夫婦で同じ老人ホームに入れる?入居可能な施設と選び方
お役立ちコラム
夫婦で老人ホームに入居することについて、疑問や不安を抱える方もいるでしょう。
「そもそも夫婦が同じ老人ホームで暮らせるの?」「老人ホームによって違いはある?」といった声もあるはずです。
そこで、夫婦で入居できる老人ホームの種類や費用などを解説していきます。 さらに、適切な入居タイミング、選び方の手順、入居するメリットや注意点も詳しく紹介。
この記事を活用することで、夫婦で一緒に暮らせる老人ホームが探せるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
夫婦で同じ老人ホームに入れるのか?
老後を夫婦で過ごしたいと考える場合、老人ホームへの入居は大きな決断になります。
これまでと同じように一緒にいたい、介護の必要性、子どもたちに負担をかけたくないなどの理由から、夫婦揃っての入居を検討する方も多いでしょう。
実際、夫婦で一緒に入居できる老人ホームは存在し、夫婦部屋として用意された2人部屋でともに生活することは可能です。
また、同一施設内で別々の個室に入居する方法も選べます。
しかし、施設選びにおいてはいくつか制約があります。
たとえば、2人部屋は限られており、入居希望者が多く競争が激しい場合があります。
また、個々の身体状況や介護の必要度によっては、特定の施設に入居するのが難しい場合も。
夫婦での入居を希望する場合は、これらの点を考慮しながら、適切な施設選びを進めていきましょう。
夫婦で入居できる老人ホームの種類
夫婦で老人ホームに入居したい場合、夫婦で受け入れている老人ホームを把握すると探しやすいです。夫婦で入居できる老人ホームの種類は、以下を参考にしてください。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 健康型有料老人ホーム
- ケアハウス
- グループホーム
ここでは、それぞれの施設の特徴を詳しく見ていきましょう。
①介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、要支援から要介護状態の高齢者が入居可能な施設です。
日常生活の支援から介護サービスまでを施設のスタッフが提供します。
また、自立した高齢者が入居できる混合型の施設もあるのが特徴。
ただし、夫婦で入居できる2人部屋を備えた施設は限られています。
②住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立している高齢者から軽度の介護が必要な方までが対象の施設です。
生活援助サービスは利用できますが、介護サービスは外部の業者と契約する必要があります。
介護度が高まると入居が難しい場合もあるため、夫婦ともに将来の介護ニーズも考慮する必要があるでしょう。
③サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、自立した高齢者や軽度の介護を必要とする方に適した施設です。
生活相談や安否確認などのサービスが提供され、バリアフリーの設計が特徴。
介護サービスは外部の事業者を利用するのが一般的ですが、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設では、施設内での介護サービスがあります。
施設は60歳以上の方が入居対象となります。
④健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは自立した高齢者向けの施設で、介護サービスを提供していません。
居室には通常、入浴設備やキッチンが付いており、イベントやレクリエーション活動も楽しむことができます。
ただし、介護が必要になるとほかの施設への転居が必要になる場合も。
一部の健康型有料老人ホームでは、併設の介護施設への入居も可能です。
⑤ケアハウス
ケアハウスは「一般型」と「介護型」の2種類あります。
一般型は60歳以上の高齢者が対象で、食事や洗濯などの生活支援サービスが提供されています。
介護型は65歳以上で、特定施設入居者生活介護に指定され、介護サービスも受けられるため、要介護認定を受けた方でも長期間住むことが可能です。
⑥グループホーム
グループホームは認知症の高齢者向けの共同生活施設です。
少人数グループで運営され、専門的なケアを受けながら生活します。
グループホームは、要支援2、または要介護1以上の認知症の高齢者が入居対象。
一部のグループホームでは、夫婦で入居できる2人部屋が用意されています。
夫婦で老人ホームに入居する場合にかかる費用
夫婦で老人ホームに入居を考えるときの費用について。
一般的に、夫婦が同じ部屋に入居する場合、別々の部屋に入居するよりも費用を抑えることが可能です。
1人部屋に夫婦どちらかが入居する場合の費用相場を見てみましょう。
施設のタイプ | 初期費用 (入居一時金) |
月額費用 |
介護付き有料老人ホーム | 0~数千万円 | 15~30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~数千万円 | 12~30万円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 0~数千万円 | 10~40万円 |
健康型有料老人ホーム | 0~数億円 | 10~40万円 |
ケアハウス(自立型/一般型) | 0~30万円 | 6~12万円 |
ケアハウス(介護型) | 0~30万円 | 6~20万円 |
グループホーム | 0~数百万円 | 12~18万円 |
1人分の費用相場が分かれば、2人分の費用も予想しやすいでしょう。
ただし、施設によって特別なルールがある場合も考えられるため、費用や契約内容は事前に把握するようにしてください。
