育児と介護の「ダブルケア」とは?負担を軽くする支援制度や相談先を解説

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ダブルケアとは?育児と介護が同時に訪れる社会的課題

「ダブルケア」という言葉を聞いたことがありますか?これは、子育てと親の介護が同時期に発生する状況を指す言葉です。晩婚化や長寿化が進む現代の日本において、決して他人事ではない社会的な課題となりつつあります。ダブルケアに直面すると、精神的、身体的、経済的に大きな負担がかかり、「終わりが見えない」と一人で思い悩んでしまう方も少なくありません。しかし、その重い負担を少しでも軽くするための公的な支援制度や相談窓口は数多く存在します。この記事では、ダブルケアの現状とその背景、具体的な負担の内容を解説するとともに、利用できる支援制度やサービス、悩みを打ち明けられる相談先について詳しくご紹介します。一人で抱え込まず、適切なサポートを活用して、あなたとご家族が少しでも心穏やかに過ごせる道筋を見つけることが何よりも大切です。

近年、メディアなどで耳にする機会が増えた「ダブルケア」。まずは、その基本的な意味と、なぜ今、ダブルケアが社会的な課題として注目されているのか、その背景について見ていきましょう。

「ダブルケア」の基本的な意味

ダブルケアとは、一般的に「育児」と「介護」という2つのケア(お世話)が、同時期に、同一の人物(ダブルケアラー)にのしかかる状態を指します。これには、祖父母の介護や、配偶者の親の介護、障がいのある子どもの育児なども含まれる場合があります。内閣府の調査によれば、ダブルケアに直面している人の数は約25万人にのぼると推計されており、決して珍しい状況ではありません。子育て世代である30代から40代が、その中心的な担い手となっています。子どもの成長を見守る喜びと、親の老いを支える責任。その両方を同時に担うことは、想像以上に心身への負担が大きく、社会全体で支えていくべき重要な課題として認識され始めています。

なぜ今ダブルケアが増えているのか?社会的な背景

なぜ、現代の日本でダブルケアに直面する人が増えているのでしょうか。その背景には、主に「晩婚化・晩産化」と「長寿化」という2つの社会的な変化が大きく影響しています。

晩婚化・晩産化と長寿化の影響

厚生労働省の人口動態統計によると、日本の平均初婚年齢や第一子を出産する母親の平均年齢は年々上昇しています。例えば、2022年の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.7歳、第一子出生時の母の平均年齢は30.9歳となっています。つまり、30代や40代で子育てをしている人が増えているということです。一方で、医療の進歩などにより日本の平均寿命は延び続けており、親が80代、90代と長生きするケースが一般的になりました。親が高齢になれば、当然ながら介護が必要になる可能性も高まります。その結果、自身の子育て期と親の介護期が重なりやすくなり、ダブルケアに直面する人が増加しているのです。

ケアの中心になりやすい30代~40代の女性

ダブルケアの担い手は、男性もいますが、依然として女性が中心となる傾向があります。内閣府の調査では、ダブルケアラーのうち約7割が女性であるというデータも出ています。これは、「育児や介護は女性が担うもの」という根強い性別役割分業の意識が背景にあると考えられます。また、男性に比べて非正規雇用の割合が高い女性は、キャリアへの影響を考えて介護を引き受けざるを得ないケースも少なくありません。働き盛りである30代~40代の女性が、仕事、育児、介護という複数の役割を一人で背負い込み、心身ともに疲弊してしまうという深刻な状況が生まれています。

ダブルケアがもたらす3つの大きな負担

ダブルケアは、担い手に対して多岐にわたる深刻な負担をもたらします。ここでは、特に大きな問題となる「精神的・身体的」「経済的」「キャリアへの影響」という3つの負担について具体的に解説します。

精神的・身体的な負担|孤立と終わりの見えない疲弊

育児と介護は、どちらか一つだけでも精神的・身体的に大きな負担がかかります。ダブルケアでは、それが同時に、かつ長期的に続くため、疲労は蓄積していく一方です。

負担の種類 具体的な内容
精神的な負担
  • 自分の時間が全くなく、常に誰かのために動いているというストレス
  • 「いつまで続くのか」という、終わりの見えない不安感や絶望感
  • 周囲に同じ境遇の人がおらず、悩みを共有できないことによる孤立感
  • 育児も介護も完璧にこなせないことへの罪悪感や自己嫌悪
身体的な負担
  • 子どもの世話と親の介護(食事、入浴、排泄(はいせつ)介助など)による肉体的な疲労
  • 夜間の授乳や親の見守りなどによる慢性的な睡眠不足
  • 自身の体調不良や通院を後回しにしてしまう

このように、心と身体の両方が限界に近い状態でケアを続けることは、うつ病などの精神疾患や、介護者自身の健康悪化につながる危険性もはらんでいます。

経済的な負担|介護費用と収入減少の二重苦

ダブルケアは、家計にも大きな影響を及ぼします。子どもの教育費や養育費がかかる中で、親の介護費用も同時に負担しなければならないからです。

▼介護にかかる費用の目安

費用の種類 目安金額(月額) 備考
在宅介護 平均 約4.8万円 住宅改修や介護用品の購入などで一時的に高額な費用がかかる場合もある
施設介護 平均 約12.2万円 施設の種類(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)によって大きく異なる

