介護保険証がないとどうなる?再交付はいつ届く?悪用リスクも解説

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介護保険証がないとどうなる?再交付はいつ届く?悪用リスクも解説

介護保険の手続きで保険証を求められ、しまってあるはずの場所を探しても出てこず、このまま手続きが止まってしまうのではと不安になっていませんか?親御さんに聞いても、どこにしまったか覚えていない場合があります。

介護保険証が手元になくても、要介護認定の申請や利用中の介護サービスは止まりません。再交付の申請先は自治体の窓口で、その日のうちに新しい保険証を受け取れる地域もあります。

この記事では、保険証がない状態を3つのパターンに分けたうえで、できなくなることと止まらずに進む手続きを整理しました。再交付の方法と届くまでの日数、悪用リスクの実際もあわせて解説します。

この記事を読めば、何から動けばよいかがはっきりし、保険証が手元にない間も落ち着いて手続きを進められるでしょう。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。

介護保険証とは

介護保険証の正式名称は「介護保険被保険者証」といい、オレンジ色の用紙を使う自治体もあります。介護保険のサービスを利用する資格を、自治体が証明する書類です。

ここでは、交付されるタイミングと提示を求められる場面、混同されやすい負担割合証との違いを見ていきます。

交付されるタイミング

介護保険証は、65歳になると自治体から全員に交付されます。届く時期は誕生月の前月が一般的で、1日生まれの方は前々月です。

京都市のように誕生月の中旬までに郵送するところもあります。神戸市では、ほかの地域から転入した場合も、転入の手続きから1週間ほどで介護保険証が届きます。時期は自治体で異なるため、届かないときは窓口へ問い合わせましょう。

一方、40歳から64歳までの方には自動では交付されません。この年代で保険証を受け取るのは、要介護認定を申請したときか、保険証の交付を申請したときに限られます。

そのため「まだ届いていない」のは、65歳より前の年代では自然な状態です。親御さんの年齢が65歳を超えているのに手元にないなら、紛失かしまい忘れの可能性が高いといえます。

提示を求められる場面

介護保険証を使う場面は、サービスを利用するときと、要介護認定の手続きをするときに大きく分かれます。

保険証の提示や提出を求められるのは、次のような場面です。

  • 訪問介護やデイサービスの利用時
  • ケアプランの作成を依頼するとき
  • 要介護認定を申請するとき
  • 認定の更新や区分変更の申請時
  • 施設に入居する手続きのとき

このうちサービス利用時の提示は、介護保険法で定められた決まりです。区分変更とは、要介護度の見直しを求める申請を指します。

なお、負担割合証も同じ場面で必要になります。保険証を探していて負担割合証も見当たらない場合は、あわせて再交付を申請しましょう。

負担割合証との違い

介護保険証とよく混同されるのが、介護保険負担割合証です。保険証が介護保険を使える資格を示すのに対し、負担割合証は利用料の自己負担が1割か2割か3割かを示します。

負担割合証は毎年7月中旬に新しいものが郵送され、有効期間は8月1日から翌年7月31日までです。更新の手続きは要らず、届いたら古いものと差し替えます。サービスを使うときは、保険証と負担割合証の2枚を一緒に事業者へ提示するのが原則です。

もう一つ混同されやすいのが、医療を受けるときの書類です。従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が終わり、いまはマイナ保険証か資格確認書に置き換わりました。75歳以上の方の医療でも、マイナ保険証か資格確認書を使うため、介護保険証とはまったく別の書類だと整理しておきましょう。

関連記事:介護保険の「自己負担額」は年収で変わる|1割・2割・3割の負担割合の仕組みと判定基準

介護保険証がない3つのパターン

介護保険証が手元にないといっても、状況は一つではありません。紛失したのか、まだ交付されていないのか、交付は受けたが要介護認定を受けていないのかで、次にとる手続きが変わります。

ここでは、3つのパターンの見分け方と、それぞれの対処を整理します。

紛失して見つからない場合

親御さんが65歳を超えていて、以前は保険証を見た覚えがあるなら、紛失かしまい忘れの可能性が高いパターンです。認知症のある方の場合、片づけた場所を覚えていない、書類の間に紛れているといった事情も起こります。

