特養の従来型とは?費用が安い理由から選び方まで徹底解説

ケアマネジャーから渡された特別養護老人ホーム(特養)の空き情報やパンフレットで「従来型」「ユニット型」の区分を見て、違いがわからず戸惑っていませんか?費用の安い従来型を選んでよいのか、相部屋で親御さんが嫌な思いをしないかと迷うご家族もいます。
特養の従来型とは、ユニット型ではない特養の区分で、居室は相部屋の多床室と一人部屋の従来型個室の2種類です。この記事では、ユニット型との違いや費用が安い理由、メリットとデメリット、見学で確かめたい選び方まで解説します。
この記事を読めば、家計と親御さんの暮らし方に合う居室タイプを選び、見学で確かめる点をそろえて施設探しを進められるでしょう。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。
特養の従来型とは
特養の従来型とは、ユニット型ではない特別養護老人ホームを指す呼び名です。おおむね10人以下のグループ(ユニット)ごとに暮らすユニット型と区別して、従来型と呼ばれています。従来型と聞くと相部屋を思い浮かべがちですが、実際には一人部屋の従来型個室も含む区分です。
ここでは、従来型にある2つの居室タイプを見ていきます。
多床室(相部屋)
多床室は、1つの居室を複数の入所者で使う相部屋です。特養はもともと4人部屋を中心に整備されてきた経緯があり、多床室も4人部屋が代表的です。
居室の中は、ベッドのまわりをカーテンや家具で仕切り、一人ずつの領域を分けて使います。床面積は、現在の国の基準では入所者1人あたり10.65平方メートル以上です。ただし、平成12年4月より前からある建物には、収納設備などを除いて4.95平方メートル以上とする経過措置があり、相部屋の広さは施設によって異なります。
居室の定員も、現在の基準では原則1人です。しかし、以前からある施設や自治体の条例で認められた施設には、相部屋が今も設けられています。居住費は特養の居室の中で最も安く、費用を抑えたいご家庭の有力な選択肢になります。
関連記事:老人ホームは個室が良い?多床室との違い・費用・メリット/注意点と選び方
従来型個室
従来型個室は、一人で使う個室でありながら、ユニットに属さない居室です。同じ個室でも、ユニット型個室は居室のそばにリビングにあたる共同生活室があるのに対し、従来型個室は個室だけで構成されています。
介護サービス費は、多床室と同じ従来型の区分で決まります。居住費の目安として国が定める額(基準費用額)は1日1,231円で、ユニット型個室より低く、多床室よりは高い中間の水準です。
パンフレットや空き情報に「従来型」とあっても、相部屋とは限りません。個室でもユニット型かどうかで居住費と介護サービス費が変わるため、区分の違いは月々の支払いに直結します。個室を希望する場合は、ユニット型個室か従来型個室かを施設に確かめておきましょう。
関連記事:特別養護老人ホーム(特養)とは?種類・費用・入居条件から選び方のポイント、他の介護施設との違いまで徹底解説
従来型はユニット型とどう違う?
従来型とユニット型は、どちらも常に介護が必要な方が暮らす特養ですが、居室と介護の仕組みが異なります。違いが表れるのは、居室の作り・介護の進め方・職員の配置・月々の費用の4点です。違いを知っておくと、パンフレットの区分を見たときに暮らしの様子を思い描けます。
ここでは、4つの違いを順番に解説します。
居室の作り
居室の作りで最も大きな違いは、ユニットと共同生活室があるかどうかです。特養の居室は、次の4つのタイプに分かれます。
| 居室タイプ | 区分 | 作り |
|---|---|---|
| 多床室 | 従来型 | 相部屋 |
| 従来型個室 | 従来型 | 個室のみ |
| ユニット型個室 | ユニット型 | 個室+共同生活室 |
| ユニット型個室的多床室 | ユニット型 | 壁で仕切った相部屋+共同生活室 |
ユニット型では、おおむね10人以下の入所者の居室が、共同生活室に隣り合うように設けられています。共同生活室は、ユニットの入所者がくつろいだり交流したりするリビングです。
従来型にはユニットがなく、食堂などを多くの入所者で共用します。なお、ユニット型個室的多床室は令和3年4月から新たな整備が認められておらず、今ある施設に限られます。
介護の進め方
ユニット型の介護は、ユニットごとに決まった職員が、少人数の入所者の暮らしを支えます。生活の単位と介護の単位をそろえ、入所前の暮らしとつながる毎日を送れるよう配慮します。
