老老介護の現実と問題点とは?共倒れを防ぐ限界への対策と支援サービス

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近年、65歳以上の高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が急速に増加しており、深刻な社会問題となっています。平均寿命の延伸に伴い、介護期間が長期化する中で、心身の疲労や経済的な不安から「共倒れ」のリスクを抱えるご家庭も少なくありません。

本記事では、老老介護の実態や背景にある原因、そして限界を迎える前に取るべき対策について解説します。結論として、老老介護のリスクを回避するためには、家庭内だけで抱え込まず、地域包括支援センター介護保険サービスを早期に活用することが不可欠です。また、在宅介護が困難になった際には、老人ホームへの入居を「前向きな選択」として検討することも重要です。適切な支援を受けることで、介護する側もされる側も、共倒れすることなく安心して暮らせる方法を見つけていきましょう。

老老介護とはどのような状態か

「老老介護」とは、65歳以上の高齢者が、同じく65歳以上の高齢者を介護している状態を指します。一般的には、高齢の妻や夫が配偶者を介護するケースや、65歳を超えた子供が80代・90代の親を介護するケースなどが該当します。

かつては「介護は嫁の役割」とされることもありましたが、家族構成の変化や長寿化に伴い、高齢者同士で支え合う構図が一般的になってきました。体力や認知機能が低下し始める年代での介護は、若年層による介護に比べて身体的・精神的負担が大きく、共倒れのリスクが高い状態と言えます。

65歳以上の高齢者が高齢者を介護する現実

高齢者が介護の担い手となる場合、自身の健康問題や持病を抱えながらのケアとなることが多くあります。腰痛や膝痛などの身体的な痛みを我慢しながら、排泄介助や移乗介助を行うことは容易ではありません。

また、定年退職後の生活であるため、現役世代のような安定した給与収入が見込めず、年金収入を中心として介護費用を捻出しなければならないという経済的な制約もあります。このように、老老介護は身体的・経済的・精神的な余裕が少ない中で進行していくのが現実です。

統計から見る老老介護の割合と推移

厚生労働省が実施している「国民生活基礎調査(令和4年)」のデータを見ると、老老介護の深刻な実態が浮き彫りになります。同居している主な介護者と要介護者の組合せを見ると、両方が65歳以上である「老老介護」の割合は63.5%となっており、過去最高を更新しました。

さらに、75歳以上の後期高齢者が75歳以上を介護する、いわゆる「超老老介護」の割合も35.7%に達しています。日本が超高齢社会へ突き進む中で、この数値は今後も高水準で推移することが予測されており、国や自治体による対策はもちろん、各家庭での早期の備えが必要です。

認認介護との違いと認知症高齢者の増加

老老介護と関連して語られる言葉に「認認介護(にんにんかいご)」があります。これは、介護する側とされる側の両方が認知症を患っている状態を指します。

老老介護
介護者と被介護者の両方が65歳以上の高齢者である状態です。
認認介護
介護者と被介護者の両方が認知症を発症している状態です。服薬管理や火の元の管理が困難になり、命に関わるリスクが高まります。

認知症高齢者の数は年々増加しており、老老介護から認認介護へと移行するケースも珍しくありません。認認介護になると、適切な介護サービスの利用申請や契約行為自体が難しくなるため、より早期の発見と第三者による支援が必要となります。

老老介護が増加している原因と背景

なぜこれほどまでに老老介護が増加しているのでしょうか。その背景には、日本社会全体の構造変化が大きく関係しています。主な要因として、平均寿命の延伸、家族形態の変化、そして経済状況の変化が挙げられます。これらの要因が複雑に絡み合い、高齢者が高齢者を介護せざるを得ない状況を生み出しています。

平均寿命の延びと健康寿命のギャップ

日本の平均寿命は世界でもトップクラスですが、一方で「健康寿命(介護などを必要とせず自立して生活できる期間)」との間には差があります。

厚生労働省の令和元年(2019年)のデータによると、平均寿命と健康寿命の間には男性で約9年、女性で約12年のギャップがあるとされています。つまり、人生の最期の約10年間は何らかの支援や介護が必要になる可能性が高いということです。長生きすること自体は喜ばしいことですが、その分介護が必要な期間も長くなり、結果として介護をする家族も高齢化していくのです。

核家族化と夫婦のみ世帯や子供がいない家庭の増加

かつての日本では、三世代同居が一般的で、介護の手が必要な場合は若い世代が担うことができました。しかし、現在は核家族化が進行し、子供がいても遠方に住んでいて別居しているケースが増えています。

