要介護5の自己負担額は月いくら?限度額と保険外の実費まで解説

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要介護5の自己負担額は月いくら?限度額と保険外の実費まで解説

親御さんが要介護5と認定され、毎月の介護費用がいくらになるのか気になっていませんか?介護保険の1〜3割の負担に加えて、おむつ代や施設の食費など保険の対象外になる費用もかかります。

要介護5の自己負担額は、大阪市で在宅サービスを限度額まで使うと1割負担で月4万円ほどになり、ここに保険外の費用が加わります。特別養護老人ホームなら、1割負担で負担軽減の認定を受けない場合、居住費と食費を含めて月10〜14万円ほど(加算や日常生活費は別)です。

この記事では、金額が決まる仕組みと在宅・施設別の内訳に加え、2026年8月に上がった食費や負担を軽くする制度まで解説します。最後まで目を通せば、ご家庭のケースで毎月いくらかかるかを概算でき、在宅か施設かを費用の面から考えられるようになるでしょう。

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。

要介護5の自己負担額は月いくら?

在宅で暮らすか施設に入るかによって、毎月の自己負担額は大きく変わります。在宅では介護保険の1〜3割に保険外の費用を足した金額、施設では介護サービス費の1〜3割に居住費と食費を足した金額が毎月の負担です。

ここでは、大阪市を例に在宅と施設それぞれの月額の目安を紹介します。

在宅介護を続ける場合

在宅介護を続ける場合、要介護5の方は介護保険の在宅サービスを1か月に36,217単位まで1〜3割の負担で利用できます。1単位の金額は地域とサービスで異なり、大阪市で限度額まで使うと1割負担で月3万9,000〜4万円ほどです。

実際の負担は、この金額に介護保険の対象外になる費用を足した額です。紙おむつ代のほか、デイサービスやショートステイの食費と訪問診療の医療費もかかるため、介護保険の自己負担だけで月の予算を立てないようにしましょう。

要介護5の在宅介護では、ご家族の介護時間も長くなる傾向があります。費用とあわせて介護の負担も比べたい方に向けて、在宅か施設かを選ぶ目安は後半の章で詳しく紹介します。

関連記事:【要介護度別】在宅介護の費用を徹底解説|負担を抑える公的制度や施設との費用比較も

施設に入った場合

施設に入った場合の自己負担額は、介護サービス費の1〜3割に居住費と食費を足した金額です。大阪市の特別養護老人ホーム(特養)などに要介護5の方が1割負担で入居し、負担を軽くする認定を受けない場合、30日の目安は次のとおりです。

施設と部屋の種類 月額の目安
特養の多床室 約10万1,800円
特養のユニット型個室 約13万9,000円
介護老人保健施設(老健)の多床室 約9万2,000円
介護医療院の多床室 約10万3,700円

表の金額は加算や日常生活費を含まず、老健と介護医療院は室料のかからない多床室の場合です。所得が低く負担限度額認定を受けた方なら、特養の多床室で月4万円ほどになる場合もあります。有料老人ホームやグループホームは家賃などを施設ごとに決めているため、月額の幅はさらに広がるでしょう。

関連記事:特別養護老人ホームの費用負担を軽減!知っておきたい減免制度と申請方法

要介護5の自己負担額が決まる仕組み

介護保険の自己負担額は、1か月に使えるサービスの上限と、所得で決まる負担割合をもとに計算します。ただし、上限の外で計算される費用や保険の対象外になる費用もあり、それらを足した金額が実際の負担です。

ここでは、自己負担額が決まる仕組みを3つの視点から解説します。

1か月の支給限度額

要介護5の方が1か月に介護保険で使える在宅サービスの上限は、36,217単位です。この上限は支給限度額(区分支給限度基準額)と呼ばれ、要介護4の30,938単位より5,279単位多く設定されています。

単位を円に直すときの1単位の金額は、地域とサービスの種類によって10〜11.40円の幅があります。大阪市の場合は、訪問介護や訪問看護が11.12円、ショートステイ(短期入所生活介護)が10.88円、デイサービス(通所介護)が10.72円です。

そのため、1単位10円で計算した36,217円より、大阪市の実際の金額は高くなります。お住まいの地域の単価はケアマネジャーに確認し、限度額を超えた分は全額が自己負担になる点も覚えておきましょう。