このパターンで最初にするのは、自治体への再交付の申請です。「介護保険被保険者証等再交付申請書」を提出すれば、新しい保険証が交付されます。申請の窓口と持ち物は記事の後半で解説するので、そちらもあわせて確かめましょう。

探し続けるより、再交付を申請しながら並行して家の中を確認するほうが手続きは早く進みます。あとから出てきた場合は、古いほうを自治体へ返却します。

まだ交付されていない場合

親御さんが40歳から64歳までの年代なら、そもそも保険証が交付されていない可能性があります。この年代は、要介護認定などを申請しない限り保険証が交付されないからです。

65歳を過ぎているのに一度も見た記憶がないなら、届いた書類の中に紛れている場合もあります。多くの自治体では、65歳の誕生月の前月ごろに介護保険証が届くので、その前後の郵便物をたどってみましょう。

このパターンで必要なのは、再交付ではなく交付の申請です。要介護認定を申請すればその手続きの中で保険証も交付されるので、介護サービスの利用を考えているならまず認定の申請から進めましょう。

認定を受けていない場合

保険証は手元にあるのに介護サービスが使えないなら、要介護認定をまだ受けていない可能性があります。介護保険証は介護保険への加入を示す書類で、それだけでサービスを使えるわけではありません。

介護サービスを使うには、要介護認定を受けて要支援1から要介護5までのいずれかに認定される必要があります。ただし、訪問型・通所型のサービスだけなら、地域包括支援センターの基本チェックリストで「事業対象者」と判定されれば認定なしでも利用できます。保険証の要介護状態区分と認定の有効期間の欄が空白なら、まだ認定を受けていない状態です。

このパターンで進めるのは再交付ではなく、要介護認定の申請です。結果の通知まで原則30日以内と法律で定められており、その間もサービスを使う方法があります。

関連記事:要介護認定とは?申請方法からサービス利用開始までの流れと老人ホーム選びの関連性

介護保険証がないとどうなる?

介護保険証が手元にないと、介護に関わる手続きのいくつかで足止めされます。ただし、まったく何もできなくなるわけではなく、影響が出るのは提示や提出を求められる場面に限られるでしょう。

ここでは、保険証が手元にないと実際に困る3つの場面を紹介します。

サービス利用時に提示できない

訪問介護やデイサービスを利用するとき、介護保険法第41条第3項は事業者へ被保険者証を提示すると定めています。すでに利用中のサービスは、事業者が被保険者番号を把握しているため、保険証が手元になくてもすぐに中断するとは限りません。ただし、提示を求められる場面はあるので、紛失を担当のケアマネジャーへ早めに伝えておきましょう。

影響が出やすいのは、新しくサービスを使い始めるときです。ケアプランの作成をケアマネジャーに依頼する際は自治体への届出が必要で、保険証(認定の申請中なら資格者証)を添えます。

神戸市の場合、この届出がないまま利用すると償還払いになります。償還払いとは、いったん全額を事業者へ支払い、あとから7〜9割分を自治体へ請求する方法です。扱いは地域で異なります。

更新や区分変更の手続きが滞る

要介護認定には有効期間があり、期間が終わる前に更新の申請をします。この申請には保険証の提出が必要なため、手元にないと手続きを進めにくくなります。

更新を申請できるのは、有効期間が満了する日の60日前から満了日までです。うっかり期間を過ぎると認定が切れ、介護サービスの費用が全額自己負担になったりサービスが止まったりします。改めて新規の申請からやり直す必要が生じるので、更新の通知が届いたら早めに保険証の所在を確かめておきましょう。

親御さんの状態が変わり、要介護度の見直しを求める区分変更を申請するときも保険証を提出します。有効期間の途中でも出せる手続きのため、状態の変化に気づいた時点で保険証を用意しておくと慌てずにすみます。

関連記事:要介護認定の更新手続き完全ガイド|期間・流れと区分変更申請との違いを徹底解説

施設の入居手続きで確認される

老人ホームへの入居手続きでも、介護保険証の提示や写しの提出を求められます。施設は要介護度に応じて受け入れの可否や利用料を判断するため、認定の内容を保険証で確かめる必要があるからです。