その結果、高齢者のみの夫婦世帯や、未婚化・少子化の影響で子供がいない高齢者世帯が増加しました。頼れる子供や親族が近くにいないため、配偶者同士で介護をせざるを得ない、あるいは独身の高齢の子供が親を介護するという状況が生まれています。

経済的理由による自宅介護の選択

老人ホームや介護施設への入居を希望しても、経済的な理由で断念せざるを得ないケースがあります。民間の有料老人ホームの中には入居金や月額利用料が高額になる施設もあり、国民年金のみで生活している世帯にとってはハードルとなる場合があります。

比較的費用が安い特別養護老人ホーム(特養)は人気が高く、地域によっては入居待ちが続くこともあります。その結果、経済的な余裕がない家庭ほど、無理をしてでも自宅での老老介護を選択せざるを得ないという背景があります。

老老介護が抱える問題点と共倒れのリスク

老老介護が長期化すると、介護者の心身に大きな負荷がかかり、「共倒れ」を引き起こすリスクが高まります。ここでは、具体的にどのような問題が生じやすいのかを解説します。これらのリスクを事前に把握しておくことは、最悪の事態を防ぐための第一歩となります。

高齢の介護者にかかる肉体的・精神的な負担と限界

高齢の介護者にとって、日々の介護は過酷な重労働です。入浴介助やベッドから車椅子への移乗などは、腰や膝に強い負担をかけます。介護者自身が体を痛めて動けなくなってしまえば、介護は立ち行かなくなります。

また、夜間のトイレ介助や徘徊への対応による慢性的な睡眠不足も深刻です。十分な休息が取れない状態が続くと、判断力が低下し、精神的にも追い詰められていきます。「自分が倒れるわけにはいかない」という責任感が、かえって自分の首を絞めてしまうこともあるのです。

社会的な孤立と相談相手がいない不安

介護生活が始まると、外出の機会が減り、趣味の集まりや友人との付き合いが疎遠になりがちです。特に老老介護の世帯は、社会との接点が希薄になりやすく、密室での介護状態に陥る傾向があります。

「近所に迷惑をかけたくない」「家の中を見られたくない」という心理から、周囲に助けを求められず孤立を深めてしまいます。相談相手がいない中で不安や悩みを抱え込むことは、うつ状態を引き起こす大きな要因となります。

老後破産や貧困に陥る経済的なリスク

介護には、おむつ代などの消耗品費、通院のための交通費、介護サービスの自己負担分など、継続的な出費が伴います。高齢者世帯の収入源は限られているため、これらの出費が家計を圧迫します。

場合によっては、介護のために仕事を辞めざるを得なくなり(介護離職)、収入が途絶えてしまうケースもあります。貯蓄を取り崩しながらの生活には限界があり、最終的に生活保護を受給せざるを得なくなる「老後破産」のリスクも無視できません。

ストレスによる虐待や悲しい事件への発展

終わりの見えない介護生活によるストレスは、時に愛情を憎しみに変えてしまうことがあります。「何度言ってもわからない」「排泄の失敗を繰り返す」といった日々の積み重ねが、介護者の感情を爆発させ、つい手を上げてしまったり、暴言を吐いてしまったりする虐待へとつながることがあります。

最悪の場合、心中や殺人といった悲しい事件に発展するケースも報道されています。これらは決して他人事ではなく、真面目で責任感の強い人ほど、誰にも相談できずに追い詰められてしまう可能性があるのです。

老老介護で限界を迎えないための対策と解決策

老老介護の限界を防ぐためには、自分たちだけで解決しようとせず、外部の力を借りることが鉄則です。日本の介護保険制度には、在宅介護を支えるための様々な仕組みが用意されています。ここでは、具体的な対策と活用すべきサービスについて解説します。

地域包括支援センターやケアマネジャーへの早期相談

介護に不安を感じたら、まずは住んでいる地域の「地域包括支援センター」に相談しましょう。ここは高齢者の暮らしを支える総合相談窓口で、専門職が無料で相談に乗ってくれます。

地域包括支援センター
主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師などが配置されており、介護だけでなく医療や虐待防止など包括的な支援を行います。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)を作成する専門家です。利用者の状況に合わせた最適なサービスを提案してくれます。

まだ介護認定を受けていない段階でも相談可能です。「少し疲れたな」と感じた時点で早めにSOSを出すことが、共倒れを防ぐ鍵となります。

介護保険サービスの積極的な利用によるレスパイトケア

「レスパイト(Respite)」とは、「休息」「息抜き」という意味です。介護者が一時的に介護から離れ、リフレッシュする時間を確保することを「レスパイトケア」と呼びます。介護保険サービスを上手に組み合わせて、自分の時間を持つことは決して手抜きではありません。

