介護離職の5つのリスクと回避方法|仕事と介護を両立させる支援制度を解説

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介護離職の5つのリスクと回避方法|仕事と介護を両立させる支援制度を解説

「親の介護のために、仕事を辞めなければならないかもしれない…」そんな悩みを抱えていませんか。働きながら家族の介護を行うことは、今や誰にでも起こりうる身近な問題です。「介護離職」は、年間約10万人にものぼる人々が直面している深刻な社会問題であり、決して他人事ではありません。安易に離職を選択してしまうと、収入の減少や再就職の困難さなど、ご自身の生活に大きなリスクをもたらす可能性があります。しかし、介護離職は決して避けられない運命ではありません。仕事と介護を両立するためには、公的な介護保険サービスや職場の支援制度をうまく活用することが鍵となります。この記事では、介護離職がもたらす具体的なリスクと、それを回避するための具体的な方法、そして利用できる支援制度について詳しく解説します。

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介護離職とは?年間約10万人が直面する問題とその原因

介護離職の現状

介護離職とは、家族の介護を理由として、それまで続けてきた仕事を辞めることを指します。総務省の「就業構造基本調査」によると、家族の介護・看護を理由に離職した人は、年間10万人前後で推移しており、直近の令和4年調査では10.6万人にのぼります。

特に、企業の中核を担う40代から50代の働き盛りの世代が、親の介護という現実に直面し、離職を選択せざるを得ないケースが多い傾向にあります。では、なぜ多くの人が介護離職という道を選んでしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの複合的な原因があります。

介護離職が起こる主な原因

介護離職に至る原因は一つではありません。時間的、精神的、そして社会的な要因が複雑に絡み合っています。

仕事との両立が時間的・体力的に難しい

介護は、日中の見守りや食事の介助、通院の付き添い、夜間のトイレ介助など、24時間体制で予測がつきにくいものです。仕事の責任や役割が大きくなる年代に介護の負担が重なると、睡眠時間を削らざるを得ず、心身ともに疲弊してしまいます。時間的にも体力的にも限界を感じ、「仕事を辞めて介護に専念するしかない」と思い詰めてしまうのです。

精神的な負担やストレスの増大

介護の負担は、身体的なものに限りません。特に、認知症(にんちしょう)の介護では、意思疎通がうまくいかなかったり、症状によっては暴言や徘徊(はいかい)がみられたりすることもあり、精神的なストレスは計り知れません。「いつまでこの状況が続くのか」という、終わりの見えない不安も、介護者の心を追い詰める大きな要因となります。

相談できる相手がいないことによる孤立

職場で自身の家庭の介護問題についてオープンに話すことをためらう人は少なくありません。「迷惑をかけてしまう」「理解してもらえないのではないか」という思いから、一人で問題を抱え込んでしまいがちです。また、同世代に同じ境遇の友人がいない場合、悩みを共有できずに孤立感を深めてしまいます。誰にも頼れず精神的に追い詰められた結果、離職という選択肢しか見えなくなってしまうのです。

介護離職がもたらす5つの経済的・精神的リスク

「介護に専念すれば楽になるはず」と考えて離職を決断する方もいますが、その選択には大きなリスクが伴います。離職する前に、どのようなリスクがあるのかを冷静に把握しておくことが非常に重要です。

リスク①:収入の減少と経済的な困窮

最も直接的で深刻なリスクは、経済的な問題です。離職によって定期的な収入が途絶える一方、介護には費用がかかります。在宅介護であっても、介護用品代やおむつ代、医療費など、継続的な支出が必要です。親の年金だけで介護費用とご自身の生活費を賄うのは困難な場合が多く、貯蓄を取り崩す生活はやがて経済的な困窮に陥ります。自身の老後資金を準備することも難しくなり、将来にわたって大きな不安を抱えることになります。

リスク②:再就職の困難さとキャリアの中断

一度離職すると、介護が落ち着いた後に再び同程度の条件で仕事を見つけることは、年齢を重ねるほど難しくなります。数年間のブランクは、スキルの陳腐化や実務感覚の低下を招き、再就職の大きな障壁となります。特に、正社員としての復帰は厳しく、パートやアルバイトといった非正規雇用にしか就けないケースも少なくありません。これにより、生涯賃金が大幅に減少し、キャリア形成にも大きな影響を及ぼします。