関連記事:要介護5とは?もらえるお金やサービス・在宅介護は無理なのかを解説

所得で決まる負担割合

自己負担の割合は、親御さんご本人の所得で1〜3割のいずれかに決まります。同じ世帯の65歳以上がご本人だけの場合(65歳未満のお子さんとの同居を含む)の目安は次のとおりです。

負担割合 判定の目安
3割 合計所得金額220万円以上かつ、年金収入とその他の所得の合計340万円以上
2割 合計所得金額160万円以上かつ、年金収入とその他の所得の合計280万円以上(3割を除く)
1割 上記に当てはまらない方

65歳以上が2人以上いる世帯では、2割が346万円以上、3割が463万円以上です。住民税非課税の方や生活保護を受けている方は1割になります。

実際の割合は、要介護認定を受けた方に発行される介護保険負担割合証でわかります。なお、2割負担の対象を広げるかは国の審議会で議論中で、2026年9月時点では決まっていません。

関連記事:介護保険の負担割合とは?介護サービスごとの自己負担額を解説

支給限度額に含まれない費用

支給限度額の36,217単位には、介護保険で支払う費用のすべてが含まれるわけではありません。医師や薬剤師が自宅で療養上の管理や指導をする居宅療養管理指導や、職員の処遇を改善するための介護職員等処遇改善加算は、限度額の外で計算されます。

これらにも1〜3割の負担がかかるため、限度額いっぱいまで使った月の自己負担は、限度額から計算した金額より高くなります。また、デイサービスの食費やおむつ代、ショートステイの食費と滞在費は介護保険の対象外で、原則として全額が自己負担です。

介護保険の対象か、限度額の内か外かを分けて見ると、請求書の内訳をつかめます。ケアプランの作成費用は全額が介護保険から支払われ、自己負担はないため、内訳の疑問はケアマネジャーに気軽に相談できるでしょう。

要介護5の在宅サービスの自己負担額

在宅サービスの自己負担額は、サービスごとに決まった単位数に、地域の単価と負担割合をかけた金額です。訪問介護のように時間で単位が決まるサービスもあれば、デイサービスのように要介護度で単位が変わるサービスもあります。

ここでは、1回あたりの金額、限度額まで使った場合の月額、ケアプランの試算例を順に見ていきます。

1回あたりの自己負担

大阪市で要介護5・1割負担の方が在宅サービスを1回使ったときの自己負担は、次のとおりです。

サービス 単位数 1割負担の目安
訪問介護(身体介護30分以上1時間未満) 387単位 約430円
訪問看護(30分以上1時間未満) 823単位 約920円
訪問入浴介護 1,266単位 約1,410円
デイサービス(7時間以上8時間未満) 1,148単位 約1,230円
ショートステイ(併設型・多床室) 884単位 約960円

訪問看護はステーション、デイサービスは通常規模の事業所の単位で、ショートステイは1日分です。訪問介護は時間が長いほど単位が増え、デイサービスとショートステイは要介護度によって単位が変わります。

実際の請求では、事業所の体制に応じた加算や食費が上乗せされます。利用前に、加算を含めた金額を料金表で確認しておきましょう。

関連記事:介護報酬の「単位」とは?1単位10円は間違い?自己負担額の計算方法をわかりやすく解説

支給限度額まで使った場合の月額

支給限度額の36,217単位をすべて使った場合、大阪市における自己負担の目安は次のとおりです。1単位の金額がサービスによって10.72〜11.12円(福祉用具貸与は全国一律の10円)と異なるため、組み合わせで金額に幅が出ます。

負担割合 月額の目安(大阪市)
1割 約3万9,000〜4万円
2割 約7万8,000〜8万1,000円
3割 約11万6,000〜12万1,000円

ただし、2割や3割で負担が大きくなった月も、高額介護サービス費の上限を超えた分は申請すると払い戻されます。上限は世帯の所得で決まり、課税所得380万円未満の課税世帯なら月44,400円です。