これに対して、従来型には職員をユニットごとに固定して配置する決まりがありません。とはいえ、従来型の施設でも、設備を工夫しながら入所者それぞれに合わせた介護に取り組む例が出てきています。
多床室を壁や建具で仕切って個室に近い作りにし、少人数のグループごとに職員を置くなどした施設には、準ユニットケア加算と呼ばれる介護報酬の上乗せもあります。家具やカーテンだけの仕切りは、この加算の対象外です。
介護の中身は施設ごとの取り組みで変わるため、区分だけで良し悪しを決めずに、見学で職員の関わり方に目を向けましょう。
関連記事:ユニット型特養とは?従来型との違いから費用、選び方まで徹底解説
職員の配置
介護職員と看護職員の数は、従来型もユニット型も同じ基準で、常勤の職員に換算して入所者3人に1人以上と決まっています。違いが出るのは、時間帯ごとの職員の置き方です。
ユニット型は、昼間はユニットごとに常に1人以上、夜間は2ユニットごとに1人以上の職員を置き、ユニットごとに常勤のリーダーも配置します。従来型の夜勤の人数は、次のとおりです。
| 入所者の数 | 夜勤の職員数 |
|---|---|
| 25人以下 | 1人以上 |
| 26〜60人 | 2人以上 |
| 61〜80人 | 3人以上 |
| 81〜100人 | 4人以上 |
| 101人以上 | 5人以上(以後25人ごとに1人追加) |
入所者の数には、併設のショートステイの利用者も含めます。見守り機器などを整えた施設は、26人以上の区分で職員数を0.8倍にできます。夜間が気になる場合は、見学で夜勤の人数や見守り機器の使い方を尋ねておくと安心です。
関連記事:老人ホームの人員配置基準とは?3対1と2対1の違いや計算方法・介護の質への影響
月々の費用
特養の月々の費用は、介護サービス費の自己負担に、居住費と食費、日常生活費を合わせた金額です。国が定める居住費と食費の基準費用額で計算すると、月額の目安は次のとおりです。
| 居室タイプ | 要介護3 | 要介護5 |
|---|---|---|
| 多床室 | 約9.6万円 | 約10.0万円 |
| 従来型個室 | 約10.5万円 | 約10.9万円 |
| ユニット型個室 | 約13.3万円 | 約13.7万円 |
表の金額は、自己負担1割で1か月を30日として計算しています。施設ごとの加算と地域による上乗せは含まず、日常生活費も別にかかります。
居室タイプによる差の多くは、居住費の違いです。住民税非課税の世帯で預貯金が一定額以下の方は、国の軽減制度(負担限度額認定)で居住費と食費が下がります。施設の見積もりで実際の支払額を確かめておくと、入所後の家計の見通しを立てられるでしょう。
関連記事:特別養護老人ホームの費用はいくら?月額料金シミュレーション・軽減制度を解説
従来型の費用が安い理由
従来型の月額がユニット型より安くなる理由は、居住費と介護サービス費の両方にあります。居住費は居室のタイプごとに、介護サービス費は従来型かユニット型かの区分ごとに、金額が異なる仕組みです。理由がわかれば、安さの中身に納得したうえで居室を選べます。
ここでは、従来型の費用が安くなる3つの理由を解説します。
相部屋の居住費がいちばん安いから
居住費は、部屋代にあたる室料と光熱費を合わせた費用です。国が居住費の目安として定める基準費用額は、居室のタイプごとに次のとおりです。
| 居室タイプ | 日額 | 月額(30日) |
|---|---|---|
| 多床室 | 915円 | 27,450円 |
| 従来型個室 | 1,231円 | 36,930円 |
| ユニット型個室的多床室 | 1,728円 | 51,840円 |
| ユニット型個室 | 2,066円 | 61,980円 |
多床室の居住費は4つのタイプの中で最も低く、ユニット型個室と比べると1日1,151円、30日で34,530円の差があります。基準費用額は、介護保険法に基づき、居住にかかる平均的な費用などを踏まえて国が定めています。ただし、実際の居住費は施設ごとに決まるため、申し込み前に料金表で金額を確認しておきましょう。
個室でもユニット型より居住費が安いから
同じ個室でも、居住費の基準費用額は従来型個室が1日1,231円、ユニット型個室が2,066円です。1日835円の差は、30日で25,050円、1年では約30万円になります。
居住費のうち室料は、施設の建設費用(公的な補助の有無を含む)や近隣の類似施設の家賃などを踏まえて決める仕組みです。特養の従来型個室と多床室の基準費用額は、国庫補助金などの相当額も勘案した額です。ユニット型個室は共同生活室とセットで整備されるため、建物の構造に加え、こうした補助の扱いも居住費の差に影響していると考えられます。