デイサービスやショートステイでの休息確保

日中や夜間に被介護者を預かってもらうことで、介護者はまとまった休息時間を確保できます。

デイサービス(通所介護)
日帰りで施設に通い、食事や入浴の介助、機能訓練、レクリエーションなどを受けるサービスです。日中の介護負担を軽減できます。
ショートステイ(短期入所生活介護)
施設に数日から数週間宿泊し、食事や入浴などの介護を受けるサービスです。介護者の病気や旅行、冠婚葬祭だけでなく、休息目的でも利用可能です。

訪問介護や訪問看護による在宅生活の支援

自宅に専門スタッフが来てくれるサービスを利用すれば、外出が難しい場合でもプロのサポートを受けられます。

訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴・排泄・食事などの身体介護や、掃除・洗濯・調理などの生活援助を行います。
訪問看護
看護師などが自宅を訪問し、医師の指示に基づいた医療処置や健康管理、リハビリテーションを行います。

介護保険外の支援サービスや自治体サポートの活用

介護保険以外にも、自治体や民間企業、ボランティア団体などが提供するサービスがあります。これらを組み合わせることで、生活の質を維持しやすくなります。

配食サービス
栄養バランスの取れたお弁当を自宅まで届けてくれるサービスです。安否確認を兼ねている場合も多くあります。
見守りサービス
電気ポットの利用状況やセンサーなどで、離れて暮らす高齢者の生活状況を確認するサービスです。
移送サービス(福祉有償運送)
公共交通機関の利用が困難な方のために、通院や外出を車で送迎するサービスです。

各自治体によって独自のおむつ支給や理美容サービス助成などがある場合もあるので、役所の窓口で確認してみましょう。

老人ホームや介護施設への入居を検討すべきタイミング

在宅介護を続けることが最善とは限りません。状況によっては、施設への入居が本人にとっても家族にとっても幸せな選択となる場合があります。以下のような兆候が見られたら、施設入居を具体的に検討すべきタイミングと言えるでしょう。

介護者の体調不良や病気で自宅介護が困難な場合

介護をしている方が病気になったり、腰痛が悪化して動けなくなったりした場合は、無理をして在宅介護を続けるべきではありません。介護者が倒れてしまえば、被介護者の生活も立ち行かなくなります。

自分自身の健康を守ることは、結果としてパートナーや親を守ることにつながります。限界を感じる前に、専門家のいる施設へケアを委ねる決断が必要です。

認知症の症状が進行し常時の見守りが必要な場合

認知症が進行し、火の不始末、昼夜逆転、徘徊などの症状が現れると、24時間体制での見守りが必要になります。老老介護の世帯で、睡眠時間を削ってこれに対応することは現実的に不可能です。

特に火災などの事故は、近隣住民を巻き込む恐れもあります。安全な環境で専門的なケアを受けることが、本人の尊厳を守ることにもつながります。

施設入居は介護放棄ではなくお互いを守る前向きな選択

日本では「親の面倒は家で見るべき」「施設に入れるのは可哀想」という価値観を持つ方がまだ多くいらっしゃいます。しかし、無理な介護で虐待や共倒れが起きてしまっては元も子もありません。

施設入居は「介護放棄」ではなく、お互いが安全に、笑顔で過ごすための「前向きな選択」です。プロの手に任せることで、家族は「介護者」としての重圧から解放され、面会時に穏やかな気持ちで接することができるようになります。心のゆとりを取り戻すことが、良好な家族関係を維持するために大切です。

関西で老老介護の限界を感じて老人ホームを探すなら笑がおで介護紹介センターにご相談ください

老老介護に行き詰まりを感じている方、将来に不安を感じている方は、ぜひ「笑がおで介護紹介センター」にご相談ください。私たちは関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)に特化した老人ホーム・介護施設の紹介センターです。

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「年金だけで入れる施設はあるのか」「費用が心配」というご相談を数多くいただいております。当センターでは、お客様の世帯収入や資産状況を丁寧にヒアリングし、長期的に無理なく入居を継続できる施設をご提案いたします。公的な特養から民間の有料老人ホームまで、幅広い選択肢の中から最適なプランを一緒に考えます。

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「夫婦で一緒に入居したい」「認知症が進んでいても受け入れてくれるところはあるか」といったご希望にもきめ細かく対応いたします。夫婦部屋のある施設や、認知症ケアに力を入れているグループホームなど、条件に合った施設をスムーズにご案内可能です。

相談は無料です。限界を迎える前に、まずは一度お話をお聞かせください。専門の相談員が、あなたの不安に寄り添い、解決への糸口を見つけるお手伝いをさせていただきます。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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