限度額はあくまで上限のため、すべて使い切る必要はありません。親御さんの状態に必要なサービスを選んだうえで、その合計の金額を毎月の予算として考えましょう。

関連記事:介護保険の「自己負担額」は年収で変わる|1割・2割・3割の負担割合の仕組みと判定基準

ケアプラン例で見る月額

在宅で暮らす要介護5の方のケアプランを、大阪市・1割負担の条件で試算した例は次のとおりです。サービスの内容は前の表と同じで、回数は一例として設定しています。

サービス 1か月の回数 1割負担の目安
訪問介護 20回 約8,600円
訪問看護 4回 約3,700円
訪問入浴介護 4回 約5,600円
デイサービス 8回 約9,800円
ショートステイ 5日 約4,800円

合計は29,700単位で、自己負担は月3万2,600円ほどです。この試算には加算を含めていないため、実際の請求額はもう少し高くなります。

介護用ベッドや車いすのレンタル代も支給限度額の単位に含まれ、限度額までの残りは6,517単位です。ショートステイでは食費と滞在費など保険外の費用も加わるため、次の章で紹介する金額も足して月の予算を見積もりましょう。

在宅介護でかかる保険外の自己負担額

在宅介護では、介護保険の1〜3割の負担とは別に、保険の対象外になる費用が毎月かかります。

ここでは、在宅介護でかかる主な保険外の費用を3つに分けて見ていきます。

おむつなどの介護用品代

在宅で使う紙おむつなどの介護用品は介護保険の対象にならず、購入費は全額が自己負担です。毎日使う消耗品のため、月々の決まった出費として予算に入れておきましょう。

こうした負担に対して、紙おむつの給付を設けている自治体もあります。たとえば、堺市では要介護4か5で市民税非課税の世帯に属する65歳以上の方を対象に、1枚6,500円を上限に紙おむつと交換できる給付券を毎月1枚交付しています。

神戸市にも同様の給付があり、要介護4以上で世帯全員が市民税非課税の方への支給額は、申請の時期に応じて年額最大10万円です。対象の条件や金額は自治体で異なるため、申請の前に自治体の窓口やケアマネジャーに問い合わせましょう。

関連記事:在宅介護の費用は月額いくら?公的制度を使った負担軽減と資金準備の方法を解説

デイサービス・ショートステイの食費と滞在費

デイサービスでは、昼食の食費やおむつ代などが介護保険の対象外で、全額が自己負担です。食費の金額は事業所の料金表で確かめられるため、通う回数が多い場合は1回あたりの額を把握しておきましょう。

ショートステイは、ご家族の介護の負担を軽くする目的でも使えるサービスで、食費に加えて宿泊する部屋の滞在費がかかります。特別養護老人ホームに併設されたショートステイの多床室なら、国が定める標準の金額(基準費用額)は2026年8月から食費が1日1,545円、滞在費が1日915円です。

この金額で5日間利用すると、食費と滞在費だけで12,300円になります。所得が低い方は負担限度額認定を受けると、ショートステイの食費が1日300〜1,360円に下がるため、泊まる日数とあわせて確認しましょう。

訪問診療などの医療費

訪問診療や通院にかかる医療費は医療保険の対象で、原則1〜3割を自己負担します。医師や薬剤師による居宅療養管理指導は介護保険のサービスのため、同じ自宅での医療でも請求は保険ごとに分かれる仕組みです。

医療費の1か月の自己負担には、高額療養費制度による上限があります。2026年8月からの診療では、70歳以上で所得の区分が一般の方は、外来が個人で月22,000円、外来と入院をあわせた世帯で月61,500円が上限です。2027年8月からは、所得に応じて上限額がさらに見直される予定です。

医療費と介護費の両方がかさむ場合は、1年間の合計で払い戻しを受けられる制度もあります。医療費の領収書は介護サービスの領収書とあわせて保管しておくと、申請のときに慌てずにすむでしょう。

施設でかかる保険外の自己負担額

施設に入ると、介護サービス費の1〜3割とは別に、居住費と食費が毎月の負担に加わります。特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、居住費と食費が部屋の種類と所得に応じて決まる仕組みです。

ここでは、居住費と食費の決まり方から負担を軽くする認定、日常生活費やおむつ代の扱いまでを解説します。

部屋の種類で変わる居住費

施設の居住費は、部屋の種類ごとに国が標準の金額(基準費用額)を定めています。所得による軽減がない場合の目安は、次のとおりです。

部屋の種類 1日 30日
多床室(特養) 915円 27,450円
多床室(老健・介護医療院) 437円 13,110円
従来型個室(特養) 1,231円 36,930円
従来型個室(老健・介護医療院) 1,728円 51,840円
ユニット型個室 2,066円 61,980円