費用を抑えて個室で過ごしたい親御さんには、従来型個室が向いています。少人数の決まった顔ぶれで暮らしたいなら、ユニット型個室も候補に入れましょう。
介護サービス費が安く設定されているから
介護サービス費の自己負担も、従来型はユニット型より低く設定されています。1割負担の場合、1日あたりの金額は次のとおりです。
| 要介護度 | 従来型 | ユニット型 |
|---|---|---|
| 要介護1 | 589円 | 670円 |
| 要介護2 | 659円 | 740円 |
| 要介護3 | 732円 | 815円 |
| 要介護4 | 802円 | 886円 |
| 要介護5 | 871円 | 955円 |
要介護3で比べると1日83円、30日で2,490円の差です。2割や3割負担の方は、差もその分大きくなります。介護報酬は令和9年度の改定に向けて国の審議会で議論が進んでおり、表の金額が変わる場合もあります。
ユニット型にはユニットごとに職員を置く決まりがあり、区分ごとの費用の設定も異なります。
関連記事:特別養護老人ホームの特徴とは?メリット・デメリットと入居の流れ
従来型のメリット
従来型には、費用を抑えられるだけでなく、暮らし方や施設探しの面でもメリットがあります。費用を理由に従来型を選ぶのは、親御さんとご家族の生活を長く支えるための現実的な判断です。安さだけに目を向けず、親御さんの暮らしにとってのよさも確かめておきましょう。
ここでは、従来型の3つのメリットを紹介します。
毎月の支払いを抑えられる
従来型を選ぶと、ユニット型個室との毎月の差が、年単位では大きな金額になります。月の差は数万円でも、支払いは入所している間ずっと続きます。要介護3の目安で比べると、差額は次のとおりです。
| 居室タイプ | 月の差 | 1年の差 |
|---|---|---|
| 多床室 | 約3.7万円 | 約44万円 |
| 従来型個室 | 約2.8万円 | 約33万円 |
特養は看取りまで暮らす方もいる住まいで、入所期間が長いほど差は大きくなります。たとえば、3年間暮らすと、多床室とユニット型個室の差は約133万円です。
親御さんの年金や預貯金で支払いを続けられれば、ご家族が不足分を補う負担も軽くなります。抑えた分は、急な入院などの出費への備えや、面会の交通費に充てられます。
人の気配を感じながら暮らせる
多床室では、同室の入所者の話し声や生活音が身近にあり、一人きりになる時間が少なくなります。同室者と顔を合わせてあいさつを交わすなど、自然な会話が生まれる場面もあります。人の気配がある環境のほうが落ち着く方にとっては、安心につながる暮らし方です。
施設の現場からは、個室では一人で寂しいと感じて、多床室を望む入所者もいるとの声が聞かれます。ご本人が寂しそうだからと、ご家族が多床室を希望する例もあります。
ただし、同じ部屋にいても入所者同士の会話が多いとは限らず、にぎやかさが合うかどうかも人それぞれです。音や人の気配が気になる親御さんには負担になる場合もあるため、次の章のデメリットも踏まえて考えましょう。
入所先の候補を広げられる
居室タイプをユニット型に限らなければ、申し込める特養の数が増えます。厚生労働省の資料によると、定員30人以上の特養(地域密着型を除く)の介護報酬の算定件数(令和7年11月審査分)は、従来型が54.9%、ユニット型が43.6%でした。今も特養の利用の半分以上は従来型です。
同じ建物に従来型とユニット型の両方の居室をもつ特養もあるため、見学や問い合わせの際に空きのある居室タイプを確認しておくとよいでしょう。ご自宅の近くで入所先を見つけられれば、面会に通うご家族の負担も減らせます。
従来型のデメリット
従来型のデメリットは、主に多床室での暮らしに表れます。一人部屋の従来型個室なら、プライバシーの心配はそれほど大きくありません。デメリットを知ったうえで見学に臨めば、確かめる点を絞り込めます。
ここでは、多床室を選ぶ前に知っておきたい2つのデメリットを解説します。
プライバシーを保ちにくい
多床室の仕切りはカーテンが中心で、ほかの入所者の視線を完全にはさえぎれません。着替えや排せつの介助を受ける場面で、カーテン1枚の仕切りに不安を覚える方もいます。
多床室の改修に取り組んだ特養の報告では、薄いカーテンだけの仕切りは安心感を得にくく、介助の最中に開いたままになる場合もあると課題に挙げられていました。プライバシーの守られ方は、仕切りの素材だけでなく職員の気配りでも変わります。
