病院併設老人ホームとは?確認しておくべきメリットとデメリット

老人ホームのなかには、病院が併設されているところもあります。万が一、なにかあったときのため、病院併設であれば安心なのではないかと感じている方もいるはずです。
ですが「そもそもどのような施設なのか分からない」といった方のため、特徴やメリット、デメリットなどを紹介します。
この記事を読むことによって病院併設老人ホームの概要や入居を検討するにあたりおさえておきたいポイントが分かるので、ぜひ参考にしてください。
病院併設老人ホームとは
病院併設老人ホームとは、その名のとおり病院と老人ホームが併設されている施設のことをいいます。同一の敷地内にあることから、なにか健康的なトラブルが発生したときにはすぐに診察や医療処置を受けることが可能です。
具体的にどのような形で併設されているかは施設によって異なりますが、廊下でそれぞれの施設がつながっているケースが多く見られます。他にも、病院のワンフロアを老人ホームとしているようなケースもあります。
病院併設老人ホームと有料老人ホームの違い
病院併設老人ホームの場合、病院には医師や看護師が配置されていることになります。 一方で、有料老人ホームの場合、看護師や医師が配置されているかは施設によって違いが大きいです。近年は医療面を充実させる目的で病院併設ではない有料老人ホームでも24時間体制で看護師を常駐させていたり、医療機関と連携していたりする所も増えてきました。 ですが、そうではないところもあります。
また、資格によってできる医療行為とできない医療行為があるため、医師がいない施設では医師にしか認められていない医療行為はできません。看護師や介護士についても同様です。
有料老人ホームの場合は施設によって提供しているサービスやできることが大きく変わる点が、医師による迅速な対応が受けられる病院併設老人ホームとの大きな違いといえるでしょう。
関連記事:有料老人ホーム10種類の特徴や費用を一覧解説!違いや選び方とは
病院併設老人ホームのメリット
病院併設老人ホームを選択することにより、さまざまなメリットがあります。おもに以下の5つです。
メリット①医師により迅速に対応してもらえる
併設されている病院には常に医師がいるので、体調の変化などがあったときは医師のいない施設と比較して迅速に対応が受けられます。
急変時に備えられる施設を選びたいと考えている方にも向いています。医師が近くにいることが安心につながっている方もいるようです。
メリット②定期的な健康診断を受けられる
病院併設老人ホームは一般的な老人ホームと比較して医療ケアに力を入れているところが多く、定期的な健康診断が行われています。
健康診断を受けることによって目に見えない体の不調などもいち早く発見につなげられるでしょう。
メリット③交通費を節約できる
病院併設ではない施設を選択する場合、病院に行くときに交通費が発生することがあります。とくに施設と病院が離れていると交通費が高くついてしまいますが、病院が併設されている老人ホームであれば交通費がかかりません。
月に何度も通院が必要な方だと交通費負担が大きくなってしまうので、これは大きな魅力といえます。
メリット④医療依存度が高い場合でも入居できる
医師や看護師がいない施設では、医療依存度が高い方だと入居できないことがあります。ですが、そういった方でも病院併設老人ホームであれば入居しやすいのが特徴です。
ほとんどのケースでは医師が24時間常駐しているので、緊急時に備えられます。
メリット⑤入院手続きが簡単になる
なんらかの理由で入院が必要になった場合、一般的な老人ホームや自宅から入院するとなると、準備の手間がかかります。荷物をまとめたり、自宅と病院を往復して準備したりしなければならないケースもあるでしょう。
一方、病院併設老人ホームであればそういった手間がかからず、すぐに入院手続きに移行できます。
病院併設老人ホームのデメリット
病院併設老人ホームにもデメリットあります。ここでは、確認しておきたいポイントを3つ紹介します。
デメリット①施設数が少ない
老人ホームにはさまざまな種類があり、その種類によって数が異なります。
病院併設老人ホームの場合は、全国的に見えても数が多いとはいえません。