特養の場合、相部屋の多床室とユニット型個室では30日で34,530円の差があります。老健と介護医療院の多床室は、一部の施設で室料がかかり、その場合は1日697円です。

認定を受けない方の居住費は施設との契約で決まるため、基準費用額と異なる金額の施設もあります。施設を決める前に、料金表で1日あたりの居住費を比べておきましょう。

2026年8月に上がった食費

介護保険施設とショートステイの食費は、2026年8月1日から基準費用額が1日1,445円から1,545円に上がりました。30日では43,350円から46,350円になり、月3,000円の負担増となります。

所得に応じて食費を軽くする負担限度額も、第3段階の方は同時に上がりました。施設の食費(1日)は次のとおりです。

区分 2026年7月まで 2026年8月から
基準費用額 1,445円 1,545円
第3段階② 1,360円 1,420円
第3段階① 650円 680円
第2段階 390円 390円
第1段階 300円 300円

第3段階②の方は月1,800円、第3段階①の方は月900円の増額で、第1段階と第2段階の方は変わりません。認定を受けていない方の食費は施設との契約で決まるため、8月以降の請求額は施設の案内で確認しましょう。

居住費・食費を下げる負担限度額認定

負担限度額認定を受けると、施設の居住費と食費が所得に応じた上限まで下がります。対象は世帯全員が住民税非課税の方で、段階ごとの条件は次のとおりです。

段階 年金収入と所得の合計 預貯金(単身・夫婦)
第2段階 82.65万円以下 650万・1,650万円以下
第3段階① 82.65万円超120万円以下 550万・1,550万円以下
第3段階② 120万円超 500万・1,500万円以下

世帯を分けている配偶者も非課税であることが条件です。年金収入には遺族年金などの非課税の年金も含みます。生活保護を受けている方などは第1段階です。

特養の居住費は、多床室なら1日0〜530円、ユニット型個室なら880〜1,470円に下がります。特養の第3段階②の額は、2026年8月から1日100円上がっています。申請先は自治体の窓口です。

関連記事:介護保険負担限度額認定証とは?交付要件や申請方法についても解説

日常生活費やおむつ代

特養・老健・介護医療院とショートステイでは、おむつ代が介護保険の給付に含まれているため、施設は利用者からおむつ代を受け取れません。一方、介護付き有料老人ホームやグループホームはおむつ代を別に請求でき、住宅型有料老人ホームでは在宅と同じく全額が自己負担です。

施設では、おむつ代とは別に次のような日常生活費がかかります。

  • 理美容代
  • 身の回り品の費用
  • 教養娯楽の費用
  • 健康管理費
  • 私物の洗濯代

これらは全額が自己負担で、金額は施設ごとに異なります。特養では私物の洗濯も施設のサービスに含まれるため、洗濯代がかかるのは外部のクリーニングを頼んだ場合の実費だけです。見積もりに日常生活費が含まれているかを確かめて比べると、施設ごとの実際の月額がわかるでしょう。

関連記事:老人ホームのおむつ代は自己負担?施設別の費用相場と持ち込みや助成金の活用法

要介護5で施設に入った場合の自己負担額

施設の自己負担額は、介護サービス費の1〜3割に居住費と食費、日常生活費を足した金額です。介護サービス費は施設の種類と要介護度ごとに1日の単位が決まっており、同じ施設なら要介護5が最も高い単位になります。

ここでは、大阪市の1割負担・30日の条件で、施設の種類ごとに月額の目安を紹介します。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームの介護サービス費は、要介護5で1日871単位(ユニット型は955単位)です。大阪市・1割負担で軽減の認定がない場合、30日分の内訳は次のとおりです。

内訳 多床室 ユニット型個室
介護サービス費 約28,000円 約30,700円
居住費 27,450円 61,980円
食費 46,350円 46,350円
合計 約10万1,800円 約13万9,000円

この金額に、加算と日常生活費が加わります。第2段階の方が多床室に入所した場合は、介護サービス費が高額介護サービス費で実質15,000円までとなり、居住費12,900円と食費11,700円を足して月39,600円ほどです。