特別養護老人ホームの入所申込では、申込書に被保険者証の写しを添えます。大阪市の入所選考マニュアルでは、要介護度や認定期間、被保険者証番号も保険証の記載どおりに書く決まりです。申込の書式は自治体ごとに異なるため、申込先の窓口で必要な書類を確認します。

ただし、入居の準備は1か月ほど前から始めるのが一つの目安です。再交付に1〜2週間かかっても入居の日までには間に合う見込みが立つため、施設探しを進めながら再交付を申請しておきましょう。

関連記事:老人ホーム入居時に家族が準備すべきことリスト|入居前の手続きガイド

介護保険証がなくても止まらない手続き

保険証が手元にないと、介護の手続きが何も進まないように感じるのではないでしょうか。実際には、保険証がなくても進められる手続きのほうが多く、急ぐ場面ほど代わりの方法が用意されています。

ここでは、保険証が手元になくても進められる3つの手続きを見ていきます。

要介護認定の申請

要介護認定の申請は、介護保険証がなくてもできます。介護保険法第27条第1項は申請書に被保険者証を添えると定めていますが、紛失した場合の扱いは、自治体が別に用意しています。

豊中市の場合、被保険者証がなくても添付なしの申請が可能です。紛失を申し出れば受け付ける地域もあれば、紛失届出書を添えて提出する地域もあります。

申請は、地域包括支援センターやケアマネジャーの事業所に代行してもらえます。地域包括支援センターへの相談は無料で、ご家族だけでも申し込めるため、親御さんを窓口へ連れて行くのが難しいときの選択肢になるでしょう。必要な書類は地域で違うので、事前に問い合わせておくと確実です。

関連記事:地域包括支援センターとは?役割や相談できる内容、利用方法をわかりやすく解説

認定結果を待つ間のサービス利用

要介護認定の結果が出るまでの間も、介護サービスは利用できます。介護保険法第27条第8項は「要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる」と定めています。

結果の通知までは、法律で申請日から原則30日以内です。調査に時間がかかるときは自治体から見込み期間の連絡が入り、延びることもあります。この間に介護が必要になったら、暫定的なケアプランを作ってもらえば、認定を待たずに使い始められます。

注意したいのは、認定された要介護度が想定より低い場合です。暫定のプランで支給限度額を超えると、超えた分は全額自己負担です。

認定結果が非該当だった場合も同じ扱いになります。どこまで使うかは、ケアマネジャーと相談して決めましょう。

老人ホームの見学や入居相談

施設探しも、保険証がなくても進められます。見学や入居相談の段階では、要介護度や希望する条件を伝えて情報を集めるのが中心で、書類の提出はほとんど求められません。

特別養護老人ホームの入所申込も、認定を受けていない段階で受け付けられます。大阪市の入所選考マニュアルでは、認定を申請していない場合、申込書に認定申請の予定日を記入します。

結果がわかり次第改めて記載すればよく、認定が出ていなくても申込は可能です。なお、申込書には被保険者証の写しを添えるため、紛失しているなら再交付を先に済ませます。

見学と相談を進めながら再交付を申請しておけば、契約の段階で保険証を用意できます。扱いは施設によって違うので、見学の予約時に聞いておきましょう。

関連記事:老人ホーム見学のチェックポイントとは?見学の流れや持ち物も紹介

介護保険証を紛失したときの再発行手続き

紛失に気づいたら、自治体へ再交付を申請します。手続き自体は難しくなく、必要なものをそろえて窓口へ行けば、その場で申請が済む地域がほとんどです。郵送や電子申請を受け付ける自治体も増えています。

ここでは、申請する窓口と必要な持ち物を解説します。

申請する窓口

再交付の申請先は、介護保険証を発行している自治体(保険者)の介護保険の担当窓口です。普段は住民票のある自治体ですが、ほかの自治体の施設へ入所して住民票を移した方は、住所地特例で入所前の自治体が保険者のままなので、そちらへ申請します。窓口の名前は地域で違い、大阪市の担当は各区の保健福祉センターです。

