〜40万円

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者単身・夫婦世帯向けの賃貸住宅のことです。介護度によって「一般型」と「介護型」に分かれます。

入居条件は60歳以上、または要介護認定を受けた60歳未満の人です。

提供義務があるサービスは、安否確認と生活相談です。施設によっては生活支援や食事提供などを行っているところも。施設内で介護サービスは受けられませんが、デイサービスや訪問介護などの外部による介護サービスを利用できます。

なお介護サービスを提供している施設もありますが、基本的にそのサービスは介護保険適用外です。施設が「特定施設入居者生活介護」の事業所として指定を受けていない場合は、利用者が費用を全額負担しなければなりません。

グループホームの概要・費用目安

初期費用相場

0〜数百万円

月額利用料相場

12〜18万円

グループホームとは認知症の症状緩和を目的とした高齢者向けの施設です。専門の介護スタッフのサポートを受けながら
認知症の方がワンユニット5〜9人(施設全体では10人を超える場合もあります)の少人数で生活します。

入居条件は以下の4つです。

  • 医師により認知症の診断を受けている
  • 65歳以上の高齢者
  • 要支援2~要介護5の認定を受けている
  • 施設と同じ市区町村に住民票がある

医師や看護師の配置基準がないため、施設内での医療ケアは受けられない場合があります。

 老人ホーム・介護施設の費用を抑える助成制度

老人ホームの費用を抑えられる助成制度があります。条件を満たせば経済的負担が軽くなる可能性もあるので、ぜひチェックしてみてください。

高額介護合算療養費

高額介護合算療養費制度とは1年間に医療保険と介護保険の利用で、一定以上の高額な自己負担があった場合、払い戻しを受けられる制度のことです。

高額介護合算療養費制度の対象者は以下のとおり。

  • 医療保険における世帯に介護保険の受給者がいる場合
  • 世帯単位で医療保険と介護保険の自己負担が自己負担限度額を超えた場合

自己負担限度額は以下のとおりです。

(画像出典:高額介護合算療養費制度 概要

高額介護サービス費制度

高額介護サービス費制度とは、1ヵ月に支払った介護サービス費用の自己負担額が負担の上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度のことです。

自己負担額は世帯で合算できます。食事や居住費など、介護保険サービス以外にかかった費用は、制度の対象外となります。

自己負担限度額は以下のとおりです。

(画像出典:厚生労働省

高額療養費制度

高額療養費とは1ヶ月にかかる医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。

自己負担限度額は、収入や年齢によって決められています。

【70歳未満の場合】

(画像出典:がんとお金 医療費の負担を軽くする公的制度

【70歳以上の場合】

(画像出典:がんとお金 医療費の負担を軽くする公的制度
なお事前に医療費が高額になると予想される場合には、事前に健保へ申請しておくと便利です。交付された「限度額適用認定証」を利用することで、窓口での支払い金額が自己負担限度額までとなります。

老人ホーム・介護施設費用Q&A

老人ホームや介護施設入居で気になることを、Q&A方式でまとめました。

老人ホーム・介護施設の費用が払えない場合は?

もし費用が払えなくなった場合でも、すぐに退去を迫られるわけではありません。

施設によっても異なりますが、一般的には3〜6ヶ月程度の支払い猶予があります。猶予期間は契約書や重要事項説明書に記載されています。

猶予期間の間に、本人や身元引受人から支払いがされない場合は、強制退去させられることも。そうならないためにも、支払いが難しくなりそうなら早めに施設へ相談しましょう。

国民年金で入れる老人ホーム・介護施設はある?

国民年金の平均受給月額は約5.6万円です。月額利用料を見ると、国民年金だけで入れる施設は公的施設となります。しかし現実には、国民年金だけで老人ホームに入るのは難しいでしょう。月額利用料の他にも医療費や雑費など、さまざまな費用が必要になるからです。

国民年金だけで老人ホーム・施設に入るには、生活保護の利用も一つの方法です。有料老人ホームでも生活保護受給者を受け入れている施設が増えてきました。ただし生活保護を受けるとさまざまな制限が課せられるため、これは最終手段と考えておいたほうがよいでしょう。

また少しでも費用を抑えたいのであれば、上記で解説した助成制度の活用も視野に入れたいところです。

元気なうちに老人ホーム・介護施設は入れる?

健康型有料老人ホームや自立型の住宅型有料老人ホームなら、入居者が元気なうちから入居可能です。

健康なうちに入りたい施設を選ぶことは、自分の意思を反映できるメリットがあります。

ただし多くの健康型有料老人ホームは、入居後に介護が必要となった場合、転居しなければなりません。数年後の状態を見越した施設選びが重要です。

関連記事:介護施設・老人ホームに入るには?入居条件や入居の流れを解説

老人ホーム・介護施設をお探しなら「笑がおで介護紹介センター」へ

老人ホームや介護施設の費用は、公的施設と民間施設で大きく異なります。一般的に公的施設は初期費用がかからないところも多く、月額利用料もリーズナブル。民間施設は提供するサービスや設備などが施設によって異なるため、平均的な費用は高めです。

また入居費用を抑えるためには、助成制度を利用しましょう。

とはいえ、数ある施設の中から自分や家族に合った老人ホーム・介護施設を選ぶのは難しいかと思います。

そのようなお悩みがあれば「笑がおで介護紹介センター」を利用してみましょう。予算や希望する条件を選ぶだけで、老人ホーム検索ができます。利用料はかかりません。

数ある施設の中からどの施設を選べばよいかわからない場合でも、お問合せいただけますと専任の相談員がご希望の条件をお伺いし、適切な施設をご納得いただけるまでご紹介させていただきます。

また施設選びだけでなく、ご紹介からご入居の手続きまでトータルサポートいたします。ぜひ「笑がおで介護紹介センター」で、あなたに合った老人ホームを見つけてください。

監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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