特養は原則として要介護3以上の方が入所する施設で、要介護5の方は申し込めます。入所の順番の決め方は、申し込み先の施設に尋ねておきましょう。

関連記事:特別養護老人ホームの費用はいくら?月額料金シミュレーション・軽減制度を解説

介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)は、在宅への復帰を目指す方がリハビリや医療、介護を受ける施設です。要介護5の介護サービス費は1日あたり、基本型の多床室で1,012単位、在宅強化型の多床室で1,125単位に設定されています。

特養と同じ条件で計算すると、基本型の多床室で30日過ごす場合の目安は次のとおりです。

  • 介護サービス費:約32,500円
  • 居住費:13,110円
  • 食費:46,350円

合計は約9万2,000円で、ここに加算と日常生活費が加わります。基本型の老健の多床室には室料がかからないため、居住費は特養の多床室より低い1日437円です。

老健は退所を前提とした施設のため、その後の暮らし方も入所の段階から考えておく必要があります。今後の見通しは、施設の相談員やケアマネジャーと早めに話し合いましょう。

関連記事:老健(介護老人保健施設)の費用はいくら?自己負担額や軽減制度を徹底解説

介護医療院

介護医療院は、長期にわたって療養が必要な方が、医療と介護を一体で受けながら暮らす施設です。要介護5の介護サービス費は特養や老健より高く、Ⅰ型(Ⅰ)の多床室で1日1,375単位です。

特養と同じ条件で計算すると、30日の介護サービス費は約44,200円になります。居住費13,110円と食費46,350円を足すと、合計は約10万3,700円です。

Ⅱ型の介護医療院の多床室では室料がかかる場合があり、居住費は1日697円になります。介護医療院に支払う介護サービス費の自己負担と居住費・食費は、全額が医療費控除の対象です(理美容代などの日常生活費は対象外)。医療的なケアが多い親御さんの場合は、費用の内訳と医療体制を見学のときにあわせて確認しておきましょう。

関連記事:介護医療院の費用相場を解説!自己負担額と月額費用の内訳、軽減制度まで

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受け、施設が食事や入浴などの支援を提供する有料老人ホームです。介護サービス費は要介護5で1日813単位の定額で、大阪市の1割負担なら30日で約26,100円になります。

介護サービス費は支給限度額の対象外で、介護の量が増えても定額のまま変わりません(外部の事業者が介護する「外部サービス利用型」を除く)。ただし、家賃・管理費・食費をあわせた月額費用は施設ごとに決まっており、介護保険の自己負担とは別にかかります。

2025年に公表された厚生労働省の資料によると、介護付きの月額費用は、介護などの自己負担を除いて30万円以上が最も多い価格帯でした。おむつ代も別に請求できるため、入居前に見積書で月額費用の内訳を確認しておくと安心です。

関連記事:介護付有料老人ホームの特徴・入居の条件と費用相場

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームです。介護が必要なら、訪問介護などの在宅サービスを外部の事業所と契約して使います。

そのため、介護保険の自己負担は在宅介護と同じく支給限度額の範囲で計算され、大阪市で限度額いっぱいに使えば1割負担で約3万9,000〜4万円です。限度額を超えて使った分とおむつ代は、全額が自己負担になります。

住宅型の月額費用は、介護の自己負担を除くと10万円未満が最も多い価格帯です。月額費用が低く見えても、要介護5では介護の自己負担が大きいため、両方の合計で比べましょう。なお、中重度の要介護者が入居する住宅型などで、ケアプラン作成に原則1割の利用者負担を求める改正法が2026年6月に成立しています(2027年4月以降に施行予定)。

関連記事:住宅型有料老人ホームの費用がまるわかり!入居金・月額費用の内訳と負担を軽減する方法

グループホーム

グループホームは、認知症の診断を受けた方が家庭的な環境で共同生活を送りながら、食事や入浴などの支援を受ける施設です。介護サービス費は1日単位の定額で支給限度額の対象外となり、要介護5なら1ユニットの施設で1日859単位、大阪市の1割負担なら30日で約27,600円です。

介護サービス費とは別に、次の費用は介護保険の対象外となります。

  • 家賃
  • 食材料費
  • 光熱水費
  • おむつ代
  • 理美容代

家賃や食材料費の金額は施設ごとに設定されており、同じ地域でも月額に差が出ます。要介護5の方の受け入れ実績や、医療的なケアが必要になったときの対応も、入居前に確認しておくと判断の材料になるでしょう。

関連記事:グループホームの費用は月額いくら?初期費用・内訳と安く抑える軽減制度

要介護5になると自己負担はいくら増える?

