サービス付き高齢者向け住宅とは?悪質な施設の見分け方も紹介

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を検討しているけど、悪質な施設に当たってしまったらどうしよう…」
大切なご家族が暮らす場所だからこそ、施設選びで絶対に失敗したくない、そう考えるのは当然のことです。
そこで本記事では、サービス付き高齢者向け住宅の基本的な特徴から、年間数千件の紹介実績を持つプロの視点で悪質な施設の見分け方、入居前に絶対に確認すべき注意点まで詳しく解説していきます。
サービス付き高齢者向け住宅とは?
サービス付き高齢者向け住宅、一般に「サ高住」と呼ばれる施設は、高齢者が安心して自立した生活を送れるように設計されています。バリアフリー構造、安否確認、生活相談といったサービスを提供し、生活の質を高めることを目指しています。
ここではサ高住の特徴、入居対象者、契約形態について詳しく解説していきます。
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住宅の種類や構造
サービス付き高齢者向け住宅は、床面積が原則25平方メートル以上で一定の構造や設備基準を満たしたバリアフリー設計の住宅です。廊下幅の確保、段差の解消、手すりの設置など高齢者の生活を支える細やかな配慮が施されています。※
また、施設によっては診療所や訪問看護ステーション、デイサービスなどの医療・介護関連施設が併設されていることもあります。
【※居間、食堂、台所等、高齢者が共同して利用するために十分な面積を有する共用の設備がある場合は18㎡以上とすることができる】
入居の対象者
サービス付き高齢者向け住宅の入居者は、60歳以上の高齢者または60歳未満でも要支援・要介護認定を受けている方が対象です。一般型は自立状態の方が主に入居し、介護型は中重度の要介護状態の方でも入居可能です。
介護型のサービス付き高齢者向け住宅は施設内で直接介護サービスを受けられることが特徴で、要介護度の高い高齢者も安心して過ごせる環境を提供しています。
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契約の形態
サービス付き高齢者向け住宅では、長期入院などの関係で事業者から一方的に解約されないよう契約内容に保護措置が設けられています。また、敷金や家賃、サービス対価以外の金銭を徴収しないことなどが定められており、賃貸形式で一時金不要の場合も多いです。
これにより、入居者は生活の自由度を保ちながら必要なサポートを受けることができます。
サービス付き高齢者向け住宅の問題点
サービス付き高齢者向け住宅は多くの高齢者にとって魅力的な選択肢ですが、入居者や家族が考慮すべきいくつかの問題点があります。
【サ高住の問題点】
- 金銭的な負担が大きい
- 介護が必要な入居者が増えている
- 必要なサービスが受けられない場合がある
- 食事が合わない場合がある
これらの問題点は、サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際の重要な判断基準となり適切な施設選びに欠かせません。それぞれ詳しく見ていきましょう。
問題点①金銭的な負担が大きい
サービス付き高齢者向け住宅の入居には、家賃のほかにもサービス料や敷金といった費用がかかります。バリアフリー構造や付帯サービスの提供に伴うコストが反映されており、結果的に一般的な賃貸住宅と比較して高額になることが多いです。
月額で10万円から40万円程度の負担が必要な場合もあり、入居を検討する際はしっかりとした資金計画が求められます。
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問題点②介護が必要な入居者が増えている
サービス付き高齢者向け住宅の入居者の中には、認知症や身体の衰えによって介護が必要になる人が増加しています。しかし、サービス付き高齢者向け住宅の中には介護サービスが充分に備わっていない場合もあり、十分なサポートを受けられずに満足できる生活が送れない場合があります。
また、認知症を患っていない高齢者とのトラブルにつながるリスクも指摘されています。
問題点③必要なサービスが受けられない場合がある
一般型のサービス付き高齢者向け住宅では、入居時は健康であっても後に介護度が上がり必要となるサービスの提供が追い付かないことがあります。その結果、入居者の日常生活が困難になることも。
最悪の場合、事故や健康問題が生じる恐れもあります。また、一般型に限らず介護型の場合でも提供されるサービスが入居者のニーズに合っていないケースが生じることもあります。
問題点④食事が合わない場合がある
多くのサービス付き高齢者向け住宅で食事の提供が行われていますが、質や内容は施設によって大きく異なります。栄養バランスを考えた手作りの食事を提供する施設もあれば、コスト削減のためにレトルト食品を提供する施設もあります。
食事の内容が入居者の好みに合わない、あるいは食事の質に不満を持つことも少なくありません。入居前の見学や体験入居を通じて施設の食事内容を確認し、自分に合っているかどうかを判断することが重要です。
悪質なサービス付き高齢者向け住宅の特徴とは
サービス付き高齢者向け住宅の急速な増加とともに、利用者が直面する問題やトラブルも増加しています。悪質なサービス付き高齢者向け住宅を見分けるには、以下のような特徴を理解し警戒する必要があります。
【悪質なサ高住の特徴】
- 悪質な「囲い込み」や不当な請求をされる
- 自由な生活が送れない
- 施設・サービスが充実していない
具体的にどういったケースがあるのか、詳しく見ていきましょう。
悪質な「囲い込み」や不当な請求をされる