これらの支出増に加えて、介護のために働き方を変えざるを得なくなり、収入が減少するという問題も発生します。パートタイム勤務への変更や、時短勤務の利用で収入が減るだけでなく、最悪の場合「介護離職」に至れば、収入が途絶えてしまいます。「支出は増えるのに収入は減る」という経済的な二重苦は、ダブルケアラーを精神的にさらに追い詰める大きな要因となります。

キャリアへの影響|仕事との両立の壁と離職・転職

働き盛りの世代にとって、キャリアの断絶は深刻な問題です。ダブルケアに直面すると、仕事との両立に大きな壁が立ちはだかります。具体的には、以下のような影響が考えられます。

時間的な制約
親の通院の付き添いや、子どもの急な発熱などで、頻繁に仕事を休んだり早退したりする必要が出てくる。
キャリアアップの停滞
残業や出張が難しくなり、重要なプロジェクトや責任のある役職を任されにくくなる。
介護離職
仕事との両立が物理的に不可能になり、退職を選択せざるを得なくなる。一度離職すると、希望する条件での再就職は困難な場合が多い。

育児・介護休業法などの両立支援制度はありますが、職場の理解が得られなかったり、制度を利用しづらい雰囲気だったりと、十分に活用できていないケースも少なくありません。キャリアを諦めざるを得ない状況は、本人の自己肯定感を低下させ、将来への不安を増大させることにつながります。

一人で抱え込まないで!利用できる支援制度と相談先

ダブルケアの負担は、決して一人で抱え込めるものではありません。幸い、日本には悩みを相談できる公的な窓口や、負担を軽減するための様々な支援制度、介護サービスが用意されています。これらを積極的に活用することが、困難な状況を乗り越えるための第一歩です。

まずは相談から|悩みを打ち明けられる公的窓口

何から手をつけていいか分からない、誰に相談すればいいか分からないという場合は、まず公的な相談窓口を頼りましょう。専門の相談員が、あなたの状況に合わせたアドバイスや情報提供をしてくれます。相談は無料ですので、気軽に利用してみてください。

親の介護のことなら「地域包括支援センター」

地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんせんたー)は、高齢者の暮らしを地域で支えるための拠点として、全国の市町村に設置されています。高齢者の介護に関する「総合相談窓口」と考えると分かりやすいでしょう。

▼地域包括支援センターで相談できること

介護に関する総合相談
「親の物忘れがひどくなった」「足腰が弱ってきて心配」といった悩みから、具体的な介護の方法まで幅広く相談できます。
介護保険サービスの利用支援
介護保険の要介護認定(ようかいごにんてい)の申請手続きの代行や、ケアプランの作成支援などを行ってくれます。
地域のサービス紹介
介護保険サービスだけでなく、自治体独自の配食サービスや見守りサービスなど、地域にある様々な高齢者向けサービスを紹介してくれます。
権利擁護
高齢者虐待の早期発見・防止や、成年後見制度(せいねんこうけんせいど)の利用支援など、高齢者の権利を守るための取り組みも行っています。

お住まいの地域の地域包括支援センターの場所や連絡先は、市町村のウェブサイトや窓口で確認できます。

子育てのことは「子供家庭支援センター」

子育てに関する悩みや不安は、「子供家庭支援センター(児童家庭支援センター)」に相談できます。名称は自治体によって「子育て世代包括支援センター」など異なる場合がありますが、子育てに関する総合的な相談窓口としての役割を担っています。

▼子供家庭支援センターで相談できること

子育てに関する相談
「子どもの発達が気になる」「しつけの仕方が分からない」「イライラして子どもに当たってしまう」といった、子育て全般の悩みに対応してくれます。
子育て支援サービスの情報提供
一時預かりやファミリー・サポート・センター、保育園や幼稚園に関する情報など、地域の子育て支援サービスについて教えてくれます。
児童虐待に関する相談・通告
必要に応じて、児童相談所などの専門機関と連携し、子どもの安全を守るための対応を行います。

こちらも市町村のウェブサイトや窓口で相談先を確認できます。育児と介護、それぞれの専門窓口に相談することで、問題が整理され、解決への糸口が見つかるはずです。

情報収集して活用したい支援制度や介護サービス

相談窓口と並行して、具体的に利用できる制度やサービスについて情報収集を進めましょう。介護と育児、それぞれの負担を直接的に軽くしてくれるサービスを活用することが重要です。