面会で同室者がそばにいる場合も、ご家族だけの込み入った話はしづらい環境です。壁や家具で仕切りを改修した多床室や、面会用の場所を設けた施設もあるため、見学では居室の仕切り方と面会の場所を見ておきましょう。
同室者との相性に左右されやすい
多床室では、同室の入所者と一日の大半を同じ部屋で過ごすため、相性が暮らしの快適さを大きく左右します。同じ特養の報告は、話し声や独り言、いびきやテレビの音をめぐるトラブルも多床室の課題に挙げていました。職員の関わり方の差から、入所者同士の関係がこじれる場合もあるとしています。
この特養では、廊下の端にテーブルや椅子を置いたところ、入所者が好きな場所を選んで一人の時間をもてるようになったそうです。ただし、同室者を入所前に選べるとは限らず、退所や入所で顔ぶれも変わります。
合わない相手と同室になったときの対応を、入所前に施設へ聞いておくと安心でしょう。
従来型でも安心できる特養の選び方

従来型を選ぶときも、見学で確かめる点を押さえれば、親御さんが落ち着いて暮らせる施設を見つけられます。暮らしの質は居室の区分だけでは決まらず、居室の仕切り方や職員の関わり方など、施設ごとの取り組み次第です。
ここでは、従来型の特養を選ぶときに確かめたい4つのポイントを紹介します。
親御さんに合う居室タイプを考える
居室タイプは、費用と親御さんの暮らし方の両方から考えましょう。まずは親御さんの年金や預貯金で毎月払える金額を確かめ、その範囲で選べる居室タイプを絞ります。
そのうえで、親御さんの性格や普段の過ごし方に合う居室を選びます。目安は次のとおりです。
| 親御さんの様子 | 合う居室 |
|---|---|
| 人の気配があると落ち着く | 多床室 |
| 音に敏感で一人が落ち着く | 従来型個室 |
| 少人数でなじみの関係を望む | ユニット型個室 |
費用を理由に多床室を選ぶ場合も、親御さんの様子に合うかを確かめたうえで決めれば、後ろめたく思う必要はありません。ご本人が意思を伝えられるなら、その希望も尊重しましょう。
居室の仕切り方を見学で確かめる
多床室の仕切り方は施設によって違うため、見学で必ず確かめましょう。厚生労働省の補助事業による調査(令和2年度)では、多床室の個人の領域を主にカーテンで確保している施設が78.6%、家具の配置で確保している施設が6.8%でした。
4人部屋を壁と引き戸で仕切り、個室のように使えるよう改修した施設もあります。見学で注目したい点は、次のとおりです。
- 仕切りがカーテンか壁や家具か
- 介助中にカーテンが閉まっているか
- 窓側と廊下側の明るさの差
- 面会に使える場所の有無
仕切りがカーテンだけでも、介助のたびにきちんと閉めていれば不安はやわらぎます。料金表の準ユニットケア加算は壁や建具で仕切った多床室の目安になりますが、算定する特養は地域密着型を含めても全国で60か所(令和7年11月審査分)にとどまります。
関連記事:老人ホーム選びで失敗しない設備のチェックポイント|居室から共用部まで解説
同室者と合わないときの対応を聞く
同室者の組み合わせ方や、合わなかったときの対応は施設によって異なります。入所してから困らないよう、見学や面談のときに対応の仕方を聞いておきましょう。
聞いておきたい質問の例は、次のとおりです。
- 合わないときに部屋を替えられるか
- いびきや物音への対応
- 一人で過ごせる場所の有無
- 看取りの時期における居室の扱い
施設によっては、看取りの時期に同室者やご家族への配慮から、個室へ移る対応をとる例もあります。答えの内容に加えて、困りごとに向き合う様子が伝わるかどうかも、施設を比べる手がかりの一つです。
職員の声かけの様子を見る
介護の中身は、職員の声かけの様子によく表れます。見学では、職員が入所者の名前を呼んで話しかけているか、言葉づかいが丁寧かを見ておきましょう。
多床室では、カーテンの内側に入る前に声をかけているかも確かめたい点です。同じ部屋の入所者それぞれに目を配っているかどうかで、相部屋の居心地は大きく変わります。
食事介助の様子も参考になりますが、食事時は施設側も対応に追われるため、見学を受け付けていない場合があります。希望する場合は、事前に施設へ確認しましょう。
関連記事:老人ホーム見学のチェックポイントと当日の流れ・持ち物
特養の従来型でよくある質問
従来型の特養を検討するときは、費用の支払いや今後の見通し、入所の順番も気になるところです。いずれも公的な制度にかかわる内容のため、2026年9月時点の情報をもとにまとめました。
ここでは、よくある3つの質問にお答えします。
年金だけでも従来型に入所できる?