悪質なサービス付き高齢者向け住宅は、入居者の自由や権利を侵害し、不当な経済的負担を強いることが特徴です。一例として、囲い込みによる不当な請求を行い、入居者に不利益を与えている場合があります。
囲い込みとは、施設が入居者に対して特定の介護サービス事業者との契約を強制し、そのサービス利用料を過大に請求する行為を指します。入居者は通常外部の介護サービス事業者を自由に選ぶ権利がありますが、悪質な施設ではこれらの自由が制限されます。
囲い込み行為は利用者の選択権を侵害するだけでなく、法外な負担を強いることで入居者の経済的な安定を損ねます。また、行政の管理が行き届いていないために、このような問題が繰り返されています。
施設数の増加と民間運営の性質上、一つ一つの施設に対する行政の監視が難しい状況となっているようです。
自由な生活が送れない
サービス付き高齢者向け住宅の中には、自由度が低いことを大きな問題として抱える悪質な施設も存在しています。これらの施設では生活の質や個々のニーズが考慮されず、生活上の制限が多くなります。
自由度が低い実態としては、居室にトイレなどの基本設備がない、共用の設備に無理な制限がかけられている、または自炊や個人の趣味・活動に必要な設備が不足しているなど多岐にわたります。
こうした生活の制限は利用者の自立した生活を阻害し、心地良い居住環境を提供するサービス付き高齢者向け住宅の本来の目的に反します。
さらに、一部の悪質な施設では生活の自由度を制限することによって運営コストの削減や利益の最大化を図っている場合があります。悪質な施設では、利用者の満足度や生活の質よりも事業者の利益が優先されてしまいがちです。また、行政の監視が行き届かないことが背景にあるため、このような問題が放置されてしまうのです。
施設・サービスが充実していない
悪質なサービス付き高齢者向け住宅では、施設やサービスが表面上は魅力的に見えても実際は充実していません。利益を優先する運営体制が背景にあるため、ただ形だけを整えた施設が増加し中身が伴わない場合があります。そのため、地域の高齢者ニーズに合わない、あるいは十分なケアやサービスを提供できないことを意味します。
具体的には、介護や医療サービスが名ばかりで実際は適切なケアが提供されていない、設備が不十分である、または入居者の自由度やプライバシーが尊重されていないなどの問題が挙げられます。加えて施設数の急増により、質より量を重視する運営が見られ、施設の倒産や運営の不透明性が増しています。
利用者や家族がサービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際は、施設が提供する実際のサービス内容や施設の状態、運営方針、スタッフの質、入居者の評判など、多角的な視点から情報を収集し検討する必要があります。
また、施設見学や体験入居を通じて現地での実際の生活環境を確かめること、そして施設選びの際は自分自身のニーズや価値観に合った選択をすることが、悪質な施設に入居するリスクを避けるために重要です。
悪質なサービス付き高齢者向け住宅を見極める5つのチェックポイント
サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際にはさまざまなポイントに注意し、質の高いケアと安全な居住環境を提供する施設を見極める必要があります。以下5つのポイントをチェックしましょう。
【見極めるためのポイント】
- スタッフの人数や雰囲気はどうか
- スタッフの研修制度は整っているか
- 緊急通報システムがあるか
- 施設・設備は充実しているか
- 必要な介護サービスは受けられるか
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント①スタッフの人数や雰囲気はどうか
施設のスタッフ数は、サービスの質や緊急時の対応能力を示す重要な指標です。特に夜間や休日のスタッフ体制は日中と比べて人数が減るため、人員配置や対応力を確認することが重要です。
人員が不足している場合、緊急時に迅速な対応が期待できない可能性があります。また、スタッフの保有資格も重要なチェックポイントであり、資格を持ったスタッフがいるかどうか、看護師や介護福祉士などの専門的なスタッフが常駐しているか確認しましょう。高度なケアを受けられるかどうかの指標になります。
ポイント②スタッフの研修制度は整っているか
スタッフの研修体制は、サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際に確認すべき重要なポイントの一つです。夜間や緊急時の対応能力は、施設がいかに安全管理に力を入れているかのバロメーターとなります。
加えてスタッフの態度やプロ意識は、入居者が心地よく過ごせるかどうかに関わってきます。施設見学時はスタッフとのコミュニケーションを大切にし、姿勢やコミュニケーション力、専門性を確かめるように意識しましょう。
ポイント③緊急通報システムがあるか
サービス付き高齢者向け住宅を選定する上で、緊急通報システムの有無と機能性は入居者の安全を確保する上で極めて重要な要素です。
まず、緊急通報装置の位置が生活空間内で適切に配置されているか、また手が不自由な時でも操作可能なハンズフリー対応かどうかを確認します。実際に緊急時に通報装置が機能しているかどうか、どのようなスタッフがどの順番で対応するのか、家族への連絡網は整備されているのか、またスタッフ不在時の対応計画はあるのかなど具体的な流れも把握しておきましょう。
緊急対応においては、医療機関への搬送マニュアルの有無、救急時に医療機関とどのように連携を取るかも大切なポイントです。緊急時に迅速かつ適切な対応ができる体制が整っているかどうかは、入居者の命を守る上で決定的な要素となります。
サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際は、緊急通報システムの存在だけでなく、システムが実際に機能しているかどうか、そしてスタッフが緊急時にどのように対応するかの具体的なプロセスを確認し、入居者が安心して生活できる環境を選ぶことが大切です。
ポイント④施設・設備は充実しているか
設備が整っている施設を選ぶことは、安価で手軽な施設を選ぶことよりも長期的な視点で見ると入居後の生活の質を高めます。設備が不十分な施設では日常生活において不便を感じることが増えるため、多少費用がかかってもサービスや設備が充実した施設を選ぶことが望ましいです。
具体的には居室の広さ、キッチン、収納設備の有無、共有スペースの充実度などをチェックしましょう。また、食堂の広さや衛生状態、共有スペースの使い勝手や備品の充実度も確認が必要です。これらの設備が整っているかどうかは入居者が日々快適に過ごせるかどうかに直結します。
さらに、地域内のアクセスや周辺環境も日常生活の便利さに影響するため検討する必要があるでしょう。
ポイント⑤必要な介護サービスは受けられるか
サービス付き高齢者向け住宅選びにおいて、将来にわたって必要な介護サービスが受けられるかどうかは入居者の安心と満足に直結する重要なポイントです。入居施設が介護を受けやすい環境を提供しているか、外部の介護サービスとの連携や質を確認することが大切です。
外部サービスとの連携がスムーズであれば、要介護度が上がっても同じ施設で生活を続けることが可能になります。
また、将来的な健康状態の変化に備え、要介護状態や認知症を発症した際の医療ケア、サポート体制の整備状況に注目しましょう。介護型サービス付き高齢者向け住宅は環境を変えずに必要なケアを提供できる可能性がありますが、自由度が制限されることもあります。
そのため、利用者と家族が希望する生活スタイルと施設のサービスが合致しているか慎重に検討してください。
さらに、施設が提携している医療機関や緊急時の医療体制についても事前に確認し、健康管理や緊急時の対応が適切に行われるか把握することで安心してサービス付き高齢者向け住宅での生活を送ることができます。
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サービス付き高齢者向け住宅へ入居する前の検討事項
サービス付き高齢者向け住宅へ入居する前は、以下3つの点を検討事項として押さえてください。
- サービスが充実している施設を探す
- 施設からの退去条件を調べておく
- 他の選択肢も視野に入れる
一つずつ確認していきましょう。
サービスが充実している施設を探す
サービス付き高齢者向け住宅へ入居を検討するにあたり、施設内のサービスや環境が長期にわたり快適な生活を支えてくれるかどうかは重要な決定要素となります。
食事や介護サービスの提供状況、居室の設備など、具体的なサービス内容と生活環境を細かく確認し、自身のニーズに合った施設を選択しましょう。施設見学や体験入居を活用して、実際の環境を肌で感じることが大切です。
さらに共有スペースの使い勝手や、イベント・レクリエーションの充実度など日常生活の質を高めるサービス面も比較検討することが望ましいです。健康状態や将来の介護需要に応じ、介護型のサービス付き高齢者向け住宅を含め適切な施設選びを心がけましょう。
施設からの退去条件を調べておく
サービス付き高齢者向け住宅への入居を検討する際は、退去条件の確認も重要な検討事項となります。多くの施設では入居者が生涯を通じ安心して暮らせる環境を提供しているものの、要介護度の上昇や健康状態の変化など、施設側が設定する一定の条件に該当した場合、退去を求められることがあります。
そのため、入居前は契約書や面談を通じ退去時の一時金の返還条件、退去を求められる具体的な状況、退去勧告を受けた際の猶予期間などを詳しく確認しましょう。特に、介護が必要になった場合の対応や医療の依存度が高まった際の施設の方針、看取りに対する実績や取り組みについても事前に理解しておくことが大切です。
また、施設見学時には実際に退去されたケースや退去が求められる状況について具体的に聞くことで、施設の対応や体制についてより深く理解することができます。
他の選択肢も視野に入れる
入居後の生活に満足できない、介護度が上がることを考慮し、他の介護サービスが充実した施設も視野に入れておくことが望ましいです。グループホームや有料老人ホームなどさまざまな施設が存在するため、いざという時にスムーズに移行できるよう情報収集と準備を怠らないようにしましょう。
自分や家族の将来を見据え柔軟に対応できる計画を立てることで、心身の変化に合わせて適切な生活環境を確保できます。
関連記事:サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの特徴と違い
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いかがでしたでしょうか。サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が安心して日常生活を送るための施設ですが、一部では悪質な運営を行っているケースもあることがお分かりいただけたかと思います。
入居を検討する際は、見学や面談を通じ設備やスタッフの体制、サービス内容など細かくチェックしていきましょう。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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