そのため、入居したくてもできないケースがあります。自分が住んでいる地域にそもそも病院併設老人ホームがないといったケースもあるはずです。
さらに人気が高いことから入居待ちが発生しやすく、実際に入居できるまでに長い時間がかかってしまう可能性もあります。
デメリット②入居費用が高くなる場合がある
病院併設老人ホームでは充実した医療や介護が受けられます。ですが、そのぶん費用が高くついてしまうケースがあるため、注意が必要です。
具体的にどの程度の費用がかかるかは選択する施設によって異なります。とくに月額費用は毎月継続して支払っていくものなので、よく確認しておきましょう。
デメリット③休診日があるケースがある
老人ホームとしてのサービスは常に行われますが、病院としてのサービスに休診日が設けられていることがあります。
急変はいつ起こるか分からないものなので、そのタイミングが病院の休診日と同じになってしまう可能性もゼロではありません。病院休診日の対応も確認しておきましょう。
病院併設老人ホームの費用
病院併設老人ホームを利用する場合は、入居時に支払う一時金と、毎月の利用で支払う月額利用料が発生することになります。それぞれ確認しておきたいポイントを紹介します。
入居一時金
入居一時金は前払い家賃の意味を持つ費用です。一般的に月額利用料の数ヶ月分を支払うもので、具体的な金額は施設によって異なります。
施設のなかには一時金がかからないところもありますが、その分月額利用料が高めに設定されているので、入居一時金が発生しない施設のほうがお得とはいえません。
高額な入居一時金を設定している施設もありますが、前払い家賃として徴収されているものなので、そういった施設では月額利用料を抑えられます。
関連記事:老人ホームの入居にかかる費用は?相場と安く抑えるポイント
月額利用料
施設で利用する居室の家賃や食費、光熱水費などが決まった金額で請求されるので、月額利用料として支払いを行うことになります。
介護保険サービスを利用する場合は、施設介護サービス費も必要なので確認しておきましょう。
毎月支払っていくものなので、入居する病院併設老人ホームを検討する場合は支払える月額利用料が設定されている施設を選ばなければなりません。
病院併設老人ホームの費用の抑え方
費用を抑えるにはどうすればいいのでしょうか。以下のような方があります。
各種制度を利用する
利用できる制度をうまく活用していきましょう。
たとえば、介護保険サービスの自己負担額が1ヶ月の限度額を超過した場合は、超えたぶんの金額が支給される高額介護サービス費などの制度があります。 他にも、なんらかの事情によって長期的な支払が難しい方などは入居中の食費や居住費といったものの減額が受けられる特別減額措置が用意されています。
低所得者の場合は社会福祉法人による利用者負担軽減なども選択肢に挙がるので、自身が利用できそうな制度を活用していきましょう。
関連記事:有料老人ホームで介護保険は使えない?適用範囲や利用の流れを解説
条件のよい施設を避ける
立地条件がよい施設ほど料金が高めに設定されています。これは、家賃が高くなるためです。 現在都市部に住んでいるものの近くでは高額な利用料の施設しか見つからないと悩んでいるのであれば、地方にある施設への入居も検討してみましょう。
同様に駅から近いところにある施設や、新築の施設は利用料が高めに設定されています。駅から遠いところや、建てられてから年月が経過している施設を選ぶと利用料金を抑えられます。
ただし、条件が悪い施設を選択すると暮らしにくさを感じてしまう可能性もあるので、慎重に検討しなければなりません。
なにかあったときに備えられる病院併設老人ホーム
いかがだったでしょうか。病院併設老人ホームとはなにか、どういったメリット・デメリットがあるかなどを紹介しました。
特徴や有料老人ホームとの違いなどについてご理解いただけたかと思います。必ずしもすべての人に向いているとはいえないので、自分に合っているか検討してみるといいでしょう。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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