要介護4から要介護5に変わると、在宅で限度額まで使う場合は大阪市の1割負担で月5,700〜5,900円ほど、特養の場合は月2,200円ほど自己負担が増えます(加算を除いた基本の単位で比較)。居住費や食費は要介護度で変わらないため、増えるのは介護サービス費の部分だけです。

ここでは、要介護4との違いを状態と金額の両面から見ていきます。

要介護4との状態の違い

要介護度は、介護にかかる手間を分単位の時間で示した要介護認定等基準時間によって区分されます。要介護4は90分以上110分未満、要介護5は110分以上で、7段階の区分で最も介護の手間が大きい状態です。

この時間は実際に介護にかかる時間ではなく、介護の手間の大きさを比較するための目安です。厚生労働省の2025年国民生活基礎調査によると、在宅で暮らす要介護5の方が介護を必要とするようになった主な原因は、脳血管疾患(脳卒中)が27.6%、認知症が23.8%でした。

状態が重くなっても、自己負担が増えるのは主に要介護度で単位が決まるサービスと支給限度額の部分です。

関連記事:【要介護4とは】どんな状態?受けられるサービスや費用、要介護3・5との違いを解説

在宅介護の場合

在宅介護では、要介護5になると支給限度額が5,279単位増え、限度額まで使うと大阪市の1割負担で月5,700〜5,900円ほどの増額です。サービスの種類別に、単位数の違いを見ていきましょう。

項目 要介護4 要介護5
支給限度額(1か月) 30,938単位 36,217単位
デイサービス(1回) 1,023単位 1,148単位
ショートステイ(1日) 815単位 884単位

デイサービスは7時間以上8時間未満、ショートステイは併設型の多床室の単位です。訪問介護や訪問看護は時間で単位が決まるため、要介護度が変わっても1回の金額は同じになります。

在宅サービスの章のケアプラン例と同じ回数なら、増えるのはデイサービスとショートステイの分で、1割負担で月1,400円ほどです。サービスを増やすかどうかで、負担の増え方は大きく変わります。

特養に入所している場合

特養の介護サービス費は、要介護4が1日802単位、要介護5が871単位で、1日69単位の差があります。ユニット型も886単位から955単位へ、同じく69単位増えます。

30日では2,070単位の差になり、大阪市の1割負担なら月2,200円ほどの増額です。居住費と食費は要介護度で変わらないため、増えるのはこの差の分だけです。

ただし、高額介護サービス費の上限に届いている方は、要介護5になっても実際の負担が変わらない場合があります。上限が月15,000円の方の1割負担や、上限が月44,400円の世帯の2割負担は、要介護4の時点で上限を超えるため、支払う額は要介護5でも同じです。負担割合と上限額をあわせて確認しておくと、要介護度が上がったときの出費も見積もれるでしょう。

要介護5の自己負担額を軽くする制度

要介護5では介護サービスの利用が多くなり、医療費も重なる場合があるため、負担を軽くする制度を知っておくと家計の見通しを立てられます。制度の多くは申請が必要で、手続きをしなければ払い戻しや控除を受けられません。

ここでは、要介護5のご家庭で確認したい3つの制度を紹介します。

高額介護サービス費

高額介護サービス費は、1か月の介護サービスの自己負担が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。上限額は所得の区分によって次のように決まっています。

所得の区分 月の上限額
課税所得690万円以上 140,100円(世帯)
課税所得380万円以上690万円未満 93,000円(世帯)
住民税課税で課税所得380万円未満 44,400円(世帯)
世帯全員が住民税非課税 24,600円(世帯)
非課税で年金収入と所得の合計が82.65万円以下 24,600円(世帯)・15,000円(個人)
生活保護を受けている方など 15,000円(個人)