申請の方法は窓口へ行くほかにもあります。郵送や電子申請を選べる地域もあり、平日に窓口へ行きにくい場合に活用できるでしょう。ただし、どちらも即日の交付は受けられないので、急ぐときは窓口へ行きましょう。

親御さんが施設に入所している場合や、遠方にお住まいの場合は、ご家族が代わりに申請できます。代理で申請するときの必要書類は、親御さんと同じ世帯かどうかで変わります。

必要な持ち物

再交付の手続きでは、窓口で申請する方が誰なのかを確認します。本人が行くのか代理人が行くのかで、そろえる書類が変わります。

窓口へもって行くものは、次のとおりです。

  • 被保険者証の再交付申請書
  • 申請する方の本人確認書類
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 代理人が行く場合は委任状

申請書は窓口に置かれているほか、自治体のホームページからダウンロードできる場合もあります。本人確認書類は、マイナンバーカードや運転免許証のような顔写真付きのものなら1点で足ります。

顔写真のない書類しかない場合は2点必要になるため、手元にあるものを事前に確認しておくと安心です。必要なものは地域で少しずつ違うので、自治体の案内で持ち物の一覧を見てから向かいましょう。

介護保険証の再交付はいつ届く?

再交付を申請してから保険証が手元に届くまでの日数は、自治体によって大きく異なります。窓口でその場で受け取れるところもあれば、郵送のみで1〜2週間かかるところもあり、一律の目安はありません。

ここでは、即日で受け取れる場合と郵送を待つ場合に分けて、日数の実際を見ていきます。

即日交付できる自治体

即日交付に対応している自治体なら、窓口で申請すればその日のうちに新しい保険証を受け取れます。東大阪市の場合、急ぐときの受付先は介護保険料課の窓口です。

ただし、即日交付には条件が付きます。必要な書類がその場ですべて確認できるのが前提で、受け取れる窓口も本庁の担当課に限られる場合があります。

東大阪市では、友人や知人が代わりに申請する場合、委任状があっても即日では発行されません。同居のご家族以外が動くときは、申請する人によって即日で受け取れるかどうかが変わります。

急いで保険証が必要なときは、窓口へ行く前に電話で即日交付ができるかを聞いておきましょう。持ち物が1つ足りないだけで後日の郵送に切り替わることもあるため、必要なものを確かめておくと二度手間を防げます。

郵送で1〜2週間かかる自治体

即日交付をせず、郵送だけで対応する地域もあります。神戸市の場合、再交付した保険証の送付は普通郵便です。郵送で申請したときは、提出から手元に届くまで1週間から10日程度かかることがあります。

電子申請を選んだ場合も、同じように時間がかかります。1〜2週間ほどで住民登録地へ郵送する自治体もあり、窓口へ行く手間は省ける代わりに待つ期間は長くなるでしょう。

届くまでの間に介護サービスの利用や手続きが必要になったときは、窓口でその旨を伝えておきます。認定の申請中であれば資格者証が交付され、保険証の代わりとして手続きを進められます。日数の目安は住民票のある自治体で確かめておくと、予定が立てやすくなるでしょう。

介護保険証の再交付は家族でもできる?

親御さんが窓口へ行くのが難しい場合、ご家族が代わりに再交付を申請できます。必要な書類は、申請する人と親御さんが同じ世帯かどうかで変わります。気をつけたいのは、同居していても住民票の世帯が別なら、別世帯の扱いになる点です。

ここでは、世帯の違いによる必要書類と、ケアマネジャーに頼む方法を解説します。

同じ世帯の家族が申請する場合

親御さんと住民票上の世帯が同じなら、手続きは最も簡単です。申請に行く方の本人確認書類があれば足り、委任状までは求められない地域が多くあります。

東大阪市の場合、本人と同じ世帯の方が申請するときに必要なのは本人確認書類の原本だけです。申請できる人として本人と同居の家族を並べ、それ以外の代理人と分けて扱う自治体もあります。

ただし、同居していても世帯を分けているなら別世帯の扱いです。介護費用を抑える目的で世帯分離をしている場合は、次に説明する別世帯の手続きに沿って書類をそろえます。住民票がどうなっているかわからないときは、事前に確かめておきましょう。