リスク③:精神的・肉体的な負担の増大

離職して介護に専念すれば、時間に追われる生活から解放されると思われがちですが、実際には逆のケースが多く見られます。24時間365日、介護から離れられない状況は、想像以上に心身を消耗させます。仕事という役割や社会との接点が失われることで、かえって生活のメリハリがなくなり、精神的に追い詰められてしまうのです。結果として、介護者自身が心身のバランスを崩し、「共倒れ」に陥る危険性も高まります。

リスク④:社会からの孤立

仕事は、収入を得るためだけでなく、社会とのつながりを保つ重要な場でもあります。離職によって職場の人との交流がなくなると、社会からの孤立感や疎外感を強く感じるようになります。介護中心の生活になると、友人との予定も合わせにくくなり、徐々に交友関係も狭まっていきます。誰とも会話しない日が増え、孤独感が深まることは、精神的な健康に大きな悪影響を及ぼします。

リスク⑤:介護される側の罪悪感につながる可能性

介護離職は、介護する側だけでなく、介護される側にも心理的な負担を与えることがあります。「自分のせいで、子どもに仕事を辞めさせてしまった」「迷惑をかけている」といった罪悪感を、親に抱かせてしまう可能性があります。このような思いは、親自身の精神的な苦痛につながるだけでなく、親子関係に微妙な影を落とし、円滑なコミュニケーションを妨げる原因にもなり得ます。

介護離職を回避するために知っておきたい公的な支援制度

介護離職のリスクを避けるためには、一人で抱え込まず、利用できる制度を積極的に活用することが不可欠です。国や企業は、仕事と介護の両立を支援するための様々な制度を設けています。

国の制度:介護保険サービスの種類と内容

介護の負担を軽減するための最も基本的な仕組みが「介護保険サービス」です。市区町村の窓口で要介護認定の申請を行い、認定を受けることで、費用の一部(原則1割~3割)を負担するだけで様々なサービスを利用できます。

在宅で受けられる介護サービス

住み慣れた自宅で生活を続けながら利用できるサービスです。

訪問介護(ホームヘルプ)
ヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの身体介護や、掃除、洗濯、調理などの生活援助を行います。
通所介護(デイサービス)
日帰りで施設に通い、食事や入浴などの支援、レクリエーションや機能訓練などを受けられます。ご家族の休息(レスパイト)にも繋がります。
短期入所生活介護(ショートステイ)
短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けられます。冠婚葬祭や出張、介護者の休息などの際に利用されます。

施設に入居して受ける介護サービス

自宅での生活が困難になった場合に、施設に入居して24時間体制のケアを受けるサービスです。

特別養護老人ホーム(特養)
社会福祉法人などが運営する公的な施設で、常時介護が必要で自宅での生活が困難な高齢者が入居します。
介護老人保健施設(老健)
病院退院後、在宅復帰を目指すためのリハビリテーションを中心に行う施設です。
有料老人ホーム
民間企業などが運営する施設で、サービス内容や設備が多様です。介護付き、住宅型、健康型などの種類があります。

職場の制度:仕事と介護の両立を支える仕組み

「育児・介護休業法」に基づき、労働者が仕事と介護を両立できるよう、企業には様々な制度を設けることが義務付けられています。

介護休業・介護休暇の違いと使い方

混同されやすい「介護休業」と「介護休暇」ですが、目的や取得できる日数が異なります。

制度の名称 目的 取得可能日数 申請単位 給付金の有無
介護休業 家族を介護するための体制(ケアプランの検討、施設探しなど)を整えるためのまとまった休み 対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分割取得可) まとまった期間 あり(介護休業給付金)
介護休暇 通院の付き添いやケアマネジャーとの面談など、突発的・短期的な介護のための休み 対象家族1人につき年5日(対象家族が2人以上の場合は年10日) 1日または時間単位 なし(多くの企業は無給)

介護休業給付金の受給条件

介護休業を取得し、一定の条件を満たす場合、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。これは休業中の収入を支える重要な制度です。

支給額は原則として「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」です。受給には、雇用保険に一定期間以上加入していることなどの条件があります。詳しくは勤務先の人事部やハローワークにご確認ください。

短時間勤務などの柔軟な働き方

育児・介護休業法では、介護を行う労働者のために、以下のような柔軟な働き方を支援する制度(選択的措置義務)も定めています。

所定労働時間の短縮措置(時短勤務)
フレックスタイム制度
始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤)
介護費用の助成措置