対象は介護サービス費の1〜3割の部分で、施設の居住費や食費、支給限度額を超えた分は含まれません。払い戻しを受けるには、お住まいの自治体への申請が必要です。

関連記事:【高額介護サービス費】介護費用の「払いすぎ」が戻ってくる?申請方法や上限額を解説

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度は、毎年8月から翌年7月までの1年間の医療保険と介護保険の自己負担を合算し、上限を超えた分が支給される制度です。医療費と介護費の両方がかかるご家庭では、月ごとの上限とは別に利用できる場合があります。

70歳以上の世帯の年間上限額は、所得の区分が一般なら56万円、住民税非課税なら31万円、非課税で所得が一定以下なら19万円です。現役並みの所得がある世帯は、67〜212万円の範囲で決まっています。

申請は、介護保険の窓口で自己負担額の証明書を受け取り、加入する医療保険に提出する流れです。大阪府の場合は、後期高齢者医療で対象になる方に毎年3月ごろ広域連合から申請の案内が届きます。途中で加入した方などには届かない場合もあり、介護保険の窓口で確かめておくと確実です。

関連記事:高額医療・高額介護合算療養費制度とは?わかりやすく計算方法や申請手続きを解説

確定申告で受けられる控除

確定申告では、介護にかかった費用の一部を医療費控除の対象にできます。介護保険のサービスでは、主に次の費用が対象です。

  • 訪問看護など医療系サービスの自己負担
  • 老健と介護医療院の利用料の全額
  • 特養の利用料の2分の1
  • 医師の証明などがあるおむつ代

利用料は介護サービス費の自己負担と居住費・食費を指し、理美容代などの日常生活費は対象外です。おむつ代は、おおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に対象となります。

さらに、65歳以上で要介護認定を受けた方は、自治体から障害者控除対象者の認定を受けると障害者控除の対象になる場合があります。特別障害者控除なら所得税の控除額は40万円で、特別障害者に当たる親御さんを扶養親族として同居している場合は75万円です。

関連記事:在宅介護の費用負担を軽減する4つの制度|医療費控除の計算方法や確定申告を解説

要介護5で在宅か施設かを選ぶには

要介護5の親御さんを在宅で介護し続けるか、施設への入所を考えるかは、費用だけでは決められません。介護する側の体力や時間、医療的なケアの必要性によっても、適した選択は変わります。

ここでは、在宅を続けられるケースと施設入所を考えたいケース、施設を探すときの相談先を紹介します。

在宅介護を続けられるケース

要介護5でも、在宅で介護を続けているご家庭は多くあります。民間のシンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、2023年の資料に在宅介護実態調査の全国集計(第8期)を参考として載せています。その集計では、在宅で暮らす要介護5の方の69.3%が施設への住み替えを検討していませんでした。

在宅介護を続けやすいのは、次の条件がそろっている場合です。

  • 介護を交代できるご家族がいる
  • 24時間対応の訪問サービスを使える
  • 訪問診療や訪問看護を受けられる
  • 夜間の排せつや認知症の症状に対応できる
  • 費用が限度額と保険外の範囲に収まる

24時間対応の訪問サービスには、定期巡回・随時対応型訪問介護看護があります。通い・泊まり・訪問看護を組み合わせる看護小規模多機能型居宅介護も、医療的なケアが必要な方の在宅を支えます。

施設入所を考えたいケース

介護する側の負担が大きいなら、入所を考えたい時期です。2025年の国民生活基礎調査によると、要介護5の方と同居する主な介護者の54.2%がほとんど終日介護しており、介護する側とされる側がともに65歳以上の割合も全体で61.9%でした。

次のサインがあれば、ケアマネジャーに相談しましょう。

  • 介護者がほぼ終日付き添っている
  • 認知症の症状への対応が難しい
  • 夜間の排せつの介助が続いている
  • たんの吸引など医療的なケアが増えた

費用の面では、負担限度額認定の第2段階にあたる方なら、特養の多床室は月4万円ほどです。在宅でも食費や住まいの費用はかかるため、総額で比べましょう。

入所の順番にも要介護度が関わり、たとえば大阪市の特養の選考では要介護5に最も高い点数が付きます。選考基準は地域で異なるため、申し込み先で確認しましょう。

関連記事:介護費用の平均はいくら?在宅介護と施設介護の相場や内訳を徹底比較

施設を探すときの相談先

施設を探し始めるときは、まず担当のケアマネジャーに相談しましょう。ケアマネジャーは施設の情報提供にも応じており、親御さんの状態やサービスの利用状況を踏まえて候補を一緒に考えられます。