別世帯の家族が申請する場合

親御さんと世帯が別なら、多くの自治体で委任状が必要になります。近くに住んでいても住民票の世帯が違えば、代理人としての扱いです。

委任状の様式は、自治体によって決められていない場合があります。神戸市の場合、必要なのは委任の内容と委任する人・される人の住所氏名です。

親御さんが自筆で書けないときは押印を求められます。委任状の代わりに、親御さん本人の本人確認書類を1点持参する方法を認める自治体もあります。

なお、親族であれば委任状を求めない地域もあり、扱いは一律ではありません。委任状が要らない親族の範囲も自治体で分かれるため、申請先の案内で確かめておきましょう。

ケアマネジャーに依頼する場合

担当のケアマネジャーがいるなら、申請を頼める場合があります。要介護認定の申請とは違い、保険証の再交付は法律で代行が定められた手続きではありませんが、委任を受けた代理人として窓口に行ける自治体があります。

ケアマネジャーに頼むときは、多くの自治体で委任状とケアマネジャー自身の本人確認書類が必要です。委任状には親御さんの記入か押印が要るので、そこだけはご家族で用意しておきましょう。様式の取り寄せや窓口への提出は事業所側で進めてもらえます。

ただし、必要な書類や委任の扱いは地域で異なります。要介護認定の申請代行は広く認められており、再交付の申請も吹田市のようにケアマネジャー等の代理を認める自治体があるので、まずは担当のケアマネジャーに相談してみましょう。

介護保険証を紛失したときの悪用リスク

保険証をなくしたと気づいたとき、第三者に悪用されないかが気になるのではないでしょうか。結論からいうと、介護保険証だけで本人になりすますのは難しく、過度に不安を抱える必要はありません。

ここでは、身分証明書としての扱いと、念のためにできる対処を整理します。

単独では身分証明にならない理由

介護保険証には顔写真がありません。そのため多くの手続きで単独では本人確認書類として認められず、ほかの書類とあわせて2点の提示が必要です。

大阪市の介護保険の手続きでは、本人確認書類が顔写真の有無で区分されています。マイナンバーカードや運転免許証のような顔写真付きは1点で足りる一方、介護保険証は顔写真のない区分に置かれ、2種類の提示が必要です。

金融機関の口座開設などで使われる本人確認の決まりでも、介護保険の被保険者証は書類の一つに挙げられています。ただし、顔写真がない書類を使うときは、住所へ転送されない郵便を送るなどの追加の確認が求められます。

悪用を防ぐ手立て

最初に動くべきは、自治体への再交付の手続きです。あわせて紛失した事実を窓口へ伝えておけば、自治体の側でも状況を把握できます。

注意したいのは、介護保険をかたる詐欺です。事業者をかたって手続きの代行と偽り現金をだまし取る手口や、自治体の職員を装って自宅を訪ね金品を盗む手口、保険料の徴収と称して金銭を求める手口があります。各地の自治体が注意を呼びかけているので、不審な訪問や電話があったときは、その場で対応せず窓口へ確認しましょう。

なお、悪用を心配し続けるより、再交付を済ませて手元に保険証がある状態へ戻すほうが先決です。

介護保険証をなくさない管理方法

再交付を受けたあとは、同じことを繰り返さない工夫が必要です。介護保険証は毎日使う書類ではないぶん、しまい込んで所在がわからなくなってしまいがちです。

ここでは、ご家族でできる管理の工夫を紹介します。

保管場所を家族で共有する

保険証の置き場所を決めて、ご家族の間で共有しておきましょう。介護の手続きで使う書類をまとめて1か所に置いておくと、必要になったときに探す手間が減ります。

同じ場所にまとめておきたいのは、次の書類です。

  • 介護保険被保険者証
  • 介護保険負担割合証
  • ケアプランの控え
  • 事業所や担当者の連絡先

介護サービスを使うときは保険証と負担割合証を一緒に提示するため、この2枚は必ずセットで保管しておきましょう。

置き場所を決めたら、きょうだいなど離れて暮らすご家族にも伝えておきましょう。誰か一人しか知らない状態だと、その方が対応できないときに手続きが止まります。

認知症の親御さんの分を預かる

親御さんに認知症があり、しまった場所を覚えていられないなら、ご家族が預かる方法もあります。原本はご家族がもち、コピーを親御さんに渡しておけば、双方が納得しやすくなるでしょう。