▼主な支援制度・介護サービス

分類 制度・サービス名 内容
介護 介護保険サービス
デイサービス(通所介護)
日帰りで施設に通い、食事や入浴、リハビリなどのサービスを受ける。
ショートステイ(短期入所生活介護)
短期間施設に宿泊し、介護サービスを受ける。介護者の休息(レスパイトケア)にもなる。
訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護(食事・入浴介助など)や生活援助(掃除・買い物など)を行う。
育児・介護休業法
介護休業
対象家族1人につき通算93日まで休業できる。
介護休暇
対象家族1人につき年5日まで、時間単位で休暇を取得できる。
子の看護休暇
小学校就学前の子1人につき年5日まで、時間単位で休暇を取得できる。
育児 子育て支援サービス
一時預かり
保護者の病気やリフレッシュなどの際に、一時的に子どもを預かってもらえる。
ファミリー・サポート・センター
子育ての援助を受けたい人と行いたい人が会員となり、地域で相互援助活動を行う。
病児・病後児保育
子どもが病気や病気の回復期で、集団保育が困難な場合に預かってくれる。

これらのサービスを上手に組み合わせることで、介護や育児にかかる時間的・身体的な負担を大きく軽減できます。利用には申請や費用が必要な場合がありますので、まずはケアマネジャーや相談窓口で詳細を確認しましょう。

家族や地域のコミュニティと情報を共有する重要性

公的なサービスだけでなく、身近な人々の協力も不可欠です。まずは、配偶者や兄弟姉妹と「家族会議」を開き、ダブルケアの現状を共有しましょう。誰が何をできるのか、費用負担はどうするのかなど、具体的な役割分担を話し合うことが大切です。一人で全てを抱え込まず、家族でチームとして乗り越えるという意識を持つことが、精神的な負担の軽減につながります。また、地域の同じような境遇の人たちとの交流も支えになります。自治体が主催する「ダブルケアカフェ」や、介護者・育児者のためのオンラインコミュニティなどに参加してみるのも良いでしょう。同じ悩みを持つ仲間と話すことで、有益な情報が得られたり、気分が楽になったりすることがあります。

ダブルケアに関するよくある質問

ここでは、ダブルケアに関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式でお答えします。

ダブルケアに直面したら何から手をつければいい?

突然ダブルケアの状況に陥ると、何から手をつけていいか分からず混乱してしまうかもしれません。まずは落ち着いて、以下のステップで進めてみましょう。

  1. 現状を整理する 親の身体の状態、介護にどれくらいの時間や手間がかかるのか、子どもの年齢や手のかかり具合、家計の状況、自分が仕事に使える時間など、客観的に現状を書き出してみましょう。
  2. 専門家に相談する 整理した情報をもとに、地域包括支援センター(介護のこと)や子供家庭支援センター(育児のこと)に相談します。専門家の視点から、今何をすべきか、利用できるサービスは何かを教えてもらえます。
  3. 家族と話し合う 配偶者や兄弟姉妹と情報を共有し、協力体制を築きます。一人で抱え込まず、役割分担を明確にすることが重要です。
  4. サービス利用の計画を立てる ケアマネジャーなどと相談しながら、介護保険サービスや育児支援サービスを組み合わせた具体的な利用計画を立て、申請手続きを進めます。

まずは「相談する」というアクションを起こすことが、解決への大きな一歩となります。

利用できる公的な経済支援はあるか?

ダブルケアによる経済的な負担を軽減するための公的な支援制度もいくつかあります。該当するものがないか、ぜひ確認してみてください。

介護休業給付金
育児・介護休業法に基づき介護休業を取得した場合、雇用保険から給与の一部が支給されます。
高額介護サービス費制度
介護保険サービスの自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
医療費控除
自分や生計を同じくする家族のために支払った医療費が一定額を超える場合、確定申告をすることで所得税が還付される可能性があります。おむつ代なども対象になる場合があります。
自治体独自の助成金
自治体によっては、介護用品の購入費助成や、住宅改修費の助成など、独自の経済的支援を行っている場合があります。市町村の窓口で確認してみましょう。

これらの制度は、自分から申請しなければ利用できないものがほとんどです。利用できる制度を見逃さないよう、積極的に情報収集することが大切です。

在宅での介護や両立に限界を感じたら「笑がおで介護紹介センター」へ

育児と介護の両立に奮闘し、様々なサービスを利用しても、在宅での生活が限界に近づいてしまうこともあります。そのような時は、決してご自身を責めないでください。ご家族と介護を受けるご本人の双方が、心穏やかに暮らせる環境を選ぶことも、大切な選択の一つです。介護施設への入居は、介護のプロによる24時間体制のサポートを受けることで、介護者の負担を大きく軽減し、育児に専念できる時間や、ご自身の時間を取り戻すきっかけになります。

私たち「笑がおで介護紹介センター」は、関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)の老人ホーム・介護施設探しを専門にサポートしています。介護業界に精通した相談員が、お一人おひとりのご状況やご希望を丁寧にお伺いし、最適な施設をご提案いたします。ご相談から施設見学の調整、入居まで、すべて無料でサポートさせていただきますので、どうぞご安心ください。「もう限界かもしれない」と感じたら、一人で悩まず、ぜひ一度「笑がおで介護紹介センター」にご相談ください。あなたとご家族が、再び笑顔で過ごせる毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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