担当のケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターが相談先です。地域包括支援センターは自治体が設置する高齢者の総合相談窓口で、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーが介護や福祉の相談に応じています。

有料老人ホームやグループホームまで含めて比べたいときは、老人ホーム紹介センターを利用する方法もあります。費用の上限や医療的なケアの必要性を伝えると、条件に合う施設を絞り込めるため、探す手間を減らせるでしょう。

要介護5の自己負担額でよくある質問

最後に、要介護5の自己負担額について、ご家族からよく寄せられる疑問をまとめます。払い続けられるか不安なときや入院で施設を離れるときの扱いなど、判断に迷う点を確認しておきましょう。

ここでは、特に質問の多い3つにお答えします。

親の年金だけで払えないときはどうする?

年金だけで払えない場合は、まず軽減制度を利用できるかを調べましょう。施設の居住費と食費は負担限度額認定、介護サービス費は高額介護サービス費で、所得に応じた上限まで負担を抑えられます。

社会福祉法人が運営する施設やサービスでは、利用者負担を軽くする制度を設けている場合もあります。大阪市の場合は、世帯全員が市民税非課税で年間収入や預貯金が基準以下などの要件をすべて満たし、区の窓口で確認を受けた方が対象です。実施する法人のサービスなら、利用者負担・食費・居住費の4分の1が軽くなります。

それでも払えず生活保護を受ける場合は、介護サービスの自己負担に加え、施設の居住費と食費も負担限度額分までを介護扶助で補えます。生活保護の利用を考えるときは、お住まいの地域の福祉事務所に早めに問い合わせましょう。

関連記事:介護費用を親の年金だけでまかなえない場合の対策ガイド|不足分は誰が負担するのか扶養義務や節約術を解説

世帯分離で自己負担額は下がる?

世帯分離をしても、配偶者がいると自己負担額が下がらない場合があります。施設の居住費と食費を軽くする負担限度額認定では、住民票の世帯を分けている配偶者の所得や預貯金も判定に含めるためです。

親御さんご本人か、その配偶者に住民税がかかっていれば、世帯を分けても認定の対象になりません。預貯金も夫婦の合計で判定し、第2段階なら1,650万円以下が条件です。

これに対して、高額介護サービス費は世帯の所得で上限が決まるため、世帯の分け方によって区分が変わる場合があります。影響の有無も含め、手続きする前にお住まいの自治体窓口で確かめましょう。

入院中も施設の費用はかかる?

入院中も、施設に部屋を確保している間は費用がかかる場合があります。特別養護老人ホームでは、入院した日数のうち1か月に6日までは介護サービス費に代えて1日246単位を算定し、大阪市の1割負担なら1日260円ほどです。

居住費は、部屋が確保されていれば施設との契約により入院中もかかる場合があります。負担限度額認定による居住費の軽減は6日間に限られるため、入院が長引くほど居住費の負担が重くなる点に注意が必要です。

ただし、おおむね3か月以内に退院できる見込みがあれば、特養には退院後に円滑に再入所できるよう配慮する決まりがあります。入院が決まったら、費用の扱いと再入所の条件を施設に確かめておくと安心でしょう。

まとめ

要介護5の自己負担額は、在宅なら大阪市で限度額まで使うと1割負担で月4万円ほどに、おむつ代や通いのサービスの食費などが加わります。特養は1割負担で負担軽減の認定がない場合、居住費と食費を含めて月10〜14万円ほど(加算や日常生活費は別)です。2026年8月からは、食費の基準費用額が1日1,545円に上がりました。

まずは介護保険負担割合証で負担割合を確かめ、ケアマネジャーとケアプランの金額を試算してみましょう。所得が低い場合は、負担限度額認定や高額介護サービス費の申請で負担を抑えられます。

在宅での介護が難しくなってきたら、施設への入所も早めに検討しましょう。費用に合う施設探しで迷ったときは『笑がおで介護紹介センター』へご相談ください。

参考サイト

このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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