年金だけで入所できる場合もあります。世帯全員(別世帯の配偶者を含む)が住民税非課税で預貯金も基準以下なら、負担限度額認定で多床室の居住費と食費が下がります。
令和8年8月からの多床室の居住費と食費(30日分)は、次のとおりです。
| 区分 | 対象の目安 | 居住費と食費 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護の方など | 約0.9万円 |
| 第2段階 | 年82.65万円以下 | 約2.5万円 |
| 第3段階① | 年82.65万円超120万円以下 | 約3.3万円 |
| 第3段階② | 年120万円超 | 約5.9万円 |
| 第4段階 | 課税世帯の方 | 約7.4万円 |
対象の目安は年金収入と所得の年間合計で、非課税の遺族年金も含みます。第4段階は施設との契約額のため、表の額は国の基準費用額による目安です。預貯金にも第2〜3段階で単身500〜650万円以下の条件があるため、自治体の介護保険の窓口に問い合わせましょう。
関連記事:国民年金だけで老人ホームに入居できる?施設ごとに必要な費用を解説
従来型は今後なくなる?
従来型は減っていく方向にありますが、今も多くの特養で選べる区分です。国は、2030年度までに特養の定員に占めるユニット型の割合を70%以上にする目標を示し、都道府県に目標を定めるよう求めています。
令和3年4月から新たな整備が認められなくなったのはユニット型個室的多床室で、従来型の多床室とは別の区分です。居室の定員は自治体が条例で定めるため、たとえば大阪市はユニット型での整備を勧めながらも、プライバシーに配慮した多床室での整備も認めています。
大阪府の場合は、特養の新設や建て替えへの補助で、原則としてユニット化を条件にしています。地域によって方針が異なるため、お住まいの自治体の整備計画にも目を通しておくと安心です。
従来型のほうが早く入所できる?
従来型を選べば早く入所できるとは限りません。特養の入所の順番は申し込み順ではなく、要介護度や介護する方の状況などから、入所の必要性が高い方から決まります。
たとえば、大阪市では、施設の入所選考委員会が要介護度や世帯の状況などを評価し、入所の順位を決めます。厚生労働省の補助事業による調査(令和7年度)でも、すぐに案内できる空きベッドが定員に占める割合は従来型が2.5%、ユニット型が3.0%で、大きな差はありませんでした。
空きや待機の状況は施設ごとに異なるため、気になる施設には居室タイプごとの空きを直接問い合わせてみましょう。入所の決まり方も、お住まいの自治体や施設の窓口で確かめておけば、申し込み先を選ぶときの判断材料が増えるでしょう。
関連記事:特養の入居待ちは何年?待機期間や順番を早める方法、待てない場合の措置と有料老人ホームとの違い
まとめ
特養の従来型とは、ユニット型ではない特養の区分で、居室には多床室と従来型個室があります。居住費と介護サービス費が低く設定されているため、要介護3の目安では多床室がユニット型個室より月に約3.7万円安い計算です。
プライバシーや同室者との相性が気になる場合も、居室の仕切り方や職員の関わり方を見学で確かめれば、従来型でも親御さんに合う施設を選べます。まずは親御さんの年金や預貯金で払える金額を整理し、気になる施設の見学を申し込みましょう。
居室タイプ選びや費用の見通しで迷ったときは、ご家庭の状況に合う特養探しをお手伝いする『笑がおで介護紹介センター』へご相談ください。
参考サイト
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)|介護サービス情報公表システム(厚生労働省)
- 介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(第260回社会保障審議会介護給付費分科会資料1)|厚生労働省
- 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準|e-Gov法令検索
- 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について|厚生労働省
- 介護老人福祉施設(参考資料)(第143回社会保障審議会介護給付費分科会参考資料2)|厚生労働省
- 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準|厚生労働省
- どんなサービスがあるの?介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)|介護サービス情報公表システム(厚生労働省)
- 介護保険最新情報Vol.1481(居住費の負担限度額及び滞在費の負担限度額の一部を改正する件について)|厚生労働省
- 基準費用額(第249回社会保障審議会介護給付費分科会資料3)|厚生労働省
- 居住、滞在及び宿泊並びに食事の提供に係る利用料等に関する指針|厚生労働省
- 令和8年度介護報酬改定について|厚生労働省
- 介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針|厚生労働省
- 特別養護老人ホーム待機者解消の取組み|大阪市
- 大阪府高齢者計画2024|大阪府
- 大阪市指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等入所選考指針|大阪市

このコラムの監修者
花尾 奏一(はなお そういち)
保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
有料老人ホームにて介護主任を10年
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施
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