これらの制度の導入状況は企業によって異なるため、ご自身の勤務先の就業規則を確認することが大切です。

介護離職を防ぐために今からできること

いざ介護が必要になった時に慌てないために、また、現在介護中で悩んでいる方が離職という選択をしないために、今からできることがあります。

一人で抱え込まず相談窓口を利用する

介護の悩みは、専門的な知識を持つ第三者に相談することで、解決の糸口が見えることが多くあります。

地域包括支援センターや自治体の窓口

「地域包括支援センター」は、高齢者のための総合相談窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が在籍しており、介護に関するあらゆる相談に無料で対応します。どこに相談して良いか分からない場合は、まずはお住まいの地域の地域包括支援センターに連絡してみましょう。

ケアマネジャーに相談する

要介護認定を受けると、ケアプランの作成を担当する「ケアマネジャー(介護支援専門員)」が決まります。ケアマネジャーは、介護サービスの専門家であると同時に、介護生活全般の相談に乗ってくれる最も身近で心強いパートナーです。仕事の状況なども含めて相談することで、両立しやすいサービスの組み合わせなどを一緒に考えてくれます。

職場の理解を得ておく

介護が始まる可能性がある、あるいは既に始まっている場合は、なるべく早い段階で上司や人事部に状況を伝えておくことが重要です。事前に相談しておくことで、いざという時に介護休暇や休業制度を利用しやすくなるだけでなく、業務の調整など周囲の理解や協力を得やすくなります。

家族や親族と介護の役割分担を話し合う

介護は、一人で背負うものではありません。兄弟姉妹や親族がいる場合は、必ず全員で集まり、誰が何を担うのかを具体的に話し合いましょう。「金銭的な支援」「週末の介護交代」「手続き関係の担当」など、それぞれの状況に応じて役割を分担することで、一人にかかる負担を分散させることができます。

介護サービスの利用を前提とした資金計画を立てる

「親のお金の話はしにくい」と感じるかもしれませんが、介護には費用がかかるという現実から目を背けることはできません。親の年金収入や預貯金はどのくらいあるのか、介護に使える資金はいくらかを親子で確認し、介護サービスを利用することを前提とした資金計画を立てておくことが、将来の安心に繋がります。

介護離職防止に向けた企業や国の取り組み

介護離職は、個人だけの問題ではなく、労働力人口の減少に繋がる社会的な損失でもあるため、企業や国も対策を進めています。

企業の取り組み事例

近年、従業員の介護離職を防ぐため、法律を上回る手厚い支援制度を導入する企業が増えています。

介護休業の日数を法定以上に設定
独自の介護休暇制度(有給)の導入
介護費用の一部補助や融資制度
社内相談窓口の設置や介護セミナーの開催
介護と両立しやすいテレワーク制度の拡充

国の「介護離職ゼロ」に向けた政策

国は「介護離職ゼロ」を目標に掲げ、様々な政策を推進しています。具体的には、特別養護老人ホームなどの介護施設の整備を進めて介護の受け皿を増やすとともに、介護職員の処遇改善などを通じて、介護を支える人材の確保・育成に取り組んでいます。

まとめ:介護離職という選択の前に「笑がおで介護紹介センター」へご相談を

介護離職は、その後の人生に経済的・精神的な大きなリスクをもたらします。仕事を辞めて介護に専念することが、必ずしも良い結果を生むとは限りません。介護保険サービスや職場の両立支援制度、そして様々な相談窓口など、あなたを支える社会資源はたくさんあります。

離職という最終決断を下す前に、まずはこれらの制度やサービスを最大限に活用し、「仕事と介護を両立する道」を模索することが何よりも大切です。

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私たちは、ご利用者の身体状況やご希望はもちろん、ご家族の仕事の状況や生活スタイルまで丁寧にお伺いした上で、最適な介護施設をご提案します。関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)の豊富な施設情報の中から、仕事と両立しやすい立地や面会時間、サポート体制の整った施設をご紹介することが可能です。一人で抱え込まず、まずは介護のプロである私たちにお気軽にご相談ください。

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このコラムの監修者

花尾 奏一(はなお そういち)

保有資格:介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

有料老人ホームにて介護主任を10年 
イキイキ介護スクールに異動し講師業を6年
介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の講師
社内介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成・試験官を実施

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