預かるときは、親御さんに理由を説明して納得してもらいましょう。黙って持ち出すと、なくしたと思い込んで探し回る事態を招きます。

ご家族だけで抱えるのが難しいときの選択肢が、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業です。福祉サービスの利用や日常的なお金の管理を手伝う制度で、大切な書類を預かるサービスもあります。

利用にはご本人が契約内容を理解できるのが前提で、判断能力の低下がさらに進んでいる場合は成年後見制度の検討になります。地域包括支援センターへ相談してみましょう。

介護保険証の紛失でよくある質問

最後に、介護保険証をなくしたときによく寄せられる疑問をまとめます。細かな取り扱いは自治体で異なりますが、共通する部分を押さえておけば窓口でのやりとりはスムーズです。

ここでは、特に質問の多い3つにお答えします。

有効期限は切れる?

介護保険証そのものに有効期限はありません。自治体の案内でも、期限がないぶん大切に保管するよう呼びかけています。

期限があるのは、保険証に記載される要介護認定のほうです。認定の有効期間は新規で原則6か月、更新では原則12か月で、心身の状態によって3〜36か月の範囲で決まることもあります。

有効期間が過ぎると介護サービスは使えなくなります。保険証に記載されている日付を確かめて、満了前に更新の申請を済ませておきましょう。

なお、住所や氏名が変わったときや、要介護度が変わったときには、記載を書き換えた保険証や新しい保険証が交付されます。転出や死亡などで資格がなくなったときは返却する決まりがあるので、古いものが手元に残っている場合は窓口で確認しましょう。

マイナンバーカードと一体化される?

2026年8月の時点で、紙の介護保険証を廃止する時期は決まっていません。健康保険証が2025年12月に有効期限を終えたため混同されがちですが、介護保険証は現在も紙で交付されています。

2026年6月には、介護保険証をマイナンバーカードで確認できる仕組み(電子資格確認)を盛り込んだ法律が公布されました。ただし、紙の保険証の交付は続く方針です。65歳で全員に交付する現在の方式を改め、認定を申請したときに交付する案は、2028年4月以降の切り替えとして検討されている段階です。

介護に関する情報を共有する仕組み(介護情報基盤)も、2026年4月から準備が整った自治体で順に始まっています。これは保険証の廃止とは別の話なので、いま手元にある保険証はこれまでどおり保管しておきましょう。

再発行に手数料はかかる?

再交付の手数料は、無料としている自治体があります。枚方市の再交付申請の案内では、手数料は無料です。

ただし、すべての地域で無料と決まっているわけではありません。手数料の扱いを案内に載せていない自治体もあり、金額がかかるかどうかは申請先で変わります。

費用より気をつけたいのは、必要な書類がそろわずに出直しになる事態です。本人確認書類の種類や委任状の要否は地域で違ううえ、即日で受け取れるかどうかも窓口によって変わります。

郵送や電子申請を選べる自治体なら、窓口へ足を運ばずに手続きを済ませられるので、あわせて検討しましょう。

まとめ

介護保険証が手元にないとき、まず確かめたいのは紛失なのか、まだ交付されていないのか、認定をまだ受けていないのかの違いです。紛失なら自治体へ再交付を申請し、まだ交付されていない年代なら要介護認定の申請から進めます。

保険証がなくても、要介護認定の申請や認定を待つ間のサービス利用は可能で、老人ホームの見学や入居相談で保険証を求められることもほとんどありません。再交付が届くまでの日数は地域によって幅があるため、急ぐときは窓口で即日交付ができるかを電話で聞いておきましょう。

紛失した保険証は顔写真がなく、それだけで本人になりすますのは難しい書類です。過度に不安を抱えず、再交付を申請したうえで置き場所をご家族で共有しておきましょう。施設探しや手続きで迷うときは『笑がおで介護紹介センター』へご相談ください。

参考サイト

このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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