夫婦で老人ホームに入るタイミング
夫婦で老人ホームへの入居を検討するタイミングは、65歳頃がベストでしょう。
日本人の健康寿命は、男性が平均72歳、女性が74歳頃とされています。
70歳を過ぎると要介護状態になる人が増加するため、この時期までには入居するかしないか決めたいです。
また、多くの老人ホームは入居条件として60歳以上、または65歳以上を設定しています。
そのため、65歳から老人ホームについての情報収集や見学を始めることで、希望に合う施設が見つけやすくなるでしょう。
夫婦で入居する老人ホームの選び方
夫婦で入居する老人ホームの選び方は。以下のステップを参考にしてください。
- 希望条件を整理する
- 資金計画を立てる
- 見学・体験入居を行う
- 入居を希望する施設の重要事項説明書を確認する
順番に解説していきます。
手順①希望条件を整理する
まずは、自分たちが求める条件を整理しましょう。
立地、部屋のタイプ、医療・介護サービスの内容、レクリエーションの有無など、あらゆる視点から考えるようにしてください。
夫婦2人のニーズを考慮し、ともに過ごすための理想的な環境を探すことが大切です。
手順②資金計画を立てる
次に、入居に伴う費用を検討します。 初期費用、月額利用料、そのほかの経費を含む全体的な予算を立てることが重要です。 資金計画をしっかりと立てることで、経済的な負担を把握し、入居するか判断できます。
手順③見学・体験入居を行う
実際の施設を見学し、可能であれば体験入居するとよいです。
施設の雰囲気、スタッフの対応、ほかの入居者との相性など、実際に体験することで感じ取れる部分が多くあります。
また、施設内での生活が想像しやすくなり、より適切な判断ができるようになるでしょう。
手順④入居を希望する施設の重要事項説明書を確認する
入居を検討している施設の重要事項説明書を入念に確認してください。 契約条件、料金体系、サービス内容、退去時の規定など、入居にかかわる詳細が記載されています。
重要事項説明書に目を通さないと、あとから予期せぬトラブルに遭遇するリスクがあるかもしれません。
そのため、漏れのないようにチェックしてください。
夫婦で老人ホームに入居するメリット
夫婦で老人ホームに入居することは、多くのメリットをもたらします。
- 夫婦で一緒に暮らせる
- 施設が充実している
- 家族に負担をかけない
- 費用が抑えられる
一つずつ見ていきましょう。
メリット①夫婦で一緒に暮らせる
夫婦で一緒に暮らせることは、お互いの精神的な支えとなり、健康維持にも寄与します。
一緒に時間を過ごすことで生活の質が高まり、孤独感の軽減にもつながるでしょう。
また、お互いを大切にする気持ちも強くなるのではないでしょうか。
メリット②施設が充実している
老人ホームでは、健康状態に応じた適切な医療ケア、介護サービスを受けられ、日々の生活が快適になります。
また、レクリエーションやイベントがあり、社交的な活動も充実。
夫婦で一緒に参加することで、より充実した時間を過ごすことができます。
メリット③家族に負担をかけない
自分たちの世話を家族に頼らなくて済むので、家族は精神的にも経済的にも楽になるでしょう。
また、自分たちのことに関する家族の不安が和らぎ、お互いに気持ちが楽になります。
メリット④費用が抑えられる
夫婦で同じ部屋に住むと、それぞれが別々の部屋に住むよりも費用を抑えられます。
そのため、毎月の生活費や医療費、介護費用を節約できるのです。
費用が抑えられることで、老後の生活に余裕が生まれ、より豊かな生活が送れるでしょう。
夫婦で老人ホームに入居する場合の注意点
夫婦で老人ホームに入居するときには、いくつかの注意点があります。
- 施設の選択肢が少ない
- 夫婦の介護度に差があると入居できない場合がある
- 状態の変化により退去・転居が必要なケースがある
施設選びの前に把握しておきましょう。
注意点①施設の選択肢が少ない
夫婦で入居できる老人ホームは、数が限られています。
特に、2人部屋を提供する施設は少なく、選択肢が限られることが多いです。
そのため、夫婦2人での入居を進めていくなら、早めの情報収集が必須になるでしょう。
注意点②夫婦の介護度に差があると入居できない場合がある
夫婦間で介護度に差がある場合、一緒に入居できないこともあります。
一方が高度な介護を必要とする場合、夫婦2人のニーズに合った施設を見つけるのは難しいかもしれません。
夫婦それぞれの健康状態や、介護の必要性を考慮した施設選びが重要といえます。
注意点③状態の変化により退去・転居が必要なケースがある
入居後、どちらかの健康状態や介護度が変化すると、現在の施設では対応できなくなる場合も。
そうなれば、退去やほかの施設への転居が必要になります。
将来の健康状態の変化に対応できる施設選びや、転居に備えた計画を立てることが大切です。
老人ホーム選びはリサーチと準備が大切
いかがでしたでしょうか。
夫婦で同じ老人ホームに入れるかどうか、施設による種類について解説しました。
また、入居するときの費用やタイミング、選び方の手順、そして入居のメリットや注意点についてもお分かりいただけたかと思います。
夫婦での入居を検討している場合、どの施設が自分たちに適しているのか、また予算や介護度の差など、さまざまな条件を考慮して選択することが重要です。
笑がおで介護紹介センターであれば、ご希望の地域や予算、医療や看護の環境など、さまざまな条件に基づいて施設を見つけることができます。
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監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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